山の翁はどこぞの世界で暗躍す   作:氷那

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ももんがの骸骨顔みてたらなんだかハサン達が出てきてしまった。

おいたんは悪くない。
しいて言うならば、骸骨なのが悪い(意味不明)




ユグドラシルの奇跡

............話をしよう。

 

数年前まで大ヒットだったゲーム......ユグドラシルは長い時を経てだんだんと廃れてきた。

人間による異形種狩りによってその多くがいなくなる中、一つのギルド......アインズ・ウール・ゴウン。

異形種のみの構成でありながら、あらゆる人間種のギルドを悉く捻り潰す最強に等しいギルドであった。

しかし、ゲーム内最強のギルドも寄る瀬にはかないはしない。

ギルド内のメンバーも一人二人と姿を消していく。

 

しかし、ユグドラシルというゲームの生涯を、最後まで共にしたものはユグドラシルそのものが起こした奇跡によってまた新たな軌跡を紡ぎだす.........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった今......ヘロヘロさんが淡い青色のエフェクトを残してログアウトした。

俺たちの努力と金と強欲の結晶といっても過言ではないこのユグドラシルを置いて。

 

「なぜ......何故そんなにも簡単に捨てられる!一人ずつ一人ずついなくなって.......。あんなにも必死に、あんなにも楽しんでいたこのゲームをッ!!」

 

俺は....いや、『ももんが』は右手を固く握りしめ、今は誰一人姿の見えない円卓を殴る。

分かっている、いや、分かっていた。このゲームあっての人生じゃない。人生があってこそのゲームだ。

さっきログアウトしたヘロヘロさんも、再就職した場所がとんでもないブラック企業で、今にも死にそうだと嘆いていた。

このギルドは、社会人であることが前提だ。こういうことは日常茶飯事。心のどこかで諦めてしまっていたのかもしれないな。

 

「このゲームの最後を、みんなで見届けられればいいな.......なんて......」

 

スカルフェイスのこの顔からありもしない涙が溢れそうになったとき、『一つ目の奇跡』が訪れる。

それは心に穴が開いたような気持ちを誤魔化そうと立ち上がった時だった。

俺の正反対に位置する椅子に赤い黒いもやがかかって、その中から黒いマントと白い骸骨のマスクをつけたヒトガタが音もなく現れたのだ。

 

「ハサン.....さん....ですか.......?」

 

「遅くなって忝い。山の翁、ももんが殿の招集に従い参上いたしました」

 

老いた男とも若い女とも聞こえる不思議な声が、しかしとても懐かしい声が俺の脳に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、十六夜祟は今現在盛大に焦っている。

現在起動中の相棒にあったメールには『あの日には都合の合う人は会議室に集合してください』というギルマスからのメールがあったのだ。

妹の呪いのようなドジによって―――買ってきた水を転んだ拍子に壁に叩きつけ、俺の相棒にぶっかけた―――お亡くなりになった初代相棒を修理にだして、たったいま帰ってきた新・相棒を起動して、ユグドラシルを開いていた。

何が問題だったのか、修理屋から

 

「なにをどうしたら外も中も綺麗なのに笑えるくらいプログラムだけ壊滅させられるんだい?」

 

と、時間かかるよ?もついでに苦笑交じりに話された。

思わずふぁあああああああああああああああああああああ――――――ッッ!!!と叫んだ俺は悪くない。

このあと親の説教(物理)があったが、妹の添い寝があったから許す。

結局これも親に見られて説得(物理)によって沈黙させられた。二日間くらい記憶がないんだが寝てたのか?

 

時間を見れば23時45分。もうそろそろ終わる......一日も、ユグドラシルも。

長いダウンロードを終えて中に入れば、全面にひびがはいった円卓に一人たたずむ我らがギルドマスター。

 

「ハサン.....さん....ですか.......?」

 

そう零れるように流れた言葉にいつもの口調で返す。

 

「遅くなって忝い。山の翁、ももんが殿の招集に従い参上いたしました」

 

「............」

 

動きのとまったももんがさんに再び話しかける。

 

「ももんが殿?いかがなされたので?........ももんが殿?」

 

「......っ!すみませんハサンさん。来てくれたのがうれしくてつい........」

 

「はははは!そういわれますと恥ずかしい物ですな.......それにしてもそのスタッフ。やはりももんが殿の手の中にあるのがふさわしい。ほれ、持って行っても構わんでしょう?」

 

「ですが.....それは.....」

 

「皆もそういうと思いますよ。ももんがさんが一番だと」

 

「そうでしょうか.......でもハサンさんが言うならそうなんでしょうね。きっと」

 

そういってかざってあったギルド最強武器、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを手に歩き出した。

ぞろぞろと魚の群れのようについてくるメイドたちを引き連れてついたのは、ギルメンの旗の飾ってある場所。もちろん俺の旗もある。

その奥にあるのは、大きな玉座とその傍らにたつ腰から黒い羽根をはやす長い黒髪を持つ美女。

 

ももんがさんはなれない様子で、

 

「ええっと.....待機、それから....傅け」

 

一糸乱れぬ動きにおおう......とおののいているももんがさんを見てほっこりした。

玉座に座ったももんがさんは妙に似合っていて、思わず感嘆の言葉をもらす。

 

「実に威厳のある佇まい....流石ですぞ」

 

「どうです?僕もやろうと思えばできるんですよ!」

 

「ははは、して、さきほどから何かを操作しているようですが一体何を?」

 

「これですか?アルベドのキャラ設定が気になったものですから」

 

「確かに、設定厨のタブラ殿が親ですからなぁ.....流石の文字数だ.....」

 

「設定厨なのはあなたもです、ハサンさん」

 

「なんとっ!?」

 

少しからかいを含んだ声を出せば、まさかの即答であなたも同類であると言われてしまった。

なぜだ!?ただ俺は、自分の嫁(仮)を作るためにあらゆる知識を総動員しただけだというのに!!

 

「なんだこれ......『因みにビッチである』.....うわぁ......」

 

「タブラ殿........」

 

「そういえばタブラさんギャップ萌えでしたっけ」

 

「そのスタッフがあればその設定も変えられるのでは?」

 

「ダメですよそんなの.......と言いたいところでしたが、少しだけなら許してくれますよね?『最後』ですし」

 

「許してくれますよ『最後』ですから」

 

カナシそうに『最後』と零したももんがさんは、文章を消し同じ文字のとある言葉を入れ込んだ。

 

 

『ももんがを愛している』

 

 

どうやら何かしらの雰囲気を私から感じ取ったのだろうか。

ももんがさんが、必死に言い募ってくる。

 

「ち、違うんですハサンさん!これは別に悪気があったわけじゃないんです!好みがどストライクとかこういうお嫁さんが欲しいなぁーとかそんなんじゃないんです!」

 

「分かっております、ええ、わかっておりますとも」

 

「ハ、ハサンさん......!」

 

「ももんが殿はそういう性癖なのでしょう?大丈夫、心配せずともばらしはいたしません」

 

「ちっがあああぁぁぁう!分かっていません!ぜんぜんわかってませんよ!!」

 

「そもそも私は細かく言ったわけではありませぬ故、今のはご自分の自爆ですぞ?」

 

「くっ......そんな.........」

 

面白い、やはり実に面白い。

考え方や言動、行動力などすべてをとってもいい大人、といっても二十と少しくらいだろうが。

こと恋愛系には中学生のように初心、弄りがいがあるものだ。

随分と焦っていたのだろうか、宙をかいていた手がキーボードに触れ、決定してしまった。

 

「...................」

 

「...................」

 

静まりかえるなか、ふと言った。

 

「もう時間ですよ、ハサンさん」

 

何を言いたいのかは分かっていた。

もう終わる、この世界が、ユグドラシルが。

 

「楽しかったですね」

 

「ええ.....本当に楽しかったとも」

 

「もう会えなくなりますね」

 

「そうですなぁ......向こうでは誰が誰だかわかりませんし」

 

「.........ぶくぶく茶釜さんがよくあなたとデートしたと周りに言っていましたが?」

 

「あれはデートではなく私が連れまわされていただけなのですが......」

 

「声を聞いていた限りだとものすごくうれしそうに語っていましたが?ペロロンチーノさんですら、『くっあんな姉にも春がきやがった!ぶっくぶくだった頃から一緒にダイエットに付き合ってくれてた仕事の同僚だとさ。けっ!どうせそのうちエロゲよろしくナニするんだろ?俺は知ってるぞ?てか期待の新作の狙ってたキャラの声がまた姉でガチでいろいろないわー』とか言ってましたけど?あなたのことなんてファンが大勢いるせいで秘匿なんてできませんよ。」

 

「声マネうまいですね。素晴らしい精度です!」

 

「ごまかしましたね?まあそのことは僕がどうこう言う権利なんてないんですけどね」

 

カウントがもうすぐ三十を切ろうとしたとき、メールが届く。

 

「差出人は.....Yggdrasill?運営のメールじゃない?」

 

「私にも来たのですが.....こちらも運営ではありません」

 

「とりあえず読んで見ましょう」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

           私にはもうあとは無くなってしまった。

    この世界を愛してくれたあなたたちに深き感謝を。 

     この世界に留まってくれたことに深き感謝を。

           理想を求めたあなたたちに多大なる感謝を。

       勝手ながら、新しい地を用意しました。        

     喜びの愛が終わらぬように.....。

            揺るがぬ幸福が満たされるように。

          ありがとう、ありがとう、ありがとう!

            最後に訪れたこの時に。

 

 

 

 

         ―――――■■■■■■■■■。

 

 

 

 

 

          ≪Iam deeply grateful to you. ≫

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「これは一体誰から......」

 

俺自身も戸惑いを隠せないでいた。

運営ならばメールではなくお知らせに入れるからだ。

意図も理由も不明瞭のまま、無情にもカウントは0を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

―――――二つ目の奇跡が舞い降りる―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

0を迎えた.......迎えたはずなのだが、視界がいつまでたっても変わらない。

ももんがさんも同じらしい、骸骨顔からはよくわからんが、かなり驚いているはずだ。

 

「これは......どういうことだ!!」

 

思わず立ち上がって叫ぶももんがさんも無理はない。

正直俺も相当に驚いている、今にも叫びたくなるくらいには。

すでに混乱している俺たちに、さらに混乱させる出来事が舞い込む。

 

「......ももんが様?」

 

「....?.........ッ!!?」

 

キェアアアアアアアアアアア!?!?!!?!!?シャベッタァァァァァァアァアァアァアァアア!?!!?!?!??

NPCが喋った!?いや、ゲームでも話してはいたが、こんなにも表情豊かではなかった。

 

「ももんが様?一体どうなされました?........ももんが様?」

 

未だにアルベド―――と、思わしきもの―――はももんがさんに話しかけているが、ももんがさん本人はフリーズしたPC画面のように動かない。

ナザリック最高支配者が機能停止している今、自分にできることは何かと、静かに考え始めた。

 

 

 




メッセージにちょっと仕込んでみたんですがわかりますかね?
黒い■の中にはメッセージ内のある言葉がぴったりはいる筈です(数えてない)。
あれです、いわゆる謎解きってやつです。
え?謎ですらない?

.......そうだね。、プロテインだね!(発狂)


あっ(唐突)、なにか矛盾とか文字の間違いとかあったら言って下さるとありがたいです。
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