Awakening   作:アリス・リリス

18 / 27
第四話~コカトリスの卵~

シエルをフォーンに託し、ソフィアは、兵舎に向かった。

 

 

扉にはフォーンからもらった六角形の石がちょうど収まる大きさの空洞があった。

 

カチッ

 

 

予想通り、石がはまった。

 

すると、それを取り囲むように小さな石が現れた。

 

「おそらく、正しい位置に置くことで開くのかと…」

 

ソフィアは見つめていた。

 

「これ…、正しい位置に置くと、模様になるんじゃないかしら…」

 

 

カチャン…

カチャン…

カチャン…

カチャン…

 

 

 

 

ガチャッ…

 

違う音がして、扉が開いた。

 

 

中は、静けさが支配していた。

 

「すいません!誰かいませんか!?」

 

…………

 

 

「誰もいないようですね…」

 

ヨシュアは、ボソリと言って、移動しようとした。

 

「ヨシュア、待って」

 

ソフィアが引き止めた。

 

「ソフィア様、何か…」

「シッ!

何か聞こえない?」

 

 

………………

 

かすかに誰かが声を発しているのが聞こえた。

 

ヨシュアは、その声の主を飛び回りながら探した。

 

「ソフィア様、こちらです」

 

ヨシュアが示したのは、入口が荷物で塞がれた倉庫。

 

「誰かいるの!?」

 

「…ソ…フィ…ア様!?…ここ…開けて…!」

 

 

若い男の声だった。

 

「今、助けるわ!」

 

 

荷物の量は、見た目よりも多く、すべて片付けるのに1時間ほどかかった。

 

ソフィアが倉庫の扉を開くと、そこには若い兵士がいた。

 

 

「助けていただき、ありがとうございました。

私は、フランツ。

あなた様が16歳の誕生日を迎える日にお迎えにあがるはずでした。

我々のご無礼をお許しください」

 

「そんなこと、気にしないわ。

ところで、『炎水晶機械(ファイアクリスタルマシン)』がここにあると、フォーンから聞いたのだけど…」

 

 

フランツは、ごそごそと探し始めた。

 

「ありました!

ちゃんと修理しましたよ。

あとは、炎水晶(ファイアクリスタル)を付けるだけです。

炎水晶(ファイアクリスタル)は、あの風車の中にあります。

あの紅く光っている物が水晶(クリスタル)です」

 

フランツから炎水晶機械(ファイアクリスタルマシン)を受けとると、兵舎から出た。

 

 

(次は、コカトリスの卵を探さなきゃ…)

 

 

フォーンが卵を隠したという、温室に向かった。

 

 

「温室のどこに隠したというの…」

 

温室にある、何かを隠せそうな場所を全て見たが、卵を見つけることができなかった。

 

諦めかけた時、机何かが刻まれているのに気づいた。

 

「ヨシュア、これって…」

「ルーン文字ですね。

『空と大地 月と太陽 対を持たぬものなし』…」

 

ヨシュアが読み上げると、ルーン文字は、輝き始めた。

 

次第に、球体の姿が現れた。

 

「これが、コカトリスの卵…」

 

ソフィアは、卵を手にして、炎水晶機械(ファイアクリスタルマシン)に注意深く入れた。

 

 

「ソフィア王女!治療が終わりました!」

 

フォーンの呼ぶ声がした。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。