第一話~雪の停車場~
ソフィアは、ムーンフェルの森で妖精の女王・エルレインに会った。
エルレインは、ソフィアの無事を確認し、「人間の居場所ならゴブリン王のリューリクが知っている」と伝えた。
魔法の城からムーンフェルの森まで共に行動したティファニーと別れ、ゴブリン王国へ向かうため駅へ向かった。
『モティア駅』と呼ばれるその駅は、雪に閉ざされていた。
「ゾーファがいてよかったわ。凍えてしまいそうよ…」
駅の入口にはフクロウがいた。
「あなたがソフィア王女ですか?」
フクロウが声を発した。
「ええ」
「私は、ヨシュアと申します。ゴブリン王よりお迎えにあがるよう遣わされたものです」
ヨシュアは、宙を舞って、ソフィアの肩に止まった。
「ルテフォへ向かえばいいのよね?」
「はい、まもなく汽車が参ります。チケットは、こちらに」
ヨシュアは、チケットをくわえた。
受けとると、雪のホームに立ち、汽車を待った。
シュッシュッシュッ……………
雪に閉ざされたホームに汽車が入ってきた。
「チケットを拝見します」
車掌がソフィアに話しかけた。
「ルテフォへですね、どうぞご乗車になってください」
ソフィアは、汽車に乗った。
通されたのは、一等車。
他の客は、二等車・三等車に乗っているのだろうか、ソフィア以外誰もいなかった。
「発車いたします」
ガタンゴトン…………
揺れる車内でソフィアは、一人考えた。
(ゴブリン王・リューリク…。どんな方かしら…。私を守るように両親が頼んだのだから、きっと優しい方なのでしょうね。そして、私の両親達はどこへ向かったのかしら…?)
車窓の風景から雪が消え、行く手にははるか遠くに城が小さく見えた。
来た道を振り向いてみると、山の向こうに古城が見えた。
(あの城は、私が眠っていた城。向こうに見えるのは、リューリク王が待つ城…)
夜のとばりが降りてきた。
ソフィアは、まぶたを閉じ、眠りについた。
「目覚めてから、ずっと旅をしていたそうですね。とても疲れていらっしゃるでしょう。おやすみなさい」
ヨシュアとゾーファは、ソフィアに寄り添うように眠った。
日の光が差し込む頃、
「ルテフォ、ルテフォ、この列車の終点です。お忘れ物のございませんように、お降りください。本日は、フォアリン鉄道をご利用いただきまして、まことにありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
と車内放送が流れた。
その声でソフィアは、目覚めた。
「お目覚めですか?」
「ええ、夢を見ていましたわ」
「夢?」
「幸せだった頃の夢…」