君の為に……   作:異魔神

2 / 4
皆さんこんにちは!

今年初の投稿です!今回はほんの少しだけ劇場版のネタバレが含まれます。

それでは本編どうぞ!


Episode.2 旋律

大賀が音ノ木坂学院の共学化の為の試験生を引き受けてから一週間が経った。そんな日に大賀は希に手伝いをしてもらいたいと連絡を受けて、音ノ木坂学院に向かっていた。

 

手伝ってほしいことってなんだろう?急に呼び出されたから少しビックリしたけど、たぶんスクールアイドルのことかな?

 

あっ!今度東京で大掛かりなライブやるんだよね!人手が不足してるからか!凄かったな~大勢のスクールアイドルでライブ!~凄い迫力なんだろうな~。

 

心の中で楽しい気持ちになり小走りで音ノ木坂学院に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

しばらく走り音ノ木坂学院の校門に着いた。誰も居ない校門の辺りをキョロキョロと周りを見渡すが希も誰も居なかった。

 

「早く来すぎたかな?」

 

約束の時間の10分前に着いた大賀。なんにも許可を得ずに中に入る訳にもいかず待つことにした。

 

一部のμ'sメンバーと会ったことはあるもののまだ会ったことのない為緊張していた。他にも沢山の人が居ると思うと心臓の鼓動が早くなっていく。

 

少しすると足音が聞こえてきた。後ろに振り返るとそこには、μ'sのメンバーの………

 

「あなたが希の言ってた手伝いに来てくれた子?」 

 

「えっと………は、はい……」

 

大賀を迎えに来たのは赤い髪の少女──西木野真姫だった。

 

この人は確か……西木野さんだったはず。………なんだろう?この感じ……どこかで会ったことがあるような……ないような……。

 

(やっぱり……希と一緒に居たのは大賀だったのね。それにあの様子だと私のことも覚えてないみたいだし、記憶は戻ってないってことね………)

 

お互いの顔をじっと見つめる2人。先に口を動かしたのはは真姫。ジト目で大賀に向けて言った。 

 

「私の顔になにか付いてる?」

 

「い、いえなにも付いてないです」

 

強めに言われ縮こまってしまう大賀。その瞬間にズキンと大賀の頭を痛みが襲った。

 

「………うっ!」

 

「ちょっと!?どうしたのよ!?」

 

今までの痛みとは違いかなりの痛みが頭を襲った。そして一瞬謎のビジョンが見えた。

 

顔がぼやけていまいち見えない女の子と話してるようなビジョン。さらに時折「ええ──そう───もうす──誕──よ」という声が途切れ途切れ聞こえてきた。

 

「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」

 

「あなた大丈夫!?大賀!」

 

必死に呼びかける真姫だったが、虚しく声が大賀に聞こえることはなかった。さらに息がだんだん荒くなってきたが、少しすると落ち着いてきた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「少し落ち着いたみたいね。大丈夫?」

 

「………は、はい。ありがとう…ございます。すいません…いきなり迷惑掛けちゃって……」

 

「大丈夫よ。一旦中に入りましょう」

 

フラつく足元の中大賀は真姫に支えられて音ノ木坂学院の中に入っていった。

 

なぜか初めて会った気がしないと思った瞬間に頭を痛みが襲ったのかは本人はわからなかったが、真姫はその理由が少しわかっていた。

 

(私のことを見ると記憶が呼び起こされようとしてるのかしら?ちょっとしたことでも思い出す可能性があるってパパが言ってたけど……あの事を知ったら今の大賀が受け入れられるとは思えな…………)

 

 

 

 

 

 

 

みんなが待つ部室の前まで来た。すると大賀は「もう大丈夫です」と言って真姫の手をどけた。少し不安が残るが真姫は支えるのを止め大賀から離れた。

 

「ありがとう、西木野さん」

 

「え、ええ。中に入るわよ」

 

部室のドアを開け中に入った。そこには真姫以外のμ'sメンバーとA-RISEメンバーが話し合いをして待っていた。

 

「連れて来たわよ」

 

「真姫ちゃん、ありがとう。時間通りやな、大賀君」

 

「はい。皆さんこんにちは」

 

す、凄い……μ'sだけじゃなくてA-RISEも居るなんて!あの激戦区と呼ばれた地区代表決定戦の人たちが僕の目の前に!感動するな~。あっ、目的を忘れる所だった。危ない危ない。

 

「それで手伝いって何をすればいいんですか?」

 

「大賀君にはことりちゃんとあんじゅさんたちが作ってくれた衣装の数を数えてほしいんよ」

 

「わかりました」

 

スッゴい数の衣装がありそうだな~。でも頼まれたからにはやらないと!それにしても用意するの大変だったんだろうな………全国のスクールアイドルが集まるんだし沢山用意しないとだめだよね。

 

希が大賀を衣装部屋に案内しようとすると穂乃果が話始めた。

 

「待って!その前に自己紹介しないと!」

 

「あっ、そうでしたね。僕の名前は神月大賀です。よろしくお願いします」

 

と言ってぺこりと頭を下げた。続いて言い出した穂乃果が自己紹介を始めた。

 

「高坂穂乃果だよ! 」

 

「穂乃果が自己紹介してどうするんですか……。」

 

「えっと……。穂乃果先輩は知ってますよ…。皆さんの名前は全員知ってるので大丈夫ですよ。有名人の方々ですし」

 

そう大賀に言われるとにやけるにこ。恥ずかしいのか顔が赤くなる海未。他のメンバーはみんな驚いていた。

 

「もうにこたちは有名人ね~」

 

「そんな!恥ずかしいです……!」

 

第1回ラブライブ優勝のA-RISEと第2回ラブライブ優勝のμ'sならば当然のことだろう。さらに大規模なライブをするとなればあんまりスクールアイドルのことを知らない大賀でも名前はわかる。

 

そして希は大賀に例のことを訪ねた。

 

「“あの”ことはみんなに言う?」

 

「はい。一応……」

 

希の言葉に口ごもる大賀に他のみんなは疑問を抱いた。しかしこの中で1人だけ“あの”がわかっている人が居る。その少女は髪の毛をくるくるといじりながら聞いていた。

 

「大賀君は右目あんまり見えないんや。それに前の記憶も無くしてるんよ」

 

訪れる沈黙………こうなることを半分予想していた大賀だったが、作業をしている時に気付いて話せなくなるよりかは増しだと考えたのだ。

 

「すいません。いきなりこんなこと話して………楽しい雰囲気を壊してすいません」

 

話を続ける大賀だが無言が続いていた。

 

そんな中、沈黙を破ったのは意外にも真姫だった。

 

「それがどうしたの?」

 

「え?」

 

「記憶が無くて右目があまり見えないだけでしょ?それだけの事で黙る必要ある?」

 

「真姫ちゃん!」

 

「それは言い過ぎよ!」

 

希と絵里に止められるが真姫は話すのをやめなかった。むしろさっきよりも大きな声で大賀に言った。

 

「そのくらいの理由で追い返すような人たちはここには居ないわ。胸を張れとまでは言わないけど、もう少し自分に自信を持ちなさいよ」

 

「…………西木野さん」

 

その瞬間頭に一瞬走る痛み。さっきほど痛くはなく、それに痛みはほんの一瞬だった。1日に2回なることはあまりなかった為若干の疑問が残った。

 

真姫の一言により場は再び和んだ。最初に話だしたのは穂乃果。

 

「真姫ちゃんの言うとおり穂乃果たちはそんなこと気にしないよ!」

 

「記憶が無いなら作ればいいだけじゃない」

 

ツバサもフォローを入れてくれた。

 

希先輩の言うとおり、みんな優しい人ばっかりだ……。気にしてたのがバカみたいになっちゃった。それにしても……なんで西木野さんは会ったばかりなのにこんなに僕のことを助けてくれるんだろう?

 

「そろそろ作業の続きをしましょう」

 

絵里の一言でそれぞれ自分の持ち場に戻って行った。真姫は歌の指導。ことりとあんじゅは衣装の確認に。残りのメンバーはダンスの指導へと向かった。

 

「大賀君はことりちゃんとあんじゅさんを手伝ってきて」

 

「わかりました」

 

希に言われことりとあんじゅの元へと向かった。場所は部室と繋がるもう1つの部屋。そこにはかなりの数の赤や黄色を基調とした衣装がハンガーに掛かっていた。

 

「凄いですね~!これ全部作ったんですか?」

 

「うん♪みんなに手伝ってもらって沢山用意したんだ♪」

 

「意外と時間は掛からなかったらね~」

 

全国クラスのスクールアイドルの衣装担当が2人も居ると凄いや。

 

大賀は1枚1枚を見ていった。

 

それにどの衣装も凄い完成度だな~。素人からの目で見るともうアイドルとかが着る衣装だ!デザインも凄い!さっきから凄いしか言ってないけどそれぐらいしか言葉が見つからない。

 

「神月君、この衣装数えるの手伝って」

 

「衣装は丁寧に扱ってね~」

 

「わかりました」

 

よし!せっかくこんな凄い人たちの手伝いが出来るんだ!頑張らなくちゃ!

 

 

 

 

 

 

黙々と作業を続ける大賀。その表情は真剣そのもの。1枚1枚丁寧に扱いながら数えていく。

 

「4.5.6.7.8.9...10。よし!数はぴったりだ。こっち終わりました!」

 

「ホントに!?早いね~!」

 

「いえいえ。他にやることありますか?」

 

「衣装の方はもうないわ。他の所ならまだあるかも」

 

「わかりました。じゃあ他の所行ってみます」

 

そう言って大賀は部室をあとにした。次は穂乃果たちがダンス指導をしているグラウンドに向かった。

 

近づくにつれ沢山の声が聞こえてきた。

 

うわ~凄い人の数だな~。全国から来てるんだもんなそりゃかなりの人数が居るよね。その人たちの前でっかダンス指導をする高坂先輩たちは凄いや。僕だったら緊張してガチガチになりそう………。

 

グラウンドに着くと予想通り沢山の人がダンスの練習をしていた。するとちょうど来た大賀に凛が気付いた。

 

「あれ?ことりちゃんとあんじゅさんの手伝いは?」

 

「そっちは終わりました。なにか手伝うことありますか?」

 

「うーん。聞いてくるから待ってて」

 

「はい」

 

そう言うと凛は穂乃果たちの元へと走って行った。凛を待つ間大賀は辺りを見回す、そしてサッカーボールを見つけた。

 

片付け忘れたのかな?

 

ゆっくりとサッカーボールに近づいて行った。そしてボールの元に着くと片足を乗せた。

 

「あれ?神月君?」

 

「居ないじゃない、凛」

 

「さっきは居たんだよ!」

 

凛に呼ばれて来たのは絵里とにこ。辺りを見回すとボールに片足を足を乗せている大賀の姿があった。

 

「あっ!いたにゃ!」

 

「あんな所でなにしてるの?」

 

「サッカーボールを拾いにいったんじゃないかしら」

 

「おーい!かーみづーきくーん!」

 

大声で呼ばれ慌てて凛の方に振り向く大賀。さらに手を振っていたのでボールをこっちに渡してほしいと思ったのか、大賀はボールの下につま先を入れ器用に上げリフティングを始めた。

 

「リフティングしてるけど……」

 

「サッカーが好きなんじゃないかしら」

 

「それにしても上手いにゃ」

 

数回リフティングをすると凛たちの所にボールを蹴った。蹴られたボールは綺麗に放物線を描いて凛たちの前に落ちてきた。

 

「す、凄いわね」

 

「ハラショー!」

 

「ボール蹴るの上手にゃ!」

 

あれ?なんでボールをあんなに蹴れたんだろう?そう言えば記憶がなくなる前にサッカーやってたんだっけ。忘れても体が覚えてるもんなんだな~。

 

なんて思いながら凛たちの元に走って戻った。

 

「すいません。ボールが落ちてたもので………」

 

「大丈夫よ。気にしないで。もうすぐ休憩の時間だから調理室から飲み物持ってきてくれる?」

 

「はい。でも場所は?」

 

「凛が一緒に行くから大丈夫にゃ!」

 

「わかりました」

 

大賀は凛の案内で調理室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

校舎の中に入ると話の話題は大賀がボールを蹴った話に変わった。

 

「さっきの凄かったよ!」

 

「ありがとうございます。と言ってもなんで出来るかわからないんですよね」

 

「あっ……記憶ないんだよね?」 

 

と申しわけなさそうに言う凛だったが、「大丈夫ですよ」と笑顔で言われ凛も笑顔で「必ず思い出せるよ!」と言ってくれた。

 

なんだろう?昔もその笑顔を見たような………

 

「ありがとうございます、星空さん」

 

「じゃあ今度一緒にサッカーやろう!」

 

「良いですよ!」

 

この短い間に少しだけ仲が良くなったような気がした。それに4月から音ノ木坂の試験生をやるとなると不安だった気持ちはなくなり、今はワクワクに変わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は夕方になりこの日の練習は終わり明日から町に出て飾り付けをするらしい。その手伝いも頼まれ明日も行くことになった大賀は快く引き受けた。

 

片付けを終わらせた大賀はのぞみから真姫を探してきてほしいと頼まれ音楽室に向かった。場所までは言われていない大賀だったが、なぜかはわからないけど音楽室に足を運んでいた。

 

「ピアノの音だ…」

 

音楽室に近づくにつれ綺麗なピアノの音が聞こえてきた。角を曲がり音楽室に着き、窓を覗くと真姫は目を瞑りながらピアノを引いていた。

 

「綺麗………」

 

でも……なんでだろう?弾いてる所を初めて見る気がしないんだろう……?もっと昔から見ているような気がする。

 

すると真姫の頬に一筋の光が走った。

 

え?泣いてるの?ここからじゃよく見えない。それに日が反射して余計に見えないや。

 

「………大賀」

 

小さい声で自分以外には聞こえない声でボソッと言った。大賀はドアの前で座り、そして頭を抱えた。

 

知っている……のか?西木野さんを?でも友達や家族が教えてくれたことに西木野さんなんて人は居なかった。でも………僕は彼女を知ってるような気がする………。

 

すると音楽室のドアが開いた。

 

「なにしてるの?」

 

「あっ、えっと………少し頭が痛くなっちゃって、それで。でも心配しないでください!もう治ったので。それと希先輩たちが呼んでいましたよ」

 

「そう。わかったわ」

 

そう言って真姫は部室の方へと歩いて行った。大賀はため息を吐いて立ち上がり真姫を追いかけた。

 

大賀が記憶を失ってから初めての真姫との出会い。しかし真姫は大賀になにも話さなかった。その理由がわかるのはもう少し先のお話。




どうでしたか?

真姫ちゃんと大賀の関係はこれからどうなってしまうのか!?次回は音ノ木坂学院に行くお話です!

評価、感想待ってます!

好評価をくださったSureiyaさん、AQUA BLUEさんありがとうございます!

お気に入り登録をしてくれた方もありがとうございます!

それではまた次回

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。