東方書迷録   作:SunoA
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パァン☆






第7話〜狙いを定めて〜

「くそ!もう一回だ!」

 

「はいよー500円ねー」

 

あれから暫くして。小腹が空いたとの事もありみんなの食べ物を買い出しにいくことになった。折角なので約束してたにとりの屋台に向かおうとしていた最中のこと。

必死に射的をやる魔理沙と呆れ顔のアリスを見つけた。何してんだあいつ。

 

「もうやめときなさいよ………」

 

「次こそ取る!」

 

「はぁ………あ、涼。こんばんは」

 

こちらに気付いたアリスが声をかけてくる。

 

「こんばんは、何してんの?」

 

「魔理沙がいつまでたっても諦めないから付き合わされてるのよ」

 

「あと少しなんだ!あと少しで取れそうなんだよ!」

 

どうやら大当たりの景品である一升瓶のお酒を狙ってるらしい。とはいえ仮にも若い娘が必死にお酒を狙うのは如何なものか。

大当たりの的はビー玉程の大きさの小さな的。距離も他のやつより離れているのでかなり難しい設定になっている。

必死に腕を伸ばして身を乗り出して狙いを定める。そして放った弾は的を大きくそれて地面に落ちていった。

 

「はい残念賞の飴ちゃんねー」

 

「なんで当たんないんだよー!」

 

子供の様に地団駄を踏む魔理沙の手元にはもう飴玉が9つは置いてある。どんだけやってんだよこの子は。

 

「もう諦めていきましょうよ…………」

 

「やだ!お酒欲しい!」

 

どうにも強情で一向に引く気はない模様。完全に意固地になってる。店側としてはいいカモなんだろうけど付き合わされてるアリスとしてはたまったもんじゃないだろう。というかこんなとこでそんなに使えるお金があるなら溜まってるツケ返してくれないかね。まぁ口には出さないけど。

 

「涼、あなたからもやめる様にいってよ」

 

「俺がいっても意味ないでしょ」

 

その程度で動じるなら苦労はしないと思う。

 

「はぁ、ほんと使えない男ね」

 

「え、なんで俺貶されてるの?」

 

え?何、俺が悪いの?

 

「はい飴ちゃんねー」

 

「くそおおおおおおおおおおおお!!」

 

そうこうしてるうちにまた魔理沙が外してる。これで飴玉も二桁に突入。もうここまできたら普通にお酒を買えばいいんじゃないかと思えてくる。

 

「もう1回!」

 

「まだやるか……」

 

「ほんと呆れた………」

 

ほんとこのまま有り金使い果たすまでやるんじゃないかこの子。

 

「もう普通に買った方がいいんじゃない?」

 

「いや!まだここでとれば元は取れる!儲けが出る!」

 

もう駄目だこの子。考え方が完全にギャンブラーだよ。もし幻想郷にパチスロ等があったとしたら確実に破産してるタイプの子だろう。

俺とアリスの制止も虚しくお金が飴玉に姿を変える。

「うぅ………」

 

魔理沙が最早泣きそうになってる。おかしい、本来楽しいはずの祭りでなんでこんなにも悲惨なことになってるのか。

 

「しょうがない、特別サービスだ」

 

流石の店主も可哀想に思えてきたのか的の位置を近くしてくれた。他の景品と変わらないくらい近くに。

 

「い、いいのか!?」

 

「今回だけだかんな〜」

 

そういって店主はニカッと笑ってみせた。なんだよ店主いいとこあるじゃんかよ。

泣き目だった魔理沙は一気に笑顔になってやる気を出す。

 

「よし、おっちゃん!もう一回だ!」

 

「はいよ〜」

 

呼吸を整える。狙うは大当たりただ1つ。鉄砲に弾を詰めて慎重に狙いを定める。そして標準があった所で一気に引き金を引く。パァン!という軽快な音と共に発射された弾は空を切って飛んでいきそして

 

--- 的をそれて横を通り過ぎた---

 

「「なんでだあああああああああああああ!!」」

 

俺と魔理沙が同時に叫ぶ。

 

「なんで当たんないんだよおおおおおおおお!!」

 

「いやそれはこっちの台詞だからね!?」

 

今完全に取れる雰囲気だったじゃん。完全にいい流れだったじゃん。なんであそこで外すの?下手くそ過ぎるでしょ。

 

「いやぁ…………マジかぁ……………」

 

まさか外すとは思ってなかった店主も苦笑い。そらそうだよね。そういう反応になるよね。

 

結局その後店主が更に的を近付けてくれたお陰で無事お酒を手に入れることができた。

 

「いやー随分時間が掛かっちまったなー」

 

「誰のせいだと思ってんのよ………」

 

嬉しそうに一升瓶を抱えると魔理沙と疲れ切ったアリスのやり取りは友達というより子供と保護者の様にしか見えない。

 

「あ、そういえば涼は用事はいいの?何処かに向かってた様に見えたけど」

 

「あ、忘れてた……」

 

そういえばみんなの食べ物を買い出しにきてる途中だった。やばい、早く買ってかないとまた幽々子にウザ絡みされる。

 

「じゃあ俺は急ぐからこれで失礼させて貰うよ」

 

「ん、わかったわ。気をつけてね」

 

「またなー」

 

こうして2人と別れた俺は足早ににとりの屋台へと向かった。






魔理沙とアリスが祭りにいったらこんなやり取りしてそうだなーって思って今回のお話を描いてみました。
当初の予定とは別で唐突に思い浮かんだ物なのでいつもよりは少し短めになってしまいました^^;
年末年始のお話は次回でひと段落つけられたらなーと思っています。

それでは今回はこの辺りで、また次回

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