船室に入れられるなり、ゾーファとヨシュアを引き離された。
ゾーファとヨシュアは、籠に閉じこめられた。
「ソフィア女王、逃げることはできまい!
両親のことなど忘れてしまえ!」
アイアンフーフが去ったあと、小さな魔法使いがいた。
「あっ、待って!」
ソフィアが声をかけたが、すぐに消えてしまった。
「ごめんなさい…。
昔は、優しい方だったの…。
お願いがあるのです。
私のほら貝を探していただきたいのです…。
まだ私が自由だったころの唯一の持ち物だったのに、
アイアンフーフに奪われてしまったの。
見つけてくださったなら、ここから脱出する方法をお教えしましょう」
小さな水槽から声がする。
「あなたは…?」
「私は、セーラと申します。
お急ぎください、陛下!」
ソフィアは、部屋の中を見渡した。
すると、小さな貝殻が目に入った。
(…これかしら…?)
貝殻を拾って、セーラに手渡した。
「ありがとうございます。
まずこれを使って、籠を開けてください」
セーラは、髪止めピンを引き抜いた。
ソフィアは、受けとると、ゾーファとヨシュアが閉じ込められた籠の鍵穴にピンを差し込んだ。
カチャカチャッ………
「陛下!」
「グルグルッ!」
「陛下、あちらに火薬が入った樽とパラグライダーが隠されています。
それを使ってください」
「セーラ、あなたは…」
「私のことは気になさらないでください!」
「セーラ、無事でいて!」
ソフィアは、セーラが指さした場所から樽とパラグライダーを持ってきた。
窓際に樽を置き、導火線がわりに布を使った。
「ゾーファ、お願い」
「グルー」
ポッと火が付いた。
すぐに窓から離れて、パラグライダーを装着する。
ドーン!
「何だ!?
女王の部屋からだ!」
部屋に近づく足音。
「飛ぶわよ!」
ソフィアは、ヨシュア・ゾーファに呼び掛ける。
勢いよく空に向かって走っていく。
フワリと空に舞い上がる。
「目指すは、サン・フックの塔!
魔女に会わなきゃ!
そして、両親を助けてもらわなきゃ!」
優雅に空を滑空しながら、ブルブラック号から離れていった。
女王が雲の向こうに消えていくのを、アイアンフーフと小さな魔法使いが見ていた。
二人は、薄く笑っていた。
(計画通り、ことが進みそうだな・・・!)
サン・フックの塔は、魔法のバリアで守られていたが、魔力を持たないソフィアは難なく通り抜けた。
「陛下、着陸体勢に入ってください!」
「もっ、もう!?
パラグライダーで着陸したことないのに…」
「陛下、私の指示に従って、着陸してください!」