天才科学者と超能力者の妹は平凡な人間でした。 作:えすぷれっそ
もうすぐ夏休み…もとい学生の天国だ。
勿論、私だって夏休みは楽しみだ。1日中本を読んだり、ごろごろしていたって勝手。やりたい放題だ。
課題なんて面倒くさい物を終わらせれば、だけれど…
私の夏休みを奪おうとする男どもをふわふわと躱していると、他の女子生徒の会話が聞こえた。
「ねー、明日から夏休みだし、皆でお泊まり会しようよ~」
「いいねっ、由美も誘わない?」
「じゃぁ私も香織を誘ってくる!」
…お泊まり会ね…私には縁の無いイベントだわ。
帰ろうと教室を出ると、紫色の髪にヘアターバン?を付けた男の人と楠兄が一緒にいた。
うん、誰?
楠兄は通り過ぎると、何やらこちらを指さし、次に自分の首を指さした。
…首?キャンセラー?
{超今更な解説…テレパスキャンセラーとは、とあるMッドSエンティストが作った、楠雄のテレパシーが装着した本人に効かなくなる装置だぞ!}
キャンセラーを外すと、テレパシーが流れ込んできた。
『今日、僕の隣にいるこいつ…鳥束零太が家に泊まりにくるらしい。超能力の事はこいつも知っているから安心しろ。』
「(え、何で楠兄がそんなこと許して… …あぁ、成程。コーヒーゼリーか。)」
『ちなみに母さんたちにはもう言ってあるからな。今日一日騒がしくなるが耐えてくれ。』
「(…じゃぁ私も誰か呼ぼうっと。)」
『はぁ?まさか_』
キャンセラーを素早く付け、楠兄からのテレパシーを遮断した。
「ただいまー。」
「あら、はーちゃんお帰り!今日はくーちゃんのお友達が泊まりに来てるわよ~!」
「あ、そのことなんだけど…後で4人追加で来るけど大丈夫?ちなみに全員楠兄の友達ね。」
「あひゅう…くーちゃんに沢山お友達が…!和室のお掃除しなきゃ…!」
そう言って母さんは和室(客室)の掃除に行った。
にしてもこの家ホントに広いな。くー兄に感謝感謝。
楠兄の部屋の前を通ると、多分鳥束君…の声が聞こえてくる。
自分の部屋に入って、風呂の準備、課題を済ませた。
課題の最後の一問を解き終わった時に、ちょうどチャイムが鳴る。
ドアを開けると、さっき誘った3人が居た。
「邪魔するぜ~」
「お、お邪魔します…」
「お邪魔します。…斉木ってやっぱり…」
ん、窪谷須君はそろそろ気付いたかな?
「あら、いらっしゃい!くーちゃんの母です~!いつもうちのくーちゃんがお世話になってます!」
母さん、すごい嬉しそう…汗が出てるし、きっと急いで掃除したんだろう。
…さて、私は部屋に帰ろう。楠兄も降りてくるだろうしね。
『おい』
「はい」
『これはどういう事だ?』
「…あはははは。」
部屋に帰ろうとしたら、楠兄と鉢合わせしました、まる
「コーヒーゼリーを献上するのでお許しを…」
『…この間の勝負と合わせて10個な。』
「おっふ」
絶望している私をよそに、周りの会話はどんどん進んで行く。
「そーいえば、風呂は誰から入るんだ?」
「そりゃあ紅葉さんに決まってるだろ。男が入った後の風呂なんて入りたくないだろうし。」
「うー…じゃあ遠慮なく…」
No side(会話のみ)
「そういえば、紅葉さんってどこで寝るんだ?」
『…聞いて無かったな。』
「一緒の部屋で寝ましょうよ!折角のお泊まり会なんですし!」
『鳥束の意見には賛成出来ないな。』
「「「同じく」」」
・斉木君達は和室で遊んでるよ!
食後。私と両親で片付け中。本当は楠兄は手伝うって言ってくれたけど、鳥束君に引きずられていった。
「それにしても、楠雄にあんなに沢山友達が出来るとはな…」
「本当ねぇ。しかも皆良い子だし!」
「…学校のマドンナにも好かれてるらしいよ。ギャルゲーの主人公みたいだよね。」
照橋さん以外にも、ギャルっぽい子に好かれてるらしいし…
本人は嫌がってるけど、眼鏡外したらイケメンだし。
「…どうしたんだ?そんな顔して。まさか嫉妬か?」
「そうね。はーちゃんはくーちゃんのこと大好きだものね~。取られちゃうのは嫌よね。」
「なっ…!別に、大好きってわけじゃ… …ない。」
「…後半は否定しないんだな。」
くーちゃんは鳥束君にコーヒーゼリーを渡されたのです…