―希望―
「……………」
ソフィアは、一人佇んでいた。
その目線の先には
未だに眠り続けるソフィアの両親。
あの戦いの日からすでに2ヶ月…、
精霊を奪われた二人は、魂のない永い眠りに囚われてしまったのだ。
「女王陛下!
こちらにいらっしゃったのですね」
ヨシュアがソフィアの肩に留まった。
「どうしたの?
そんなに急いで…」
「ジャックスペローがあなたに伝えたいことがあるそうです。
バルコニーでお待ちです」
「わかった、すぐに向かうわ」
そっとカーテンを引いて、部屋をあとにした。
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「………サン・フックの魔女?」
「ああ、精霊界について語らせたら右に出るものはいないって話だ。
彼女以外に助けを求める相手はいないだろう」
「女王陛下!
緊急事態です!」
二人が話していると、フランツが入ってきた。
「未確認飛行物体がこちらへ向かっています。
望遠鏡からその様子が確認できるでしょう。
撃ち落としますか?」
ソフィアは、望遠鏡を覗いた。
「えーっと」
何かが黒い煙を上げながら近づいてくる。
「まずい、ぶつかっちゃう!」
すぐさま、望遠鏡を離れた。
ガッシャーン!
「ぼっ、僕の望遠鏡が…」
「本当に世の中クレイジーだな…」
「…女…女王…へ…陛下…!
おっ……覚えて……おられます……か…?
…ゴブリン王国…の…ヒュ…ドー…で…す…」
かつてゴブリン王国で出会ったヒュドーだった。
「…スカイ…パ…パイレーツ…!
奴らが…追ってくる…!
奴らに捕まって…、無理やり…道具を作らされた!
…命からがら抜け出してきた…!
ど…どうか…お…お助けを!」
それを聞いたフランツは、すぐさま大砲の準備をした。
「陛下、迎撃の準備ができました。
あとは、陛下の攻撃指示を待つのみです」
ソフィアは、無限に広がる空をにらんだ。
雲間からスカイパイレーツの姿が見えた。
「撃てーっ!」
よく通るソフィアの声がこだました。
バン!バン、バン!
ババン!バン!
「お見事です。
これでしばらくは、抑えられるでしょう」
「……や…奴ら、サ…サン・…フックの塔を…こ…攻撃…す…するって…。
お宝がいっぱいあるからって…」
「サン・フックの塔が攻撃を受けてるって?
それはまずいな…。
俺は、先に塔に向かう。
進路は定めておくぜ!
じゃあな!」
ジャックスペローは、そそくさと去った。
----2日後----
「お目覚めですか?」
「ええ。
ジャックスペローがサン・フックの塔に向かってから、2日経つのね。
…大丈夫かしら?」
テラスを見ると、何かが留まっている。
「グルルッ!」
『パフォピフョ!』
いつも遊びに来るゾーファと機械仕掛けのナイチンゲール。
「何か背中に付いているわね」
「何でしょう…」
ダイヤルを回すと、蓋が開いた。
『親愛なる女王陛下。
私の部隊を打ち倒したのはお見事だった。
勝利を記念して、このナイチンゲールを贈らせていただこう。
アイアンフーフ船長』
「贈り物?
他にも何かがあるのでしょうか?」
ヨシュアが呟いたその時。
急にナイチンゲールが爆発を起こし、ソフィア・ヨシュア・ゾーファは、テラスもろとも落ちていった。
「キャアアァァァ………………」