運命/特に冠位指定   作:酢酢酢豆腐

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グランドオダー・ノン・フイト・ウナ・ディエ

アビ・インフェルノめいた光景の特異点F。

フユキシティはその全域が炎に包まれ、汚染されていた。

重金属酸性雨に侵されたネオサイタマであっても実際ここまで酷くはなく、フユキシティがこのような惨状にされる謂れは無いと言えよう。大地は裂け、川は枯れ、市内全域を異形の怪物が徘徊する!おぉ、ナムアミダブツ!ナムアミダブツ!

 

突然の転移の後、焼け落ちた建物跡の霊脈地にかろうじて拠点を設営した一行は、初となる英霊召喚を試みていた。

 

召喚の基点となるマシュの大盾に聖星石をくべるのはグダオ・フジマル。ネオサイタマ第一大学に通う学生であり、古代ローマカラテ会の一員である。そして現在は、人理継続保障機関フィニス・カルデアに呼び寄せられた最後のマスターであった。

 

「あなた分かってる?その3個の石が私たちの運命を決めるんだから!概念礼装なんて引いたら分かってるでしょうねッコラーッ!」

 

オルガマリーの獰猛な魔術師スラング!コワイ!

 

が、グダオは眉一つ動かさずに眼前に展開された召喚陣を見つめる。

 

そしてマシュの大盾が目映い光を放つ様をグダオとマシュ、オルガマリーは息を呑んで見守った。

 

「これは一級の霊基!ヤバイ級サーヴァントのエントリーだ!」

 

ロマニが叫ぶ。

 

光が止むとそこにはーーーーーーーー

大樹の如き男がいた。

 

そして、グダオを包み込むように抱擁した。

マシュが遮る間も無く、自然に。

 

「ローマは、ローマである」

 

サーヴァント、英霊である以前に、その男はローマであった。真紅の神祖にして古代ローマカラテの開祖。

 

建国王ロムルス・ニンジャ

 

グダオはアッピア街道を抜けた旅人めいて思わず呟いた。

 

「ローマ・・・」

 

「然り。ローマが、ローマである。そしてお前もまた、ローマである」

 

グダオがカルデア支給の礼装に巻いている鎖ベルト、そのバックル部分に刻まれたKARATE ROMAE ANTIQUAEの文字が誇り高く輝いた。

 

ランサー、ロムルス・ニンジャ、背に背負うはローマの象徴たる大樹の槍。これが尋常の聖杯戦争でなくとも強力なサーヴァントと言えよう。

 

「先輩、流石です。これなら都市の探索も楽になりますね」

 

「戦力的には十二分でしょうね。見たところ低級の怪物ばかりみたいだし、サーヴァント二騎なんて戦力過剰なくらいよ」

 

オルガマリーがマシュに続いて言う。先般、「マシュに乱暴を働いてマスターになったのでは?」と訝しんでいた者の言葉とは思えない!

 

「まぁ、いいわ。それよりもあなた、私に言わなければならない事が有るんじゃない?」

 

「アイエッ?」

 

「ザッケンナコラー!アイエじゃないわよコラーッ!おーもーいーだーしーなーさーい!」

 

コワイ!オルガマリーがヤクザめいて魔術師スラングを放つ!善良なローマ市民ならば失禁しかねない迫力である!

 

「先輩、先輩がレムレムしていた時のことです。ほら、思い出しませんか?」

 

意外!それは忘れていたオルガマリーの講話!グダオはカラテとガチャの足しにならないものは直ぐに忘却するのだ!

 

その後はオルガマリーからカルデアについての説明やマスターの使命等を聞かされつつ、一行は焼け落ちた教会跡地へと辿り着いた。一体このフユキシティで何が起こったのであろうか?かの悪名高き女神イシュタルがグガランナを垂直リフト射出したとでもいうのだろうか?答えは炎と瓦礫の中に消えた。

 

今はただ、備えよう。

 

 

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