なので、キャラに関しては二次創作などの設定も使っているのでどこか可笑しい点は多々あるかと思われますが、それと同じくらいオリキャラもぶっ壊れてるのでお相子……にはならないか。
―――――うちの兄ちゃんはモテる。
や、これは別に僕がブラコンだから贔屓目で見てるとかそういうんじゃなく、れっきとした事実としてうちの兄ちゃんこと、上条当麻を異性にひじょーにモテる。
それは特別見目が良い訳でも、潤沢なお金があるからでも無い。
むしろお金で言えばレベル0の学生が受けられる支援金なんてレベル2の僕より少ないし、個人的には格好いいと思う顔立ちも世間一般で言えば標準よりやや上ぐらいらしいのだけど、それとは何ら関係無く兄ちゃんはモテる。
「(それを悪い事とは思わない。思わない、けど…)」
「ぎゃーす!? 何で御坂はいっつも上条さんを追い回すのでせうかやだー!」
「ちょっ、待ちなさいよこのー!」
「……今日もやってるなー、兄ちゃんは」
兄ちゃんがモテる一番の理由は、タイミングの良さだと僕は思う。
兄ちゃんの右手にはあらゆる幻想を壊す異能、『
一応それなりに制約もあったりするけど、アンチ能力としては最上級の能力を誇り兄ちゃんの意志に関係無く常時触れた異能を打ち消す力は、その多寡に関わらず作用する。
そしてそれは『幸せの赤い糸』や『神様の祝福』といったものまでも打ち消しているらしく、目録ちゃん曰くあの右手によって兄ちゃんは不幸体質になってしまっているのだとか。
事実、兄ちゃんは子供の頃にあまりの不幸さから『疫病神』と石を投げられるのが当たり前の日常を送り、挙句逆恨みにもならないような理由から殺されかけたことだってあった。
学園都市に来てからは不幸の避雷針として使われることはあっても、もうあの頃のような理不尽な目には遭ってないようで僕としてはホッとすることしきりである。
じゃあこの不幸体質が何でタイミングの話に繋がるのかというと、兄ちゃんの不幸体質は自分に降りかかるもの以外にも、誰かの不幸の場面に出くわすといった方面でも作用するからなのだ。
ここで考えても見て欲しい。
自分が不幸にいるその場面で颯爽と現れる人物を。
しかもその人物は自分が死ぬような危険な目に遭おうが『不幸だ…』の一言で片づけ、何のメリットが無いようにしか見えないのにどんな相手にも手を伸ばそうとするとびっきりのお人よしで。
その手はどんな相手にも差し向けられるし、それが敵だろうが救いたいと一度思えばその人は迷うことなく世界すら敵に回しても自分を助けてくれると断言するような人物を。
………うん、心が弱ってる時に出くわすものだから、なんだかヤクザな手法のように思えなくも無いんだけど、兄ちゃんはフラグを建てるタイミングを間違えた事無いからなぁ……。
しかも、本人は当然のようにそれに無自覚で、自分の行いが他人にどう思われているのかなんて知ったこっちゃないのだ。
ただどこまでも自分の感情の赴くままに誰かを助けるその姿は、きっとどこかの誰かが望んだヒーローのようで。
自前の不幸体質で様々な人物の不幸に出くわしては右手一本でその不幸に立ち向かい、結果的に救ってしまうのだから間違いなく助けられた人にとってはヒーローそのもので。
さらには、この救った大半の人間が世間一般における“美少女”とか“美女”とかに分類される異性なのだから、兄ちゃんはそろそろ不幸体質という看板を返上すべきだと思う。
数々の少女達を助け、その心をも救ってきた兄ちゃんが建てたフラグの数はざっと一万以上。
一万人以上の異性に好意を抱かれている時点でただ事ではないのだが、本人がそれに無自覚だからまぁ周囲はヤキモキする訳で。
「…そりゃ、追い回したくもなるのかなぁ? 兄ちゃんも罪作りな」
「全くですわ! お姉様もわたくしという者がいながらあんな類人猿などにうつつを抜かすだなんてぇぇ……!」
「…
「きぃぃぃぃぃいいい! 憎たらしい! 本来お姉様に追いかけられてキャッキャッウフフ、その後ベッドでゴールインするのはわたくしの筈ですのにぃぃいいいいいいいいいいい!!」
「うん、自重しようか。ナチュラルボーン犯罪者」
今日も今日とて、兄ちゃんにフラグを建てられ以降放置された挙句にツンデレを拗らせてしまった、学園都市でも七人しかいない
そして現在隣には、アブナイ思想をダダ洩れにしている性犯罪者予備軍のようにしか見えない少女と併走しつつ、二人の鬼ごっこを追跡中。
ちなみに兄ちゃんを追いかけている人は“御坂美琴”、またの名を
そして今まさに嫉妬で人間を辞めそうな隣の少女は“白井黒子”。学園都市の治安組織の一つである『
僕が兄ちゃんを心配しているのも、超電磁砲の存在以上に何をやらかすか分からないこっちの子の行動の方だったりするし。これだからヤンデレには気をつけろと……まぁ、この子に関しては御坂さんに丸投げしたくて堪らないんだけども。
「貴方も仮にも兄と呼び慕っているならあの類人猿を何とかなさい! お蔭で最近お姉様がわたくしを全然構ってくれなくて放置プレイ気味ですのよ!?」
「…それはそれで、白井さんは喜びそうな気がするんだけど」
「当然ですわっ! お姉様に関わる森羅万象、すべてわたくしにとってご褒美! 天から授かりし恵みにも等しいのですから!」
「なら別に今のまんまでもいいんじゃ……」
「それとこれとは話が別ですの! よりにもよってあんのにっくき類人猿に想いを寄せるなどと……この白井黒子、断じて許しておけませんわ!」
「……あのねぇ」
見ての通り、この人は超電磁砲こと御坂さんにガチの想いを寄せているどころか濁流で飲み込むレベルの好意を抱いている。
その方向性は僕より年下のものとは思えないほど濃すぎて咽る勢いなのだが、こうもさっきから類人猿類人猿って……僕だって不満が募るってものである。
「僕だって……僕だって、御坂さんに兄ちゃんが追い掛け回されるせいで最近一緒に遊んでもらえてないんだよ!? 今日だって本当は家に肉じゃが持ってって一緒に食べる予定だったのに! その後土御門さん達兄妹とゲームしようって思ってたのにっ!」
「肉じゃが持参って通い妻ですか貴方は!? 確かに見目は少女同然……」
「人のコンプレックスを穿つんじゃない! とにかくっ、御坂さんに困ってるのは君だけじゃないんだよ! それをさも兄ちゃんだけが悪いみたいに……! しかも類人猿って言い方はいくらなんでも酷いんじゃないの!?」
今だってこちとら風呂敷の中に鍋を抱えて全力疾走中なのだ。中身を零さないように重心に最大限気を配ってるせいで中々に疲れるったらありゃしない。
その憂さも少なからず手伝って、白井さんの言い分に噛みつく形で吠えてしまうが彼女も既にいっぱいいっぱい。
「――――類人猿は類人猿。わたくしからお姉様を引き離す、にっくき敵ですわっ!」
「だーかーらー、その類人猿って言い方止めてって言ってるだろ! それを言うなら問答無用で兄ちゃんを襲ってる御坂さんなんて通り魔より酷いじゃんか!」
「っ、やかましいですわよこの、似非少女顔!」
「言ったな!? 人のコンプレックスにストレートな罵倒したなこのタコヘッド! そして否定しないってことは強ち間違ってないって自分でも思ってるんだろっ!」
「わたくしのヘアースタイルはともかく、お姉様をディスるとかもう許せませんわ……! あの類人猿だってとっかえひっかえ無節操に女性を侍らせては間抜け面を晒している……むしろケダモノではありませんか!」
『『あ゛あ ぁ ン ッ !?』』
足を止め、互いに距離を置いて相対する。
そう、これは僕と白井さんの譲れない一線だ。
彼女が御坂さんを無条件で慕っているように、僕も兄ちゃんのために何かをしたいと思っている。彼女と同類にされるのは心の底から嫌だけど、ベクトルは違っても慕う相手を貶されて普通じゃいられないのは同じこと。
そして今、互いに引けないプライドを賭けて、彼女は棒状のダーツを、そして僕はソーイングセットからハサミを取り出して構える。
「……これは、もう決闘しかないね」
「愚問ですわね。わたくし達の意見が平行線である以上、どちらかの言い分を立たせるためにはどちらかを完膚なきまでに叩き伏せるしかありませんわ」
「何だか一気に物騒な単語が飛び出たような気がしなくもないけど、概ねその意見には同意するよ」
『『………すぅ』』
「――――わたくしのお姉様の方が素晴らしいに決まっていますわっ! 類人猿が足元にも及ばないほどにッ!」
「――――うちの兄ちゃんの方が断然良いに決まってるっ! 御坂さんなんて暴力的な人には見合わないほどにねッ!」
『『やんのかゴラァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』』
負けられない。そう、この戦いだけは負けられないッ!
「ぎゃー……って、なんだか後ろの方が騒がしいようなってあれぇ!? ちょっ、御坂タンマタンマ!」
「はぁ? いきなり何よ……?」
「良いから後ろ、後ろ!」
「後ろ……って、黒子!? アンタ街中で何本気モード……!?」
「それは御坂にも言えることだと思うけど、今はそれどころじゃねぇ! 遊鶴ー! お前何やってんだー!?」
「わたくしのお姉様への愛に不可能はありませんわっ! よってお姉様の方が断・然・上!」
「僕だって兄ちゃんの為なら天使だろうが悪魔だろうが何だってぶち殺せるし! つまり兄ちゃんの方が隔絶的に上! 異論は認めない!」
『『お前ら/あんらら何言い合ってんだー!?』』
――――結局、この日通算四十八回目の勝負は
「あのなぁ、どうしてお前らはそんなに仲が悪いんだよ……むしろ良いのか?」
『『こんな奴と一緒にされたく……何だってぇ!?』』
「あぁもううっさい! もう一発電撃喰らわせるわよ!」
「うっ」
「あぁん♪ お姉様の愛の鞭でしたらこの白井黒子、いつでも受け入れる用意は万端―――――ぶへっ!?」
「テレポートして真上取るなっていつも言ってんでしょうが、このバカ黒子!」
「ふんっ、ざまぁあだっ」
「お前も反省しなさい」
「うぅぅ……ごめんなさぁい……」
※キャラちょいコメ
上条さん
世間は上琴が主流らしい気がしなくもない今日この頃。そんな中でも私は断固姫条を推していきたい所存。でも今回出せなかったという……!
御坂美琴
レベル5の超電磁砲。安定のビリデレ。個人的にはもっと前面に出したかったのに何故か後述のキャラに全部持ってかれるという失態。なんてこったい。
白井黒子
声優含めてもう大好きで堪らないキャラの一人。某生徒会のキャラの影響でHENTAI具合に拍車が止まりませんが、アニメでの暴走具合には到底敵わないという。つか中学生であの露出満載の下着は……。御坂頑張れ超頑張れ。
湊谷遊鶴
白井とは犬猿の仲。年下ではあるが、上条さんが絡むとむきになって応戦しようとするため彼女のことをライバル認識している。安定の上条さん大好きっ子ではあるが、慕ってるだけなので変な意味合いは無いよ! 本当だよ! ただ知人全員の中で好感度は抜きん出てるだけだから!
白井さんはヒロインではありませんが、慕う相手にかける気持ちの大きさという点において二人は不倶戴天の敵。互いの意見が変わらない以上、下手しなくてもマジバトル確定の喧嘩が勃発するため大抵の場合は上条さんか御坂さんが止めます。どちらか片方が片方に対する特効薬なので、一人でもいれば喧嘩は余裕で止められます。言ってしまえば、飼い犬同士の喧嘩を宥める飼い主みたいな図ですね。白井さんが喜びそうな例えです。
基本一発ネタとか短編形式でしか書けないと思いますが、もし「このキャラで絡んで欲しい」的な意見があれば感想にでも書きこんでくれれば幸いです。ではでは。