ただし性格は若干変わっているので、原作イッセーのが良い! という方にはお勧めできません。
それでも構わないという方は、下の方へどぞー。
――――――俺、兵藤一誠は女の子が大好きである。
特に美女美少女は大の大大大好きであり、将来性の高い美幼女も当然のように大好きである。あっ、無論YesロリでもNoタッチだから、紳士だからそこら辺勘違いはしないでくれよ? ここ大事だから、テストに出るから。
もう綺麗な女性は生きているだけ、存在しているだけでも奇跡であり尊ばれるべき存在であると考えている俺であるが、偶に誤解を招く事がある。
それは級友である元浜松田のように下卑た思考のもと、俺が女の子が大好きだとのたまっているように見られる事があるのだがそれは違う。断固として違う。
何故なら奴らは女性を愚かにも胸という単一のファクターでしか見ようとはしておらず、クラスの子達が不快になっているとも気付かずに公衆の面前でおっぱいだの叫ぶのだ。なんてけしからん。
俺ならそんな真似はしない。何故なら、女の子大好きを公言する者として、女の子を不愉快にさせる言動及び行動を一度たりとも取っていないのだから。
女の子の笑顔は素晴らしい。
それが美女美少女美幼女ならなおさらであり、仮に世間一般から美の分類にカテゴリーされていない見る者の目が腐っていたせいで零れ落ちてしまった方達や、人間以外の存在であろうがその笑顔には宝石以上の価値があり、俺なんてそれを守るために内なる神器とやらを覚醒させたりしたほどだ。
こういうとちょっと自慢になるかもしれないが、俺はこと女の子が絡んだ事案に対して、自身のスペック以上の力を引き出せるらしい。
俺の中にあったとかいう神器、『
だが俺としてはそれは別に珍しい事でも何でも無くて、目の前の女の子が笑顔になれない事象にそもそも存在価値など無いし、この世の何より素晴らしい女の子の笑顔を曇らせる輩に生きてる価値なんぞ無い。
そんな阿呆をぶっ飛ばすためならいくらだって限界をぶち破るのが男だと思うし、女の子のためなら例え世界中を敵に回そうが笑って大魔王を演じてみせる。それが男ってものだろう。
故に、女の子至上主義を掲げそれを実行してきた俺にとって女の子を欲目でしか見ず、あまつさえ不快にさせるだけの愚か者と同類項で結ばれるなんて甚だ不本意極まりない。
確かに女の子と仲良くしたいとは常々思っているし、もしも万が一神聖なる女の子と接触してしまおうものならその部位に今後汚らわしい何かが付着しないよう、自らから切り離して永久保存して一族の家宝にしたいと思ってはいるけど、こんなもんは健全なる思春期男子なら極々一般的な感情である。
それが巨乳だの爆乳だの貧乳に価値は無いなどとは無知蒙昧も甚だしい。
女の子は女の子であるだけで素晴らしいのに、それを理解せずに一部でしか女の子を測れないとは……級友ながらその愚かさにはいっそ涙さえ浮かべてしまう程だ。
奴らが下らない妄想から解き放たれない限り、望むリア充ライフなどいくら転生を繰り返したって迎える事は無いだろう。三十路過ぎてもああだったら、知り合いの
………と、長ったらしく自分でも訳の分からない、というか誰に向けたのかも分からない話をしている俺ことイッセーさんなんだが、今現在ちょっぴりピンチだったりする。
『何がピンチなものか。相棒がその気になればあの程度、物の数では無いだろうに』
「おいおい、俺を見縊ってないかドライグ?」
『いや見縊ってはいないんだが……というか随分と余裕だなオイ。ピンチでは無かったのか?』
「十分ピンチだって。女の子に迫られると俺どうしたらいいかわかんねぇもん」
「クソッ、クソッ! 人間風情がちょこまかと……! いい加減死になさい!」
「どーどー。落ち着いて夕麻ちゃん、折角の美人がそんな荒っぽい言葉を使っちゃ……っても美人なのは変わらないからいいんだけどさ、とりあえずその、俺女の子にあんまり接近されるとうっかり幸せ昇天しちゃうからその物騒なの引っ込めてくれないかな?」
「だったら今すぐ死ねばいいでしょう! 何・でッ、人間風情が堕天使たる私の攻撃を避け続けられるのよ!? しかも神器も使わず!」
わたくし、兵藤一誠はつい先ほど、人生において初告白を受けた。
それも相手は黒髪ロング、スタイルまで兼ね備えた男の子なら誰しも一度は夢見るであろう大和撫子な美少女ときた。
俺は確かに女の子がこの世で一番大好きだと自負しているし、その気持ちにおいて誰にも負けるつもりは無い。が、かといって彼女が欲しいといった感情に関しては、実はそんなに興味無かったりする。
まぁ恋する女の子とかもう太陽なんか目じゃないぐら輝いていると思うし、そんな女の子の相談に乗る事に生き甲斐を感じて止まない俺だったりするけど、俺自身はそんな女の子と一緒に幸せになっていいような立場にいない。
至高の存在である女の子に、俺という存在はあまりに邪魔であり、決して彼女らの目に止まるような気をかけられるような存在では無いのだ。
故に自身の恋愛なんてとっくの昔に諦めていたし、俺なんぞが女の子を穢してしまうなんて事は死んでもしたくなかったので生涯童貞を貫く所存だったのだが、そんな中でのまさかの告白。
正直嬉しくないと言えば嘘になるが、相手が美少女であればあるほど、俺の中では彼女を受け入れてはならないと我が内なる紳士の天使と悪魔から声援を受け、細心の注意を払って彼女、天野夕麻ちゃんからの告白を蹴った。
これで相手を失恋させてしまった……それを自分がしでかした事実に軽く数万回ほど己を殺害するイメージを浮かべ、その結果中の人ならぬドライグから『何で俺にそのイメージが……あんぎゃー!?』と断末魔チックな悲鳴が聞こえたりしたが、お前も俺の一部だというなら甘んじて受け入れろ。目の前の女の子が受けた傷はそんなものよりずっと痛い筈なのだから。
ふっておいて俺が慰めるというのは変な話だが、俯き震える夕麻ちゃんに声をかけようとして、彼女は突如哄笑を浮かべながらその背から黒い翼を羽ばたかせた。
『よくも人間風情がぁぁ……! この私に恥をかかせてくれたわね! 少しでも夢を見せてあげようと思ったけど、お前にはそんな慈悲さえ与えないわ! 人間らしく無様に地を這って死になさいっっ!』
そういって夕麻ちゃんは光の槍を生み出し、それを手に吶喊したきて今に至る。
これまでの経験上、別に“堕天使”という存在には然程驚かないし、彼女自身の強さも俺が知っている連中と比較した場合取り立てて驚異にはならないから別段問題は無い。
だが、相手は先にも言ったように美少女だ。
まさかこの俺が美少女相手に手を挙げられる筈が無い上、俺みたいなもんが美少女に触れていい訳が無いのだから殺されてやるのも吝かでは無いものの、それで夕麻ちゃんの手を汚すような事はあってはならない。
このミッチーもサッチーもいかない……あれ、何か違う? まぁいい、兎も角今は何とか夕麻ちゃんを落ち着けさせないと……
「よっ」
横薙ぎに揮われる光槍を屈んでやり過ごし、
「ほっ」
続く高速の切り返しをスウェーの要領で躱しつつ、仰け反った反動のまま後方にバク転。
「よっこらっせっと」
「こ、のぉぉ……! 何なのよ、その身軽さは! あり得ないッ!」
業を煮やした夕麻ちゃんが一本だけでなく複数の槍を後方に展開させ、自身が揮う物と合わせて合計五本の光槍が襲い掛かる。
それを俺は、バク転を連続で行う事でやり過ごし着地と同時に目の前に迫った最後の一本を
『……相も変わらず、ふざけた運動能力だな。俺の出番が一切無い……』
「そう泣くなってドライグ。女の子相手に神器とか物騒だろ? 怪我させたらどうすんだよ」
『殺されかかっているという現実をしっかりと認識しているか相棒。お前は今、一応命を狙われているんだぞ?』
「女の子に迫られるとか身に余る幸福だよなぁ。俺、この幸せだけでむこう十年は笑顔でいられる自信があるぜ」
『………もうやだこの相棒』
何でドライグがそんな凹むのか分からないが、お前も俺の中にいるのなら俺の行動理念ぐらいいい加減理解しているものだろうに。いやなら出て行け、俺は女の子は尊重するが野郎は別にどーでもいいので『しどいっ!?』知らん。
「ッ!? ば、馬鹿な……! 人間如きが、光の力を素手で弾くなんてあり得ないわ!」
「ん? あぁ、
「『嘘だッ!?』」
おいこらドライグ、何でテメェにまでそんなまるで信じられない嘘を吐いたような奴を見る目で見られにゃならんのだ。野郎に見られたところで嬉しくもなんともねぇ。
……かといって夕麻ちゃんに見つめられ続けるのも幸せ過ぎてこんな幸運で良いのか俺と今が現実なのか激しく疑問だったりするが、それは言わなくてもいいだろう。俺自身口に出して正気でいられる自信ないし。
「神器の能力でも無い、ただの人間が私の攻撃を防ぐなんてあり得ない! 貴様一体何をした!?」
「何、って。それはこう……」
やたら警戒レベルが上がっているけど、夕麻ちゃんの睨み顔はまたそれはそれで迫力があっても美人度が損なわれていない。やだ惚れちゃう。そーじゃなくて。
さっき光槍を弾いた手品は別に大したものでも何でも無いのだが、彼女的にはひどく気に障るようだったので素直に種明かしをする。女の子に隠すような大した秘密なんて無いしねー。
さっきは一瞬だけ顕現させた力を、今度はしっかり、誰でも認識できる“濃度”と“密度”を高めた上で俺はそれを引き出す。
「なぁ……!? え、エーテルの具現化!? 馬鹿なっ、たかが人間に出来るような芸当じゃ……!」
夕麻ちゃんが何やら言っているけど、確かにこれ、手品というには少々胡散臭いというかオカルトチックだからな。
元ネタを明かせば、元々ドライグというか神器が目覚める切欠になった、俺がとある人外の女の子の危機の際に死にかけて目覚めた力。
人ならば誰もが持っている第六感。霊的感覚が死の間際になって覚醒した事により目覚めた霊能力が、“コレ”の正体。
俺の魂から溢れ出る霊力を可視化できる次元まで収束させ、右手に纏う形で具現化させる。
イメージは俺の左手に現れる神器『赤龍帝の籠手』が元なのか、それは赤く輝く光の籠手として確かな実感を伴い、その姿を現した。
俺が目覚めた唯一の霊能力。その名も………
「名付けて『
そして、俺はこの力と神器の力で中学時代という暗黒時代を乗り越え、そこで人外少女達との出会いがあって、女の子は種族に関係なく素晴らしいという事実を改めて確認する事が出来たのだ。
だから俺にとって夕麻ちゃんが堕天使である事は何ら気に掛けるような事じゃないし、むしろ黒い翼と黒い髪は凄く彼女に映えていて綺麗だし、気の強そうな眼差しも素敵だ夕麻ちゃんマジ堕天使」
「……!? き、貴様そうやって私を油断させる気!?」
「はえ? え、いや油断とかそういうのは狙っていないけど。まぁ俺を殺すなんて馬鹿な事は止めて欲しいなーとはさっきからすんげく思ってるけども」
『相棒、相棒。さっきの思考が口から洩れてたぞ。それで相手が動揺しているんだ』
「あらマジで? ………まぁ本心だから別に良いんだが」
『相棒ぇ……』
何でそこで心底残念みたいな雰囲気を出すのか、この内なる中の人ならぬ赤蜥蜴は宿主である俺に対して我儘だと思う。相棒相棒言うクセに俺への理解が足りてないし、何か言うとすぐ凹むし。何が赤龍帝なんだか偉そうな名前の割にメンタルぐっずぐずのクセに。
「~~~ッ! もういいっ! お前と関わっていたらこっちの調子が狂う!」
「そりゃこっちの台詞だよ夕麻ちゃん。さっきから言ってるけど、俺夕麻ちゃんに近づかれる度にすげぇドキドキしたもん。平常心なんてとてもとても、美少女に近寄られて平然としてるとか俺には無理だしな」
「だ~か~ら~! あぁもう! うっさいお前なんて死んじゃえバーカ!」
中の蜥蜴に気を取られていると夕麻ちゃんは光槍を消していて、目には涙さえ浮かべながら翼を広げて何処かへと飛び去ってしまった。女の子は涙目も可愛いけど、ちょっとどころじゃない罪悪感に胸を抉られる。しかし……
「やだ捨て台詞ギャップ萌えとか夕麻ちゃんハイセンス……! って、飛んでちゃったな。やっと飽きてくれたんかね?」
『もう相棒がそう思うんならそれでいいんじゃないか』
「投げやりだなードライグ。ちょっと出番無かったぐらいで拗ねんなよ、ドラゴンのクセにちっちぇなぁ。それに、お前使うよりも
『……もう知らん。どうせ俺の力なんて、相棒には必要とされていないんだ………ぐずっ』
「泣くなよ面倒くせぇ……あぁもう分かった、今度天狗の山にお呼ばれした時はお前しか使わねぇからもう機嫌治せ! 俺の中でめそめそ泣くな心底ウゼェ!!」
まぁでも、これで夕麻ちゃんに怪我をさせることも手を汚させる事も無くなったと思えばいい終わりと言えるだろう。
さっきの告白もどうやら何かのブラフだったみたいだし、嘘告白であった事よりも彼女が失恋の痛みを抱えないで済んだ事の方が重要だ。あれが嘘なら夕麻ちゃんは何の痛痒も抱えていないという事だし、それなら万事俺の方に問題など無い。
全世界津々浦々、人間であろうがそうじゃなかろうが女の子の味方を自負する俺としては、この結末はかなり喜ばしいものだ。もう夕麻ちゃんと会えないと思うと寂しいが、俺と関わるよりも彼女には別の幸せがある筈だ。
彼女がそれを見つけてくれさえすれば、俺もそれで満足だ。だから、今日の事はこれで良い。ちょっと女の子に追いかけられるという夢のシチュを体験出来ただけでも上等過ぎるぐらいなのだから。
「……さて、帰るかね」
『応! それでさっきの言葉は本当だな? 今度はちゃんと俺だけを使うのだな? な?』
「嘘じゃねーよしつけーなお前も。あとテンション上がり過ぎてキャラブレてんぞ」
今日はむしろ楽しかった。これぐらいなら毎日でも………いや、やっぱ毎日殺されかけるのは嫌だな、流石に。
内側で喧しいドライグを宥めながら帰る俺は、しかしこの時一連の出来事を何者かにずっと見られていた事に気付く事が出来なかった。
――――そしてそれが、俺の人生を大きく狂わせる出会いを招く事を、この時はまだ知る由も無かったのだ。
改変設定
兵藤一誠
原作ハイスクールD×Dの主人公にて、彼のアイデンティティであるリビドーまっしぐらな性格をやや?改変。
基本的に女の子大好きなのは変わりありませんが、ハーレムとか恋愛感情以前に女の子という存在全般に対して崇拝にも似た好意を抱いている。『女の子の笑顔は無敵』というのが彼が掲げる金看板にして、それを守るためであれば神器による強化以上に限界を超える人外。
またこのイッセーは瀕死の経験から霊能力に開花しており、『赤龍帝の腕』(ハンズ・オブ・レッドドラゴン)は某GS少年の『栄光の手』が元ネタ。形状は神器に酷似しており、彼の霊力と神器のドライグによる龍気とが合わさっているため武器としての破壊力は強化無の『赤龍帝の籠手』よりも高く、またイメージ次第で変形可能なため使い勝手が良いと愛用されている能力でもある。ドライグさん涙目の原因。
GS美神の二次で見られるいわゆる『YOKOSHIMA物』である煩悩による暴走が見られない、けれど基本方針の変わらないイッセーを目指したらこんな風になりました。このイッセーなら多分レイナーレも救っちゃうんじゃないかなー。