天才科学者と超能力者の妹は平凡な人間でした。 作:えすぷれっそ
只今の時刻、午後11時56分。
ターゲットを確認。
…何してるのかって?仕事よ。
ちなみに楠兄は私が暗殺者って事は知らない。手紙も連絡も何も取ってないからね。
念写してから瞬間移動で来ても、私は仕事を終えたらすぐ立ち去るから、エンカウントするわけがないの。
___ザシュッ。
ああ、この肉を切り裂く感覚が堪らない。
すぐにその場から立ち去ると、私は周りの騒ぎを聞いていた。
「うわぁぁぁっ!!か、会長が、あぁ!」
「誰か!誰か救急車を!」
「馬鹿め!そんな事したらうちのやってきた事が公になるだろうが!」
そう、私が今殺したのは、いわゆる[ブラック企業]の会長さん。
私は別に、趣味で人を殺している訳じゃない。
私が受ける依頼は、こういった社会のゴミクズを排除する仕事だけ。
prrrr...
珍しいわね、1日に2回も電話が鳴るなんて…。
「もしもし、こちらシューティングスターです。お仕事の依頼ですか?」
「…はい。…ですが、私は社会のゴミクズ以外を排除する気はありませんわ。…ええ、いつもはそういう依頼ですから。では…」
・・・
「…どうしたの、ルビー。貴方からこちらに来るなんて。」
「…これ、マスターからの手紙。」
それだけ言って、ルビーは消えた。
…というか、何で封筒?電話番号を知らないのかしら。
“暗殺対象 森谷重倫(モリタニシゲミチ)
東京都○○区◇◇通り□□タワー最上階"
※プライバシー保護の為、一部情報を隠させて頂きます。
いや、今から殺される相手にプライバシーもクソもないかぁ。
ザシュッ。
よし、今日のお仕事完了っと。
もう遅いけど、家に帰って、久しぶりに顔を会わせておこうかな。
ピンポーン、とチャイムを鳴らす。…自分の家なのにおかしいかな?
暫くするとドタドタと足音が聞こえ、ドアが開かれる。
「はーい… あっ、紅葉じゃないか!」
「え!?はーちゃん!?」
「ただいま。」
「もう、あれから何も連絡をくれないんだもの。皆心配したのよ?」
_そう、両親も、私が暗殺者ってことは知らない。
だって、自分の娘が人殺しをしてるなんて聞いたら嫌でしょう?
「ごめん…だけど、これからはうちに住むから。」
「そうなのか!?いやー、紅葉の部屋、物置にしないで取って置いて良かったよ!」
…え、私の部屋って物置になりかけてたの?え?
『こんな夜中に何の騒ぎだ?』
「あ、くーちゃん!」
「見ての通り、紅葉が帰って来たんだ!」
『うん、知ってる。』
「ええっ!?なんで楠雄が知ってるのぉ!?」
「…父さん、その語尾、やめた方が良いよ。気持ち悪い。」
「おっふ…」
ごめん父さん、そこまで言うつもりは無かったんだよ。特に最後の一言はついうっかり…ね。
「そうだ、今度くー君も帰ってくるわ。その時に一家でパーティーしましょうよ!」
『あまりアイツには会いたくないんだが…』
「じゃぁ、今度楠兄と買い出し行ってくるね。」
「(ケーキの代わりに、コーヒーゼリーパフェでも買ってこよう?)」
『(…お礼にシュークリームを奢ってやる)』
~紅葉ちゃんはお仕事中はキャンセラーを外しているよ!~