太陽の日差しが降り注ぐ森へ出た。
「まぶしい…」
ソフィアは、まぶたを閉ざした。
すると、どこからか妖精が現れた。
「ソフィア姫、ティファニー。よくここまでいらっしゃいましたね。エルレイン様がお待ちです。どうぞこちらへ」
案内されるまま歩いた。
妖精の足が止まった。
「エルレイン様、ソフィア姫とティファニーが参りました」
すると、天幕の中から他の妖精より背の高い女性が現れた。
銀色の髪と蝶のものに似た形をした虹色に輝く2対の羽を持ち、頭には月桂冠がかかげられていた。
彼女こそ、妖精の女王・エルレイン。
「エルレイン様!」
ティファニーは、エルレインに駆け寄った。
「お帰りなさい、ティファニー。私が見込んだ通り、ちゃんとソフィア姫をこのムーンフェルまで連れてくることができましたね。よく頑張ったわ」
エルレインは、ティファニーを抱きしめ、慈しむような顔をして、優しくティファニーの髪を撫でた。
「久しぶりね、ソフィア姫。もっとも、まだあなたが小さかった頃に会ったから、覚えていないでしょうけれど…」
遠い過去の記憶がどういうわけかよみがえってきた。
暖かな日差しが差し込む部屋に両親とエルレイン、そして、ゴブリン王―。
「ぼんやりとなら、覚えています」
「そう。少し見ないうちに大きくなりましたね。そして、美しく、賢い王女になりましたね。まるで、あなたのご両親のように」
エルレインは、ソフィアの頬に手を触れた。
「自分の眠っていた城のかつての住人たちを探しているのね。…残念ながら、私はk彼らの行き先を知らないの。ゴブリン王のリューリクなら知っていると思うわ」
エルレインは、指を鳴らした。
すると、ソフィアの胸元にペンダントが現れた。
「私からの贈り物よ。これからの旅が安全でありますように…。さあ、森の出口までお見送りしましょう」
エルレインは、数多の妖精を引き連れて、出口へ向かった。
「ここをまっすぐ行けば、『モティア』という駅があります。そこから汽車に乗って、『ルテフォ』へ向かいなさい。リューリクがいるはずです」
「ありがとうございます」
ティファニーは、ソフィアに付いていこうとした。
「ティファニー、お待ちなさい」
「エルレイン様、どうして…?」
「私たちは、寒さに弱いでしょう?」
エルレインは、そう諭した。
「ですが…」
「リューリクに連絡を入れておくから」
「ティファニー、ここでお別れね。また会いに行くわ」
「ソフィア姫!どうかお気をつけて!」
ソフィアは、モティアへ向かった。