ああ、痛い。わたしの右腕は見事に砕け、へし折れている。血もドバドバ出てるし、骨がむき出しになっている。ベル、こんな状態の私を置いていくのか?流石に辛いぞ。
まあ、ベルの表情を見るにこの助けてくれた金髪の美少女に惚れたな。だからと言っていきなり奇声を上げるのはどうかと思うよ。ほらもうなんか落ち込んでるよ。後ろで銀髪の男の人抱腹してるし、それをジト目で睨んでるし。
ああ、それと私が何故血塗れのベルの表情が分かるかと言うと表情を読むのが得意だからだ。と言うか私は毎度のように一体誰に話しているのだろう。
「あの、大丈夫ですか?」
「結構大丈夫じゃないです。」
「おいアイズ。んな雑魚ほっとけ。」
「でも、」
「ああ?っち!怪我してやがんのか。」
うーん確かにこれはかなりの大怪我だと思う。骨が出ちゃってるしね。骨に罅がはいる事はあってもここまで酷い怪我をしたことはないからなぁ。それよりもどうしようか?金髪の女の人はなんかおろおろしてるし、男の人は睨んでくるしどうしたらいいんだ。
「大丈夫ですか?」
「いや、それ何度目ですか?」
「四度目?」
「…真面目に答えないでくださいよ。」
「?」
「んなことやってる場合かよ。さっさと治療してフィンとこ帰んぞ。」
「はい。」
アホなことやってたら怒られたよ。と言うかベル。早く帰ってこい。私は人見知りだということを忘れてはいないか?まあ、こっちにきて大分解消してはいるけど。
そんなことを考えているとすでに金髪の女の人、確かアイズと呼ばれていた人は私の右手を固定し、液体の様な物をかけると私の右手はすぐに修復する。すごいな。医者要らずじゃないか。
「ありがと、う、ございます。」
「ううん。ごめんね。」
「あっ、いえ、お構い無く。」
「これがいい経験だ、これ以上無謀な冒険はしねぇことだな!」
あー、うん。いや、無謀だとは思ったけどさ、冒険はしてないよね?まあいいか。怪我も治して貰ったし。後はベルをどうしようか。と思っていたらベルが叫びながら此方に向かってくる。
「サクヤーーーーーー!?ごめぇぇぇぇぇぇえん!?」
叫びすぎだ。聞いているこっちの耳が痛くなる。
そんなことを思ってるとベルは私を横抱きに、ん?ちょっと待って、
?それって所為お姫様抱っこじゃ……
ベルとアイズさん?だっけ?と目が合う。
「…」
「…」
「…」
「…」
「「「「…………」」」」
「ほ、」
「「「ほ?」」」
「ほあああああぁぁぁぁぁ!?」
ちょっ!?待って!また逃げるの!?どんだけ女の人に免疫ないんだよ!と言うか、
「お、下ろしてベルゥゥゥ!?」
恥ずかしいんだよぉぉぉ!?何シチュだよ!?そしてなんのプレイだ!羞恥プレイか!?私を辱しめて何が楽しいんだ!と言うか今すぐ下ろせ!今すれ違ったパーティみんな口があんぐりしてたぞ!人の話を聞けぇぇぇ!
羞恥に悶える私を抱えたベルはダンジョンを出て、その降りかかった血を散らして街の中央を走って行く。
………はぁ、もうどうにでもなれ。