天才科学者と超能力者の妹は平凡な人間でした。 作:えすぷれっそ
扉を開けると、楠兄…と数名の友達がいた。
こちらに背を向けているので、誰も私に気づかない。
…なんだ、目立ちたくない、とか言ってた割には、結構友達出来てるじゃん。
真ん中に座っている楠兄の肩にぽんっと手を置く。
楠兄はピクッと小さく震えると、首がもげそうな勢いでこちらを向いた。
そして、あのいっつも無表情な楠兄が、目を見開いて、口はぽかーんと開けている。
『…くれは…なのか…?』
「なんだ、覚えててくれたんだ。」
『いくら6年ぶりといっても、妹の顔を忘れる兄なんていないだろ。』
「お?そいつ誰だ?相棒の友達か?」
楠兄の隣の個性的な髪型の人に言われ、自己紹介をしていないことに気づく。
私が口を開く前に、楠兄が説明してくれた。
『僕の1つ下の妹、斉木紅葉だ。人見知り気味だが仲良くしてやってくれ。』
「よ、ろしくお願いします。」
ちなみに個性的な髪型の人は燃堂君、中二病という病気にかかっているのは海藤君。
中二病か…私にも知らない病気があったのね。
うん…?何だか凄いオーラを纏う人物がこちらに近づいて来るわ。
「おい、照橋さんだぞ!?」
「何でこんな所にっ…!?」
…あの青い髪の人は照橋さん、っていうみたい。うわぁ、綺麗。
だけど中身は普通の人かな。今も他の男子生徒のおかずを貰ったりしているけど…[ふふ、ここに来れば無料で昼食を食べれるわ♪]とか思ってそう。
「あっ、斉木君と燃堂君と海藤君と…あら?その子は…紅葉ちゃん、だよね?」
コクリと頷く。
(というか、1年の紅葉ちゃんが何で2年の斉木達のグループにいるのかしら?)
(ま、まさか斉木狙いではないわよね!?燃堂君はありえないとして、海藤君だったら…ってそっちもダメじゃない!知予の悲しむ顔なんて見たくないわ…)
…うーん、多分、私がこの3人の誰か狙いで来た、って思ってるのかな。間違ってはないけどね。
あと、さっきから他の人が言ってる「おっふ」って何だろう…。
まぁ、なんやかんやで一緒に昼食を食べることに。
すると、照橋さんがこちらをじっと見ているのに気がついた。
「あっ…ご、ごめん、じっと見たりして…。そのネックレス、可愛いな、って」
「…ありがとう。くー兄…じゃなくて、お兄ちゃんが作ってくれたの。」
ネックレスを外したと同時に、心の声で楠兄に語りかける。
「(これ、実は超小型テレパスキャンセラーなの。くー兄に作ってもらったのよ。)」
『…道理で思考が読めないわけだ。あと心の中で燃堂Bとか言っててすまん。』
ああそっか。燃堂君は(バカだから)テレパスキャンセラーを付けてなくても思考が読めないんだっけ。
「そうだ。照橋さん。そのネックレスが気に入ったなら、作ってもらってくるけど…」
「えっ、いいの!?まだ出会って10分だよ!?」
「人間関係に時間なんて関係ないよ。ね?」
「…ありがとう!」
『おい。照橋さんが燃堂化すると困るんだが。』
「(大丈夫。ただのネックレスで渡すから。)」
紅葉ちゃんが付けているテレパス(略)は金色のチェーンに水色の珠が付いているもの…
といえばイメージ出来るでしょうか?