ヨシュアとゾーファは、不可視の壁を破壊しようと試みた。
ブォォォ……
炎を浴びせてもびくともしない。
「ソフィア様、どうかご無事で!」
暗闇の中に水晶玉が浮かぶ。
映し出されているのは、ヨシュア達の姿。
「ホッホッホッ!わしの魔法が解けるはずがないのじゃ!」
黒衣に身を包んだ老婆が水晶玉を見ていた。
「さてと、わしの計画を邪魔をするものは、排除せねばな…」
ガシャン!
ヨシュア達の姿が映る水晶玉を割った。
それと同時に
ドゥオン!
「クゥッ…!」
時空が歪みにより、強いダメージを受けたヨシュア・ゾーファは、身動きが取れなくなった。
――――――――――
「ハッ…。今、時空の歪みを感じた…。通常の歪みじゃない…、もしや…」
白いドレスを身に纏う若い女性は、使い魔の白猫を連れ、時空の歪みを感じた神隠しの森へ急いだ。
――――――――――
暗闇の中に老婆は、もうひとつの水晶玉を浮かべた。
「Ρεα…」
呪文を唱えると、水晶玉の内部にたちまち緑の霧立ち込めた。
骨ばった手でフッと払うと、霧が消え、ある景色が映し出された。
そこに映し出されたのは、ソフィアの姿。
「わしの新たな
老婆の声に呼応して、使い魔のカラスが騒いだ。
「もう少しの辛抱じゃ…」
――――――――――
哀れなソフィアは、両親に会えると信じて、自分が
「…リョウシン…、アエル…。…ハヤク…アイタイ…」
――――――――――
「ゾ…、…ゾーファ…」
「キュン…」
ヨシュア・ゾーファは、体力の限界を感じた。
(リューリク様、役目を果たせず…すみません…。私めに罰をお与えになるならば、抵抗しません…)
目を閉じた。
体が次第に軽くなっていく。
(ああ…、死ぬのだなぁ…。しかし、怖くなどない…。これが罰をなのだろうから…)
底無し沼に沈んでいくような感覚…
「――――!」
誰かが何か叫んだようだ。
(ソフィア様…、さようなら…)
ヨシュアの意識が途切れた。
「時空の歪みが消えてる…」
「こいつら大丈夫なのか?」
白猫がしゃべった。
「手当てをすれば大丈夫よ」
白いドレスの女性は、立ち上がると不可視の壁があるところに手を触れた。
「やっぱり…ね…。エルブリオ、
エルブリオと呼ばれた猫は、耳を澄ますような動作をひとつした。
「ウルリケ様、この向こうかと」
「まずいわね、早く行かないと…」
同じ頃、ソフィアは、森の最奥にたどり着いた。
そこには、両親の姿があった。
「父様、母様!やっと…やっと会えた!」
永い間眠っていた城で見た写真のままの姿の両親がそこにいた。
二人は、ソフィアを抱きしめた。
「ずっとやって来ると信じていたわ!」
王妃が泣きながら言った。
背後に禍々しい魔法の気配を感じた。
「わしにすべてを寄越すのじゃ!」
老婆が声をあらげた。
「父様も母様も私が守る!」
ソフィアは、庇うように立ちふさがった。
「ソフィア…」
「やめなさい!魔力を持って…」
「魔力なんてなくても、ここまで来れたのだもの!」
「フォッフォッフォ…!」
老婆は、ソフィアの言葉を聞いて、甲高い笑い声をあげた。
「どうして笑うの!?」
「わしの狙いは…」
「お前だということさ…」
囁くような声で言った。
パチン!
老婆が指を鳴らした。
「キャア!」
ソフィアは、何者かに腕を掴まれた。
腕を掴んだのは、両親。
しかし、その目は、赤く光っていた。
「父様、母様!?」
「まだ本当の親だと信じているのかね?」
もう一度指を鳴らした。
すると、二人の姿がドロドロになった。
「!?」
「わしの
「あなたは、何者なの!?狙いは!?」
「わしの名は、ティタニラ。狙いは、お前の体さ」
ティタニラは、ソフィアの体に触れようとした。
バチッ!
「防御魔法か!でも、この森ではわしの魔法を防ぐことはできぬ!」
もう一度体に触れようとした。
「若々しい体じゃの!」
首筋から胸のラインをさすった。
「そんなに怯えるな。すぐには使わんよ。さて、