兎のペットは死神猫   作:心があくタイプの人

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ども、皆様お久し振りでございます。
生存報告代わりに次話投稿します


2話 最高の囮に、オレはなる!!

オレのご主人様が危機に(おちい)ってしまった

他ならぬオレのせいで。

今、ミノタウロスに殺されかけている

 

事態を少しでも好転させるためにはどうする?

ベルを逃がすためにオレにできることは何だ?

 

①神力を使う

ダンジョンで神力を使ったら最後、命の危機が絶体絶命までランクアップを果たしてしまうので却下。

 

②全速力で逃げる

後ろは壁だ、オレだけならともかくベルは途中で捕まる

 

③魔法を使う

……オレは魔法を使えると言い切れない。情けないことだが、魔法猫式の魔法の使い方がわからなくてな…

いまだにコツが掴めないんだ

 

④…オレが囮になる

これならベル()逃げられるだろう

 

結果:③か④しかないな

 

魔法はマグレで発動するときもあるけど…賭けるか?

 

囮の方はミノタウロスがこちらに注意を向けるかどうか…

 

どっちも賭けだなぁ

 

しかしやらなければ オレのご主人様(庇護対象)

この場で命を散らすだろう

それだけは…許せない

許されない、つか消される。わりとまぢで

 

そんなワケで、オレが選ぶのは④だな

 

この間2秒。

 

そんじゃ、ミノタウロスに一矢報(いっしむく)いて逃げるか

 

大丈夫。ヤツは愚鈍だ、全速力を出せば逃げ切れる

撒いた後でベルと合流すれば万事オッケー

 

カウントダウン3、2、いぐふっ?!

 

 

 

囮になるべく、ミノタウロスに向かって突進しようとしたら、ベルに体を捕まれた

 

ガッシリ

 

 

呆然とベルを見上げているとそのまま胸に抱え込まれた

 

(これでは囮になれない!)

 

放せとじたばたしてみるが、どう足掻(あが)いてもネコとヒトの体の大きさは(くつがえ)せない

 

ミノタウロスはすでに息がかかる位に迫っていた

 

耳元でベルの歯が、ガチガチ鳴っている

 

(ここで終わるのか…?)

 

そんなの嫌だと、じたばたするが

ベルの腕の力が強まっていくばかりで放してもらえない

 

モンスターが蹄を振りかぶる

 

次の瞬間、その怪物の胴体に一線が走った。

 

「(え?)」『ヴぉ?』

 

オレ達とミノタウロスの声が重なる

 

ベルが間抜けな声をあげている間にも

ミノタウロスの体には線が走り、細切(こまぎ)れにして行く

 

やがて、オレ達が手も足も出なかったモンスターがただの肉塊になり下がる。

 

『グヴゥ!?ヴゥ、ヴゥモオオオオオオオオオオォォォオォーー!?』

 

ミノタウロスの汚い断末魔が辺りに響き渡る

 

(きざ)まれた線に沿()ってミノタウロスの体のパーツがずれ落ちていき、血飛沫(ちしぶき)がオレ達に降りかかる。

 

唖然(あぜん)

 

「……大丈夫ですか?」

 

崩れたミノタウロスの後ろから出てきたのは────少女。

 

(は、え?女の子?)

 

いや、待て。

 

彼女の持っているサーベルからは血が(したた)っている

ミノタウロスを細切(ほそぎ)れにしたのは、(まぎ)れもなくこの少女だ

 

蒼色の軽装、金色の瞳、金髪、女剣士。

 

ヒトの世には(うと)いオレでも知っている

彼女は───────

 

【ロキ・ファミリア】の第一級冒険者。

Lv.5【剣姫(けんき)】アイズ・ヴァレンシュタイン

 

「あの……大丈夫、ですか?」

 

彼女は再び尋ねてくる

大丈夫か、と。

 

差し出された手を前にベルはあろうことか…

 

…全速力で叫びながら逃げた。

 

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