君の為に……   作:異魔神

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皆さんこんにちは!

バレンタインデーも近づいて来ましたね!!番外編書くか迷っています。

今回の話は前回の続きです。修羅場の初日……

それでは本編どうぞ!


Episode.4 修羅場

「神月大賀!あんたには言いたいことが沢山あるのよ!! 」

 

「ええっ!? ぼ、僕なにかしましたか?! 」

 

「したから文句言いに来てるんでしょ!! 」

 

鬼の形相で大賀に詰め寄り徐々に窓際に追い詰められる。ガツンと当たり窓が揺れた。

 

あ~~! 昔の僕はいったい何をしたんだよ~~。こんなに怖い顔で女の子に迫られたの初めての経験だし……。

 

「神月君なにしたんだろう……? 」

 

「あれだけ怒ってるってことは、もの凄いイタズラとかしたのかも! 」

 

「イタズラで怒るレベルってかなりのイタズラね。」

 

真姫、凛、花陽はただ見守るしかなかった…………。

 

3人とも助けてくれないんだね………。

 

助けがないとわかった大賀は大人しく話を聞くことにした。

 

「あんた昔、私の後輩の机の中に嫌いなカエルのおもちゃとか入れたでしょ?! それに先生に呼ばれてないのに呼ばれたとか言って、職員室に行ったら呼んでないって言われたのよ!! 」

 

花陽と凛はそんな子供みたいなことしてたの?と心の中で思った。

 

「そ、そんなこと言われても困りますよ~! 昔の記憶ないんですから!! 」

 

「嘘よ! 嘘! 騙そうたってそうはいかないんだから!! そうやっていっつも騙されてるのよ! 」

 

全然信じる様子がない3年生。戸惑いを隠せずに再び凛たちに助けを求めるが顔を逸らされた。

 

あっ……顔逸らされた……。信用ないんだな~~僕。誰も助けてくれないや。どうにかしないと!!

 

言い返そうと口を開けた瞬間思いもよらぬ人が助けてくれた。

 

「その人が記憶喪失なのは本当ですよ。だからそんなに問いつめても無意味です。」

 

一瞬この場が止まったように沈黙が支配した。

 

え……? あの西木野さんが助けてくれた?いやいや。せっかく助けてくれたのにあのって言い方は失礼だよね。

 

「……本当なの? 」

 

「はい。昔、僕があなたのお友達にしてしまったことは謝ります。すいませんでした。」

 

深く頭を下げて謝った。恐る恐る顔を上げると3年生は先ほどまでの鬼のような形相ではなく、少し落ち着いた表情で大賀を見つめた。

 

「………わかったわ。言い過ぎてごめんなさいね。でも、次なにかしたら許さないから! 」

 

それだけ言い残し教室を出て行った。出て行く様子を見届けると「はぁ~。」とため息を吐いて自分の席に座り顔を伏せる。

 

西木野さんが助けてくれなかったら今頃どうなってたのかな……? 早速災難だ~~。あー早く記憶戻らないかな。戻ったら戻ったで謝りに行かないといけなさそうだけど……。

 

「神月君大丈夫にゃ? 」

 

聞いてもすぐには反応が帰ってこなかった。

 

「返事が…ない? 」

 

「死んでるんじゃない? 」

 

「いやいや、勝手に殺さないでよ西木野さん。」

 

顔を上げて答えるが真姫は左手で毛先をクルクルして悪気は感じられない。しかし不思議と嫌な気持ちにはならなかった大賀。むしろ安心感のような感情が感じられた。

 

なんだろう?この気持ちは……。いつも通りみたいな?

 

「はぁー。昔の僕はなにをしてんだろう……」

 

その表情は暗くとてもいつか戻るから大丈夫だよ! とは言えない状況だった。すると凛が思い出したように声をあげる。

 

「あー!! 部活行くの忘れてたにゃー!! 」

 

「えっ? ホントだ! 早く行かないと! 」

 

「もぉー! あんたがこんな面倒なこと起こすから! 」

 

いきなり関係ないと思う罪をなすりつけられた。今の騒ぎがなくても部活のことを覚えていたかは不安なところでもある。しかし忘れていたというのも事実。

 

部活のことは完全に僕のせいじゃないよね? 忘れてた星空さんたちが悪いと思うのは僕だけかな………? それを言うとさらに怒られそうだから言わないでおこう。

 

「あっ! そうだ!このことを説明するために神月君も一緒に行こうよ!! 」

 

「えー!! 僕も行くんですか?! 説明するためだけに?! 」

 

「そうね。それが一番手っ取り早いわ。」

 

そんな~西木野さんまで……。あとは小泉さんだけ……。

 

チラッと花陽を見るがものの見事に顔を逸らされた。こうなったらブレーキが効くとは思えないため大人しく凛たちに従うことにした。

 

この人たち……強引だ……。

 

その気持ちが伝わることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

凛たちに強制的に連れてこられたのはアイドル研究部の部室。前に手伝いで来たことがあるため初めてくる場所ではない。

 

凛が部室のドアを開けるとすでに凛たち以外全員が集まっていた。

 

「遅いですよ! 遅刻です! 」

 

「そうだよー、なにしてたの? 」

 

「違うの! これには深ーい、深ーいわけがあるにゃ! 」

 

「では、その深いわけというのを聞かせてもらいましょう」

 

海未先輩……普通に怖い……。僕のせいで遅れたなんて言ったら怒られそうだな~。でも悪いのは僕……なの?

 

「あれ? 大賀君? 」

 

「どうしてここに居るのです? 」

 

「えっと……深いわけの張本人です。」

 

部室のテーブルを囲むように座り、正直にさっきあったことを話した。すると怒るかと思ったが、海未は「そうだったんですか。大賀はなにも悪くないです」と言って許してくれた。

 

その言葉を聞いて心から安心する大賀。

 

良かった~~。これで怒られるかと思ったけど、大丈夫みたいだ! その代わり星空さんが怒られてるけど……。

 

すると前に座る雪穂が話しかけてきた。

 

「まさか試験生が大賀先輩だったなんて、驚きましたよ」 

 

「あははは。試験生になった僕も驚いてるよ。かなり遅くなっちゃったけど、入学おめでとう雪穂ちゃん」

 

「ありがとうございます! 」

 

雪穂とは穂乃果と仲良くなった時に知り合ったのをきっかけに仲良くなった。雪穂と大賀が話す中、雪穂の隣に座る亜里沙が話に入ってきた。

 

「雪穂、この人と知り合いなの? 」

 

「うん。この子は私の友達の絢瀬亜里沙です。」

 

「はじめまして」と言って頭を下げる亜里沙に対し「こちらこそ」と言って大賀も頭を下げる。

 

外人ぽいけどハーフかな?

 

「絢瀬さんはハーフ? 」

 

「いいえ。ロシア人のクォーターです! 」

 

元気よく答える亜里沙。

 

元気な子だな~。星空さんと一緒だ。ロシア人のクォーターか~通りで綺麗な人だと思ったわけか。それに絢瀬ってどこかで聞いたことあるよな……。

 

「もしかして、絢瀬って……」

 

「はい! お姉ちゃんは絢瀬絵里です! 」

 

「なるほど。絢瀬先輩の妹さんなんだね」

 

一通り大賀たちの話が終わると同時に海未のお説教も終わったようだ。机にぐったりと顔を伏せる凛を横目に苦笑いする大賀。

 

あそこまでぐったりされると罪悪感が出てくるよ……。それに海未先輩もガミガミ叱るタイプなんだね。そういえば、前に穂乃果先輩が海未先輩に怒られてた時もガミガミ言われてたっけ。

 

それを苦笑いして見守ることり先輩。

 

「みんな集まったところで練習を始めます。着替えて屋上に集合です。」

 

ん?待てよ……僕は?

 

「あのー僕はどうすれば……」

 

「せっかく来たんだから練習見ていくといいよ! あっ、もしかしてこのあとなにか予定とかある? 」

 

「ないですけど……邪魔になりませんか? 」

 

「大丈夫だよ♪ ちょうど男手が必要だったから」

 

男手が必要?

 

ことりの言ったことに疑問を感じた。練習に男の力が居るのだろうか?それとも練習の時に屋上まで重たい荷物を運んでいるのかと、様々なことを考えた。着替える前に部室にあるもう一つの部屋に呼ばれ、中に入った。

 

「みんなの分の飲み物が入ってるんだけど、先に屋上に持っていってくれる?」

 

「なるほど、わかりました。お安いご用です。」

 

飲み物と保冷剤が入ったクーラーボックスと巾着袋を持って大賀は先に屋上へと向かった。しかし大事なことを忘れている大賀。

 

結構重たいな……。いつもこんなの持ってるのかな?先輩たちは。あとで母さんに連絡しておかないと。

 

「──あれ? 屋上ってどうやって行くの? 」

 

ようやく肝心なことに気付いた大賀だったが時すでに遅く、今戻れば大変なことになるだろうと思い戻るわけにもいかない。

 

あ~~参ったなこりゃ……。誰か歩いてる人居ないかな? そしたら聞けるんだけど。

 

周りをキョロキョロしながら屋上に行くための道を探す。しかし探しても探してもいまいちわからず、同じ道を行ったり来たりしていた。

 

あれ?さっきここ通ったような………。僕ってもしかして方向音痴?! いや待てよ……たまに右過ぎるところに行き先書いてあると見えないんだよね。

 

右に注意しつつ廊下を歩いていると注意力が左まで行き届いておらず、左肩にぶつかる感じがした。

 

「きゃっ! 」

 

「うわっ! 」

 

左半身に衝撃が走った。視線を左に向けるとぶつかったのは女の子でリボンの色からして1年生だった。

 

「痛たたたー……」と尻餅をついたお尻をさすりながら言った。その1年生に片手を差し出し大賀は「大丈夫ですか? 」と言う。

 

「は、はい! 大丈夫です」

 

そう言って大賀の手を握った。少し力を入れて1年生を自分側に引っ張る。少しバランスを崩し大賀側に倒れるがしっかりと受け止めた。

 

「す、すいません!! 何度も……。」

 

かなりの速さで大賀から離れる1年生の女の子。

 

「いえいえ。大丈夫ですよ。悪いのはこちらなので。」と優しく笑顔で言った。

 

かなりドジだねこの子。まぁ人のこと言えないんだよね……。僕もたまにドジっちゃうし。

 

助けた1年生はじっと大賀の顔を見つめる。あまりにも長い時間見つめられる大賀は若干顔を赤くして聞いた。

 

「ぼ、僕の顔になにかついてますか? 」

 

「い、いえ! 失礼します! 」

 

1年生は走ってその場を後にした。その背中をじっと見つめる大賀。不思議と彼女にあったことがあるような気がしたからだ。いくら思い出そうとしても思い出せないのは目に見えてるので無理には思いだそうとはしなかった。

 

「あっ! ここに居た! 」

 

「えっ? ええっーー!? 」

 

後ろに振り返ると音ノ木の3年 生が3人、1年生が3人、鬼の形相で大賀に向かって走ってきていた。それを見るなり全力で走る。どこに逃げればいいかはわからないが、とにかく走った。

 

「今日はこんなのばっかりだー! 昔の僕はなにをしたんだよー! 誰か教えくれー! 」

 

そんなことを言っても教えてくれる人は居ない。自分を追いかけてきている人たちならなにかわかるかもしれないが、捕まったら終わりと本能が働いていた。

 

走り続けること数分。長い廊下に出た。下を見ると中庭が見えていることから、ここは2階くらいだとわかる。そしてかなり危険なことを思った。

 

この高さなら下に飛び降りれるんじゃ……。

 

もう一度ど走りながら良く確認する。そして……。

 

「いや、無理だろこれ!! 一瞬でも降りれるとか思った“俺”がバカだったー!! しゃあねぇ! こうなったらガチで逃げるしかねぇみたいだな!! 」

 

一旦後ろを確認して走るスピードを上げる。急なことに大賀自身も喋り方が変わってることには気付いていない。角を右に曲がり空き教室の中に素早く入り、身を隠した。

 

教室の前をタッ! タッ! タッ! と駆け抜けて行く音が聞こえる。足音が遠ざかるのを待ってそーっと窓の外を覗いた。

 

「チョロい女共だな~。これで終わりかよ、おもしくねぇな。」

 

そう言って教室の外に出る。追いかけてきた女子が走って行った方を見ると睨みを聞かせて大賀を見ていた。その瞬間ひんやりとした冷たい汗が流れくる。

 

あっ・・・・死ぬ。

 

本能がそう言った。

 

「「「「「誰がチョロい女共だって!! 」」」」」

 

「しくったーー!! 」

 

再び追いかけっこが始まった。空き教室にクーラーボックスを置いてきた為さっきよりもスピードは出るものの長時間走っているので体力に限界がきていた。

 

「いい加減にしてくれよ~! 疲れただろ? そろそろ休憩しようぜ! 休憩! 」

 

「あんたには休憩より、永眠の方が合ってるわよ!! 」

 

「一瞬でも止まったらその命もらうわよ!! 」

 

「こえーなおい!! 」

 

一目散に走り続けるがゴールが見えてこない。そもそもこの追いかけっこにゴールがあるのかすらわからない。捕まったら死ぬ。その思いからか走る足は止まらない。

 

ただ走り続ける……。

 

角を右へ左へと逃げるがなかなか諦めてくれない。次に左に曲がると少し離れた所に真姫が立っていた。

 

「いい所に! 助けてくれ西木──うぉっ!? 」

 

真姫の隣を通り抜けた瞬間首が急に締まり、その勢いでお尻から落ち大賀はそのまま意識を失った。大賀を確認するとため息を吐く。

 

全く……世話が焼けるわね……。

 

「ありがとう、西木野さん。その最低クズ男を捕まえてくれて。」

 

「いっそのことどこかに埋めない? 」

 

「それいいね! 校内だと嫌だからどっかの空き地とかでいいんじゃないかしら。」

 

勝手にどこかに埋める埋めないの話で盛り上がる女子たち。そんな盛り上がるっているところに水を差すように真姫が話し始めた。

 

「別に先輩方のために捕まえた訳じゃないですよ。勘違いしないでください。」

 

「はぁ? なに言ってるの? あなたもよく知ってるでしょ? むしろ一番そいつのクズさがわかってるはずじゃない? 」

 

もう一度大賀を見る真姫。視線を先輩たちに戻し、喋り始めた。

 

「知ってますよ。でもあなたたちは知ってますか? 大賀が記憶喪失なのを。──いっぺんに昔のことを知って混乱して呼吸困難とかになる可能性だってあるんですよ! 話も聞かずに責めるのはやめてください! 失礼します。」

 

大賀を抱えて連れて行くのではなく、ずるずるとエリを掴んで引っ張って連れて行った。

 

「本当に庇ってるの…かな? 」

 

「扱いがほとんど私たちと変わらないと思うけどね。」

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって屋上。大賀が途中の空き教室に忘れたクーラーボックスは雪穂と亜里沙が回収し、鞄とボールは大賀と一緒に真姫が回収していた。今はシートの上で寝かされている。

 

「あれだけの人に追いかけられてたって事は、凄いことしたんですね神月先輩……。」

 

ストレッチをしながら大賀を見る雪穂。

 

「あの噂は本当だったのかな……? 」

 

「噂? 」

 

ことりの言ったことを聞き返す花陽。

 

「私も噂なら少しは聞いたことがありますが……。まさかここまでとは思いませんでした。」

 

「どんな噂聞いたの?」

 

真姫も雪穂と同様にストレッチをしながら海未に噂の内容を訪ねた。すると一瞬顔が歪んだが、ここまできて話さない訳にはいかないと思い話始めた。

 

「あくまでも噂ですよ。……中学生で6股してるクズ男が居るって噂を聞いたんです……。噂を聞いたあとに実際に何回か見かけたこともありますし。」

 

「6股……。」

 

「えっ……。」

 

「す、凄い…ですね。」

 

明らかにどん引きすることり、花陽、雪穂。さすがにここまでの噂とは思って居なかったのか、この一瞬で大賀に対してのイメージが変わりつつあった。しかし1人話を理解していない亜里沙。

 

「ねぇねぇ、雪穂。6股ってなに? 」

 

「亜里沙は知らなくて大丈夫だよ。知ったら大変なことになるから……。」

 

するとここまで誰も触れなかった話に穂乃果が触れた。

 

「真姫ちゃんは全部知ってたの? 」

 

「えっ? 」

 

「確かに、神月君のこと妙に詳しいって言うか……。なんて言うか……。」

 

それぞれ今までの真姫の行動を思いだし始めた。教室で問い詰めにきた時やさっきの追いかけられてた時に止めたことなどを考えると妙に大賀のことを守ってる様な気がする。

 

「はぁー。神月とは同じ中学で少しだけ面識があったのよ。別に6股とかやんちゃしてただけじゃなくて、良いことをしたことも普通にあるのよ? だからそこまで悪い人じゃないわ。」

 

その場を沈黙が支配した。最初に口を開いたのは──。

 

「そうなんだ。今の大賀君と昔の大賀君は違うもんね! 穂乃果は真姫ちゃんを信じるよ! 」

 

「穂乃果……。」

 

「そうですね! 」

 

「凛も信じるにゃー! 」

 

「亜里沙も! 」

 

ここに疑う者は1人も居なかった。出会って間もない亜里沙でさえ信じると言ってくれた。一旦大賀の話は置いといて練習の続きを再開する。そんな中花陽は少し考えていた。

 

さっきの真姫ちゃんの言葉……どこか引っかかるのはなんでだろう? 少し嘘ついてるような……。

 

そんな花陽に「花陽ちゃん? 」と声をかけることり。すぐに「なんでもないよ。」と返す。

 

花陽と同様に真姫も1人、ストレッチをしながら考えていた。大賀と親しかった過去がバレれば最悪だと……。──別に大賀と仲が良いのが嫌な訳ではない。あんな苦しい記憶を思い出してほしくないという思いが強かったからだ。みんなにそのことを伝えて、大賀に知られ全てを思いだされてしまうと真姫にとって一番最悪の状況になってしまう。それだけは絶対に避けたい。

 

大賀は今のままでいいのよ。その方が幸せなんだから……。

 

「それと、気を失った理由は出来れば……隠してくれない? 」

 

「どうして? 」

 

「──怖いと思われると面倒だからよ。」

 

すると凛が笑い始めた。

 

「ちょっと凛! なんで笑うのよ! 」

 

「もう怖がられてるにゃ! 」

 

「はぁ?! イミワカンナイ! 」

 

さっきまで緊張感が漂っていたが、凛と真姫のやり取りでこの場から緊張感がなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う…ん? 」

 

大賀が目を覚ましたのは練習の終了間際だった。上半身を起こし周りを見渡す。

 

なんで屋上に居るんだろう? 確か──5、6人の人に追いかけられてて……西木野さんが立ってて……その後どうしたんだっけ? 思い出せないや……。

 

「あっ! 神月君起きたよ! 」

 

「なんで僕はここに居るんですか? 」

 

「ここに来る途中に倒れちゃったんだよ。」

 

質問に花陽が答えた。しかし大賀は納得した様子ではない。再び視線を下に戻し、覚えてることを整理した。

 

どうしても西木野さんを見たあたりから思い出せないんだよね。──まさか、西木野さんに……。

 

「もしかして、西木野さんを──。」

 

その言葉を口にした瞬間その場に緊張が走った。

 

「見た瞬間から記憶がないから、また倒れました? 」

 

「・・・・・そ、そうです! また倒れたので、ここに運びました! 」

 

「そうでしたか……。また迷惑かけたみたいで、すいません。」

 

大賀を除く全員が心の中で安堵の息をついた。そして同時に思う……。意外とバカなんだなぁと。

 

なんか皆さんホッとしているような……。気のせいか。それにしてもなんか首の辺りが痛いような、痛くないような……。

 

恐らく今日のことに大賀が気付くことはこの先ないだろう。

 

こうして始まった学校生活。しかし初日から災難な大賀はこの先どうなってしまうのだろうか……。

 




どうでしたか?

自分的にはかなりの修羅場だったと思います。一瞬一人称が俺に変わった理由はもう少し先のお話でわかりますよ!

感想、評価待ってるのでよろしくお願いします!!
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