Awakening   作:アリス・リリス

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第四話~神隠しの森~

「ソフィア王女、完成しました!」

 

その声を聞いて、ソフィアは、すぐさま支度をして、飛行機に乗り込んだ。

 

 

「いきますよ」

 

ヒュドーは、飛行機を押した。

 

 

「ありがとう、ヒュドーさん!かならずリューリクさんを救出して戻ってきます!」

 

「どうかご無事で!」

 

飛行機は、空高く飛び立った。

 

 

「私が『神隠しの森』まで案内します!!しっかり付いてきてください!」

 

ヨシュアの後を追うようにソフィアは、飛行機の操縦管を動かした。

 

ルテフォを離陸してから1時間後、はるか向こうに青々と茂った森が見えてきた。

 

「あれが『神隠しの森』です!着水体制に入ってください!」

 

 

ソフィアの乗せた飛行機は、ゆっくりと高度を下げた。

 

「着水するわ!」

 

森の入口近くにある湖に着水した。

 

 

「なんだか、霧が立ち込めてない?」

「急ですね…」

 

神隠しの森に入ってからすぐに霧がでてきた。

霧のなかに小さな光る球体が見えた。

 

「何かしら…?」

 

 

一瞬、不気味な緑に光った。

 

 

「なんだったのでしょう…」

 

「………」

 

ソフィアからの返事はない。

 

すると、ヨシュアを置いて、ゆっくりと歩き出した。

 

「ソフィア様!?」

 

「………………………」

 

なお返事はない。

 

ソフィアの顔を見た。

 

 

凍らされたように表情のない顔。

大きく見開かれた目。

 

その瞳にはヨシュアの姿が映っていないのか、全く気づかない。

 

そして、どこか虚空を見つめているような焦点の合わない視線。

 

 

「ソフィア様?しっかりしてください!」

 

「………」

 

ヨシュアの声も届いていない。

 

機械仕掛けの人形のようになってしまったソフィア。

 

 

その足取りは、ゆっくりと、だが、確実に森の奥深くへ進んでいた。

 

 

「ソフィア様!これ以上、行ってはなりません!」

 

 

ガツッ!

 

 

「イタタタ…」

「グル…」

 

ヨシュアとゾーファは、何かにぶつかった。

 

 

しかし、ソフィアはそのまま奥へ向かっていた。

 

「ソフィア様!」

 

ガツッ!

 

 

「ふっ、不可視の壁!?」

 

 

 

次第にソフィアの姿が霧に包まれていった。

 

 

「!?」

 

霧の中に不気味に笑う顔がヨシュアの目に映った。

 

「ソフィア様ー!」

 

 

 

 

 

「…………………?」

 

ソフィアは、霧の中でふと後ろを振り返った。

 

すると、緑の光球が再び光った。

 

(おいで、ソフィア…。もっと奥に来て…。…あなたの両親が待っているわよ…)

 

耳許で囁くような声が繰り返し聞こえた。

 

「…リョウ…シン…、アイ…タイ…」

 

再び歩き出したソフィア。

 

 

緑の光の向こうに怪しく笑う女の姿がうっすらと現れたが、ソフィアの目には見えていなかった。

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