中庭から城に通じる門は、魔法で閉ざされていた。
ソフィアは、ギズーから手渡されたポーションをかけた。
すると、キィと門が開いた。
中にはいると、目の前に馬に乗った自分の銅像があった。
銅像の後ろには大きな門があった。
「ソフィア姫!あの門は、この城の城門です!あそこを出れば、ムーンフェルの森に向かう道に出ます!」
ティファニーが指を指しながら言った。
「開かない…。ティファニー、開かないわ!」
ソフィアは、城門に手を当てて言った。
無理に開けようとして、
「キャアッ!」
かけられている魔法によって弾き飛ばされた。
「イテテ…」
「ソフィア姫、血が出ています。手当てしますね」
「ありがとう。…!」
「どうかしましたか?」
ソフィアは、銅像の足元にあるプレートを指差した。
そこには、人間語でこう書かれていた。
『大いなる門にかけられし魔法
解く鍵は汝にあり
汝が汝を戴冠せし時
未来への道開かれん』
「『解く鍵は汝にあり…汝が汝を戴冠せし時、未来への道開かれん』…どういう意味でしょうか…」
ティファニーが呟いた。
(『解く鍵は汝にあり』…、汝を私のこととして考えると…。『汝が汝を戴冠せし時』…『未来への道開かれん』…)
「わかったわ!ティファニー、この私の銅像に冠をのせれば、『未来への道』―つまり、ムーンフェルの森へ向かう道が開かれるのよ!」
???「正解でございます、ソフィア姫」
背後から声がした。
振り返ると、ゴブリン達がいた。
その中にギズーの姿もあった。
ゴブリン達の中で最も豪華な服装をした者が前に進み出た。
「はじめまして、ですな。私は、ロドリスというものです」
ロドリスが膝まつくと他のゴブリンも同様に膝まついた。
「姫様、我々はあなた様のご両親と、あなた様をお守りするという約束をなさった偉大なる我らが王・リューリク様の命により、ここにおりました」
ロドリスは、懐から牌のような物を取り出した。
「ソフィア姫、この城を出るために必要なこの
「私、そんなの聞いていないわ!」
ティファニーがロドリスに向かって言った。
「ティファニー、遥か昔に見せたでしょう?予言書にはこう書かれていました。『魔力を持たぬ王女 その者いと賢し 知恵を用い、この城を旅立たん』と」
ティファニーは、とたんに黙った。
「姫様、私は予言が外れるのを恐れているのですもしあの大いなる予言書が外れたならば、この世界は崩壊に向かってしまうのです。どういたしますか?」
少しの沈黙のあと…
「やります!」
「では、こちらへ」
ロドリスの元へ向かうと、二人の周辺に結界が張られた。
「ちょっと!」
「ゴブリンソリティアは、挑戦者とそれを見守る者のみ。妖精族のお前は外で待っていろ」
結界の中ではテーブルが置かれていた。
「では、まずルール説明ですね。このように牌が置かれてます。同じ図柄の牌のペアを作っていくのですが、表面がすべて見えている牌でしかペアは作ってはなりません。この牌の山のどこかに隠されている鍵の図柄のペアを見つけた時点で姫様の勝利、行き詰まった場合は私の勝利となります」
ソフィアは、椅子に座った。
目の前に牌の山が現れた。
「時間に制限はありません。どうぞ」
ソフィアは、牌の山に手を伸ばした。
(ソフィア姫、どうかクリアして…)
結界の外でティファニーは、祈っていた。
(難しいわね…。でも…やらなきゃ!)
永遠とも思えるくらいの時間が過ぎたあと…
不意に結界が消えた。
「ティファニー、私、やったわ!」
中からロドリスとソフィアが出てきた。
ソフィアの手には装飾の施された黄金の冠が握られていた。
「さあ、姫様。あなた様の未来への道を開きましょう!」
ソフィアは、馬の上の自分の銅像に冠を乗せた。
魔法が解かれる予感がした。
キィ…
「ソフィア姫、あなた様の未来への道が切り開かれました。私たちはリューリク様の元へ戻らねばなりません。また、会いましょう」
ロドリス達は、城門から次々と出ていった。
最後にギズーが立ち止まった。
「姫様、このマントをお使いください。私が作ったものです。これを身につければ、邪悪な魔法からあなた様をお守りします」
「ありがとう、ギズー」
ソフィアは、マントを受け取り羽織った。
ギズーは、嬉しそうに微笑み、ロドリスの元へ行った。