また主人公にあるまじき言動が見られますのでご注意下さい。
~ガゼフ側視点~
「あれはどう見ても要塞、それもかなり巨大で堅牢な造りだね…これ程の物を…」
「少なくとも帝国の造った物ではないですね。行政特区からでも見えましたけど、昨日まではあんな要塞は無かったと報告を受けています。」
「なんという禍々しさ!?ガゼフ殿、大丈夫なのですか?」
「あれも神の御業なのでしょうか…素晴らしい…」
「アー、ソーッスネー、カミサマッスネー」
さすがはアインズ様、いきなりSAN値を削って下さる。待ち合わせ場所までもう暫くかかるが、行く手には巨大な要塞(どう見ても魔王城です)がそびえ立っている。魔王城に向かってトボトボと歩く俺達は、勇者パーティーどころか、養豚場に出荷される豚だろう。約1名例外が居るが…
「…何…だと…」
ようやく近くまで辿り着いた俺達の前にはSAN値直葬の光景が広がっていた…
~アインズ側視点~
「パンドラズ・アクターからメッセージが届きました。ニグレドの監視網に反応アリ。4名の人間がこちらへ向かっている模様。内3名はニンゲンの男、残り1名は全身鎧の為に、種族・性別は不明との事です。」
「そうか…伏兵や魔法的対策には十分注意する様、改めて伝えておけ。それと4人の強さはどの程度かスキルでの確認を急がせろ。」
数の上ではこちらが有利のようだ。アインズは少しだけ安堵する。部下達に不安はないが、それでもプレイヤーが自分一人だけというのは寂しい気持ちになる。この場に彼らが居てくれたらどれだけ心強かったろう…だが記念すべきこの世界でのナザリックのデビューだ。友の為にも見っとも無いマネは出来ない。ナザリックの、アインズ・ウール・ゴウンの威を示したい!それと転移前はずっとソロプレイヤーだったモモンガは、久しぶりのプレイヤーとの出会いに少しだけワクワクしていたのだ。
「パンドラズ・アクターからメッセージが届きました。先頭を歩く黒髪の男は推定レベル65、後に続く金髪の男(イケメン)は推定レベル55、もう一人の金髪の男(CV・子安)は推定レベル25、最後の全身鎧は…測定不可能、何らかの手段で阻害された模様です!」
「それなら全身鎧がガゼフ・ストロノーフだな!残りはNPCか現地の人間という事か。それにしてもレベルが低すぎるのが気になるが…まあよい。改めて言っておくが、私の指示無くして絶対に敵対的行動はとるな!それでは控えて居る様に!」
全身鎧のレベルが不明なのは要警戒だが、プレイヤーと言う事を考えればおかしい事ではない。それにしてもNPCとはいえ、レベル60前後というのは弱すぎる…もしや擬態のスキルか何かか?行政特区カルネで見た兵士や、昨日アウラに短時間ではあるが、トブの大森林を調査させた結果、現地のモンスター(ゴブリン、オーガ、ハーゲストetc)はユグドラシル基準ではザコ同然だった。その事から現地の標準的な戦力はあまり脅威にならないのか?との意見も多かったが…
「彼らが到着した様ですね…おや?先頭の男が何か取り出した模様!?アインズ様、念の為お下がり下さい……いや、あれは白旗!?」
「…何…だと…」
~ガゼフ側視点~
これはひどい…魔王城だけでも威圧感がハンパ無いのに、大魔王とその側近が大集合だ。しかも全員ガチだ!コキュートスは4本の腕全てにゴツイ武器を装備してるし、デミウルゴスはスーツじゃなくて、怪しさ満点のローブだ。アウラちゃんとマーレ君はツアーさんの親戚みたいな巨大ドラゴンに騎乗している。あれF○で見た事あるやつだ…メガフ○アとか使ってくるんですね、わかります!他の連中もガチ装備、どうみてもオーバーキルです。さすがにギルド武器のスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンは装備していないが…。こちらは話し合い(降伏)に来てるのに、相手は集団PVPのつもりで来てるとか惨すぎませんかね?
「向こうはこちらを生きて返す気はないようだね。僕は何とかなるけど君達は…」
「あばばばば…ビクンビクン…ジョババババ…」
「おおおっ!スルシャーナ様!!よくぞ…よくぞお帰りにっっ…」
ツアーは「悪いなガゼフ、この救命ボート一人用なんだ」
ニグンは嬉ションWピースという誰得状態
クアイエッセは……駄目だこいつ …早く何とかしないと…
この状態で俺がするべき事はただ一つ…原作のフロスト・デブゴンに倣うしかないだろう。
「すんませんっしたぁぁぁぁーっ」
~アインズ側視点~
新生ナザリックのお披露目&久しぶりのプレイヤーとの出会いに気合いを入れていたら、相手が白旗を掲げて来た。
一人は棒立ち
一人は「放送禁止」
一人は何故か祈っている
最後の一人は土下座…
アインズは何が何だか解らない。恐ろしいものの片鱗を感じていた。とにかく何とかしようと思ったアインズは、プレイヤーと思われる全身鎧の男?に声をかけてみる事にする。
「あー、お前がガゼフ・ストロノーフか?私はアインズ・ウール・ゴウンという」
「僕はガゼフじゃないよ。ガゼフ君ならそこで土下座しているよ。僕はツアーという者だ。ところで君はぷれいやーで間違いないのかな?」
「…何…だと…」
ガゼフがプレイヤーではなかったのか?それではこのツアーがプレイヤーだったのか?
「ツアーよ、お前はユグドラシルプレイヤーなのか?他のやつらはお前のNPCか?」
「僕達の中にはぷれいやーもえぬぴーしーもいないよ。」
「馬鹿な!?それではあの看板はどういう事だ?お前達はいったい何者だ?」
アインズは困惑する。先程から精神作用無効が発動した事を顕わす「モモンガフラッシュ」を連発させている。
「僕はアーグランド評議国永久評議員のツアー、『プラチナム・ドラゴンロード』と呼ばれている。ガゼフ君はバハルス帝国の将軍で、後の二人はスレイン法国の者たちだ。まあガゼフ君は色々と知っている事があるみたいだし、スレイン法国の片方はぷれいやーの血を引く「神人」だけどね。」
アインズは驚愕する。ゲーム開始でいきなりラスボスが登場した気分だ。もっともこちらもゲーム開始時点でレベルMAX、アイテムフル装備、メンバー全員集合みたいなものだが…
「アインズ様、この者は危険です!ここはひとまず私達に!」
「コノモノガテキトイウナラ、ワレラガタテトナリ…」
アインズの只ならぬ様子に、守護者達も危機感を感じ始める。
~ガゼフ側視点~
あまりのヤバさに思わず土下座してしまった。とりあえずツアーさんが話を進めてくれているようだ。さすツア!だがなにやら不穏な雰囲気だ…ここは無敵のワイルドマジックで何とかしてもらうしか…いやいや何をトチ狂った事を…
「お、恐れながらよろしいでしょうか?」
俺は用意しておいた「秘策」を実行する。コレを見て貰えば最悪の事態だけは避けられるはず…だと思う。
「私の事情を認めた手紙を用意させて頂きました。これを御覧戴ければ、アインズ・ウール・ゴウン様の疑問も解決出来るかと…」
「ふむ、手紙か…<魔法探知(ディテクト・マジック)>…何もない普通の手紙のようだな。わかった、後で読んでおこう。」
「宜しいのですか?アインズ様。」
「かまわん。私を謀ったり、不快にさせる内容なら…それ相応の報いをくれてやるさ。」
想定外の事態もあったが何とかなった。後は無事に生きてこの場を離れるのみ!法国の2人が何かしでかす前に帰ろう!俺、帰ったら結婚するんだ…帰ったらパインサラダを食べて…
「そ、それでは我々はこの辺でお暇させて頂こうかと…」
「まあ待て、せっかく来たんだ…ちょっと実験に付き合ってくれないか?周辺国家最強と言われるお前の力を見せてくれないか?」
「…何…だと…」
只でさえ邪悪な骸骨が一層邪悪に歪んで視えた気がした。まだまだイベントは終わらないようだ…
~アインズ側視点~
アインズは拍子抜けというか不完全燃焼だった。期待?していたプレイヤーは結局存在していなかった。『プラチナム・ドラゴンロード』の登場には驚いたが、敵対の意思は見られない以上、こちらから喧嘩を売るつもりはない。最も気になっていたガゼフについては只のヘタレだ。疑問点もあるが受け取った手紙を見れば良いだろう。こちらとしても好戦的な態度をとるつもりは無かったが、一戦交えるも止む無し!という気持ちがあったのも事実だ。プレイヤー以外の現地の戦力を知っておきたい。そんな気持ちから先の言葉が出てしまった。ようは少し調子にのってしまったのだ…
「ま、またまたご冗談を…私など皆様に比べれば、大した事は御座いませんし…」
「安心しろ。私や周りの部下達が戦う訳ではない。私のスキルで創るシモベ…盾代わりに重宝しているアンデッドと戦って貰うだけだ。もちろん命の危険は無いようにしよう。まあ出来るのなら、倒してもらっても構わんがね。」
「アインズ様!恐れながらこのような者の為に、態々シモベを創造なさるなど!もったいないでありんす!」
「そうです!ご命令戴ければ私達がいくらでもシモベを用意します!」
アインズはいつになく口が軽くなるのを感じる。自分はここまでSの気質があったのだろうか?何故かこの男を見ていると加虐心が刺激される…ハーレムを作っているらしい、この男に思うところがあったのだろうか?嫉妬マスクを着けてくるべきだったか?
「それでしたら…お付き合いさせて戴きましょう…」
~ガゼフ側視点~
とりあえず命の危険は無さそうなので一安心だ。盾代わりのアンデッドというなら「みんな大好きデスナイトさん」あたりか?それなら大丈夫だ!フールーダが飼っているのを見た事があるが、ウルトラスーパーDXガゼフなら問題ない。スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンは持ってきていないようだから「サモン・プライマル・ファイヤーエレメンタル!」なんて無理ゲーにはならないだろう…
「最上位アンデッド作成!エクス・デスナイト!」
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「…何…だと…」
エクス・デスナイト
レベル85
全てにおいてデスナイトの上位互換
エクス・デスナイトに殺されるとデスナイトに
デスナイトに殺されると…現地にとっては悪夢のような能力持ち
防御力だけならレベル100のアルベドに匹敵するかもしれない
攻撃力もレベル相応という鬼畜仕様