デート・ア・ライブ 風見サンフラワー   作:文々。社広報部部長 シン

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茶話②

 衝撃だった。

 自分がなんとも思われていないという事実は、士道の自信を打ち砕くのに一秒もかからなかった。

 『ごめんなさい。私達は最低限のバックアップしか出来ないみたいだわ…』

 「あ、ああ…」

 士道はこれまで何人もの精霊の力を封印してきたが、それは戦艦<フラクナシス>のクルーたちの助力が無ければ成しえなかった事だ。クルーたちが3つの選択肢から最適解(?)を選び出し士道に伝え、士道が精霊に伝えられたものを言う。このルーティンワークによって士道は「精霊の力を封印する」という綱渡りを成功させてきたわけだ。

 しかし今、「3つの選択肢」という命綱を付けることを禁じられてしまった。つまり、幽香(怪物)を自分の力だけで攻略しなければならないという事である。

 インカムからは琴里が弱音を吐いているのが聞こえるが、それに構うほどの心の余裕は今の士道には無かった。

 嫌な汗が流れ、喉が異常に渇く。どうにか喉を潤そうとハーブティーを一気に呷る。前回飲んだものとは違い、とても飲みやすいものになっていた。

 「で、士道くんは昨日の今日で何をしに来たのかしら?」

 幽香は既にケーキを食べ終えていたらしく、自分で入れたハーブティーを楽しんでいた。

 「えっ、あ、その」

 「……」

 慌てて取り繕おうとするが、動揺し過ぎてうまく言葉が出てこず、ついでに変な身振り手振りが出てしまう。そんな自分の滑稽な姿を幽香に無言でジッと見つめられ、顔が熱くなる。ふぅ、と深呼吸をして少し冷静さを取り戻した。

 「すまん、幽香さんが淹れてくれたお茶が美味しくてぼっーとしてた。で、今日来た理由は幽香さんを元の場所に戻すためには情報が必要だろ?だから幽香さんが元居た場所の事を聞きに来たんだ。勿論、俺たちの住んでるここの話もする 」

 「分かったわ。なら私から話させてもらうわね」

 幽香は自分と俺のカップに茶を満たすと一口飲み、語り出した。

 「そう、ね。私が住んでいる場所は『幻想郷』って言うのよ。人々に忘れ去れられた()()が辿り着く場所よ」

 

 ◆

 互いの話が一息つく。

 幽香の話は「へぇ、そうなのか」と簡単には信じられないものだったが、それを信じなかったら目の前の()()の説明がつかない。

 幽香の話はこうだ。

 人に忘れ去れられたモノが辿り着く場所、幻想郷。そこには妖怪や神、幽霊、妖精、仙人、魔法使いなど非科学的な者達が住まわっていて人里もあり、少なからず人間も住んでいるらしい。妖怪は基本的に人間に関わらないのだが、中には友好的なのもいて、新聞をばら撒く天狗、寺子屋(昔の小学校のようなもの)で教鞭をとる半妖など妖怪と言っても様々なのだという。ちなみに幽香は人里から離れたひまわり畑に居を構えていて、たまに人里の花屋を覗きに行くらしい。

 インカムからは『そんなところあるのか?』『都市伝説とかでも聞いたことありませんね』『漫画とかでよくある隠れ里的なものでござるか?』「ちくわ大明神」とそれぞれの見解が聞こえてくる。誰だ今の。

 士道が頭の中を整理していると、幽香は「水をあげるわ」と士道に言い残し席を立つ。

 その瞬間だった。

 目の前の幽香の姿が欠き消えたかと思うと、爆弾が爆発したかのような轟音と凄まじい衝撃波が士道を襲った。士道は椅子ごと倒れ後頭部を強打、更になんと運の悪いことかポットの中身が股間部分へと直撃した。

 「あっづっっっぅぅぅい!」

 『一体何が起きたの!?士…!何が…き……せつ……し……!……!』

 インカムから琴里の必死な声が聞こえるが徐々にノイズに飲まれて聞こえなくなってしまった。

 士道は急いでジーパンを脱ぎ、なんとか大事な部分の火傷を回避すると、轟音の発生地点の方へと振り返る。

 そこにはひまわりを守るように立つ幽香と、まるで天使のように天からゆっくり降りてくる金髪金眼のロリ巨乳が睨み合っていた。

「ふむん?よく耐えおったな。一撃で決めるつもりだったのじゃが」

 「何をしに来たとか、何がしたいかなんて知らないけど、あんたが死にたいってことははっきり分かったわ」

 一触即発の雰囲気の中、士道は冬の寒さに膝を揺らしていた。

 




続きは書くかもしれません。期待していた方には大変申し訳なく思っています。
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