スカイウォード城の玉座の間に足を踏み入れたソフィア。
そこには、白く輝く『無限の球体』があった。
「父様!母様!」
ソフィアの両親が『無限の球体』の中でドレッドマイヤの影を押さえていた。
しかし、影の魔力は強大で『無限の球体』を破ってしまった。
両親は、突き飛ばされ、ぐったりと倒れた。
ピクリとも動かない。
「影よ!この私が封印するわ!」
四次元プリズムを掲げた。
「この私をパトリックが用意した子供騙しの石に閉じ込めようと?
あいつを殺したときに知識はすべて私のものとなったのだ。
無の空間で永遠に過ごすのはお前だよ、お姫様!」
影がそう言うと、
「キャアアア…」
ソフィア達は、四次元プリズムに吸い込まれていった。
「うっ…」
「姫、ご無事でしょうか?」
「グルッ?」
目を覚ますと、真っ暗闇の中にいた。
「どうやら我々が四次元プリズムに閉じ込められてしまったようです…」
「そんな…。
永遠に独りぼっちなの…?」
ソフィアの頬を伝って、涙が一滴落ちた。
たちまち辺りが明るくなり、見覚えのある城の風景と五枚の鏡が現れた。
それぞれの鏡にはソフィアの姿が映っていた。
「よく見ると、一枚だけ違うわ!
これが脱出するヒントかもしれない!」
鏡に触れると、その中に吸い込まれていった。
再び五枚の鏡が現れた。
後ろに広がるのは、これまた見覚えのある湖。
「姫様、この場所に見覚えがありませんか?」
「ええ!」
「どうやら過去の冒険を旅しているようです!」
一枚だけ違う姿が映っている鏡に触れると、再び吸い込まれていった。
次に現れたのは、ゴブリン王国の首都・ルテフォの旧市街。
そこにも五枚の鏡が現れた。
「ゴブリン王国ならば…、現在まであと少しです!」
鏡に吸い込まれると、フォーンと出会った空中庭園に着いた。
「もう少しで戻れます!」
鏡に吸い込まれると、大きな葉の上にいた。
「ここは、一体?」
まだプリズムの中にいる証に鏡が現れた。
「未来のビジョンでしょうか?」
「戻れるの?」
疑問に思いながら、魔法の流れに身をまかせた。
「あ…ありえん!
この強力な魔法をいとも簡単に!」
ドレッドマイヤの怒りにふるえた声が聞こえた。
「ホーッホッホッ!
姫様は魔力を持っておりません。
お前の強力な魔力も無意味なのです!
邪悪な奴よ、さっさと消え去れ!」
ヨシュアが力一杯叫んだ。
「これで終わらぬ!
地上にはまだ私の分身がいる!
この世を支配するのは、この私だ!」
ドレッドマイヤは、自分の分身を呼び出し始めた。
次から次へと集まる影。
その時、四次元プリズムが白い光を放った。
ソフィアの手から離れ、再び白く光った。
影を吸い込んでいくプリズム。
「ギャァァァ…」
断末魔を残して、ドレッドマイヤも消え去った。
「………終わったの………?」
「どうやら…」
「ハッ、お父様とお母様は!?」
二人は、ドレッドマイヤが解き放たれた時と同じ状態で倒れていた。
「お父様!お母様!」
「「………………」」
「嘘でしょう!?
目を開けて!」
「「………………」」
「姫様…、二人の精霊が…奪われています…」
「そんな…」
操舵室からジャックスペローが降りてきた。
「どうしたんだ?
……オッ、オイ……。
嘘だろ…?
お姫様…、…場所を移そう…」
ソフィアとジャックスペローは、二人を寝台へと運んだ。
話を聞きつけた、ノモス・フォーン・フランツ・ヘンリーが駆けつけた。
「王…」
「どうして…」
口々に言った。
しばらくすると、フォーンがソフィアの前に膝まついた。
「どうしたの?フォーン…」
「ソフィア王女、いえ、ソフィア女王…。
私は、あなたに忠誠を誓います」
フォーンの言葉に続いて、次々と誓いの言葉を立てた。
「陛下、私も誓います。
スカイウォード城を守護する役目を果たしましょう」
「俺も誓おう。
あの二人の大事な娘だからな…」
「………わかったわ。
私は、魔力を持たないけれど、賢く国を治めましょう」
スカイウォード城の女王として即位したソフィア。
永い暗黒の時代を終わらせた女王として、以後語り継がれることとなる。
しかし、彼女の旅はここでは終わらなかった。
…………新たな旅が近づいていた。