ひよこ大好きマンが行く〜HUNTER×HUNTER〜 作:ウォント
・着替え
・飲み物、タオル
・人形(ひよこ)
・ぴーたん(ひよこ)とぴいな(ひよこ)のアルバム
尚、水筒の柄もひよこでありタオルの柄もひよこである。
ガタガタと揺られ時には放り出され気を失い、目が覚めると海を走っていた。
「?!?!!!!?!?!」
「お目覚めですかな、坊ちゃん!」
「な、な、な、……!!」
何を言っているのかわからないと思うが、海を走っていた。
本当なんだ、信じてくれ。
キラキラと太陽に輝くエメラルドグリーンの海。それを馬車が掻き分けて進んでいっている。
まるでこれが当たり前と言わんばかりに、進んでいる。
「マーチョ!おま、なんだこれ!」
「ひっはっはっはっは!見てわかりませぬかな、海を走っておるのですぞ!」
「そうじゃない、いや、そうだけどそうじゃなくて!!」
縁にしがみついてマーチョを見る。青い目をキラキラと輝かせてとても楽しそうだ。栗毛の馬…馬?馬かこれ?
気にしていなかったがよく見ると何かおかしい。
栗毛なのだが、その肉体はゴリゴリムキムキの筋肉に覆われている。筋肉こそ正義と言わんばかりに、筋肉だ。
白い歯をむき出しにしたその形相はちょっと…いやかなり怖い。目もどこかを剥いている。何を見ているのかわからない。前を見ろ、前を。
「あ、あの…マーチョ?」
「ひっはーっ!!いいですぞ、その調子ですぞ、魔獣たちよ!」
「おい!今魔獣って言わなかったか?!」
「ひーっはっは!気のせいですな!まさかこの可愛らしい栗毛の馬たちが魔獣などと!」
「いや…うわこっち見た」
ぎょろりと白目の割合が多いくりくり…いや、ぎょろぎょろとした目がこちらを捉え、にたりと笑った気がした。とても怖い。
全く、ハボレイ家はどんだけ常識外れなんだ…ああ、そういえばマーチョに聞いてみようか。
「なあマーチョ!」
「なんですかな?!」
「母様は本当に病気なのか?!」
「病気ですと?!あの奥様が!笑わせないでくださいな坊ちゃん!絶対にありえないですな!!」
はい確定ウソだ。
ということはあれは茶番?茶番なのか?薄々勘付いてはいたけど下手すぎでしょ…ん?ならハンター試験を受けさせる口実にあんなことを?言ってくれれば受けるのに。
「ちなみに坊ちゃん!今回のハンター試験は2日後ですぞ!ついでに2日後といえばぴいな殿の卵が羽化する日ですな!!ひっはっは!残念でしたな坊ちゃん!」
「やだあああああ!!!なんでぇえええ!!!!帰る!!!!!ぼくかえるぅうううう!!!!!ああああああああ!!!!」
無理やり送り出したのはこういう事だったのか!クソっ!ハボレイ家なんて嫌いだっ!!
僕の叫びも虚しく魔獣の引く馬車はどんどん進んでいく。ああ、ああぴいな、ぴーたん。きみたちの愛の結晶はどれほど美しく可愛らしく羽化するのだろう…見られないのが残念で…
「うわああああああん!!!!マーチョぉおお!!!かえる、帰るぞおおお!!!!ぴーたんんんんんんんっっっ!!!!!!!」
「ダメですな、坊ちゃんや!このマーチョめはザバン市に坊ちゃんを送り届けるようにと言われておりますゆえ!」
「クソっ!せめて、せめて生まれる子には「ぴっこちゃん」と名付けろ!」
「奥様がピレーヌと名付けると聞かなかったので無理ですな!!ひっはっは!!」
「はぁあああああ?!?!!!!!」
ぐったりとした僕を連れて馬車は走る。途中嵐に会い、船とぶつかったけど僕は無事にザバン市につきました。
カッポカッポと馬…いや、魔獣が蹄を鳴らしてザバン市を歩く。
異様な光景だろうに、街の人は一瞬ぎょっとするも、ハボレイの家紋を見てすぐに納得していく。
…い、一体ハボレイ家はなにをしたんだ…
そうして魔獣と魔獣を操る御者モドキマーチョといたいけな儚い美少年を乗せた馬車はザバン市中央へとたどり着いた。