リューリクは、人間の居場所を知っていた。
「人間は、空の島へ旅立った」
リューリクは、ソフィアにペガサスを授けた。
ソフィアはペガサスに乗り、ヨシュア、ゾーファと空へ向かった。
もうすぐで浮遊島に手が届きそうなとき急に嵐が起きた。
第一話~空の浮島に忍び寄る影~
「きゃっ!」
「ソフィア王女!」
「グルー!」
「ヒヒーン!」
視界が暗転した。
…チュンチュン…
ソフィアの耳に小鳥のさえずりが届いた。
(私…死んだのかしら…?)
花の香りが漂う空気を吸った。
(…父様…母様…)
重いまぶたを開いた。
そこには、美しい草原と奥へと伸びる小道があった。
雲間からは、下界が見える。
「ソフィア王女!お目覚めになりましたか!」
「ヨシュア…。ここは、死後の世界なの…?」
「とんでもない!ここは、私たちが目指したスカイウォードです」
「なんとか、たどり着いたのね?…ゾーファとシエルは?」
「グルッ♪」
どこからともなくピクシードラゴンが現れた。
「ソフィア様、どうやら怪我をしてしまいました…」
背後から傷だらけのシエルが現れた。
「まあ、ふらふらじゃない!手当てをするから、じっとしていて」
「お手を煩わせて、申し訳ありません…」
「いいのよ」
ソフィアは、丁寧に包帯を巻いた。
「あとは、獣医を探さないとね」
ソフィアは、立ち上がると、奥へと続く道を歩いた。
黒い影が現れた。
ザッ!
影は、ソフィアを襲った。
「…大丈夫!?」
「どうやら、魔力を持たないソフィア様には効かないようですね。けれど、奥にいく道に結界が張られてしまいました…」
ヨシュアが小石をくわえて投げると、バチバチっと鳴って、跳ね返ってきた。
「まあ!この子、石にされてしまっているわ!」
少女の顔は、悲しげな顔をしていた。
手には折れた茎が。
「ヨシュア、この茎を持つ植物って?」
何かひらめいたかのように呟いた。
ヨシュアは、ソフィアを不時着した場所へ連れてきた。
そこには大輪の黄色い花が咲いていた。
「これです。『ユラ』といいます」
ソフィアは、ユラの花を取ると、先ほどの少女の元へ戻り、手の中へ入れた。
パキン!
石化が解け、少女が喋り出した。
「ソフィア様なの?助けに来てくださったの?」
「何があったか、教えてちょうだい」
「ドレッドマイヤがバジリクでみんなを石にしていったの…」
「わかったわ。まずは、あのスカイウォード城へ向かいたいの」
「お祖父ちゃんがウィンドシップを動かせるわ。付いてきて!」
少女は、ソフィアの手を引いた。
ソフィアは、ふと思った。
(ドレッドマイヤ卿…。彼は、確か王室付き魔法使いだったはず。…私にとって叔父のような人だと聞いているけれど…。何があったの…?)
そう考えているうちに目的地に着いたようだ。
「…お祖父ちゃん!?」
少女の祖父は、空の懐中時計を見ている姿のまま石化していた。
「姫様、お祖父ちゃんを助けて!」
「わかったわ、必ず助けるから」
ソフィアは、少女に誓うとウィンドフェリーの操縦室に向かった。
「動かせるかしら?」
レバーを引いてみた。
ウィンドフェリーは、動かなかったが、鎖で繋がれた他の島が動いた。
ガシャン!!!