周辺国家最強(笑)の戦士   作:生コーヒー狸

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帝国英雄伝説⑧ 評議国へ

 イベントアイテム『じょおうのてがみ』を手に入れた俺は、アーグランド評議国へ向かう事にした。リ・エスティーゼ王国への入国と、国内での移動は「エイトフィンガーズ・コーポレーション(E.F.C)」からサポートを受けられたので、まったく問題はなかった。

 

 久しぶりの王国だがどの都市や村も悲惨な状況だ。王国の経済成長率は年々低下していて、今年の成長率はなんと-20%という有様だ。それでもE.F.Cは無借金経営の優良企業で配当利回りは10%、株主優待として久しぶりにヒルマの店で楽しむ事も出来た。今度、帝国までデリバリーを頼もう。

 

 無事にアーグランド評議国へ入国した俺は、首都にある市役所みたいな建物に行って、ツアーさんに会いたい旨を伝えた。『じょおうのてがみ』の効果もあってか、明日に面会の許可をもらう事が出来た。マスタードラゴンのツアーさんに会うのだから、世界一高い塔に登らされたり、伝説の武具を集めさせられるかと思っていたが重畳♪重畳♪

 

~ツアーの洞窟~

 

「私はアーグランド評議国永久評議員ツァインドルクス=ヴァイシオン。『プラチナム・ドラゴンロード』と呼ばれている者だ。この洞窟に居ながらにして、世界の全てを知る事が出来る(かもしれない)者だ。」

 

「私はバハルス帝国より参った、ガゼフ・ストロノーフ。この度は竜王国のドラウディロン・オーリウクルス女王陛下の知己を得て、評議国を訪ねさせていただいた。」

 

 プラチナム・ドラゴンロードの強大で神々しい威容に、ガゼフは強い畏怖を覚える。このドラゴンの王にとっては、周辺国家最強と呼ばれるガゼフでさえも「戦闘力たったの5ガゼフか…ゴミめ…」でしかないだろう。

 

「あー…うん、実はあまり堅苦しい言葉は好きじゃないんだ。僕の事はツアーでいいよ。よく来たね。」

 

「それでは私の事はガゼフと呼んで下さい。」

 

「それでガゼフ君は何の用で来たんだい?その指輪をしているという事は、リグリットに何か言われたのかな。」

 

「リグリット殿からは「古い友人に託された」としか聞かされていません。」

 

「…そうか。リグリットは相変わらず元気かい?」

 

「それが…「青の薔薇」と共に、トブの大森林の奥地にあるという、伝説の薬草を採取に行ったまま行方が判らなくなっています。」

 

「トブの大森林…という事は魔樹に?…やはりインベルンの事も……イビルアイの事は聞いているかい?」

 

「青の薔薇のイビルアイ殿ですか?彼女とは殆ど面識がありませんでしたので…」

 

「それならいい。気にしないでくれ…話の腰を折って悪かったね。」

 

 何とかリグリット達の事は誤魔化せたようだ。こんなキング○ドラと戦ったら、命がいくつあっても足りない。

 

「バハルス帝国は、アーグランド評議国と友好的な関係を築く事を願っています。それについてツアー殿のお力をお貸し願えないだろうか?」

 

「僕はこの世界の者同士の事に関わるつもりはないんだ。でもドラウディロンの件には感謝しているからね。評議会には言っておくよ。でもスレイン法国は大丈夫なのかい?」

 

「帝国と法国は違います。ジルクニフ陛下は全ての種族との共存を願っておられるのです。」

 

「法国も色々とあったからね…そっちに任せるよ。ところでガゼフ君は「ゆぐどらしる」については、どこまで知っているんだい?」

 

 「世界のルール」を尊重するツアーにとって、「ゆぐどらしる」に関する事は、ほうっておけない事だ。ガゼフの知っている事を確認し、法国のような偏った認識でいるなら、それを正しておかなければならない。

 

「六大神と八欲王、それと十三英雄の幾人かが「ぷれいやー」といわれる強大な存在である事。八欲王が位階魔法をこの世界に広めた事。「ゆぐどらしる」由来の強大なアイテムや武具、魔法が存在する事。かつて暴れまわった「魔神」は「ぷれいやー」に仕える存在だった事。100年に1度、「ぷれいやー」がこの世界に出現する事。…以上です。」

 

「うん…その通りだよ。「ぷれいやー」にも色々あってね…六大神はともかく、八欲王は本当に恐ろしいやつらだった…」

 

「スレイン法国には、六大神が遺した多くのアイテムや、「ぷれいやー」の血を引く「神人」がいるそうですね。」

 

「僕はガゼフ君も神人じゃないかと思ってたんだけどね…君からは「ぷれいやー」の気配は感じられない。だから君が「世界の内同士」で何かしても、僕は気にしないよ。まあ周りを騒がしくされるのは困るけどね。あと「ゆぐどらしる」について何か新しい情報とかがあったら、教えてくれないかな?」

 

 うまくツアーさんと話をつける事ができた。評議国にちょっかいを出さなければ大丈夫だろう…

 

「さまようよろいが あらわれた。」

 

「がぜふは にげだした!」

 

「しかし まわりこまれてしまった!」

 

「つうこんのいちげき! がぜふはしんでしまった!」

 

こんな事になっては目も当てられないからな。それにしても遥々マスタードラゴンに会いに来たんだから、御褒美イベントはないのかな~チラッ チラッ

 

「どうしたんだい?そんなにじーっと見て…」

 

「いえ…その…マスタードラゴンに会えば、剣がパワーアップするとか、経験値が貰えたりとか…その、イベント的に考えて…」

 

「よく分からないけど(マスタードラゴンって誰だよ?ケイケンチ??)…君もずいぶんといい性格をしてるね…」

 

 俺のおねだりが通じたのか「そなたに(少し)力を与えようぞ!」という事で、ツアーの指輪に「ワイルド・マジック」を込めてくれた。何でも指輪の力が強くなっているらしい。

 

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