真っ白な空間。物も何一つ無い空間。人はその空間を天国とも地獄とも言う。
分かっていることは、そこは死後の世界ということだけ。
ただ、この場所を死後の世界とも分かっていない奴がいた。
それがこの物語の主人公である男だ。
「・・・どこだよ此処は?」
確か飯を食っていたはずだが……だめだ、全く思い出せん。
「此処は一言でいえば死後の世界じゃ。」
「うわっっ!?」
「なんじゃ、意外とびびりなのか?」
「・・誰だよあんた。」
「わっちは世間で言う神というやつじゃ。」
「・・・・神?それにわっち?」
「そっちは気にするな。ただのくせじゃ。それより、お主今の状況が解るか?」
「まったく何も解らん。」
「やはりか・・。まあ簡単に言うとお主は死んだのじゃ。」
「・・・・は?」
「いきなり言われても理解できんか。まあなんで死んだのかと言うと、
こちらのミスでお主を死んだことにしてしまったんじゃよ。」
「・・もっと訳が解らん。死んだことにしたって何だよ。」
「お主此処に来る直前、何をしていたか覚えているかの?」
「確か昼飯を食っていたはずだが、それが?」
「うむ、そう言う訳じゃ。」
「……説明する気がないならするような素振りをすんじゃねぇよテメェ。
はぁ……いろいろ理解はできてないが、要するに俺は死んだってことか。」
「なんじゃ?あっさりしてるのぉ。未練はないのか?」
「あるに決まってだろうが。でも死んだってんなら仕方ねぇだろ。」
「ふむ……なかなか肝の据わった子じゃのぉ。突然の死を素直に受け止めるとは。」
「ま、さっきあんたが言っていたこちらのミスで死んだってのは聞き捨てならないけどな。」
「うっ!ま、まぁそれに関しては本当にすまなかった。それで、そのお詫びとして
主に第二の人生を与えてやろうと思っての。」
「第二の人生?」
「うむ、所謂転生というやつじゃの。元の世界とは全く違う世界で暮らすんじゃ。」
「ふ~ん…………」
転生……ねぇ。ネットでちらっと見たことがあるな。漫画や小説の世界に行けるってやつか。
確かに、こんな何もないところにいるよりずっとマシだな。
「どうする?」
「……面白そうだ、その提案に乗った。」
「そうか!なら、どの世界がいいかの?大抵のところに行けるが。
それにしても、まさか転生が俺におこるとはなぁ。
となると、原作知識をある程度知っているほうが何かと便利だよな。
「それなら、とあるシリーズの世界で。」
「ほう、とあるシリーズか。しかしあんなすぐ死にそうな世界に行く気かの?」
「だから面白いんじゃねぇかよ。それに、ワンピースやナルトより平和だろ?」
「……そうじゃのぉ。よし、ならそこに決定じゃ。それじゃ、どんな力が欲しいかの?」
「は?力?」
「あんな世界に何の力も無しで行く気か?」
あぁ、言われてみればそうか。となるとどんな能力がいいんだ?
絶対に死なないチート能力がいいな。
「なぁ、ほかの作品の力もいいのか?例えば写輪眼とか。」
「無論、どんな能力も可能じゃ。」
「ふ~ん……じゃあ、とりあえずナルトの世界にあるすべての忍術、瞳術、体術を。
あとはそうだな…………武装色、見聞色、覇王色の覇気でもあったらいいか。」
「……何でも良いとは言ったが、あの世界でそれだけの力はチート過ぎると思うがの……。」
「この位ないと安心できないんだよ。」
「ま、良いがの。しかし、それだけではあの世界では少し目立つからの。
学園都市の『超能力』とやらはわっちが勝手に決めるぞ。」
「どうぞご自由に。」
「年齢、性別、名前などは生前と同じじゃからの。」
「それもご自由に。」
「ふむふむ………よし、登録できたぞ!」
………登録って何だよ。それはさておき、学園都市か。
ま、新しい人生だ。存分に楽しむとしよう!
「それじゃあ学園都市に飛ばすぞ。よいな?」
「おう!ドンと来い!」
こうして、一人の転生者が物語に介入していく。
「ちなみにわっちもどこかで出てくるぞ。」
「何でだよ!!」
大丈夫か?この先の俺の人生。