今回からまたアーガマ視点に戻っていきます。
相変わらず文才はないですが。よろしくお願いします。
今回で第一章ラストになります。はい。
では、どうぞ。
五月雨の出番はありません。
アーガマが鎮守府正面の砂浜に向かうと、自分に因縁のある敵を見つける。
片腕のない空母。いつぞやの戦闘で対峙した敵だった。
その空母だが、今回は赤いオーラをまとっている。
前回とは全く雰囲気が違う。
それはこちらも同じである。
「...今回こそ、必ず...!」
そう言ってアーガマは海へ身を投げ出す。
足で海面を踏み、体を浮かせる。
そしてアーガマは武装を展開する。
展開した武装は火力重視の重装備。
肩に設置された2連装メガ粒子砲。両手にはクロスボウ、そして、機関部に接続されている巨大な砲。ハイパーメガ粒子砲だ。
それらを一通り確認し、前を向く。
そして大きく深呼吸し、目を見開く。
見開かれた目は、まるで...獲物を狩る獣のようだった。
「強襲揚陸艦、ネェル・アーガマ...出撃しますっ!」
そう言って海面を滑るように移動する。
アーガマの駆逐対象に一番最初に入ったのが、空母を守るように配置された駆逐艦だ。数は2隻。
こちらに気付き砲を向けてくるが、もう遅い。
肩の2連装メガ粒子砲を駆逐艦に向けて、撃つ。
駆逐艦は跡形も無く蒸発し、そのビームに掠った軽巡洋艦の内1隻が爆発する。
その事態に気づいたもう1隻の軽巡洋艦が辺りを見渡し、敵を探すが...いない。
と、次の瞬間、背後で声がした。
――だから...遅いんだよ...。と...
一瞬の出来事だった。
軽巡洋艦の腹部をビームが貫き、上半身と下半身を分ける。
青黒い体液が辺りに飛び散った。その体液は勿論アーガマにもかかる。
だが、体液も気にせず再び戦闘態勢に入る。
「...貴女で...最後ッ!」
アーガマは空母を睨み、近づこうとした。
だが、上空から落とされた爆弾によってそれを妨げられる。
「え...!?」
空を見ると幾つもの黒い点が自身の上空を旋回していた。
だが、それも予想内の事だった。
両手に握られているクロスボウを空をへ向け、引き金を引く。
用の無くなったクロスボウを後ろへ放り投げ、新たに1つ、クロスボウを握る。
それも、空へ向けて放つ。
放たれた3本の矢は形を変え、人型に変わっていった。
1つは多くの火砲を備えた純白の一角獣、もう1つは黒き獅子。そして最後に、巨大な羽根を4枚備え、赤いモノアイを光らせるMS。クシャトリヤだ。
クシャトリヤには、長距離攻撃用兵器、ファンネルが搭載されている。
ファンネルはニュータイプ、強化人間にしか扱えない武器で、搭乗者の感応波を感知し、目標を攻撃するという、白兵戦ではかなり優位に立てる武器だった。
だがそれも、サイコミュ・ジャックの前には無力だった。
そのサイコミュ・ジャックをユニコーンガンダムが最初にNT-Dを発動したときに行った。
クシャトリヤのファンネルをジャックし、ファンネルで攻撃したのだ。
それ以降も、ユニコーンはサイコミュ・ジャックと思われる機能を使ってきた。
最終的に、ユニコーンはジャックせずに、自身のシールドをファンネルとして使用していた。
ユニコーンの使うシールド・ファンネルは今までにない連射性能を誇るファンネルだった。
その、サイコミュを搭載したMSが3機、空を舞っている。
――各MSはあの艦載機を破壊して下さい!空母は私が仕留めます!
―――――――――――
◇バナージ・リンクス、リディ・マーセナス、マリーダ・クルス
「艦載機を墜とせば良いのか...簡単だな!なら俺が先行して敵を叩く!ユニコーンと四枚羽根は援護しろ!」
「...!リディさん、危険だ!俺も行きます!」
「もしお前が墜とされたらどうする!?オードリーは誰が守るんだ!」
「それは...」
「お前しかいないだろ!俺には...無理なんだから...」
そう言い残し、バンシィ・ノルンが艦載機群に向かっていった。
「マリーダさん...」
「分かっている...。バンシィの援護をすれば良いんだろう...?行けッ、ファンネル!」
クシャトリヤが羽根を広げると、内側から小型のビットが射出される。
ファンネルもバンシィ・ノルンと一緒に艦載機群に向かっていく。
「俺はアーガマの援護に向かいます。マリーダさんはリディさんを頼みます」
「分かった。マリーダ・クルス、任務を遂行する!」
ユニコーンが空母の方を向き、アイカバーの内側にあるデュアルアイセンサーを緑色に光らせる。
「ネェル・アーガマ!ユニコーンで援護します!」
『え...!?』
アーガマの驚く声をそっちのけで空母に接近し、ビームマグナムを撃ち込む。
だが、ビームが当たる直前で弾かれる。
「なんだ...これ...!」
原因はあの赤いオーラだ。
ビームを弾き、無効化する能力を備えている。
「ビームがダメなら...これで!」
脚部のミサイルとバズーカに付けられているミサイルを一斉に撃ち出すと、空母に向かって進んでいく。
爆発したが、空母への損傷はあまり見られなかった。赤いオーラで防御力が格段に上がっているのだ。
「くっ...!」
ミサイルの発射管を切り離し、続いて大型ブースターも切り離す。
そしてブースターがある程度進むとビームマグナムを撃つ。
ブースターにビームが直撃し、巨大な爆炎を発生させる。
「ァ...ガァ...!」
爆炎の中から不気味な声がする。
そして爆炎が晴れると、空母の頭部にある大きな口から艦載機が出て、ユニコーンに向かっていった。
それら全てには爆弾が付いている。
「なっ...!?」
「バナージッ!」
その声が聞こえたと思うと、ユニコーンの前に緑色のMSが割って入る。
「マリーダさん!」
「バナージ...やはり、お前は...まだ子供だな...」
そう言い残し、クシャトリヤが爆発する。
それに巻き込まれた艦載機も次々と爆発していく。
黒煙が晴れた場所にクシャトリヤはいなかった。
「マリーダさん...俺の...せいで....」
「うわあぁぁぁぁっ!!」
バナージが叫ぶと、ユニコーンの回りを緑色の光が包む。
そこには、五月雨を助けたときと同じ、緑色に発行したサイコフレームを露出させたユニコーンがいた。
するとユニコーンは、空母にゆっくりと近寄り、手を差しのべる。
次の瞬間、空母が怯え出した。ガタガタと体を震わせながらその場に座り込む。
そしてユニコーンが開いていた手を握ると、5機程の艦載機が空母に突っ込んでいった。
爆発が起こり、空母は倒れる。すると、倒れた空母の体が光り始め、姿を変えていった。
元々空母が倒れていた場所には、緑色の着物を着た艦娘が倒れていた。
ユニコーンがその艦娘に手をかざすと、艦娘が緑色の光に包まれ、消えた。
それと同時に、ユニコーンの装甲もスライドして元に戻り、いつもの一本角の姿に戻って、光の粒子となって消えた。
バンシィ・ノルンも艦載機を撃墜し終わったのか、アーガマの着艦デッキに着地し、粒子となって機関部に吸い込まれた。
―――――――――――――
◇ネェル・アーガマ
「終わった...のかな?」
辺りを見渡す。敵影はなく、潜水艦の反応もない。
それよりも気になるのが、先程の艦娘だった。
光に包まれて消えたが、どこにいったのか。
――...気になるなぁ...
くるりと、鎮守府の方向へ向きを変えると、頭の中で警報がなる。
『高熱源体接近!高熱源体接近!数は1、かなりの速さです!』
――...!?
瞬間、背中に激痛が走る。
「くぁっ...!?」
その衝撃は凄まじく、体が前に押し出される。
倒れるが、力を振り絞り両足を海面につけて立つ。
背後を見ると、そこには先程の空母より赤く、赤黒いオーラを放っている戦艦がいた。
「.......」
その戦艦の口元が少し上に上がり、ニヤリと笑う。
身の危険を感じたアーガマは全力で回避行動をとった。
――なに...あれ...!
と、回避した先に砲撃を撃ち込まれる。
「あっ...ぐぅ...!」
ディスプレイを表示し、ゲージを確認する。
ALERT――[42%]――ALERT
――これは...多分、私の耐久力...あと少ししかない...。
チラッと機関部に接続されている砲を見る。
ハイパーメガ粒子砲。
一度使うと艦の全動力を使うため、動けなくなるリスクを孕んでいるが、一撃で倒せるのだから、使うしかない。
――ハイパーメガ粒子砲に全エネルギーを供給...発射準備...!
一瞬、全身の力が抜ける感覚に襲われる。
膝に力が入らなくなり、海面に足をついてしまう。
それに構わず、ハイパーメガ粒子砲へのエネルギー供給を続ける。
『エネルギー充填!いつでも撃てます!』
――ハイパーメガ粒子砲...戦艦に照準合わせ...
アーガマがふらふらと立ち上がり、足に残っている少しの力を入れる。
そして...
「ハイパーメガ粒子砲...撃てぇーっ!」
巨大な砲から、極太のビームが放たれる。
そのビームは一直線、あの戦艦に向かっていく。
ビーム照射後、アーガマは海面に倒れる。
最後に戦艦を沈められたか確認すべく、前を向く。
だが、そこには...
かすり傷しか負っていない戦艦が不気味な笑みを浮かべながら立っていた。
「そ...そん...な...」
と、意識が途切れ途切れになるなか、頭にあの大佐の声が響く。
『ネェル・アーガマ...君はそんなものか?それでよくネオ・ジオンに挑めたな。あの時の君はどこへ行った?』
――うる...さい...
『うるさいか...なら黙るが...。君は、アレを倒すんじゃないのか?』
――そう.....だけど........
『ならば、自分自身のリミッターを外せ』
――リミ....ッター....?
『リミッターを外せば...常軌を逸した力が手に入る。それとも、このまま...アレに殺される未来を待つか?』
――........
『使うか使わないかは...君次第だ』
――........
『さらばだ』
と、意識が現実に引き戻される。
そして、呼吸がうまくできていないことに気づいた。
うっすらと目を開けると、あの戦艦が自分の首を絞めている。
――あぁ...死んじゃうんだ...こんなところで...
(自分自身のリミッターを外せ)
――リミッター......
「アーガマ.....テキ.....!」
戦艦がボソボソと喋る。
洗脳された五月雨と同じ台詞を。
――あの時は...司令官の大切な艦娘だから傷つけられなかった...だけど...今は...この化け物に大切な人なんていない...だから...
――殺しちゃっても...イイんダ...!
――リミッター解除――
頭の中に謎の声が響く。
今まで、聞いたことのない声。
『ソイツヲ...コロシテシマエ...!』
アーガマの目が紅くなる。
それと同時に、力が戻ってくる。
垂れていた腕を持ち上げ、戦艦の腕を掴み、へし折る。
「....!?」
「アハハ...ッ♪」
そして逆に、戦艦の首を絞める。
ぎちぎちと手に力を入れ、もう一方の手で、戦艦の腕を引きちぎる。
戦艦は悲痛な表情を浮かべていた。
「死ンジャイナヨォ...♪」
対するアーガマは喜びの表情を浮かべ、戦艦の腹部を手で貫いた。
そして、首を絞めている手にありったけの力を入れ、首を断ち切る。
戦艦がアーガマの手から落ち、海に落ちる。
その体は沈むことなく、浮かび続けていた。
「浮カンデルッテコトハ...生キテル...?」
――ダメダヨ...殺サナキャ...♪
もう動かない戦艦を必死に殴り続け、元の形も分からないほどに殴り続けたとき...
アーガマの体は糸が切れた人形の様に、その場に倒れた。
『悪魔に魂を売ったか...だが、こうなろうとは...』
最後に聞こえた声は、驚きまじりの声だった...。
残酷な描写のタグが可能性を示していなかったので、今回、示しました。
深夜テンションまっしぐらで書いた結果これです。
リミッター云々は、五月雨が洗脳された回で、アーガマの中に入ってきた残留思念です。
それを赤い大佐が指摘して、アーガマが残留思念を表に出した。みたいな感じです。
そして、長くなってしまった...。
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