上条当麻は、ルギエルの体内にいた。そして、東條希を助けるために自らの命を犠牲にした。
上条当麻と完全に一体化したルギエルは幻想殺しの力をマスターしてしまう……。
総理官邸……。
ここでは、対ルギエルの作戦会議が行われていた。
「宮下総理、やはりスナイパーVer.2012を使うべきです!」
ガッチリとした筋肉体型に坊主頭の男性泉防衛大臣兼防衛軍隊長は、ヒョロっとした男性の宮下総理に言うが宮下総理は、それに反対する。
「しかし、そこには逃げ遅れている数千人の人々がいる彼らを見殺しにしろというのかね?泉防衛大臣。」
「ですが、このままでは日本は壊滅になってしまう……。それだけは、阻止しなければならない!総理、決断を!!」
そう言って泉防衛大臣は、宮下総理に決断を求める。
「……分かった。スナイパーVer.2012の使用を許可する。」
宮下総理は、そう言うと泉防衛大臣は総理官邸を後にして軍の基地へと向かった。
そこには、既にスナイパーVer.2012を搭載した戦闘機が数台用意されていた。
「良いか、今回のミッションはあの黒い巨人を倒すことだ!その為には、どんな犠牲と仕方が無いと思え!!」
「「「はい!」」」
隊員は気合を入れて返事をするとそれぞれ作戦の準備に取り掛かる。
「ここで臨時ニュースです、日本政府は本日夕方6時……。あの黒い巨大生物周辺に水爆の数1000倍の威力があるスナイパーVer.2012を数弾使い総攻撃をかけるという情報が入りました。」
東京都各地の避難会場では、臨時ニュースが流れる。それは、音ノ木坂学院でも同じだった。しかし、彼らは諦めなかった。そう、近くにいるゾフィーが再び立ち上がることを信じて……歌い続けた。
「みんな、何してるん?エリチは?」
「絢瀬さんは……これに……。」
そう言って穂乃果達と合流した美琴と希は、人形になってしまった絵里を希に見せる。
「そうか……エリチもウチが殺ったやな……。」
「違うよ!」
落ち込む希に対して穂乃果は、堂々と言った。
「希先輩は、よく頑張った方だよ!あんなバケモノを体内に閉じ込めてたんだから……。」
「そうですよ!」
「気を確かにしてください。」
穂乃果に続いて海未やことりも希を励ます。そして、3人は同時にカラータイマーの方を見る。まだ、弱く光ってるカラータイマーを見た希は、「一輝君やね。」と言う。
「もしかして希先輩知ってたんですか?一輝の正体。」
「まぁね、これもウチがやったん?」
「違うって言ってんでしょ!?」
全て自分のせいと思う希に美琴が怒鳴る。それを見て穂乃果達は、驚いた表情で美琴を見つめる。
「あんたね、何回言ったらわかるの?誰も悪いなんてある訳ないじゃない!確かにアンタは、アイツに乗っ取られてた……。そして、暴れたけど……全てはアイツが悪いって言ってるんじゃない!だから、自分を責めるんじゃないわよ!」
「美琴ちゃん……。」
美琴は、握りこぶしを作りながらそう言うとそれを見た穂乃果が小さく呟きながら美琴の名を呼ぶ。
「ありがとうな。美琴ちゃんは、優しいんやね。でもな、ウチにも原因があるんやで。上条君が死んでウチが生きてるって上条君に失礼な気がするんよ。」
「いいえ!そう言って死のうとする副会長の方が間違ってます!」
希の意見に反対したのは、海未だった。海未は、そう言って希の前に立つ。
「副会長、私はその上条って人も貴方がどれくらい前から苦しんでたのか分かりません。ですが、その上条って人に救われたのならその人の分まで生きるべきです!だから、死ぬなんて言わないでください!!」
「海未ちゃんの言う通りだよ!副会長もあんな絶望の塊みたいなバケモノを倒して一緒に生き延びよ?」
「穂乃果ちゃん……。」
穂乃果は、そう言って希に手を差し伸べる。それを見た希は、ゆっくり手を伸ばしてその手をしっかり握る。
「そんなの我がいる限り無理な話だ!」
「嘘!?もうこんな近くに???」
目の前にルギエルがいるのに驚いたことりは、尻餅つくとそのことりの手を海未が握って起こすと逃げようとする。
「お前達も人形にしてくれる!!」
「させない!そんな事……絶対にさせない!!」
そう言ってルギエルの人形化光線と美琴の超電磁砲がぶつかる。お互いの力はほぼ互角……。
しかし、ルギエルは胸から闇のエネルギー弾ダークルギエルビートを放つとそれに気を取られた美琴の隙をついて人形化光線が押し始める。
「しまっ!!」
次の瞬間、人の声なと聞こえなくなった。それを確認したルギエルは、音ノ木坂の校舎を破壊し始める。
「なぁ、起きろって!!おい!!」
話は少し遡り数分前、何も無い空間で起こされた一輝は、ゆっくり目を開く。
「俺は、上条当麻。これは、ある所から直接脳に語りかけてる。」
「ある所から!?」
「あぁ、俺はあの何も効かない右手の正体だ。」
「そうだったのか……。で、俺に何のようだ!?勿論、俺には立ち上がる力は……ない。」
「お前が諦めてどうする!?」
落ち込み、自分の限界を示す一輝に対して当麻は、怒鳴る。
「お前は、まだ負けてないだろ?立ち上がれるだろ?なのに勝手に自分の限界を決めてるんじゃねぇ!」
「……。」
当麻の説教を一輝は、黙って聞いていた。今の彼の方が自分より立派な戦士だと思ったからだ。
「でも、俺も死んじまったから……何も出来ねぇーから……テメェに頼るしかねぇーんだよ!」
その声は、次第に切なさが伝わる様な声へとかわり始めた。自分が何も出来ない……当麻にとって最後の希望とは光の戦士ゾフィーである一輝なのだ。
「そんなのは分かってる……でも!光が足りないんだ……。」
「光!?」
「そう、俺にとってそれがないと戦えないんだ。」
一輝は、そう言うと当麻はため息をはくと一呼吸おいてからまた喋り出す。
「光ならあるじゃねぇーか!」
「え!?」
「……人々の心の中に!!」
すると、一輝は目を丸くして驚いた表情で前を見る。そこには、先程まで誰もいなかったが徐々に上条当麻の姿が現れた。彼は、自分の胸に親指を当てていた。
それは、人々の心の中に光があると言う事だった。
「それに聞こえるだろ?あいつらの声が!」
「声!?」
そう言われると一輝は、目をつぶって耳を澄ましてみる。すると……。
『ねぇ、一輝君……いや、ゾフィーさん。私のワガママなお願いを聞いて!……みんなを……大切な友達を……私たちの未来を守って!!』
『確かに私は、一度絶望して怪獣になってみんなを殺そうとした。でも……その野望を打ち砕きみんなを守ってくれたのは……紛れもないあの銀色の戦士、ゾフィーなよ!そのゾフィーが、みんなの希望の声を聞きたがってる。それを無視していいなんて事にはならない。それが届けれるのは私たちだけなのよ!みんなお願い……ゾフィーに……もう1度立ち上がる力を分けてあげて!!』
そう、それは穂乃果やにこの声だった……。
それを聞いた一輝は、パッと目を開く。すると、目の前にいた上条当麻は、既に消えていた。
「あれ?上条!!」
「俺が出来るのはここまでだ。後は……現実で会おうぜ!一輝。」
「あぁ、上条。お前も……死ぬなよ!」
そう言うと一輝は、うっすら光り出したプラズマ鉱石が埋め込まれてるブレスレットを見つめる。
(このエネルギーでルギエルに勝てる保証は万に一つだろう……でも、俺がやらなきゃ!上条に合わせる顔がねぇ!!)
そう言って念を込めるかのように握りこぶしを作るとそれを突き上げる。
「ゾフィー!!」
すると、ブレスレットから放たれた光に包まれると一輝は、再びその身体をゾフィーへと変えた。
「あ、あれ?」
美琴は、目を覚ますと自分が無傷なことに疑問を持つ。
「あ、美琴ちゃん!!」
「穂乃果。」
そう言って美琴と穂乃果が再会するとその周りには海未やことり、希が居た。
そして……。
「ゾフィー……。」
自分の名前を呼ばれたゾフィーは、自分の手に乗せている美琴達を見つめる。そして、うんと首を縦に振る。
「な、何!?」
破壊に夢中になっていたルギエルは、後ろにゾフィーが居ることに驚いていた。時刻は、夕方5時50分……。
防衛軍のスパイナー作戦まで残り10分だ。
ゾフィーは、美琴達を安全な場所へ避難させると地を蹴りルギエルに近づくとそのままルギエルに飛び込んで倒す。その反動でダークスパークが彼の手から離れる。起き上がり、取りに行こうとするルギエルを止めるとゾフィーは、ダークスパークから離らかすようにルギエルを蹴りの連続攻撃を決める。
「おのれ!」
そう言ってルギエルは、ダークルギエルビートを放つとゾフィーは、Z光線を放ち相打ちになると、もう1回Z光線を放つも今度は、幻想殺しで消されてしまう。
「クッ……!!」
ゾフィーは、少し悔しい態度をとると同時に胸のカラータイマーが青から赤へ変わった。
「どうやら時間切れのようだな。貴様も人形へ変えてやろう。我に時間を止められることを光栄に思え!」
「そんなの……誰が思うんだよ!!」
「何!?」
ゾフィーは、そう言って反論する。すると、ゾフィーはまたM87光線の構えに入る。
「あれじゃさっきと同じじゃない!」
それを見た美琴はそう言う。それを見た希は、祈るように両手を握った。
(お願い……神様、みんなを……助けて!!)
それを見たことりや海未も希と同じように祈り始めた。
(神様、お願い……ゾフィーに力を貸してください。)
(ゾフィー、お願いします……。みんなを守ってください!!)
そして、それを見た穂乃果と美琴はお互いを見つめる。
「美琴ちゃん!今度は最後まで信じよう!」
「えぇ!」
そう言って希と同じように祈り始める。
(お願い、ゾフィーに光を……エネルギーを!!)
(一輝……死なないで!!必ず、アイツを倒して帰ってきて……。)
それぞれの祈りが……。想いが、光となる。
「その願い、私たちが叶えよう。」
「「「「「え!?」」」」」
5人は、同時に目を開くとそこには、五つの光があった。その光は、次第に大きくなると人の形へと変わった。全員、老いた男性だった。
「我々は、身体は失ってしまいこうして魂だけの形になってる。」
「じゃあ、死んだのですか?」
光に海未が質問すると別の光が答える。
「いや、まだ死んではいない。性格には、身体が乗っ取られたのだ。」
「そんな……。」
それを聞いて少し落ち込むことりだが、その光が彼女の肩に手を置く。
「でも、ゾフィー兄さんの力にはなれる。そして、今度は肉体を取り戻し必ず君たちの前に帰ってくる。」
「俺たちを信じてくれ!」
「う、うん。」
と希は言うと一番端にいる光がそれぞれ見ながら仕切る。
「みんな、行こう!」
そう言って光達は、一斉に後ろを向きゾフィーの方へ向くと五つの光のうち真ん中以外の光は、懐からベータカプセル、ウルトラアイ、エースリング、ウルトラバッチを取り出す。
「もしかして貴方達は!!」
それを見た穂乃果は、興奮気味に言う。穂乃果の前の光が答える。
「あぁ、ウルトラマンだ。」
そう言ってその光はベータカプセルを天に向けて掲げるとボタンを押す。
「ジュアッ!」
その隣ではそう叫びながらウルトラアイを自らの目に着眼する。
その隣では、精神を落ち着かせた瞬間、右手を空へ向けて掲げた。
ウルトラリングをそれぞれの手の中指に填めた光は、両腕を胸の前でX字に組んでからゆっくり大きく腕を回してから両手の中指に填めたウルトラリングを胸の前でウルトラタッチさせる。
そして、最後に左手を腰にあてると右手でしっかりウルトラバッチを持つと額の前に持ってくる。
「タロウぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」
と叫びながらそのままウルトラバッチを掲げる。
五つの光から同時に放たれた眩しい光は次第にゾフィーと同じくらいに大きくなるとウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウへと変身した。
ちょうど、振り向いたゾフィーは懐かしい兄弟の顔を見る。
「な、何!?どうして他のウルトラ戦士が??」
突然のウルトラ五兄弟の登場にルギエルは驚く。
「お前達……どうして……。」
「助けに来ましたゾフィー兄さん。」
ジャックはそう言う。しかし、ゾフィーは彼らの足元を見ると少し悲しくなった。そう、彼らには足がないのだ。
「ゾフィー兄さん、私たちは肉体を奪われても立派なウルトラ戦士で居たい。だから、私たちの力を使ってください!」
タロウは、そう言って自分の光をゾフィーに向けて放つとタロウ自身も消えた。
「タロウ……。」
「何余所見をしている!!」
後ろから迫り来るルギエルに対してジャックとセブンは、ウルトラランスとアイスラッガーで動きを封じる。
「私たちの力をゾフィーに!!」
その後、エース、ジャック、セブン、ウルトラマンの順番にゾフィーへ自らの魂ごとエネルギーを渡した。
それをもらったゾフィーは、自分のカラータイマーが赤から青へ変わるとルギエルを見つめる。そこには、先程まであったウルトラランスやアイスラッガーは無くなっていた。
ゆっくり起き上がったルギエルに対してゾフィーは、後ろへ回り込み右手にウルトラマンの技であるスペシウムエネルギーをノコギリ状の輪っかにしたウルトラスラッシュを作ると、手刀のようにしてルギエルの右腕を切り落とすと、再びルギエルと距離を置く。
「終わりだ……、ダークルギエル。」
「な、何!?」
ルギエルは、そう言いながら右手と一緒にあるダークスパークを拾おうとするが、それを見たゾフィーは両手を十字に組んでスペシウム光線を放つとダークスパークを破壊する。
すると、人形にされた人たちが次々と元の姿へと戻ると絵里やダイゴも元の姿へと戻る。
「戻ったのか?僕達は……。」
「そう見たいね。」
「エリチ……エリチ!!」
「希!!」
そう言って抱きつく希を絵里は、抱きしめる。それを見たダイゴは、ゾフィーを見つめる。ゾフィーはゆっくりM87光線の構えに入る。
「ルギエル、お前が復活した原因は人々のマイナスエネルギー…つまり絶望だ。だから……」
「な、何が言いたい!?ゾフィー!!」
「絶望よ!消えるがいい!!これが人の……希望の光線だ!!」
ゾフィーは、そう言うと右手に凄まじいエネルギーが集結する。それを見た美琴と希は、焦る。
(あの威力……この地球ごと破壊する気!?)
しかし、ゾフィーはそのままM87光線を発射すると希や美琴は、目をそらす……。
しばらくして美琴はある事に気づく。
(あれ?痛くない……。)
そして、ゆっくり目を開くとそこには、驚いてる表情をしている6人の姿があった。それを見てから美琴は、前をゆっくり向くと目の前の光景に驚く。
「な、何故だ……」
「これは、絶望を打ち砕く奇跡の光線だからだ!」
「そうか……、我は下等生物の希望の光線に……負けた……のか……。」
そう言ってルギエルは、粉々になって崩れた。息を切らすゾフィーのカラータイマーは再び赤へ変わる。
(ありがとうな、わざわざこの右手だけ残してくれて。)
ゾフィーの脳に再び上条当麻が直接語りかける。
(あぁ、でも……お前のことだ消してくれとか言うのだろ?)
ゾフィーは、テレパシーで返事をすると上条当麻は、クスッと笑う。
(確かにな。でも、コアが死んだら俺も死ぬだろう……。だから、ゾフィー。最後に一つだけお願い聞いてくれるか?)
そう言うと上条当麻は、ある約束を言う。
(あぁ、分かった。だから、ゆっくり休め。)
(ありがとうな……ゾフィー……。)
それを最後に上条当麻の眠っている右手は完全に消えた。
時刻は5時59分。残り1分前でスパイナー作戦は、白紙になった……。
それを確認したゾフィーは、ウルトラ念力で全てのビルや街を元に戻すとそのまま姿を消した。
「あ、あれ!美琴ちゃん!!一輝君だよ!」
「え!?」
穂乃果達は音ノ木坂学院へ帰ってくるとにこ達と合流すると一輝の帰りを待った。
そして、校門から走ってやってくる一輝を真っ先に穂乃果が見つける。
「おぉぉぉぉぉぉい!!」
一輝は、元気よく走りながら手を振る。すると、一輝は美琴の前で止まる。
「ねぇ、今更かもしれないけど……何で御坂一輝を知ってるの?」
「あぁ、あれは昔パトロールがてらこの星に来た時雪山で遭難してる一輝を見つけてな。それを救えなかった俺が唯一出来る罪滅ぼしとしてお前を……妹の美琴を見守ってほしいと言われたんだ。」
「そうだったんだ……。」
美琴は、そう言って一輝に抱きつくと少したってから泣き始めた。そんな美琴を一輝は、ゆっくりそして大切に抱きしめる。
《次回予告》(CV.絢瀬絵里)
ダークルギエルを倒してから平和な日常が続くようになった地球……。
しかし、音ノ木坂学院ではピンチに陥っていた。
そう、中学生や地域の方に来てもらうオープンキャンパスが間近に迫っていた。それの評価次第で音ノ木坂学院が廃校になってしまうかもしれない!?
私は、生徒会長として生徒会でなにかをやろうとするも……。
次回、第一章「集いし九人の女神」最終話
第23話「僕らのLIVE 君とのLIFE」
見てね!