Fate/Grand walker   作:シルムガル氏族のゾンビ

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書きたくてかいた
後悔はない


灯の目覚め/ignition

 やあ、初めまして。

 

 いきなりで申し訳ないけれど自己紹介をさせて欲しい。私の名前は『ローザ』。魔術師だ。遍く広がる多元宇宙に存在する次元を自由に行き来する特別な力を持っている。

 

 私のような存在を人は【プレインズウォーカー/Planeswalker】と呼ぶ。いかに優秀な魔法使いがいかに努力や訓練を積もうとも、素質がなければプレインズウォーカーになることはできない。その素質は「灯」と呼ばれており、幸運にも(もしくは不幸にも)それを覚醒させた者だけが、プレインズウォーカーとなることができる。

 

私は幸運にも【プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark】をもち、不幸にもその灯を灯すことが出来た魔術師だ。そこで初めて私は【多元宇宙/Multiverse】を知り、【次元/Plane】を知り、【久遠の闇/Blind Eternities】を知り、マナのなんたるかを知り、強大な魔術師となった。プレインズウォーカーの灯を持たなくても強力な魔法使いになることはできるし、たとえ魔法使いでなくても灯を持つことはできる。私は後者だった。

 

 自己紹介はこの辺にしておこう。まあ要するに次元を超えることが出来るすごい魔法使いだと思ってくれればそれでいい。

 

 ん? 私が使う魔法か? 

 

私が扱う魔法は主にマナを用いる。マナは土地に宿り、土地の影響を受けて色づく。その色は五色。純真無垢なマナを含めれば六色だな。それらを用いてことで呪文を唱え生物を召喚したり、魔法を行使する。また、マナは移ろいやすいものだが、我々プレインズウォーカーの行使する魔法の中にはマナを固定させて永続的に効果を発揮させるものもある。もちろん、相手の魔法に使われるマナに干渉して魔法を打ち消すことも可能だ。

 

無論、マナが無ければ魔法は使えないしマナが不安定なところでは呪文を唱えることも困難になる。また、土地の影響を受けて変質したマナによっては呪文を強化してくれたり、反対に特定の呪文にしか用いれないようなマナもある。

 

そんな感じの魔術師な私だが、プレインズウォーカーの中で特に秀でているのはマナの扱いであろうと自負している。マナの量でも質でもなく、マナそのものの扱い方には自信があるのだ。灯が灯った原因でもあるのだが、久遠の闇に赤ん坊のころに放り出されたせいで、体に多大な量の無色マナが宿っており、色も自在に着けられる。

 

反面不得手なのはライブラリー……ああ、君たちにわかりやすく言えば記憶の中にある呪文、あるいは魔法書の整理だ。おかげでマナは潤沢なのだが、呪文が唱えられない事が多い。それを補うべくクリーチャー……所謂生物になる土地とも繋がりを持っている。

 

その昔は自分で作った次元に引きこもっていたが、マナが変質してしまった今ではそれも不可能だ。寝なくても食事をしなくてもよかったのに、まあ不老不死ぐらいは魔力でどうにかなる。大量のマナを纏い続けた結果いつの間にか魔力もえらい量になったからな。

 

 ところで話は変わるが、今私はある次元にいる。マナが異常に偏っている所為で、普通の魔術師ならば魔法の行使にムラが出来るだろうが、私は問題なく行使ができる。故にやたら襲い掛かってくる木端魔術師を蹴散らすことは容易い。身の程を弁えていただきたいものだ。

 

それよりもクリーチャーにもならんほどに弱いというのがいただけない。恐らくここの次元でクリーチャー化できるのは数えても数体ぐらいいればいい方だろうな。何体かは破格の性能を誇っているので是非とも魔導書に加えたいところではある。あの結晶の塊とかいい感じに多元宇宙向きの性能をしている。【伝説のクリーチャー/Legendary Creature】だろう。この次元の魔術師では荷が重いだろうな。やり方がまるで違う。工夫さえすればあのエルドラージの巨人達でさえ殺されるのだ。

 

 しかしこの次元の生活はなかなかに楽しい。テーロスのような神話があればイニストラードに居そうなクリーチャー、果ては灯を使わずとも次元移動をする道具を持つ者もいる。あの宝石術士はいずれ自身の中の灯に気づくだろう。楽しみだ。

 

「ん? なんだ? マナが一気に膨れ上がった?」

 

 この感覚は前にも感じたことがある。次元の大穴を修復する前、星霊龍が復活する直前に感じたあの感覚だ。程なくして私の視界が焼かれていく。咄嗟に周りのマナを操作して私と言う存在を保護する。荒れ方が尋常じゃない。ゼンディガーでもまだ落ち着いている方に感じてしまう。仕方がなしにこの次元を離れて、私の本拠地へプレインズウォークし、観測機を用いて先程までいた次元を観測する。

 

「ある一点を除いてマナが荒れ狂っていて観測が困難か……。なるほど、なかなか面白い状況じゃないか。久しぶりに冒険心にギュンギュンくるぞ!」

 

 さらに観測点での変化を観測する。これは……時空間転移か? いや違う、これは次元移動だ。精巧な次元のコピーが行われている。それに加えて次元同士が干渉し合っている……いや、共鳴しているのか? 似たようなことを見た気がするぞ? あれはええと、ミラディンだったか? ファイレクシアによって浸食を受けたあの次元と似たようなことを行っているのか? 

 

「非常に興味深い事象だ。なんとかあの次元へ渡れないものか……」

 

 ふと、観測機が何かを観測した。ちいさな次元の方に穴が穿たれて何かが引っ張り出されているようだ。

 

「僥倖だ! これならばあの次元に負荷をあまりかけないで移動が可能だ!」

 

 私のプレインズウォークは実にシンプルだ。次元座標を脳裏に記憶し、集中するだけだ。一瞬で私の周りに纏わりついていた空気が切り替わる。私の本拠地の快適な空気は灼熱を帯びた熱気に変わり、濃厚な死と破壊の気配で満たされ、ヘドロの中に放り込まれたように生者への怨念が纏わりついていく。

 

「ははは! これは上質な黒マナだ! 周りの炎から赤のマナも出てくるか! ふむ、完全に白と緑のマナは消えてしまっているな。まあこのような環境では仕方がないだろう」

 

 さて、私の周りにいるこのスケルトンどもをまずは片づけるとするか。ふむ、性能が不明な以上、いろいろ試すとしよう。おまけに数も多い。仮に一体一体のパワーとタフネス……膂力と耐久力が一般人並であっても数の暴力で押し潰されることはよくあることだ。

 

「……ん?」

 

 よく見れば十字架のような装飾のついた大盾を振るう少女と、彼女に指示を出す少年。そしてその後ろで小さくなっている銀髪の少女が見える。ふむ、白マナの気配がするという事は良くも悪くも善人のはずだ。私自身進んで悪いことをするときもあるが、理性があって意思の疎通が可能な方の味方でありたい。であれば加勢するか。

 

脳裏に浮かぶ大図書館から魔術書を取り出す。それは私の手の中に落ち、一人でにページがバラバラに飛び交う。ページが飛んだことで少年たちも私の存在に気が付いたようだ。

 

「【島/Island】」

 

 ページに記された土地との繋がりを現す呪文が青く光る。これで私は繋がりを持った土地からマナを引き出すことが出来るようになる。普段なら有色マナを自在に出すことが出来るが、コピーとはいえ新しい次元に変わりはない。正しく魔術を行使できるか検証する意味合いもかねてオーソドックスな方法をとることにした。

 

「【飛行/Flight 】」

 

 私自身に術をかけ、飛行能力を得る。弓を持った個体もちらほらいるが、当たる前に彼らのところへ飛べばいい。大盾を持った少女が私を迎撃しようと構える。うむ、良い判断である。

 

「待て、疑うのは当然だが敵ではない。どうか武器を向けないでくれ」

 

「そういわれて、『はい、そうですか』と武器を下ろす人はいません」

 

「最もだ。だが、私自身に敵意はないのでね」

 

 周りに舞うページの中から1つ選びとり呪文を唱える。

 

「【稲妻/Lightning Bolt】!」

 

 辺りの炎から発せられる潤沢な赤マナを用いて、私の掌から発せられた稲妻が少女と少年の間を抜け、銀髪の少女の後ろにいたスケルトンを吹き飛ばす。跡形もなく吹っ飛んだところからして、このスケルトンたちのタフネスは訓練された象以下のはずだ。最初からこのあたりに浮かんでいた(マナプールにあった)マナであったならば使わないという選択肢はない。

 

「そら、前だけ見るのは危険だぞ?」

 

 再び島の呪文を唱え、青マナを発生させる。あの銀髪の少女の守りが必要だろう。

 

「【濃霧の層/Fog Bank】」

 

 青い霧が召喚され、銀髪の少女を守るように包み込む。

 

「所長!」

 

「大丈夫だ。あの霧が守ってくれる。どんな攻撃だろうと問題はない」

 

 まるで質量を持ったように攻撃を霧が弾いていく。濃霧の層はあらゆるダメージを軽減する力があるのだ。もっともこれでも力の一部を再現しただけに過ぎない。

 

「援軍を出すぞ。上手く使いたまえ」

 

 周りに浮かぶ赤マナを使い、新たにクリーチャーを召喚する。召喚とは言うが実際のところは『【霊気/Aether】を通じてクリーチャーを再現した一時的な分身をその場に創造する』魔法を唱えたという方が正しいだろう。

 

「【灰の盲信者/Ash Zealot】」

 

 私の目の前に発生した炎の中からメイスを持った神官戦士の女性が現れる。メイスには炎が灯っており、彼女の焼き尽くすという意思を表しているようだ。

 

「スケルトンどもをやれ。遠慮はいらん」

 

 ついでに装備品型アーティファクトの【調和者隊の盾/Accorder's Shield】を取り出す呪文を唱え、周りのマナを用いて灰の盲信者に装備する。移ろいやすいマナを固定することで効果を永続的なものにする。この盾もマナを用いて再現する魔法を唱えて現れた物なので、装備するにもマナが必要なのだ。

 

「やれ」

 

 灰の盲信者はスケルトンよりも早くメイスを振るい、反撃される前に次々と屠っていく。スケルトンが攻撃してこようものならばそれよりも先に懐に潜り込み、メイスで叩き潰し、弓で射られる前に火炎を飛ばして焼き尽くす。そして調和者隊の盾は装備する者の耐久値を底上げし、攻撃後に発生する隙を消す。今この場における理想的な戦士の活躍と盾を持った少女の活躍で瞬く間にスケルトンの数が減っていった。

 

「仕上げといこうか」

 

 残りはまとめて焼き尽くす。マナは潤沢だからかなりの広範囲で焼けるはずだが、念のため威力も重視しておこう。

 

「そうら、大盤振る舞いだ! 【とどろく雷鳴/Rolling Thunder】!」

 

 辺りのスケルトンたちに放たれた雷が少年たちと灰の盲信者を除いてすべて焼き尽くす。

 

「ふうぅ……」

 

 かなりの量のマナを操った所為で疲れが出たか。昔ほどうまくはいかないものだな。魔術書を閉じると、唱えた呪文のページが吸い込まれる様に魔術書の中に溶けていく。それに伴って灰の盲信者と濃霧の層も消えていった。私からも飛行の特性が消えている。

 

一息吐いて彼らを見れば、こちらへの警戒を解いておらず、いつでも動ける様に構えている。まずはこちらが敵ではないことをアピールするとしようか。

 

……それにこの少年、なるほど……。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

『あれだけの術を使ってまだ魔力が衰えてないだって!? サーヴァントの反応がないってことは人間なのか!?』

 

 ロマンがデータを観測しながら驚愕の声を上げる。目の前に現れたこの人は一体何なのだろう?空を飛んだり雷を出したり、霧で所長を守ったり、サーヴァントを召喚したようにも思えたけど、さっき消えてしまった女の人もサーヴァントではなかったみたいだし。

 

「先輩、気を抜かないでください。相手の力は未知数です」

 

「うん、ごめんねマシュ。戦ったばかりなのに」

 

 オルガマリー所長も助けてもらったことよりもイレギュラーな事態に大分テンパっていてオレの後ろに小さくなって威嚇してる。フォウも珍しく警戒しているみたいだ。

 

「うん、良い状況判断だ。君たちからしてみれば私は未知であるが、私からすれば君たちについてはいくつか既知である。そこでだ」

 

 目の前の謎の人物はさっきの本をまたどこからか取り出すと、オレに向かって投げ渡してきた。

 

「読むといい。それは君の運命への啓示となるか猛毒となるか。君の心次第だ」

 

 ずしりと重い分厚い本を支える手が震えている。ええい、此処まで来ればなるようになるはずだ! 思い切って本を開く!

 

「……!!?」

 

 頭の中に何かが流れ込んできた。最初は読めなかったはずの文字がみるみるうちに読めてくる。何かが体の奥の方、心臓とかそういうのじゃない、体の芯? なにか暖かいモノを感じる。小さな種火みたいな暖かさだ。

 

『藤丸くん!? どうしたんだい!? いきなり魔力量があり得ないほど膨れ上がり始めたんだけど!?』

 

「すごい……! 先輩から津波みたいに魔力が流れ込んでくる……!」

 

 ページを捲る手が止まらない。呪文を1つ見るたびに自分の中に知識が流れ込んでくる。

 

「予想以上の才覚だ。種火のような灯でこれならばあるいは……ククク、ボーラスのクソトカゲが慌てふためく顔が目に浮かぶようだ」

 

 どんどん体の中で火が大きくなっていく。そして最後のページを見終わって本を閉じた瞬間、今までの常識であった世界の他に世界を感じた。

 

「さあ、お前も私のようにやってみろ。その本はお前に合わせて新人向けだ」

 

 もう一冊の本が飛んでくるのをキャッチして、開く。最初に見えた呪文をほぼ無意識に唱えていた。

 

「【平地/Plains】」

 

 二つ以上の音が同時に口から吐き出される違和感すら今のオレには当たり前のことに感じられ、そしてどこか遠くの大地に立つ自分を幻視した。何もかもが平等に均された平地から望む朝焼けがオレの目を焼いたとき、オレの中に白い光が寄り添っているのを感じた。

 

それは正義の色、それは平等の色、それは裁きの色、それは節制の色、それは慈愛の色。

 

「少年、君は目覚めた。君の中に灯が灯った。そして君の運命は変わった」

 

 オレの中で言葉を反芻する。つい最近までオレはただの学生だった。それが今こんなことになっている。それでもだ。

 

「先輩……」

 

 こんな自分を無条件に慕ってくれるような女の子を、見捨てるような下衆には成りたくない。

 

「はははははは! やはり君から感じた色はそれだったか! さあ、たった1つの白マナだが、君の手にある呪文は唱えられるものがあるはずだ。さあ、唱えてみるといい」

 

 本のページの中の一つに記された呪文を、今度はしっかりと意識して唱える。

 

「【グリフの加護/Gryff's Boon】」

 

 半透明の、白鳥のような頭をした生き物――あとであれはヒポグリフだったと知った――がマシュを包み込んだ。その翅はマシュの背に宿り、その輝きはマシュの盾に宿った。

 

「先輩! これは……」

 

「……おめでとう、そしてこれは誕生祝だ」

 

 いつの間にかオレの後ろに立っていた声に気付くことなく、オレの頭の中にあらゆる【知識】が流れ込んでくる。

 

「最初のうちはそのくらい新しいモノで十分だろう。なぁに、慣れてくるたびに君に新たな【知識】を与えよう」

 

 頭の中に整然と並んでいく知識の大図書館。

 

「あとはじっくりと観察させてもらおうじゃないか。新しいプレインズ・ウォーカー君」

 

 頭の中で【知識】がはっきり整理されてくると、その多様さに驚く。でもそんな暇はないと言わんばかりに、オレに知識を渡した人は恭しく礼をする。

 

「では、自己紹介だ。初めまして諸君。私は異なる次元……諸君らに合わせて言えば異世界、異星、異界と呼ぶべき場所からやってきたプレインズ・ウォーカー。名を【ローザ】という」

 

 これが、彼女とオレ達の旅の始まりだった。

 




【偉大なる魔術師の目覚め/Grand Master's wake】
③W
ソーサリー
あなたのデッキから【カルデアの魔術師、藤丸立香/Chaldea's wizard Ritsuka Fujimaru】を変身させた状態で戦場に出す

【カルデアの魔術師、藤丸立香/Chaldea's wizard Ritsuka Fujimaru】
②W
0/1
伝説のクリーチャー―人間・ウィザード
あなたのアンタップフェイズに、あなたの戦場に3体以上のサーヴァントが、あなたのコントロール下で存在する場合、カルデアの魔術師、藤丸立香を追放し、その後、これを変身させた状態でオーナーのコントロール下で戦場に出す


【偉大なる魔術師、藤丸立香/Grand Master Ritsuka Fujimaru】

プレインズウォーカー―藤丸立香
4
???????????


【マナの伝道師、ロサ/Evangelist of mana Rosa】

プレインズウォーカー―ローザ
4

+1 あなたのマナプールに好きな色のマナを1つ加える

+1 あなたは土地を1つアンタップ状態で戦場に出す

-2 あなたのデッキから土地を2枚戦場に出す

-7 あなたは「あなたのコントロールする全ての土地は↱:好きな色のマナを③加える」をもつ紋章を得る
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