The Fantasic Story 〜其は不屈の夢物語〜 作:なっぺ
それからのこと。
ボロボロになるまで戦って、どちらかというと精神的に疲れてしまった私たちは、しばらくその場で倒れて動けなくなってしまった。
コータもリームちゃんも、センちゃんやミナちゃん、ナツハちゃん、カンナちゃん、キサラちゃん……はいつも通りだけど。そしてあのトゥードさんでさえもだ。
何でも、最後の戦いでコータが発現させたクロスオーバーフォームで、かなりのエネルギーを消耗しちゃったらしい。トゥードさんによると、「クライマックスチャージの影響もあるが、やはり体力消耗の1番の理由は、クロスオーバーフォームにある」んだって。
ブレラさんとホルクスさんは自首した。少女殺害の首謀者と実行犯として……だったかな。つまりは私を殺した罪、みたい。何だか不思議な気分ではあるけど。
最初、警察は取り合ってくれなかったみたいだけど、ホルクスさんの剣から私の血の反応が出たことで、真面目に取り合ってくれるようになったみたい。でも、トゥードさんが言うには、魔法世界の住人で戸籍も何もないから、きちんとした形で裁かれるかは分からないんだって。
ザンクさんは旅に出た。最初はザンクさんも、ブレラさんたちと一緒に自首するつもりだったみたいなんだけど、ブレラさんもホルクスさんも、共犯であることを否定したんだって。ブレラさん達の経緯が経緯だけに、警察も困っていたみたいだけど、結局関わっていた証拠が見つからないから、無罪放免という扱いになったみたい。あ、刀については厳重注意されてたけど。
ちなみに旅に出た理由は、ブレラさんが戻ってくるまでに、より強い男になるためなんだって。コータが去り際のザンクさんに、「またケンカしような!」って言っていたのが印象的だったなぁ。
そうそう、そのコータ達は見た目ボロボロで帰ってきたせいで、燈さんにこっぴどく怒られていた。まぁ、仕方ないよね。でも、コータは叱られているのもどこか嬉しがってたみたい。きっと、日常に戻れたーって実感してたんだと思う。
そして、私は…………。
「えと、ただいま…………」
泣きながら、笑顔で迎えてくれたお母さんとお父さんの顔と温かさは、きっと忘れられないと思う。
あれから一週間。まだまだ夏が続く中、私たちは再び天導山に来ていた。とはいっても、今回は麓の辺りにピクニックだけど。
「ここの崖から落下したら、全身バキボキ言いながら死ねそう」
「やーめーいー!」
「しっかりカンナの手綱を握っておくのじゃぞ、ナツハ」
「ふぁ~、ねむ……」
「キサラ、寝るな」
「セン様、キサラ様は私が運びますのでご安心を」
「今日のお弁当は気合入れて作ったんだよ~! 楽しみにしててね、コータ!」
「そりゃあ楽しみだな。……さ、みんな! 後少しだから頑張ろう!」
一週間前までが嘘のように、私たちは平和を満喫している。魔法も、あれからはあまり使う機会もなく、魔法使いもあまり現れなくなったし。魔霊種精霊はまだ少し出るんだけどね。
「…………ッ」
不意に、トゥードさんが足を止める。
「どうかしたのかトゥード?」
「トゥードさん?」
「……いえ、大丈夫です。少々立ちくらみしただけです。少し休んでから合流することにしたいのですが、よろしいですか、マスター?」
トゥードさんが綺麗な顔に微笑みを浮かべながら言う。どこも悪そうには見えないけど、トゥードさんが嘘をつくとも思えないし、きっとそうなんだろう。
「……分かった。ただ、こんなとこで休んでも疲れちまうだろうから、少し経ったら必ず来いよ」
「了解しましたマスター」
トゥードさんから、熟睡しているキサラちゃんを受け取るコータ。
トゥードさんもああ言ってるし、私たちは先を急ごう。おいしいお弁当が待ってる!
「……急がなければ、なりませんね。マスターにも、ありす様にも、リーム様にも、魔法の全てを伝えるまでは。そう――――」
――――この身、果てる前に。
はい、そんな訳でファンスト、第一章完結です! なんとか一年かかる前に終わらせられた……。
ま、約付ければ一年間なんですけどね!←
さて、今回出たクロスオーバーフォーム。この作品の前身から見ている方には感慨深い形態かと思われます。私もです。
まぁ、それはともかく。コイツはなかなか強い形態です。アーマーフォームの防御、多数の能力とユニオンフォームの機動力、ドリルのいいとこ取りですからね。相乗掛合の利点はいいとこ取りにあり。
まぁ、ぶっちゃけますと、クロスオーバーフォームって強化段階的に言うと仮〇ライ〇ークウ〇で言うところのマ〇テ〇フォー〇なんですがね。つまり基本フォームです。むしろ今までがグ〇ーイ〇グフ〇ームだったという。さて、次回からどうなるやら。
そうそう。ホルクスが実はホモだったという話。ブレラ側の描写がなかったんでアレなんですが、れっきとした初期設定です。むしろ、そこが起点といっても過言ではない。
ではではこの辺で! 次回もお楽しみに!