運命/特に冠位指定   作:酢酢酢豆腐

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#1

(【これまでのあらすじ】ヒマラヤ・スノー・パンダ。峻厳なるヒマラヤ山脈の生態系、その頂点たる生物だ。人理継続保障機関カルデアに一般枠採用されたグダオは今、このヒマラヤ山脈の王者と対峙していた。)

 

 

「パンダァァァァ!パンダァァァァ!」

 

荒ぶる熊猫存在を前に、グダオは油断なく古代ローマカラテ第一の構え、獅子の構えを取った。今にも飛びかかって来そうな対手に、グダオは余裕を持って構えた両手の掌を下に向け、右足を一足分下げた構えを取る。これぞ古代ローマカラテ第一の構えにして最も防御に長けた構え、獅子の構えである。

 

「パンダァァァァ・・・!」

 

いかにニュービーニンジャとはいえ、グダオはニンジャである。古代ローマ貴族に連なるニンジャを前にしてはヒマラヤの暴君とて冷や汗を禁じ得ない!

 

「パンダイヤーッ!パンダ!」「イヤーッ!」「グワーッ

!?」

 

ヒマラヤ・スノー・パンダの恐るべきアニマル・カラテが振るわれる!が、しかし、スリアシで懐に飛び込んだグダオが打撃をいなし掌底を叩き込む!グダオ無傷!おぉ、ローマ!

 

「古代ローマカラテは魔技。このままローマに溺れるがいい!イヤーッ!イヤーッ!」

 

グダオはエーテルより古代ローマ軍団兵めいたグラディウス・クナイを生成し、激しく投擲する。

 

「アババババーッ!?」

 

古代ローマ軍団兵めいたグラディウス・クナイはヒマラヤ・スノー・パンダの人中と股間に命中!ヒマラヤ・スノー・パンダといえど股間を破壊されればショック死は免れ得ない。ショッギョムッジョ!

 

「スゥーッ、ハァーッ」

 

雪深いヒマラヤはグダオの体力を容赦なく奪ってゆく。

なぜグダオは雪深いヒマラヤを単独登山しているのか。それには理由が有った。グダオが一般枠で採用されたカルデア、その所長たるオルガマリー・アニムスフィアの采配である。

 

魔術師でもない一般人は最低限、ヒマラヤ単独登山でカルデアにたどり着けるレベルでなければグランド・オダーの役には立たないとする、オルガマリーの冷酷な判断だ。

まず間違い無く、グダオ以外の一般候補者はふるい落とされているだろう。

 

 

「ここが人理継続保障機関カルデア・・・」

 

グダオの眼前に聳え立つ白亜の要塞こそ、人理継続保障機関カルデアである。その厳めしい正門がグダオを見咎める。

 

「ここは人理継続保障機関カルデア ドスエ。許可無き者の立ち入りは 固く禁じられている ドスエ。」

 

合成マイコ音声の案内に、グダオはすかさず許可証をかざす。すると、グダオにアナライズめいた光線が投げ掛けられ走査された。

 

「属性:秩序・善、性別:男性、カラテ強度:武田信玄級。ようこそカルデアへ48人目のマスター、あなたは今日最後の来館者 ドスエ」

 

「・・・そして最後の試験よ。一般人の身でヒマラヤを単独で踏破してきたことは称賛に値します。でも体力だけならどこぞの軍人でも引っ張ってくれば事足りる。あなたのマスター適性を見せてもらうわ」

 

カルデア内に入り、合成マイコ音声の後に続いた高飛車な声、それを最後にグダオの意識は途絶えた。

 

『起きなよ、君。そのままだと死んじゃうよ?さぁ、立ち上がって。構えるんだ、君のカラテを』

 

グダオの眼に飛び込んできたのは、重鎧にスクトゥムを構え、古代ローマ軍団兵めいたグラディウス・ツルギを身体の周囲に6つ浮遊させる美少女が、恐るべきゴーレムの軍勢からの攻撃を捌いている光景だった。楯に描かれた紋章は玉座、その周囲を6羽の神秘的な鷹が囲んでいる様子を顕したものだ。一見すると美少女にしか見えないが、グダオのニンジャ第六感は彼が男であることを告げている。実際詐欺だ。

 

グダオは立ち上がると、玉座紋章の彼と背中合わせになるようにカラテを構えた。すなわち古代ローマカラテ 第二の構え、鷹の構えである。身体の正面で腕を交差させ、1歩右足を引いた構えから繰り出されるヌキテは容易く岩を貫き、抉りとる。

 

『ローマカラテか、道理でボクが呼ばれる訳だ。君にはお兄ちゃんの素質が有るということか・・・』

 

グダオに兄弟は居ない。断頭クロスチョップを放ち終えたグダオは彼の呟きに首を傾げた。そしてチョップを振り抜いた姿勢からサマーソルトキックでゴーレムを吹き飛ばす。

 

『わるいけどすこーし力をもらうよ。それっ!イヤーッ!』

 

グダオから膨大な魔力を吸い上げると雷光を纏った美少女(詐欺)はゴーレムの軍勢に向かって突進した。まず間違い無く高ランクの魔力放出スキルを持っていることだろう。その勢いはバッファロー殺戮轢殺鉄道以上だ!

 

眼を焼かんばかりの雷光が収まったとき、そこにゴーレムは一体も残っていなかった。

 

『悪くない、悪くないぞ。ボクは君が気に入った。こういうのはフィーリングが大事だからな、戦いが有るならボクを呼べ。特にローマを滅ぼしたい時はボクに連絡をくれ、いいね?』

 

「アッハイ」

 

褐色肌の一見美少女存在に凄まれたグダオはすかさず承諾した。何故なら明らかに高貴さを感じさせるその瞳が、ドロリと濁り、話が通じそうになかったからだ。グダオのニンジャ第六感がそう告げていた。

 

そして褐色肌の一見美少女存在の笑顔を最後に、グダオの意識は再度暗転した。

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