家庭教師ヒットマンREBORN! XI 作:tunamikan
サブタイからわかるように20年後のアイツが帰ってきます!
「えー、ここの公式は来週のテストに出るから絶対、覚えておくんだぞ」
教師の声。
ああ、今は数学か...。
別に嫌いじゃない。
苦手でもない。
かといって好きってわけでもないけど...。
周りの煩い生徒たちの声が頭痛となり頭に響く。
本当なら授業なんて受けなくともこんな簡単な公式、すぐに解けるのに。なんでわざわざこんな馬鹿ばっかの教室で教師のつまらない世間話の混ざった授業を聞かなきゃならないんだ。
本当に憂鬱で仕方ない。
高校に入学してからの2年間、全く面白いことなんてなく、そろそろこの高校生活にも飽き飽きしていたころだった。
そりゃ、友達だっている方だ。
成績も悪くない。
運動だってそこそこできる。
だけど、なんというか刺激が足りなかった。
もっと楽しい生活を俺は望んでいた。
今に不満があるわけじゃないといえば嘘になるし、こんなつまらない現状に嫌気がさしているといえばそれも事実。
かといって、何かが大きく変わるほどの変化を求めてるわけでもない。
ただ、ほんの少しだけ何か自分の心を揺さぶる何かが俺はほしかったのだ。
「沢田ー、お前知ってるか?明日、新人のセンコー来るらしいぜ?なんでも、このクラスの副担だってよー」
隣の席の...なんだっけ。
隣の席の男子が口元に手を当て、わざとらしい内緒話をするかのように話しかけてきた。
「へー、そうなんだ。どんな奴なんだろうな」
「さあ?なんでも赤ん坊のころから流暢に喋ったり、片手で中学生を捻りつぶしたことがあるとか、変な噂もあるらしいぜ?」
「はぁ?まさか、冗談だろ」
このとき、冗談だと思っていたことが、軽々しく考えていたことが、後々俺を刺激的な日々へと分岐させることを俺はまだ知らなかった。
これからも、こんなつまらない日常を過ごすものだと思っていた俺を、あんな出来事が襲うなんて、誰も思いはしないだろう。
時間は流れ放課後。
「家宣ー!よっ!元気か?」
「...山本、声でけーよ」
学級委員長の
同じクラスでいつも一緒にいるせいか変な噂も立っている、俺からしたらはた迷惑な女子なのだが、幼馴染であり親同士のつながりもあるとか何とかで放っとけないやつではある。
「今日、剣道部はねーのか?」
「今日は休みだよ。この前の試合でへまこいてさ、部長からしばらく休めって」
「そうか。俺は帰るけど、お前はどうするんだ?」
「あー、んー、ちょっとゲーセン寄ってこうと思ったんだけど、帰るのかー」
「...んー、まあ、ちょっとだけな」
何処かの部活に入っているわけでもなく、家に帰れば家事を手伝ったり本読んだりするだけの俺に断る理由などなかった。
まあ、いつものことなので、といいわけでもしておく。
鞄を持ち、教室を後にした。
他の生徒たちは来週に迫ったテストに落ち込んだ様子で、俺らみたいに明るくしゃべりながら帰る連中も少ない。
並盛高校は別に名門校ってわけでもなく、偏差値は普通の学校と変わらないのだが、並盛の模範校と呼ばれているらしく、やたら規則や秩序、そして成績もうるさいのだ。
俺は、学年の中ではそこそこ、多分上位10位内には入るだろう。山本も、平均より成績は良い。
こんな余裕でテスト一週間前にゲーセンで遊んでられるのも普段から勉強しているから...、なんて言ってはいるが、俺は勉強などほとんどしていなかった。
あんなもの、教科書を一度読んでしまえばすぐに覚えてしまう。いちいち教師に教わることもなければ、復習する意味さえ分からなくなってしまう。
勉強だけじゃない。この17年間、やってきたことのほとんどは、何一つ努力しないでなし得たことばかりだ。
何でも簡単に熟し、予習も復習も全くやってこなかった。
その結果、この何もない日常に嫌気がさしている。
たまには、簡単に終わらない出来事でもやってくればいいものだ。
「なあ、家宣。お前は、将来の夢とかあるか?」
「はぁ?なんだよ急に。そんなもん、今はまだねーよ」
「だっよなー。ウチだってまだねーもん。でもさ、ウチらも、もう高校2年。そろそろ進路について考えないといけないでしょ?」
「ん、あぁ...、まあそうだな」
急になんなんだ...。全く変な奴。
学校の階段で、こんな風に並んで歩くもんだから、付き合ってるとか付き合ってないとかそういう変な噂が立つことすら迷惑だってのに、こいつの突然な話題の振りにはもっとついて行けない。
将来の夢なんて、そん時になって考えればいい、なんて甘いものかもしれないけど、今の俺には決められない。
「まあでも、山本はやっぱ剣道か?」
「さあ、どーだろうな。ウチ、すし屋だろ?母ちゃん一人で店担いで、ウチのこと育ててくれたのに、ウチだけ一人で好きなことやっていいのかなって...」
「ふーん。山本の家も、母さん一人だもんな...。仕方ねーよ」
山本の家も俺の家と同じで父親は居ない。
いや、いるにはいるが、2年前から俺の父親と山本の父親は仕事の最中行方をくらましたと、母さんは言っていた、どうも、二人は同じ仕事場で働いていたらしいが、何の仕事をしていたのか、正直今になってもわからなかった。
「家のことは置いといて、ゲーム楽しもうぜ!」
「いや、お前から吹っかけてきた話で、お前がそれ言うか?」
ポジティブなのかネガティブなのかよくわからん奴だ。
そのまま喋りながら校舎口まで進み、下駄箱近くで一人の少年と遭遇した。
一年生の
「お、お二人さん、これから下校ですか?相変わらず、熱々ですね~」
「...茨。お前はまた居残り補習か?」
「え、ええ...まあそんなとこです...」
一年生の間で落ちこぼれと噂されている茨。
普段は根暗で臆病でダメダメなのだが、接していると人懐っこく、話していて悪い気はしない。しかし、時々卑怯なこともするから俺はあまり信用できないタイプの人間だ。
山本は気にしていないらしいが、俺と山本が付き合っているんじゃないかという噂はこいつが発端で校内に広まったのである。
「ははっ、まーた補習かよ!まあ、頑張れよ~!」
「またな。後輩」
「はい...先輩方、さようなら~」
靴を履き替え、手を振る後輩に背を向けて歩く。
ここからゲーセン行って帰るのは7時ごろ。
まだ、夕飯は間に合いそうだな。
「それにしても、お前は全然気にならねーのか?俺らが云々ってやつ」
「んー、そうだなぁ...別に気にならないな。だって、家宣とウチは幼馴染だし、そんなの今更気にすることでもないでしょ?」
何をいまさら、なんて笑いながら応えるもんだ。
こっちとしてはあきれて何も言えないが、こういうのも悪くないとは思う。
結局俺らは昔から二人一緒だった。
いや、二人、じゃないか...。
「そういや、アイツはなにやってんだろうな...」
「んー?あぁ、うん、元気でやってるよ。アイツなら...」
そこから会話は途切れた。
アイツ、のことはまたそのうち、ちゃんと折り合いをつけて話さなきゃいけないだろう。
そして、黒曜中近くのゲーセンに到着した。
相変わらず黒曜の周辺は不良でいっぱいだ。
こんなとこに並高生がいれば即喧嘩が始まるのだが、俺らは例外だった。
「おー?沢田と山本じゃねーか!久しく見ねえと思ったら相変わらず仲いいな~」
「あぁ、ホント久しぶりだな。五木」
以前、こいつとこのゲーセンで格ゲー対決をした際に俺が勝ち、その時以来どうも俺を気に入ったらしく、たまたまその場にいた山本と共に気に入られた。
外見もそんなに派手ではなく話していると自然に周りを元気にする根は良い奴だ。
「五木先輩、最近ウチら忙しかったんすよ。2年生になったんで」
「おー、ちゃんと進級できたんだな。それはいいことだ。俺は相変わらず3年だがな!」
はっはっはと高笑いを浮かべながら山本の肩をバシバシと叩く五木は2年間連続3年生のままらしい。
そろそろ後がないと自覚を持ってほしいものだが...。
その後、俺は格ゲー、音ゲー、レースゲームで山本と五木に3連勝し、そのまま二人と別れ帰路についた。
「ただいまー...」
「おかえり!今日も彩花ちゃんとゲームセンター?」
「うお!び、びっくりさせんなよ...」
玄関のドアを開けると、そこには相変わらず能天気な母の顔があった。
キッチンから流れてくるカレーの匂い。
やっぱり家が一番落ち着く。
「まあ、そんなとこ。てか、今日もカレーかよ」
「もー、そんなこと言わないの!お母さん頑張って家宣のために一生懸命作ったのにー!」
眉をひそめ、プンプンなんて効果音が付きそうな怒り方。
ほんと、何歳だよアンタ...。
そんな母さんを放っておき、二階の自分の部屋へと向かう。
下から「あ、家宣!今日、家庭教師の人が...」と声が聞こえたが、家庭教師などに今更教えてもらうことなどない。
扉を開け、電気をつける。
そして、違和感というか気配に気づいた。
「.....ちゃおっす。お前が沢田家宣か」
「...っ!?だ、誰だよ!」
黒いスーツにオシャレなハット。
ダンディという言葉の意味がうろ覚えでなければそんな言葉が似合う男が窓際に立って、待っていたと言わんばかりな表情で俺を迎えていた。
「俺は...リボーン。明日からお前の家庭教師兼、お前のクラスの副担任をやることになった」
男はそこから動くこともせず、落ち着いた表情で俺を見据え自己紹介を済ませた。
リボーン。名前からして日本人じゃない。イタリア語...か。
家庭教師、というよりはよくドラマなどで見る「殺し屋」という感じだ。
こんな男に何を教わるんだ...?
「あ、あのさ...、ここ俺の部屋なんだわ。とりあえず出て行ってくれないか?」
「...ほう。これは、アイツの云っていた通り。違う意味での問題児だな」
「あ、アイツ?いったい何の話してんのか分かんねーけど、着替えたいし、話はあとで聞くから出て行ってく」
カチャッ
「は...?」
男は俺の言葉を遮るかのように、これまたドラマでしか見たことのないピストルを俺に向けてきたのだ。
それもすごい殺気だ。本当にこいつは一体、何者なんだ...?
「家庭教師様を待たせるなんて何様のつもりだ...?それとも、ここで一発死んどくか?」
この男は本気だ。本気で言っている。
向けられているピストルも、この男から溢れる殺気も、本物だ。
「まあ、いい。俺は下で京子とお茶を飲んでいる。着替えたらお前も下に来い」
突然笑い出した男、リボーンはピストルを懐へしまい、部屋を出て行った。
「はぁ...、なんなんだよアイツ...」
まだ体が震えている。
本当に死を間近で感じてるみたいだった。本当に殺されるのではないか、そう錯覚されるくらい、怖かった。
これは、待たせたら本当に殺されるんじゃないか...?
あほくさ...。
てか、母さんのことを呼び捨てにしてたし、もしかしてまた父さんの知り合いとかか?
とにかく、あんな男が家庭教師になったらいろいろヤバそうだ...。
これは何とか説得して出て行ってもらうしかないな。
着替えを済ませた俺は、急いで一階へ降り、リビングへと顔を出した。
どうでしたでしょうか!
記念すべき標的1は!
結構色々伏線を残せたつもりですが、いきなりあんなキャラやこんなキャラを登場させられて書いてる私も楽しくなってきましたw
これから長い話になると思います。
分量や更新頻度は気まぐれなのでバラバラですが、少しでもリボーンのファンが楽しんでくれれば私も満足です!
これから長い間、私の妄想小説をよろしくお願いします!