Awakening   作:アリス・リリス

19 / 27
第五話~炎水晶とドラゴン~

フォーンの声がした方に向かうと、シエルの傷は、すっかり癒えていた。

 

「もう大丈夫ですよ」

「ソフィア様!」

 

 

シエルが駆け寄ってきた。

 

「コカトリスの卵を見つけたわ。

あとは、炎水晶(ファイアクリスタル)を手に入れるだけよ。

フランツからあの風車の中にある、と聞いたわ」

 

「私は、成長を促す食べ物を作ります。

すぐにバジリクスに対抗できるように」

 

 

フォーンは、研究室に入っていった。

 

 

「シエル、あの風車に飛べるかしら?」

 

「はい、お乗りください」

 

ソフィアがまたがると、すぐに飛び立った。

 

 

パサッパサッ…

 

 

「まもなく到着します」

 

 

シエルは、風車のベランダに舞い降りた。

 

(フランツの話ではこの奥に…)

 

扉を開いた。

 

青い水晶(クリスタル)で作られた台の上に赤々と輝く水晶(クリスタル)が置かれていた。

 

 

ソフィアが手に取ろうとしたとき、どこからかドレッドマイヤが現れた。

 

「姫様、危ない!」

 

ヨシュアが叫んだ。

 

ドレッドマイヤは、ソフィアには目もくれず、まっすぐ炎水晶(ファイアクリスタル)のところへ進んだ。

 

 

ドレッドマイヤが手をかざすと、炎水晶(ファイアクリスタル)の鮮やかな赤が次第に消えていった。

 

ドレッドマイヤが姿を消したとき、水晶(クリスタル)の赤は消え失せていた。

 

 

「憎きドレッドマイヤめ!

別の炎水晶(ファイアクリスタル)を探さなければならなくなってしまいました!」

 

ヨシュアが罵っているとき、足元に何かが落ちていることに気づいた。

 

 

 

 

『ソフィア王女様へ』

 

 

 

中には、ゴールドリーフの枝で作られた弓矢が入っていた。

 

 

「ヨシュア、炎水晶(ファイアクリスタル)について、フランツにもっと話を聞きましょう」

 

 

弓矢を持ち、再びシエルにまたがった。

 

 

 

 

 

 

「…炎水晶(ファイアクリスタル)ですか?

あれは、魔力が宿った水晶(クリスタル)とドラゴンの炎によって、生まれる物です。

魔力水晶(マジッククリスタル)は、こちらです。

ただ…、ドラゴンがどこにいるかは分かりません…」

 

 

フランツは、ソフィアに魔力水晶(マジッククリスタル)を手渡した。

 

 

「ゾーファの力では足りないの?」

「はい、最低でも4匹のドラゴンに協力してもらわないとなりません…」

 

 

フランツとソフィアが話していると、

 

 

 

「グルル!」

 

 

 

「ゾーファ!どこにいくの!?」

 

 

ゾーファは、ひとりでに飛び立った。

 

 

「ちょっと待ちなさい!」

 

 

ソフィアとヨシュアも後を追う。

 

 

 

「ここは…」

 

たどり着いた場所は、風車の真下にある洞窟。

 

「グルル…」

 

ゾーファが示した先にドラゴンの石像があった。

 

 

「もしかして、本物のドラゴンなの?」

 

首を縦に振るゾーファ。

 

「家族なの?」

 

再び縦に振るゾーファ。

 

 

「どうすれば元に戻るのかしら?」

 

あちらこちら見てみると、歯が何本か間違った位置にあることに気づいた。

 

元通りに直すと、

 

 

パキン…

 

 

「グゥルルル…!」

 

ドラゴンが3匹現れた。

 

 

「グルッグルルー!」

「グルルッ?」

「グルッル」

「グルルルル」

 

 

何か会話しているようだ。

 

 

「ソフィア様、魔力水晶(マジッククリスタル)を出してみたらいかがでしょう」

 

 

先ほどフランツから渡された魔力水晶(マジッククリスタル)を差し出した。

 

 

すると、ドラゴンは魔力水晶(マジッククリスタル)めがけて、火を吹いた。

 

 

水晶(クリスタル)の中に火が灯った。

 

 

「急いでコカトリスを孵しましょう!」

 

 

炎水晶機械(ファイアクリスタルマシン)炎水晶(ファイアクリスタル)を取り付け、コカトリスの卵を入れた。

 

 

バキバキッ!

 

 

 

小さなコカトリスのひなが産まれた。

 

 

「手伝ってくれてありがとう!

また会いましょう!」

 

ソフィアは、フォーンに会うためにシエルにまたがった。

 

 

「ルルー!」

「ゾーファ?」

 

ゾーファがソフィアを追いかけた。

 

 

「いいの?」

「グルッ♪」

 

 

 

 

 

 

 

「フォーン!

コカトリスのひなが産まれたわ!」

 

「お待ちしておりました。

この餌を食べさせてください。

すぐに大きくなります」

 

 

ソフィアは、フォーンから渡された餌をコカトリスのひなに食べさせた。

 

すると、たちまち成獣の姿に変わった。

 

 

「おいで!コカトリス!」

 

 

ソフィアとフォーンは、コカトリスをバジリクスのいる場所まで誘導した。

 

 

 

 

二人の目の前で伝説の獣の戦いが始まった。

 

 

羽根と鱗が舞い散る中、2匹は激しくぶつかり合った。

 

 

初め互角だった戦いは、次第にコカトリスの方が優勢となった。

 

 

不意に、バジリクスの姿が煙となった。

 

 

 

「ビョビョビョ!」

 

コカトリスは、勝利の雄叫びを上げた。

 

 

「姫様、やりましたね!」

 

フォーンが声をかけた。

 

「どうかドレッドマイヤを滅してください。

王国を守るために…」

「必ず…必ず、平和をもたらすわ」

 

 

ソフィアは、フォーンに誓い、スカイウォード城に足を踏み入れた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。