Awakening   作:アリス・リリス

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第七話~真実~

ソフィアの自室にはドレッドマイヤの姿は、まだなかった。

 

「ソフィア様、早く回収を!」

 

 

赤々と輝く支配の星に触れてみた。

 

見た目ほど熱さを感じない。

 

「ソフィア様!ソフィア様!」

 

 

ヘンリーが部屋に駆け込んできた。

 

ソフィアの手の中に『支配の星』を見つけた。

 

 

 

「無事に『支配の星』を手にいれることができたのですね!」

「ええ。

ところで、そんなに急いでどうしたの?」

「研究室の壁に不思議な紋様が現れたのです!」

 

ヘンリーに言われるまま、研究室に向かった。

 

 

 

「この壁画…、『支配の星』が落ちてくるのと同時に現れたの?」

「さようでございます。

エネルギーを注入しないと、作動しないようです。

あいにく、私の魔力は、ドレッドマイヤに奪われてしまって…」

 

 

ソフィアは、しばらく黙っていた。

 

 

「そういえば、『支配の星』って、魔力の塊みたいなものなのよね?」

「はい」

「なら、これでエネルギーを注入できるんじゃないかしら?」

 

 

そう言いながら、『支配の星』を壁画にかざした。

 

すると、青く輝き始めた。

 

 

奥へと向かう通路が現れた。

 

 

その先には、黄色い光がチラチラと光っているのが見えた。

 

 

「ちょっと見てくるわ」

「お気をつけて」

 

 

 

ソフィアは、隠し部屋の中に足を踏み入れた。

 

 

黄色い光の正体は、小さな正四角錐だった。

 

正四角錐にそっと触れると、魔術師の霊が現れた。

 

 

「…どうか驚かないでください。

私は、パトリック・ドレッドマイヤの精霊です。

私は、国王夫妻の忠実な臣下です。

本来なら、姫様がお目覚めになったとき、お仕えするように命を受けたのですが…。

 

姫様が見てきた影は、私が召喚し損ねた精霊です。

従わせようとしたのですが、逆に命、地位さえも奪われてしまいました…」

 

 

ドレッドマイヤの精霊は、正四角錐を指差した。

 

 

「どうか、あの影をこの『四次元プリズム』に封印してください。

影に最も近づくことができるのは、姫様だけです」

「わかったわ。

ところで、ヘンリーから『炎のアミュレット』と『氷のアミュレット』がこの城のどこかにあると聞いたのだけど…」

 

 

ドレッドマイヤの精霊は、指を鳴らした。

 

すると、『炎のアミュレット』と『氷のアミュレット』が現れた。

 

 

 

「こちらでございます。

姫様、これを何のためにお使いになるのですか?」

 

「『玉座の間』へと通じる扉の前でメイドがいたのだけれど、影が『ガーゴイルの呪い』をかけてしまったの…

 

「そうでしたか…。

どうぞアミュレットをお持ちになってください」

 

そう言うと、ドレッドマイヤの精霊は、姿を消した。

 

 

近くにあった釜に水を汲み、ヘンリーのもとへと戻った。

 

 

「見つけたわ!

『炎のアミュレット』と『氷のアミュレット』!」

 

「おお、姫様。

ガーゴイルを倒すには、凍らせたあと、熱湯を浴びせるのです。

ちょうどよい計画を練りました」

 

 

ヘンリーは、製図の部屋の上にある屋根裏部屋へと案内した。

 

 

 

「姫様、このようにするのです―」

 

ヘンリーの言う通りに仕掛けを作った。

 

釜に『炎のアミュレット』を貼りつけた。

 

「ゾーファ、静かに火を吹いて」

 

ボッ

 

水が加熱され、お湯ができた。

 

 

 

すぐさまガーゴイルのいるところへと向かった。

 

 

グォルル………

 

 

「今、助けるわ!」

 

ソフィアは、矢じりに『氷のアミュレット』をくくりつけ、力一杯弓を引いた。

 

 

シューッ!

 

矢は、ガーゴイルめがけて、青い軌跡を描いた。

『氷のアミュレット』がガーゴイルの体に触れた瞬間、たちまち氷に包まれた。

 

それを確認して、ソフィアは、素早く次の矢を放った。

 

 

 

シューッ!

 

放った先にあるのは、釜を支えていた重り。

 

ガッシャーン!

 

 

お湯が凍ったガーゴイルに降り注ぐ。

 

 

バリッバリバリ!

 

 

ガーゴイルを包んでいた石は、粉々に砕け散った。

 

メイドが気を失って倒れていた。

 

 

「大丈夫!?」

 

ソフィアは、必死に呼び掛けた。

 

 

「………うっ………」

「よかった!」

 

女性は、薄く目を開いた。

 

「……ソフィア……様。

助けていただき…、ありがとうございます。

 

ご両親は…、『玉座の間』で今も戦っておられます。

 

王妃様は、私めにこのパッチワークをソフィア様にお渡しになるように、とおっしゃいました」

 

 

メイドは、ソフィアにパッチワークを差し出した。

 

 

「この扉を開くには、『パラダイス・キー』が必要なのです。

王妃様は、おっしゃいました。

 

『魔法のパッチワークを完成することができたなら、鍵が現れるであろう』

 

ソフィア様、どうかパッチワークを完成させてください」

 

 

メイドからパッチワークを受けとると、早速始めた。

 

説明を読みながら、作業を進めた。

 

(思ったより、難しいわね…)

 

説明書には正方形の図に数字が振られているだけだった。

 

そして、ある形をかたどったとき。

 

 

「なっ、なに…?」

 

 

パッチワークが輝き始めた。

 

光がやむと、そこには絵柄と『パラダイス・キー』があった。

 

「………!」

 

絵柄は、母親が少女を抱いているものだった。

 

 

(昔…、お母様がゴールドリーフの木の下で勇敢なお姫様の話をしてくださったっけ…)

 

古い記憶がよみがえってきた。

 

「お父様とお母様は、無事なの!?」

 

「わかりません…。

しかし、一刻を争います!」

 

ソフィアは、『パラダイス・キー』を鍵穴にはめた。

 

 

扉がゆっくりと開いた。

 

(お父様、お母様、

私は、困難を乗り越え、帰ってまいりました。

どうか無事でいてください…)

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