ソフィアは、玉座の間に通じる廊下を歩いた。
扉の前に石化したメイドがいた。
すると、どこからともなくドレッドマイヤが現れ、呪いをかけた。
メイドの姿は、たちまちガーゴイルの姿に変わってしまった。
「どうしましょう!
ガーゴイルの呪いを解かなければなりません!」
ヨシュアが叫んだ。
「城の中にヒントがあるかもしれないわ。
彼女を救うために探しましょう!」
ソフィアは、広い城内をまわることにした。
最初にたどり着いた場所は、ソフィアが眠りから覚めた部屋とよく似た部屋。
入口には、ルーン文字で『ソフィア』と書かれていた。
(私の部屋…)
ソフィアは、自室のクローゼットを開き、手がかりを探した。
すると、星形の鍵を見つけた。
ソフィアは、鍵を拾い上げると、次の部屋に向かった。
次にたどり着いたのは、製図の部屋。
ふと一枚の絵画に目が止まった。
それは、不思議な形の星座と赤々と輝く星を描いたもの。
「何かヒントになりそうね」
それをメモすると、次の部屋に向かうため、反対の廊下を目指した。
反対の廊下の入口は、かたく閉められていた。
「もしかして、先ほど拾った鍵が使えるかもしれませんね」
ヨシュアがそうささやいた。
思った通り、星形の鍵で扉は開いた。
廊下を入って、真っ先に目に飛び込んできたのは、一枚の壁画。
違いは、赤い星が描かれているかどうか。
「さっきと同じものが描かれているわ!
ヨシュア、何を意味するか知ってる?」
「いいえ、私には…。
確かこの城に天文学者がいたはずです。
彼なら、知っていると思います」
ソフィアは、ヨシュアの助言に従って、天文学者を探した。
『魔法使いの間』と書かれた部屋に足を踏み入れた。
そこには、石化した老人が立っていた。
足元にコンパスが落ちていた。
「コンパスは、彼に必要よね」
ソフィアは、そう言いながら、コンパスを老人の手に持たせた。
パキン…
「ああ、ソフィア様!
ご無事でしたか!
私は、ヘンリー。
天文学者でございます」
「はじめまして、ヘンリー。
いきなりだけれど、あなたに聞きたいことがあるわ」
ソフィアは、ガーゴイルのこと、そして、絵画の意味について尋ねた。
「まずガーゴイルについてですが、確か図書室に本があるはずなので、探してきましょう。
次に、絵画のことです。
赤い星は、千年に一度現れるという、『支配の星』といいます」
『支配の星』―、それは計り知れない魔力を持った星。
千年に一度、空から落ちてくるという。
王室つき魔法使いは、それを召喚し、王に献上するという。
「ドレッドマイヤの狙いは、『支配の星』です。
王と女王は、奴よりも先に召喚しようと、ソラリウムにて儀式を執り行うはずでした。
しかし、ドレッドマイヤと戦うため、玉座の間におられます。
ドレッドマイヤが『支配の星』を手にいれれば、誰も手を出せなくなります。
ソフィア様、どうかドレッドマイヤよりも先に『支配の星』を手にいれてください。
ソラリウムの鍵を渡します」
ヘンリーは、ソフィアに鍵を渡した。
「ソラリウムは、この廊下の突き当たりです。
私は、図書室に本を探しにいきます」
ヘンリーと別れ、ソフィアは、ソラリウムに急いだ。
「『支配の星』…。そんなものがあったなんて…」
ヨシュアは、呟いていた。
カチャン…
ソラリウムは、静まり返っていた。
「ねぇ、あの方、ソフィア王女じゃないかしら?」
誰かの声が聞こえた。
声の主は、人形だった。
「あなたは?」
「僕は、ジム」
「私は、シエラ」
人形がしゃべった。
「私は、ソフィア。
ヘンリーから『支配の星』について聞いたのだけれど…」
「私たちは、『支配の星』を召喚する前夜にダンスを踊るはずでした。
魔法使いが召喚の準備をしていた時にドレッドマイヤが襲ったの」
「これは、魔法使いが落とした宝石。
これで、『魔法使いの間』の奥にある、研究室に行けるはずだよ」
ジムとシエラは、自分たちの体より大きな宝石を差し出した。
「ありがとう、ジム、シエラ」
「ソフィア様、召喚する時に『星の旗』が必要だよ。
あそこに掛かっているのが、それだよ。
あれを完成させて、召喚するんだ」
ジムが指差した先に青い旗があった。
「ありがとう、あとでまた来るわ」
ソラリウムを後にして、研究室に向かった。
魔法使いの間に戻ると、ヘンリーが待っていた。
「ああ、ソフィア様!
こちらの本です」
『ガーゴイル』
ガーゴイルを退治するには、凍らせる魔法を使ったあとに、沸いた湯を浴びせなければならない。
そうすることにより、ガーゴイルは、体を保つことができずに消滅する。
「この部屋に『氷のアミュレット』と『炎のアミュレット』が保管されていると聞いております。
そちらを使うといいかと」
「ヘンリー、ありがとう。
あとは、私が何とかするわ」
ソフィアは、まず秘密の部屋に向かった。
秘密の部屋は、
「あった!」
星と太陽をかたどった絵を見つけた。
ソフィアは、急いでソラリウムに戻った。
「ジム!シエラ!
『支配の星』を召喚するわ!」
『星の旗』を完成させ、ソフィアは呼び掛けた。
「ジム、いくわよ」
「わかってる、シエラ」
♪
大いなる星よ
偉大なる星よ
正しき道を示す者の前に
今ここに現れよ
♪
二人の澄んだ歌声が響く。
ゴォォ…
ガラス張りの天井から何かが落ちてくるのが見えた。
ガシャン!
「ソフィア様の部屋に落ちたみたいです!」
「急いで!
ドレッドマイヤが気づいちゃう!」
ジム、シエラにせかされて、ソラリウムをあとにした。