ということで、ヨルムンガンドの性能試験から今回入ります。
最近MSの出番が少ないのでね。クシャトリヤはリペアードとして再登場させます。
では、どうぞ。
試作艦隊決戦砲『ヨルムンガンド』艦隊戦を支援するためにジオン公国が開発した兵器である。
その攻撃力は、当時の艦砲射撃の10倍とも言われていた。
こちらの兵器もヅダと同様、第603技術試験隊の支援艦、ヨーツンヘイムに配備されて評価を受けていた。
その時、人類初の宇宙艦隊決戦となったルウム戦役で第603技術試験隊が本砲を、計3回発射した。
1発目と2発目は前線から観測データが送られてこないことに業を煮やしたアレクサンドロ・ヘンメ砲術長が発砲し、これを外してしまう。
そして、突如とて出現したMS部隊の活躍により、ヨルムンガンドの発射機会が失われてしまう。
その後、中破したマゼラン級戦艦の流れ弾によってヨルムンガンドが破損、搭乗していたヘンメ砲術長も重症を負った。にも関わらず、ヘンメ砲術長は最後の1射を放つ。
放たれたプラズマ砲は見事マゼラン級戦艦に命中。1撃で撃沈せしめた。
破損した状態で撃ったため、ヨルムンガンド自体に負荷がかかり、本体が破壊され、アレクサンドロ・ヘンメ砲術長が帰らぬ人となった。
――せめて、大砲屋の時代の、幕引きを、俺に....やらせてくれや...技術屋。
アレクサンドロ・ヘンメ砲術長(MS IGLOO 大蛇はルウムに消えた より)
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「と...これがヨルムンガンドについての説明です...って、司令官...?」
「うっ...うぅ...」
「どうしたんですか...?」
「この兵器と言い...ヅダと言い.....悲しすぎる!」
ドンと机を叩く。
「いや...でも、実際にあったことですし...」
「ていうかアーガマ...敵であるジオンについて詳しいね...?」
「いっ...いや!この知識はガランシェールが...!」
「ほうほう...まぁ良いや。さて、説明も終わったことだし!早速使ってみよう!」
「へ?」
「その~...ヨルムンガンドとかヅダとか...あと~ザクとか!」
「分かりました...それで...MSとかはどこに....?」
「分からない。そう、分からない」
「はぁ....探しましょう」
提督と司令官は鎮守府内の捜索を始めた。
しかし、鎮守府内のどこを探しても見当たらず、正門にも行ってみたが何もなかった。
「どこにあるんですか....?」
「分からないよ~...アーガマ~、疲れたから探してきて~...」
「もう....分かりました...」
と言って、アーガマは執務室を出ていく。
提督だけになった執務室に静寂が流れる。
「そういえば...遠征に行かせた娘達から連絡が無い...どうしたんだろう...。無線機は持たせてる筈なんだけど...。よし、私も行ってみるか!」
そう言って提督は席を立ち、クローゼットを開ける。
そこには、最上型重巡洋艦3番艦である“鈴谷”の制服がかけられていた。
「これ着るのも...いつぶりかな~?」
その制服を持ち、元々来ていた軍服を脱いで、制服に着替える。
そして鏡の前に立つ。
「おぉ~...変わってない!」
と、鏡の前で回ったりしている。
「あ、目的忘れる所だった。え~っと...アーガマにバレない様に遠征組の様子を見に行けばいいのかな...。よしっ!久しぶりの出撃...!」
「最上型重巡鈴谷、行っくよ~!」
そう言って執務室をダッシュで出ていく。
軍服は脱ぎっぱなしで放置である。
――――――――――――――――――
「どこだろう...砂浜かな...?」
アーガマは未だに支給武装の捜索を続けていた。
まだ探していなところを周り、最終的に行き着くのが砂浜だった。
と、アーガマが砂浜に向かっている途中、海面を走る艦娘を発見する。
「...?誰だろう...。あ、今は探さなきゃ!」
艦娘を無視し、砂浜へ向かっていく。
するとそこには...
「コンテナ...?」
1つのコンテナが流れ着いていた。
海藻がいくつか張り付いていて、触るのに抵抗があるが、意を決してコンテナのレバーに手をかける。
コンテナを開けると、『MS-06S』と刻まれた矢、同じく『EMS-10』と刻まれた矢、3つに分離して収納されている大きめの砲。
――アトミックバズーカ...?
『馬鹿ナノ?』
――生きていたんですか...?
『貴女ガ死ナナイ限リ私モ死ナナイノ』
――そうですか...。
少し思念と話をして、コンテナの中身を取り出す。
まず艤装を展開し、クロスボウを両手に持つ。
そして矢をセットし、引き金を引いて撃ち出す。
放たれた2本の矢は人形へ姿を変えていき、徐々に水平飛行へ移行していく。
赤いザクとヅダ。2機は高速で移動し、周囲の警戒を始める。
と、アーガマの正面にディスプレイが表示される。そこには、
『EMS-10 エンジン数値』と表示されていた。
現在の値は35。限界値が150に設定されている。
円形のゲージの真下に、『エンジンカット』のボタンがある。
「暴走しないようにこっちで管理するんだ....」
――EMS-10...高機動へ移行して下さい。
すると、ヅダのスラスターから発せられる炎が一際大きくなり、高速で移動を開始する。
数十秒飛行を続けると、警告音が鳴り響く。
ゲージの数値が138まで引き上がっている。
急いでエンジンカットのボタンを押す。
するとヅダに機動力が低下し、出力が50まで下がる。
「こっちは大丈夫...後は...ヨルムンガンド...」
バラバラになっていた砲を組み立て、発射体制を整えたヨルムンガンドが砂浜に置かれている。
その砲を持ち上げ、バズーカの要領で担ぐ。
「これもメガ・粒子砲と同じ様に撃つのかな...。よし...!」
――照準合わせ......次弾装填...
『装填!』
ガシャンと後方で音がする。弾が入ったのだろう。
――冷却板セット...
『冷却板セット完了!』
『発射準備終了!』
「第1射...撃てーっ!」
轟音を響かせて砲口からプラズマ弾が発射される。
そして数km進んだ頃、海面にとても巨大な水柱が出現する。
推定の高さで100mは優に越えるだろう。
「.........」
アーガマはただ呆然とその水柱を見ていた。
そして、海面に座り込む。
――ヨルムンガンド...下手には使えないなぁ...
『冷却開始!』
『次の射撃までに10分はかかります!』
「10分...これは一度使ったら終わりかな...」
ヨルムンガンドを再度分解し、砂浜へ持ち帰る。
そして、支給武装を持って工厰へ向かった。
誰もいない工厰は薄暗く、アーガマの恐怖心を刺激する。
急いで武装を置き、工厰を後にした。
アーガマは執務室に向かった。
執務室の近くに来ると、扉が開いているのに気づいた。
「扉が.....?」
小走りで執務室に入ると、雑に脱ぎ捨てられた軍服が鏡の前にあった。
「司令官...どこですか...?」
提督を探すが、どこにもいない。
「あれ...出掛けてるのかな....?」
アーガマが提督を探している時...鎮守府沖では.......
――――――――――――――――――――
「ん?...あれは~...」
提督、もとい鈴谷が目を凝らして遠くを見る。
そこにはドラム缶を多数下げた五月雨と夕立が航行していた。
「五月雨と夕立じゃん!ヤバっ!」
向きを変え、鎮守府へ向けて移動を開始する。
重巡と駆逐艦では、駆逐艦方が速度的に速いが、この距離では鈴谷の方が先に鎮守府に着くだろう。
数分海を滑ると、鎮守府の出撃ドックが見えてくる。
開いているドックに急いで入り、艤装を解除して、執務室へ急ぐ。
閉じている扉を開け、中に入る。
――あれ?来るときって扉閉めたっけ?
執務室に入った瞬間、目に入ってきたのは、綺麗に畳まれた軍服が執務机の上にあるのと、ソファに座り自分を見ているアーガマの姿だった。
「しれい.....かん....ですか?」
「あ...あはは...はははは...はぁ...」
溜め息をつき、その場に座り込む。
「艦娘...?えっと...あの....」
「あ~...アーガマ、説明するから、ちょっち待ってて...」
「は...はい...?」
疑問混じりで返事をしたアーガマを一度ソファに座らせ、自分は向かい合う形で座る。
「あのね...私は最上型重巡洋艦の3番艦の鈴谷っていうの」
鈴谷は自分について説明を始めた.........
提督の正体は鈴谷だったと。この鎮守府には艦娘しかいないですね。
やったね。
それとですね、この作品で、ヅダは悲しい最期を迎えません。
逆に栄光を掴ませます。
感想と評価、お待ちしています!