みかん色の風   作:OCEAN☆S

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お久しぶりです!だいぶ時間が空いてしまいました…


第42話「止まない雨」

エアコンも無事に直り、やっとリビングが自由に使えるようになった。窓から外を見ると、今日もやっぱり雨…梅雨だからやっぱり仕方ないのだろう…まぁ、最近暑すぎる日が続いてたからそれはそれでラッキーではあるが。

 

 

 

「ふわぁ~悠之くんおはよ~」

 

「おはよ、千歌…今日は1限からか?」

 

「うん…久しぶりの1限だから眠くて……ねぇ悠之くん。」

 

「うん?」

 

 

千歌が頬を突き出す…

 

 

 

 

「んっ……ふふっ言ってくれたらすぐにしてくれる悠之くんは可愛いね~♡」

 

「なんじゃそりゃ」

 

「えへへっ♪」

 

 

さっさと朝食を済ませて、学校へ向かう。

 

 

 

 

 

 

「最近雨止まないね。」

 

「そうだな…涼しいのはありがたいんだけど、洗濯物が外に干せないのが少しな…。」

 

「悠之くんは涼しいんだ…私はちょっと肌寒いかも。」

 

すると、千歌が俺の袖を掴む…。

 

 

「そっち…入ってもいい?」

 

「え…いいけど自分の傘持ってるじゃん。」

 

「別にいーの!」

 

 

ぎゅっと手を繋ぎながら歩く。…幸い俺の傘は大きめだったので、2人まとめて入るのは簡単だ。

 

 

もう大学では、俺達の関係はすぐに学園で噂になっているので、特に隠す必要もない。

 

 

「今日、悠之くんは何限で終わりなの?」

 

「俺は3限までやって帰りだよ。」

 

「そっかーじゃあ私の方が後だね。」

 

「じゃあ、先に家で待ってるから。」

 

「うん♪じゃあ私こっちだから。」

 

「あぁ、またな。」

 

 

千歌と別れ、それぞれの教室に向かう…。

 

 

 

大学の授業を終わり、ようやく帰れる…今頃悠之くんは何をしているのかな?

 

あさから降っていたのに全然止まない…これが本格的な梅雨なのかな…?

 

 

もうすぐ家に着く…ん?

 

 

家の前でお座りしている野良猫がいた

 

 

「ん~?どうしたのかな~?」

 

「ンにゃ~…」ゴロゴロ

 

「可愛いねぇ~♪君もおうちに入る?」

 

「にゃ~」

 

私はずぶ濡れになっているこの子がほっとけなくってお家に入れた…。

 

 

「悠之くん~ただいま~」

 

「おーおかえり…あれ?どうしたのその猫。」

 

「家の前で寒そうにしてたから連れてきたの♪」

 

「へぇ~こんなところにも野良猫っていたんだな…ちょっとまっててタオルとってくるから。」

 

 

タオルで全身を拭いてあげて、軽くドライヤーをしてあげる…。

 

 

「この子…すごく綺麗な目をしてるね。」

 

「あぁ、とても野良猫とは思えないよ。」

 

「にゃ~♪」スリスリ

 

「ふふっもうどうしたの~♪」

 

「でも、どうするんだ?思ったよりも綺麗な猫だし、どこかの家から逃げてきた猫かもしれないぞ?」

 

「んー…じゃあちょっと調べてみようよ。」

 

 

早速パソコンを開いて、この辺近辺の迷子猫の情報を調べてみたが、この子の情報は全くなかった…。

 

 

「う~ん…特に情報が無いってことはやっぱり野良猫なのかな…?どうする?」

 

「こんな雨の日に外に出すのも可愛そうだよ…。」

 

「そうだな…じゃあせめて雨が上がるまででも入れてってあげるか。」

 

「いいの悠之くん!?」

 

「じゃあ、今からこの子のご飯買いに行くから、夕食の準備とかお願いしてもいい?」

 

「は~い♪喜んで~!」

 

 

バタン…

 

 

「えへへっ悠之くんが優しくてよかったねぇ~」ナデナデ

 

 

ティッシュをくるくるっと丸めて投げてみる…すると、サッカーボールのようにコロコロと転がしながら遊んでくれた。

 

 

「ふふっ♪可愛いなぁ~♡」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

あれから数日が経過したが、やはり迷子猫の情報は何一つ来ない…やはり、ただの野良猫なのだろうか

 

あの日以来、あの猫がほぼ毎日家に来るようになった。千歌が動物が大好きだからついつい甘やかしてしまうのだろう。

 

 

「あれ?今日は来ないのかなぁ…?いつもならこの時間帯には来るのに…。」

 

「まぁ、一応野良猫だからな気まぐれってモンがあるんじゃないのか?」

 

 

 

その日…あの猫は1度も家には訪れなかった。

 

 

「なんかちょっと心配だな…」

 

 

私は不安を感じながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

………

……………

 

「ん…また雨…?」

 

最近少し晴れてた日が続いてたのにまた雨かぁ…。

 

 

傘をさして外にゴミ出しに行く…

 

 

(これで…よしっと。)

 

家に戻ろうとするとなんか生臭い臭いがする…ゴミ捨て場から家までは少し距離が離れているので、ゴミ捨て場からではないはず…。

 

(なんなんだろう…こ…れ…っ!?)

 

 

(猫…ちゃん?)

 

臭いのするところに向かってみると無残に食い荒らされた猫の死体…そばに黒い羽が落ちている…。

 

きっとカラスの仕業なんだろう…あんまり体が大きくない小さな猫を狙って…。

 

 

(やっと…お友達になれたと思ったのに……)

 

 

いつもの私ならここで大泣きしていたのだろう…だけど…あまりにも突然過ぎて涙どころか言葉ですら出てこない…。

 

 

……………

……………………

…………………………

 

 

「千歌…」

 

「悠之くんごめん私、1限は休む…先に行ってて。」

 

「あ、あぁ…」

 

 

ずっとこんな状態が続いている…千歌をこのままにしてしまうと何かが崩れてしまいそうで不安になる…。

 

 

 

何日経っても…

 

何日経っても…

 

いつもの千歌は帰ってこない…

 

 

 

~~♢♢~~

 

帰りにロールケーキでも買ってこようかな…。

 

お菓子屋によって、ミカンが入ったロールケーキを購入する…

 

千歌の機嫌が良くなったら一緒に食べよう。

 

 

「ただいま~」

 

「…おかえり。」

 

「千歌、今日は夕食はどうする?」

 

「…お腹がすいたら食べるよ。」

 

「あ、あのさ!!」

 

俺は思い切って声を上げてしまった。

 

 

「あの猫…あれはしょうがないことだと思うんだ…自然の猫なんだから…あんなことはいつ起こるか分からないんだから…。」

 

「……」

 

「急に気分を変えてなんて言わないけど…やっぱりあれは──」

 

「…そんなこと分かってるよ!!!」

 

「野良猫だからそんなこといつ起こるか分からない?

そんなことわかってる!!もうほっといてよ!!!」

 

 

やってしまった…俺は千歌の気持ちを考えもせずに…

 

 

「…外に行ってくる。」

 

 

バタン…

 

 

 

私は傘もささずに外へ飛び出した…。

 

 

もう何を考えたらいいのかわからなくなってしまった…あさから降り続ける雨は私の体を強く当たり続ける…。

 

なんだか空が私の代わりに泣いているみたい…

 

 

…冷たい。

 

服に染み込んだ雨水を手で触れる肌にくっついて余計に体温を奪っていく…。

 

あの猫ちゃんも…こんなに冷たい雨をずっと浴びてたのかな…?

 

いや、猫は賢いからきっと雨宿りできる場所を探しに……

 

 

 

~~~~~

 

「可愛いねぇ~♡君もおうちに入る?」

 

「にゃ~」

 

~~~~~

 

 

 

なんで…どうして…

 

あんなに可愛いお友達ができたと思ったのに…

 

早すぎるよ…別れが…。

 

 

今になってようやく涙が出てきた…あの猫ちゃんだけじゃない…普段から優しくしてくれる悠之くんに強く言ってしまった…。

 

最低だ…最低だよ…私…。

 

 

 

さっきまで降っていた雨が急に止まったようにやんだ…

 

上を見ると、傘をさしてくれている悠之くんの姿だった。

 

「ほら、風邪ひくよ?」

 

「どうして…」

 

「?」

 

「どうして優しくするの!!私があんなこと言ったのに!!

悠之くんは決して悪くないのに!!」

 

「……」

 

「どうして…私にこんなに優しくするの…?」

 

「……」スッ

 

悠之くんが私のことをいつもよりも強く抱き締める…。

 

「気にしないで…誰にだって辛いことがあったら人にぶつけてしまう事がある…そんなこと誰にだってある事なんだから。」

 

「でも私…悠之くんに酷いことを…」

 

「俺は気にしてない…そんな事よりも傘を持っていかないで出ていった千歌の事が不安だった。」

 

「悠之くん…ごめん…。」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

あの後、猫の死体は家の庭に埋めてお墓を作った。

 

「やっぱりあの猫……救ってあげたかった。」

 

「千歌…」

 

「?」

 

「俺達が将来、ちゃんと稼げるようになって、一緒に結婚したらちゃんとした猫を買いに行こう。」

 

「…うん。」

 

千歌が涙を拭く…。

 

 

空を見上げたら大きな虹がかかっていた。

 

それは今まで見た虹の中で最も大きく、とても綺麗な色をしていた。

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