遊戯王ARC-V107シンクロ次元タキオン伝説   作:ふぁみゆ

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真のドラゴン使い その名はミザエル!4

「!!」

 

ミザエルはドローしたカードを見た。すると、まるで始めてみたカードのように、そのカードを確認しはじめる。

 

(これは、あの時に見つけたカード。)

 

ミザエルはユウカと地面に散らばっていたカードを拾い集めた時のことを思い出していた。あの時拾ったカードの中に一部、自分のデッキになかったカードがあった。それが、今引いたカードとあの時ユウカが手を伸ばした《No.107銀河眼の時空竜》。その時にはデッキから抜いておいた。しかし、今、デッキから抜いておいたはずのカードが手元にきている。

 

(このカードがデッキに戻ってきているということは…お前もいるのか?タキオンドラゴン…)

 

ミザエルは自分の腰に下げている、エクストラデッキケースに手を触れた。すると…彼の耳にだけはっきりと、ドラゴンの鳴き声が聞こえた。

エクストラデッキケースからミザエルは手を離し、カウテールを見据える。その時、ミザエルの右目が青から赤へと変色した。

 

「自分のフィールド上にレベル8のモンスターが存在する場合、レベル8の《星間竜バーセク》はリリース無しで召喚することができる!」

 

《星間竜バーセク》

ATK800 ☆8

 

ミザエルのフィールドに黄色の皮膚を持つ一体のドラゴンが現れる。それはユウカも見たことのあるカードだ。

 

「あのカードは…」

 

『(レベル8のモンスターがやけに多いな…こんなデッキが、回るのかしら。それに…この《星間竜バーセク》って、どうやって使うのかしら?レベル9以上のシンクロ召喚?でも、チューナーモンスターはいないし…)』

ミザエルのカードを拾い集めた時に見つけたカード。あの時どうやって使えばいいか分からなかったカードが今目の前にいる。

ユウカに使い方が分からないように、カウテールにもそのカードの使い道は見えてこない。

 

「今更そんなカード出したところで何になる!?」

 

しかし、カウテールにはミザエルが無意味な事をするような男にはどうしても思えない。そのせいでカウテールは言いようのない不安に襲われていた。しかし、ユウカやカウテールの意外そうな反応にミザエル自身が驚いていた。その反応は先ほどミザエルがシンクロ召喚のことを知らないといった時にユウカやカウテールが示したものと全く同じものだった。

 

「そうか…」

 

少し、考えたのちにミザエルはある結論を導き出した。

 

(私の知らない召喚法が当たり前のように行われていて、私が知っている召喚法がまるで知られていない。遠いところに来たと思っていたが、どうやら、そんな次元の話ではないようだな。)

 

遺跡からタキオンドラゴンに乗って飛び立つ時に父は言っていた。『タキオンドラゴンは時空を超える!』。つまり、以前自分がいた世界とは全く違う世界、全く違う次元に来てしまったという事なのだろう。では、残りのナンバーズのカードはどうなってしまったのか、遺跡に残された父はどうなってしまったのか…。気になる事は山ほどある。だが、今はデュエルの最中だ。目の前のデュエルに集中しなければならない。ミザエルはもう一度目の前にいるカウテールを見据えて、高々と次の自分の行動を宣言した。

 

「知らないというのなら教えてやろう!これが、私の世界で行われていた"エクシーズ召喚"だ!!」

「何!?」

 

ミザエルが言うと、神獣王バルバロスと星間竜バーセクの二体がが不思議な光に包まれる。そして、二体の前方に大きなブラックホールのようなものが出現した。

 

「レベル8の神獣王バルバロスと星間竜バーセクで、オーバーレイ!!宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時をさかのぼり、銀河の源よりよみがえれ!顕現せよ、そして我を勝利へと導け!」

 

光に包まれた二体がブラックホールに吸い込まれる。そして、二体が穴の中心にたどり着くと同時に穴の中心から巨大な爆発が巻き起こった。突如巻き起こった爆発に、ユウカもカウテールも、後ろのセキュリティたちも思わず目をつむる。

 

「……」

 

しばらくして、ユウカはゆっくりと目を開ける。すると、目の前には神聖な光をその身にまとった漆黒のドラゴンがいた。ユウカは思わず、そのドラゴンに見入ってしまう

 

「黒い…竜……」

「《No.107銀河眼の時空竜》!!」

 

ギシャァァァァァァァァ!!

 

《No.107銀河眼の時空竜》

ATK3000 ★8

 

「エクシーズ召喚…なんだ?そんな召喚法が…存在するのか!?」

 

カウテールも周りのセキュリティも見たことのない召喚法。それを今、目の前の男が披露してみせたことにカウテールは驚きを隠せない。そんなカウテールにミザエルはエクシーズ召喚を説明しはじめる。

 

「エクシーズ召喚、同じレベルを持つモンスター二体以上を重ねて、その上にエクストラデッキからモンスターエクシーズを召喚する。そして、素材となったモンスターはオーバーレイユニットとなり、モンスターエクシーズの効果発動のコストとなる。私のいた世界でこれを知らないなどと言えば先ほどの私と同様初心者扱いされて笑われていただろうな…」

「!?、ミザエルくん、それは一体…」

「銀河眼の時空竜の効果発動!」

 

ミザエルの言い方に何かを察したユウカがつぶやく中、ミザエルは効果の発動を宣言。すると、タキオンドラゴンの周りを回っていた2つの光のうちの一つがタキオンドラゴンの体に吸い込まれた。

 

「オーバーレイユニットを一つ使うことでこのカード以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスターの効果を無効にし、攻撃力をもともとの数値に戻す!!」

 

タキオンドラゴンの体が強い光を放つ。その光に包まれるゴヨウプレデター。すると、ゴヨウプレデターが纏っていたオーラが消滅し、ゴヨウプレデターはがっくりと片膝をついた。

 

《ゴヨウ・プレデター》

ATK3700→2400

 

「何だと!?」

 

これにより、地獄の大追跡コンボの要の一つだった高い攻撃力を失ってしまう。たった一体のモンスターに自分の戦術を崩されたことにカウテールは驚きを隠せない。

ミザエルはこれを好機とバトルフェイズに突入する。

 

「バトルだ!!銀河眼の時空竜でゴヨウプレデターを攻撃!」

 

タキオンドラゴンはその口を開き、エネルギーを集める。そして、集めたエネルギーを光線にしてゴヨウプレデターへと放った。

 

「殲滅の!タキオンスパイラル!!」

 

ゴヨウプレデターはその光線をその手に持った十手で受け止める。しかし、攻撃力はタキオンドラゴンのほうが上。ゴヨウプレデターは凄まじい衝撃を受けながら徐々に押され始める。それを見ていたカウテールはそうはさせまいと伏せカードを発動させる。

 

「ダメージステップ時に速攻魔法《収縮》を発動!この効果でお前のドラゴンの攻撃力を半分にする!!」

 

カウテールが発動させた《収縮》の効果でタキオンドラゴンの光線に威力が弱まった。そのことに気づいたゴヨウプレデターは十手でタキオンドラゴンの光線を振り払う。そして、反撃だと言わんばかりにタキオンドラゴンに飛びかかる、

 

「ダメージステップ時のコンバットトリックだ!このタイミングに発動できるのは攻撃力を変動させる効果か、カウンター罠のみ!伏せカードのないお前には対応できない!」

「……………それはどうかな?」

 

ミザエルのドラゴンを倒したと思い得意げに笑うカウテール。しかし、ミザエルはそんなカウテールを逆に笑い返した。驚くカウテールにミザエルは手札のカードをデュエルディスクに置き、そのカードの発動を宣言する。

 

「手札から!カウンター罠、発動!!《タキオントランスミグレイション》」

「手札から罠!?」

「手札から罠!?」

「手札から……カウンター罠…だと!?」

 

ミザエルがカードを発動するとタキオンドラゴンが自身の効果を使った時と同じような光を放つ。すると、その光に包まれた空間の時間が巻き戻り始める。タキオンドラゴンに飛びかかったゴヨウプレデターもビデオの逆再生のように飛びかかる前と寸分違わぬ位置に戻っていった。再び光線を放つタキオンドラゴン、今度は相手の速攻魔法の影響がないままゴヨウプレデターへと伸びていく。

 

「このカードは、自分フィールド上に"ギャラクシーアイズタキオンドラゴン"モンスターが存在する場合、手札から発動することができる!この効果により、収縮の発動を無効にし!そのカードをデッキに戻す!!これでお前の邪魔をするものは何もない!いけ!タキオンドラゴン!!」

 

時間が巻き戻り、元の位置に戻ったゴヨウプレデターは何が起こったのかが分からず戸惑ってしまう。その間にタキオンドラゴンの放つ光線が迫ってきた。今度は十手で受けるまもなく光線に飲まれてしまう。そのまま光線の熱量に耐え切れず、ゴヨウプレデターはあとかたもなく消滅した。そして、攻撃の余波でカウテールもダメージを受ける。

 

「ぐぁっ!!」

 

カウテール

LP3600→3000

 

「さて、ダメージステップ終了時、《サベージコロシアム》の効果が発動するんだったな…」

 

ダメージステップ終了時にフィールド魔法《サベージコロシアム》の効果でミザエルのライフが回復する。すると、その際にサベージコロシアムのカードから光が漏す。そしてそれがタキオンドラゴンに取り込まれた。光を吸収したタキオンドラゴンは活力を取り戻し、まだ暴れたりないとばかりに再び咆哮を上げる。その光景にカウテールはデュエル中に初めて恐れを感じた。

 

ミザエル

LP3200→3500

 

「な、なんだこれは…一体何が起こってやがる!?」

「相手がカードを発動した時、タキオンドラゴンのもうひとつの効果が発動する。発動するたびに攻撃力が1000ポイントアップし、さらに、このターン二回目の攻撃が行えるようになる。」

 

《No.107銀河眼の時空竜》

ATK3000→4000

 

「攻撃力4000!?」

「これで終わりだ!!銀河眼の時空竜でプレイヤーにダイレクトアタック!殲滅のタキオンスパイラル!セカンド!!」

 

ゴヨウプレデターを葬った、光線が今度はカウテールに降り注いだ。その衝撃を直に受けたカウテールのライフは尽きることとなる。

 

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

カウテール

LP3000→0

 

こうしてデュエルはカウテールの敗北で幕を閉じた。デュエル終了と共にソリッドヴィジョンが消え、ドラゴンの姿が無くなる。敗北したカウテールはその結果が信じられないと呻く。そんなカウテールにミザエルは毅然とし態度でカウテールに要求を繰り返す。

 

「馬鹿な、この俺が…負けるだと?」

「約束だ。今日のことはなかったことにしてもらおう。」

 

セキュリティの男たちはその言葉に戸惑いを隠せない。本当にこのまま開放してしまってもいいものか?と、口々に相談している。カウテールはそんなセキュリティ達に開放するよう目で支持を出した。

ユウカは自由になると、ミザエルの元へ行く。

 

「ミザエルくん…ありがとう」

「この程度、大したことではない。」

 

引き上げていくセキュリティ達。カウテールだけは最後まで残った。そしてミザエルに尋ねる

 

「……何者なんだ。お前…」

 

ミザエルはその言葉を受けてカウテールにふり返る。コモンズの街に吹き抜ける風を浴び、美しい金髪をなびかせながらこう答えた。

 

「ミザエル。真のドラゴン使い、ミザエルだ!覚えておけ!」

 

遊戯王ARC-V

 

 

to be continue…




次回予告

「ナンバーズと呼ばれる不思議なカードをを探す私とミザエルくん。
しかし、様子のおかしくなったマリーにミザエルくんは攫われてしまう。
デッキを片手に私は、マリーに立ち向かう。
しっかりしなきゃ、今彼女の目を覚ますことができるのは私しかいない!!
次回、『ユウカ対No.102! 発動せよ!リミットオーバードライブ!』
ライディングデュエル!アクセラレーション!!」
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