(一体何があったんだ…何故僕の身体は血に塗れているんだ?ここも血塗れだけど、どうやら家のリビングにいるようだ…)
僕は周りを見渡した。すると、信じられない光景が目に飛び込んで来た。僕の周りに死体が転がっていた。それも一つではない。見た所、五~六体程だ。
僕は不意に嫌な予感がして、その死体達の顔を覗き込んだ。その瞬間、僕は激しい喪失感から泣き出してしまった。何故なら、その死体達は僕の家族と……彼女だった。
「うわぁぁぁぁぁ!!!……はぁっ!はぁ…君まで…どうして…?」
僕はショックの余り気を失ってしまった……
僕は、枕元で激しく鳴り響く時計の音で目が覚めた。
「……ん、涙…?あれは…夢だったのか…?」
(もう朝か、そろそろ母さんが呼びに来るはず…)
「お兄ちゃん!もうご飯出来てるよ!早く降りてきて!」
(ん?この声は
「
「ごめんよ、母さん。何か朝、気になる夢を見た気がして…」
「ふざけた事言ってないで、早く食べなさい!朧と霞はもう家を出たわよ!」
「えっ!?本当!?ヤバい、急がなくちゃ!パン一枚貰ってくよ!」
「気をつけてね!」
僕は
「はぁっ!はぁっ!はぁ…やっと追い付いたぁ…」
「遅せーよ、兄貴。そんなに急ぐ位だったら明日からはもっと早く起きるんだな?」
「ううっ…」
「本当だよ?お兄ちゃん。お兄ちゃんがそんなんじゃあ、私達兄弟の評判に傷が付いちゃうじゃない。ただでさえ、
「ああ!?何だよ、霞!文句あんのかよ?」
「文句しかないでしょ。あんたのせいで私達の評判が落ちてるって自覚はないの?これだから馬鹿は…」
「何だとぉ!?」
「何よ?」
この二人は僕の弟と妹で二人とも高校1年生だ。弟の方は朧。少し喧嘩っ早い所があるが、根はいい奴だ。絶対に弱い者虐めはしない奴だが、どうにも強い奴を見つけると戦いたくなるようだ。まぁ、俗に言うバトルマニアという奴だ。
妹の方は霞。霞はとにかく頭が良く、まさに品行方正を体現している。なので良く、朧と霞は衝突しているが、二人とも良い子だと思う。
僕は、この二人のどちらとも似ていない。僕は別に喧嘩が好きな訳でも、頭が良い訳でもない。まぁ、この二人の中間と言った所だろうか。
外見は三人とも違っているが、髪の色が同じ白だ。この髪色は生まれつきなのだが、このせいで学校の先生に毎日一回は呼び出される。
ほとんどの先生は散々事実を言った結果受け入れてくれたが、一人、いくらこっちが言っても理解してくれない先生がいる。本当に困る…
そんな事を考えていたら、向こう側から男女が一人ずつ歩いてきた。
「おーす、時雨~」
「おはよう、時雨!」
「おはよう、智哉、美春」
この二人は僕の数少ない学校の友達だ。男の方は
智哉は、僕の様な地毛ではなく、自分の趣味で髪を真っピンクに染めている。そのため、僕達と同じ理由で先生に呼び出されている。
しかし、コイツは中身もヤバい。アニメが大好きなのはこの際置いておくとして、妹が好きすぎる。
コイツのスマホを見ると、ホームは妹の顔、写真のフォルダもほとんど妹の写真、音楽ボックスには、妹の萌えボイスなる物をネットから取ってきていて、挙げ句の果て、妹に罵倒されて喜んでいる。そしてそれを聞きながら1日中ニヤニヤと笑っている。とんだ変態野郎である。
全く、これだけ妹、妹と言って良く嫌われないものだ。ああ、そういえば、妹も隠してはいるが、お兄ちゃん大好きのブラコンだった。確か名前は智乃…だったと思う。
智哉は僕に気軽に話しかけてくれたりするいい奴(僕はそう思っている)だが、毎日のこうした同じような自慢が聞くに耐えない。全く恐ろしい奴だ…
美春は、どこにでもいそうな普通の生徒だ。とても元気が良い事もあるが、何より他人の目を引くのは顔がアイドル並みに可愛い事なんだろう。学校の裏では彼女のファンクラブなるものまであるそうだ(やっぱり非公式らしいけれど)。
そのせいなのか、彼女に告白したり、不用意に話しかけたりした者はその後、誰にも姿を確認されていない…らしい。実に怖い。だけど、美春は僕を見かけると一直線に、そして迷わずに近付いて来る。
正直な所、後ろから凄まじい数の殺意を感じる。後で、全力で逃げる事にしよう。
しかし、こんなに濃い僕の周りの人達も他人と良好な関係を(朧はそうでもないが)築けている。
(羨ましい限りだ。僕も皆と同じように友達が作れればな…)
そんな事を考えている内に学校に着いた。
(今日もボーッと過ごしたいなぁ…いつも通り、智哉や美春と話して1日を終える…こんな日々がいつまでも続けばいいなぁ~……)
こうして僕のいつもと変わらない学校生活が始まるのだった…