問題児たちと不死身の少年が異世界から来るそうですよ?   作:桐原聖

3 / 12
続けざまに次話投稿です!


血気盛んな問題児達が神格保持者を倒すようですよ?

「ジン坊ちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」

 

 その言葉に、階段に座っていた少年が顔を上げた。

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性二人が?」

 

「はいな、こちらの四人が――」

 

 言いながら黒ウサギはクルリと振り返った。その顔が固まった。

 

「・・・え、あれ?もう二人いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から″俺問題児!″ってオーラを放っている殿方と、白い髪の、全身から″死にたい″ってオーラを放っている殿方が」

 

「ああ、十六夜君と小林君の事?十六夜君なら、″ちょっと世界の果てを見てくるぜ!″と言って駆け出して行ったわ。小林君はそれについて行ったわ」

 

「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

 

「″止めてくれるなよ″と言われたもの」

 

「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「″黒ウサギには言うなよ″と言われたから」

 

「嘘です、絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」

 

「「うん」」

 

 黒ウサギの身体がガクリ、と前のめりに倒れる。新たな人材に胸を躍らせていた自分が妬ましい。

 

「く、黒ウサギ、″世界の果て″には」

 

「あら。″世界の果てに何か居るの?」

 

「YES。″世界の果て″付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ち出来ません!」

 

「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバー?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー?・・・・斬新?」

 

「冗談を言っている場合じゃありません!」

 

「黒ウサギ・・・」

 

「ええ、分かっています。問題児様方を捕まえに参ります。事のついでに―――″箱庭の貴族″と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」

 

 黒ウサギの髪が淡い緋色に染まった。そして弾丸のように跳んで行った。

 

 一方その頃――

 

小林は、蛇神に話しかけた。

 

「おい、お前」

 

『ぬ?』

 

「お前、強いのか?」

 

『ほう?この神格保持者である我に向かって『強いのか?』とは、面白い言葉だな』

 

「いいから答えろ。お前は強いのか?」

 

『ほう。ならば我に″ギフトゲーム″を挑むか?』

 

「強ければな」

 

『よかろう。ならば我と力の勝負だ!』

 

 瞬間、水柱が三本巻きあがった。水柱が三本同時に小林を襲う。

 

「何だ、これ」

 

 だが水柱が小林に当たる瞬間、″謎の靄″が小林を守るように展開し、水柱が霧散する。

 

『何だと!?』

 

「何だ、この程度か」

 

 小林の身体から″謎の靄″が展開し、蛇神を襲う。

 

『ガハアッ!』

 

 水神の腹に″謎の靄″が炸裂する。虚を突かれた蛇神はそのまま真後ろに倒れ、大きな沈柱が巻き上がった。

 

「おう、こりゃ凄えな」

 

 小林が振り返ると、後ろに十六夜が立っていた。

 

「十六夜か。何の用だ」

 

「世界の果てを見に来たんだよ。そうしたら誰かが蛇と戦ってたから、どんな奴か手合わせ願おうと思ったら小林じゃねえか。お前、こいつをどうやって倒したんだ?」

 

「別に僕は何もしていない。ただ勝手にコイツがやられただけだ」

 

「へえ、そうかよ」

 

 十六夜が不敵に笑った時、目の前に黒ウサギが現れた。

 

「あれ、お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」

 

 その一言で、黒ウサギの怒りが爆発した。

 

「もう、一体何処まで来ているんですか!?」

 

「″世界の果て″まで来ているんですよ、っと。まあそんなに怒るなよ」

 

「おい、そろそろアイツが起きるぞ」

 

 小林の言葉に、黒ウサギが首を傾げた。

 

「アイツ、とは?」

 

 その瞬間、蛇神が起き上がった。

 

『まだ・・・まだ試練は終わっていないぞ、小僧ォ‼』

 

 黒ウサギが驚きの声を上げた。

 

「蛇神・・・・・!って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!?」

 

「俺じゃねえよ。小林だ」

 

「向こうが勝手に『勝負だ』とか言って攻撃してきただけだ。僕は悪くない」

 

『付け上がるな人間!我がこの程度の事で倒れるか‼』

 

 蛇神の牙と瞳が光る。巻き上がる嵐が水柱を上げて立ち昇る。

 

「小林さん、十六夜さん、下がって!」

 

 黒ウサギは二人を庇おうとするも、二人はそれを拒んだ。

 

「嫌だ。お前が下がれ」

 

「小林の言う通りだ。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺らが売って、奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

「お前じゃ弱すぎて僕は死ねない。十六夜、お前に任せた」

 

「了解。おい蛇、寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」

 

 その挑発的な台詞に、蛇神がブチ切れた。

 

『フン――その戯言が貴様らの最後だ!』

 

 水柱が巻き起こり、十六夜と小林を襲う。

 だが――

 

「その一撃で死ねたらいいんだけどな」

 

「――ハッ――しゃらくせえ‼」

 

 十六夜は腕の一振りで、小林に至っては何もせずに、嵐を薙ぎ払った。

 

「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

 驚いた蛇神の胸元に、十六夜が飛び込んだ。

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

十六夜の蹴りは蛇神の胴体を打ち、蛇神の巨躯は空中高く打ち上げられて川に落下した。その衝撃で川が氾濫し、小林以外の全員に水が降りかかる。

 

「くそ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらいは出るんだよな黒ウサギ」

 

「おい、何か食う物無いか?腹減った」

 

 黒ウサギは、平然と話す二人を見て唖然としていた。

 

(人間が・・・神格を倒した!?)

 




次はコミュニティの現状報告です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。