Fate/Grand walker 作:シルムガル氏族のゾンビ
タイトルの割に説明回みたいな感じ。
「成程、君たちの事情は理解できた」
私は彼らとの情報交換を進めていた。意外だったのは新人プレインズウォーカー(以下PW)の彼、藤丸立香も説明を受けてようやく思い出したかのような反応をしたことだ。
「先輩は演説中に居眠りをなさってましたから」
彼は将来大物になるに違いない。
「1つの歴史を改変する現場は私も目撃したことがあるから、特にいう事はないが」
「ちょっと待ってどういうこと?」
「言葉通りの意味だ。あれは膨大な魔力と縁のもたらした一種の奇跡だが」
あのドラゴフィリアは元気だろうか。
「それに貴女の使う魔術は私たちの物と随分違うものだし……正直呼吸同然に第二魔法同然の行為をしないで頂戴」
「そればっかりは何とも言い難いな。これでも随分と弱体化したんだ」
昔はそれはもう神の如くだった。無から有を創り、老いを知らず、無限の知識があった。あのクソトカゲは未だにあのころの力を取り戻そうと躍起になっているらしいが。
「全盛期中の全盛期は本当に『魔法使い』だったって事? インチキ性能も大概にしなさい!」
「まあ調子に乗りすぎてマナの変質を招いた以上、報いは受けていると思うがね」
正直言って私の使う術はこの世界では重い。
「たかだか【稲妻】程度に、この世界では龍脈が必要なことが方が私としては驚きだぞ。まあ【山/Mountain】との繋がりがないと発動すらできないのは変わらないと思うが」
「貴方の術は規模が大きすぎるのよ!」
「その気になれば世界を消し飛ばすような代物を発動できるしな」
視界の端では飛べるようになった少女……マシュ・キリエライトが飛行する感覚を掴むため、炎に照らされた夜の空を舞っている。思いのほか順応が早いな、あの子。その姿に藤丸君は見惚れているようだ。まあ今の彼女は控えめに言って天使だからな。
「さて、お互いのことについての質問はこのようなものだな。そちらの管制室にもあとでお邪魔させてもらうよ。私も新しい次元の魔術にはとても興味があるんだ。それに私程度のPWなんぞゴロゴロそこらの次元にいる」
『か、考えたくもない光景だね……』
「それはそれはバケモノぞろいだぞ? 最悪のエルダードラゴンにテレパスの天才、怪物を狩る大男に千年単位で生きている吸血鬼、挙句の果てには次元を滅ぼし尽くすような怪物を殺した奴等だっている」
正直二度とガラクには会いたくない。あの時は真面目に死ぬかと思った。
「ウルザは割とこちらの魔術師たちと似たようなことをやっていた気がするな」
「そ、そうなのね(ホルマリン漬けとかかしら?)」
「兄弟喧嘩に巻き込まれたとはいえ師匠殺したり、別れた後に人外になった弟葬るために魔法使って次元一つを氷河期にしたり、そのまま弟が発狂した原因の次元を滅ぼすための兵器の部品としての一族を創ったり、あ、あと無二の友の心臓を素体にして時間遡行の探査機を完成させてたりもした。最後の最後で復讐相手の大将に洗脳されて寝返ったり」
「(魔術師より禄でもなかった!?)」
いや、まあ悪い奴ではなかったはずなんだが。基本的にPWで正気な奴ほど珍しい位には全員精神疾患者と言っても過言ではない。
「さて、ここで長々と話すのもなんだ。まごまごしていたらさっきのスケルトンが押し寄せてくるとも限らない」
移動用に何か良いモノはなかっただろうか。できれば襲われない様に頑丈な奴に乗りたい。たしかカラデシュにそんな感じのアーティファクトがあったはずだ。
「お、これなんていいな【アラダラ急行/Aradara Express】」
やたら精巧な装飾が施された列車が虚空から現れる。んーいつみてもデカイ。
「これに乗ってくれ。ちょっとやそっとじゃ壊れないし、さっきのスケルトン程度なら何体相手でも……て訳ではないが問題はない」
一斉に襲い掛かられたら流石に壊れそうだな。
「運転は……こいつらに任せよう。【変速の名手/Gearshift Ace】【経験豊富な操縦者/Veteran Motorist】【模範操縦士、デパラ/Depala, Pilot Exemplar】」
私の召喚によってドワーフの男女たちが現れ、列車に乗り込んでいく。
「そら、乗った乗った。マシュ嬢! お空の旅はその辺にしてくれ! 出発しよう」
私たちを乗せた列車はとんでもない加速と共に走り出した。
☆☆☆☆☆
列車の中でオレはローザさんからPWについて講義を受けていた。確かにPWの魔力は凄まじい。しかし、生命力や性能が上がるわけではない。食事も睡眠も必要だし、死ぬことだってある。
PWはその縛りから解き放たれた存在。オレの中にもあった灯は今はまだ種火のように儚く弱いモノらしい。だが、更に灯が燃え盛ることになれば、オレは稀代のPWとなる資質がある……らしい。
一緒に講義を受けているマシュと所長、それと通信越しにロマン。
曰く、オレを含め魔術師たちはマナが何たるかを理解できていないらしい。
マナというのはどの次元においても存在し、魔術に必須なモノ。それは純粋無垢で霊気と共に久遠の闇を満たし、土地によって色づく。それは五色の色に分かれている。白、青、黒、赤、緑。それぞれが性格を持ち、それは人間の持つ心や意思にも宿っている。
白は『平地』からマナを生み出す。正義と秩序、平和などを司る色。
白は法に従い、生命を大切にする。そのため、善や正義の色と思われやすいが、それは一面にすぎない。秩序やそこから生まれる社会を尊ぶ白は、その社会に属さない者を容赦なく断罪したり、 その社会に属する個人であっても必要とあれば全体のために容易く切り捨てる非情な面もある。また融通の効かない法は時に社会を硬直させ自由を奪い、自らを法とする独裁者やファシズムの思想さえ生みだす。無論、命を慈しみ調和を旨とする理想郷を作りだすこともある。
良くも悪くも秩序と正義の体現である。それが白。
青は『島』からマナを生み出す。精神や知識、水や海などを司る色。
青の根幹に根ざすのは知識に対する欲求と、そこから生み出される計略・技術。青は他の色と比較して感情を露にせず、表面上は冷静に行動し柔和に見える。が、その裏では数多の策謀を積み重ね、相手を欺く策略を常に練っている。他者と協力する際も融和ではなく、あくまで利用する為であり、それはギブアンドテイクのドライな関係を築く。
また、他人の失敗や、効率的でないやり方を嘲笑し、侮蔑する。常に安全に事が運ぶよう慎重に行動する一方で、好奇心の為に危険な実験や冒険を行うといった面もある。自由を嫌い激しい感情を嫌悪し、常に物事が計算し尽くされた"完璧なもの"であることを望んでいる。予想外の事態や失敗も知識の糧とする一方で、それに対応できなかったり他者に擦り付けるといった狭量さも時折見せてしまうこともある。中には実験や知識の探求の果てに狂気に陥り、世界の根底を捻じ曲げてしまうようなものも居る。
そして青は流れゆく水との親和性があり、それは時間にすら影響を与える。
黒は『沼』からマナを生み出す。腐敗や死、悲しみや恐怖を司る色。
素晴らしく自己中心的で迷惑極まりない。だが……そこにあるのは、強烈な精神力だ。圧倒的な自己主張だ。孤独をものともしない自立心だ。秩序や道徳を破壊したくて無視するのではない。自分が持つ自分の秩序だけが、唯一従うべきルールだと、雄弁に語る。
常に自分の周囲を観察し続け、自分に利益・不利益をもたらす可能性があるものを見極め、自分に利益をもたらす可能性があるものは、他人が持っているならば力づくででも奪い取り、自分に不利益をもたらす可能性があるものは全力でそれを排除する。全てのものが持つ価値・可能性を信じているから。
自分の欲求を叶えるためにならばありとあらゆる代償を払う。例えそれがかけがえのない無二の親友や、血を分けた肉親であっても。そうすれば願いが叶うのならば躊躇などはしない。
どこまでもストイックに探究を続ける魔術師は恐らくこの色が最も近いのかもしれない。
赤は『山』からマナを生み出す。炎や怒り、混沌や自由を司る色。
とんでもない快楽主義者。もしいたなら黒並みに迷惑だろうし、表面上は赤も黒も同じに見えるが、そこには決定的な違いがある。黒は、自分さえ好きにやれれば、他人がどうなろうがいいと思っている。だが赤は、生きとし生きるもの全てが「自由」であることを望む。赤は、秩序や規則を「破壊したくて破壊」する。例え自分に利益がなくても、目障りな枷は破壊する。
それに、赤は黒と違って孤独じゃない。
赤の言う感情には、愛や友情が含まれている。つまり、恋人や家族や友達を、大切にするのだ。感情がそうさせるなら、赤は仲間を守るために命を賭ける。黒は絶対、そんなことはしない。
恐らく最も人間らしい色だと、ローザは言っていた。ただ、致命的に知性が足りない脳筋とも揶揄される色だから染まりすぎるなとも警告してた。
緑は『森』からマナを生み出す。自然や純粋さ、成長を司る色。
緑とは自然そのもの、そしてそれと共に生きる全ての生物である。緑は赤と違い、建設的に物事を見据え、順序立てて基礎から作り上げていく。他者との共存を重視し群れを作り、仲間を守り、時には全体主義的な構造を作り出す。一方で赤と同じく、時には細かいことを考えず致命的な激情で行動し、それはまるで自然災害のように他者に襲い掛かる、といった相反する性質を持つ。
緑は生命を慈しむが、平和を愛している訳では無い。弱肉強食は美しい自然のサイクルであり、弱きものが強きものの糧となることを哀れんだりはしない。捕食され、別の生命の血肉となる。そこに善悪などは存在しない。
また、自然から離れる『文明』を何よりも嫌う色である。
生きる上で必ず関わる色であり、ローザが初めて触れた色だったらしい。
そのほかにも特殊なマナの事もあったが、オレ達にはまだ早いらしい。一気にこれらの事を詰め込んでもパンクするだけだから、取り敢えず大事なのは
1.マナには色があり、それぞれの色が特徴を持っている。
2.PWたちが扱う呪文や魔術と色は切っても切れない関係にある。
3.それぞれの土地との繋がりが無ければマナを引き出すことはできない(例外有り)
以上の3つだけは忘れないでほしいとのことだった。
因みにローザ曰く、オレは白の色が濃く出ており、それに追従するように赤と青が、それに遅れて緑、最後にほんの少しだけど鮮やかな黒が見えるらしい。
マシュはまだ色が薄いけど、白がはっきり見えるらしい。
所長は赤と黒と青が均等に溶け合ってるらしい。
フォウは緑と白、ロマンは黒と白の狭間で揺れているとか。
「さて、講義はこんなものだろう。それにどうやらお客様のようだ」
『え? あっ! すっかり夢中になってて気が付かなかった! みんな! サーヴァントの反応だ!』
列車が急停止した。倒れこんできた所長を支え――意外と柔らかかった――窓の外を見る。教会のような建物だったところから伸びた鎖が列車を止めたみたいだ。
「ほう、これがマシュ以外のサーヴァントとやらか。ん~なるほど、システムは似てるがプールが少ないな。1つの次元に搾ればそりゃクリーチャーも少なくはなるか」
ローザはオレたちに降りるように促す。降りた後戦えない所長をさっきの霧で包んだ。
「ちょうどいいな、では実技の授業といこう。これがPWの戦い方だ。藤丸君は特によく見ておけよ? 後々君の構築する戦略が勝利のカギとなるのだからな」
ローザがまた違う本を取り出して構えた。
「さーて、サーヴァントの基礎戦闘力はおおよそ戦闘機並。音速が普通となれば人間で知覚はできない。だが、私と対峙するという事、PWと対峙するという事がどういう事か。とくと見せつけてやろう」
【盾のサーヴァント、マシュ・キリエライト/Servant of sheilder Mash Kyrielight】
②赤白
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伝説のクリーチャー―デミ・サーヴァント
到達(このクリーチャーは飛行を持つクリーチャーをブロックできる)
このクリーチャーが攻撃かブロックするたび、ターン終了まで+2/+4する。
①白:クリーチャーを一体対象とする。そのクリーチャーは次の貴方のターンまで破壊不能を得る
①赤:あなたのコントロールするクリーチャーは3ターンの間+0/+2される
強い(確信)。間違いなくデッキの主軸になる。