周辺国家最強(笑)の戦士   作:生コーヒー狸

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がんばれ、じるくにふさま

 ナーべちゃんのおみ足をチュッチュッしようとしたフールーダは、婦女暴行未遂現行犯で逮捕された。ジルクニフが、それはもう平身低頭で謝りたおして、何とか許してもらえた。さすがセバスさんは人格者だ。それにしてもナーベラル→守護者級、一般メイド→プレアデス級という驚愕の事実に、俺の頭はフットーしそうだよおっっ

 

 

~ナザリック地下大墳墓第十階層 玉座の間~

 

「バハルス帝国皇帝ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスおよびその臣下一行!」

 

 ジルクニフ達が玉座の間に足を踏み入れるのと同時に、アルベドの凛とした声が響き渡る。

 

 言葉で語る事が不可能な、この世のありとあらゆる贅を尽くしても足りないほどの、威容と豪勢さを誇る玉座の間に、ジルクニフ達は圧倒されていた。それだけでなく、通路の左右に控えている異形の者達…それ一体で都市を滅ぼす事が可能と思わせる強大な気配を漂わせている。さらに玉座とその周辺には、世界すら滅ぼせそうな大魔王とその側近が控えている。

 

 それでもジルクニフは、彼が認めた臣下達は決して卑屈になったり、逃げ出したりしない。この場での一挙手一投足に帝国の存亡がかかっていると理解しているのだ。ジルクニフはそんな臣下を誇りに思い、臣下達もまた主君を誇りに思う。

 

「お初にお目にかかる。アインズ・ウール・ゴウン殿。この度は貴殿と友好的な関係を築きたくて参った。客人として過分な厚遇に感謝する。」

 

「よくぞ参った。私がナザリック大地下墳墓の主人、アインズ・ウール・ゴウンだ。」

 

「アインズ様。いかに皇帝といえども、下等な人間ごときがアインズ様にひれ伏さないのは不敬の極み…『ひ』」

 

 デミウルゴスのパッシブスキルである「支配の呪言」は、デミウルゴスより弱い存在に対して絶対遵守の強制力がある。デミウルゴスが『ひれ伏したまえ』と口にするだけで、ジルクニフ達はその場にひれ伏すはずだった。

 

 ズザザザァァーーッ!!

 

 しかしデミウルゴスの「支配の呪言」が発動する直前、『ひれ伏したまえ』の『ひ』しか発音されていないのに、ガゼフはその場で自発的にスライディング土下座を慣行した。ただ一人ひれ伏しているガゼフに視線が集中する。

 

……し――――ん……

 

「よさないかデミウルゴス(お客に向かって土下座しろとかありえないだろ!?)」

 

「何をしているガゼフ?(そういう事かガゼフ!私の為にすまぬ!)」

 

「はっ!?(この男、皇帝に屈辱を与えない為にわざとこのような行為を!?油断できない男ですね。でもその忠義、人間にしては立派なものです)」

 

 一部でガゼフの株価が上昇するが、ガゼフはデミウルゴスのあまりの迫力に思わず土下座してしまっただけだ。「支配の呪言」とか関係無しに、もっと恐ろしい物の片鱗を感じたのだ。

 

「…部下が失礼をした。」×2

 

「いやこちらのほうこそ…」

 

「いえいえこちらこそ…」

 

 とにかくガゼフ・ストロノーフ一世一代の土下座により、場の雰囲気はしらけたというか和やかというか、とにかく緊迫した雰囲気は払拭された。これを奇貨としてジルクニフは場の主導権を取りにかかる。全身全霊の「帝国と仲良くすればこんなにお得!」のアピール、まさに国を売り込む?必死のセールストークである。

 

 そんな必死になって、可愛いものじゃないか(笑)。ジルクニフを見て、アインズは新人営業マンの拙いセールストークを聞いているような気分になる。自分にもこんな頃があったなー…などと思いながら「うむうむ」「そうだな」と相槌をうつ。

 

これに対して両陣営の反応は…

 

「「「「「がんばれ、じるくにふさま」」」」」

 

「そういう事ですか!さすがはアインズ様。」

 

「よく分からないでありんす。」

 

 どれが誰の反応なのかは伏せるとして、トップ同士の交渉に口を挟む者はいなかった。ちなみにガゼフはこの間も土下座したままである。

 

「ジルクニフ殿の提案はとても興味深いものだった。こちらも前向きに検討しよう。まあ詳しい条件は実務者同士で詰めるという事で…デミウルゴス、バハルス帝国との交渉は任せたぞ。バハルス帝国は大事なお得意様になってくれるのだから、しっかりと配慮するのだぞ。」

 

「畏まりましたアインズ様。全てはアインズ様のお望みのとおりに…」

 

 アインズとしては頑張った新人営業マンに、敢闘賞として花を持たせてやろうかというニュアンスだったのだが、その様に受け取った者は誰もいなかった。後日、デミウルゴスから「ナザリックによる冊封体制」「バハルス帝国との朝貢貿易」「遣ナザリック使の受入れ」を聞かされたアインズは仰天する事になる。

 

「―さすがはデミウルゴス。私の考えている事を見抜かれてしまったな。」

 

 

 アインズ・ウール・ゴウン魔導国の成立と、バハルス帝国が魔導国の冊封国になった事は、周辺国家に驚きとともに受け入れられる事になる。帝国臣民には戸惑いの声が多かったが、この事は「人類を存続させた英断」として後世で語られる事になる。そして魔導王との会談を成功させる要因となったガゼフの土下座も「その土下座は一国に値する」として、英雄ガゼフ・ストロノーフの名声を高めるエピソードとなった。

 




デミウルゴスの秘密

ナザリック地下大墳墓第七階層守護者、レベルは140
戦闘力では他の守護者に一歩譲るが、その知略の冴えはナザリック随一
パッシブスキル「支配の呪言」はレベル80以下の相手に対して
絶対遵守の強制力を持つ。多分ラナーさんでも勝てない。

ユグドラシルに一時復帰したウルベルトは
モモンガの事をかなり案じていたので
その意思を継いだのか、モモンガには絶対ともいえる
己の創造主に捧げる以上の忠誠を捧げている。
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