「アンタ、最近家にいないけど何やってんの?」
「まぁ色々とな………………ってか、なんで当たり前の様にお前等いるんだよ。」
「いいじゃない。結局、こうやって大人数で食べた方が楽しいって訳よ。」
「そうだよ。それにこんなにいっぱいのご飯私達だけじゃ食べきれないよ。」
「ご飯の量はお前のさじ加減だろうが。」
「まぁまぁ。それで、楠木さんは超何をやってるんですか?」
「ネットで情報を集めてる。『
「『
「あっ、私知ってるよそれ。使うだけで能力のレベルが飛躍的に上がるとかってものでしょ?」
「そんな物があんの?ま、私には関係ないけど。」
「でも『
「だったとしても、『
「『
興味云々の前にそれは不可能な話だ。」
「へぇ~。和真さんって、学園都市に来たばかりって言ってたけどすごい詳しいね。」
「そこらの暗部の奴らよりは確実に知ってる。当然、おまえ等よりもな。」
「アンタ、本当に謎ね。」
「まぁな。」
だが分かることより分からないことの方がまだ圧倒的に多い。もう少し暗部についても調べておくか。
「それで、くすのきは何でそれを調べてるの?」
「これを使って能力が上がった奴らが調子に乗って馬鹿なことをする事件が増えててな。
『
「あれ?楠木って『
「言ってなかったか?」
「『第零位』が『
「別に問題ないだろ。この町で『第零位』の存在を知ってるのは僅かしかいない。」
「でも能力とかで普通じゃないって分かっちゃうんじゃないの?」
「能力は最低限しか使わない。基本は格闘でどうにかなる。」
「そういやアンタに聞きたかったんだけど、あの『
能力二つ使ってなかった?あれはどう見ても『
「あぁ~……………長くなるから、俺の話は今度にしてくれ。」
「えぇ~?今聞きたいって訳よ。」
「今はそんな時間はない。まぁ一つ言っておくと、あれは『
簡単に分類するとしたら俺は『原石』に入るはずだ。」
「『原石』って………世界に五十人ほどしか超いない、天然の能力者でしたよね?
楠木さんはそれに超分類されるって訳ですか?」
「おそらくな。ちなみに、凛は世界第二位の『原石』だ。」
「えっへん!!」
「『原石』にも順位があるの?」
「明確かどうかは分からないが、ざっくりとしたランクはあるみたいだ。
第七位は世界最大の『原石』とされてるらしいからな。」
「へぇ~、『原石』も色々面倒くさいって訳ね。」
「そうだな………っと、もう時間か。じゃ、行って来る。あと………凛。」
「何~?」
「飯美味かった。いつもすまないな。」
「へっ?あっ……」
バタンッ!
「はぁ…………アイツ、無意識に言ってるからタチ悪いわね。」
「え、えへへ………」
「………凛が壊れちゃったって訳よ。」
「これは超何とかしないといけないですね。」
「………私もご飯作ろう。」
「あっ、やっと来た。」
「遅いですわよ楠木さん。」
「悪い、少し話しこんでいた。」
「まぁいいわ。それじゃ行きましょ。」
「今日はどこに行くんだ?」
「病院よ。」
「病院?」
「昨日、問題が発生しましたの。」
「
「意識不明…………どんな様子だったんだ?」
「居合わせた『
「………何がどうなってるのかしら?」
「行ってみれば分かるだろ。………………ここか。担当医はっと…………居た。」
「『
「最善は尽くしていますが、依然意識を取り戻す様子は…………」
「………あ、あの~。私、先日ソイツを思いっきりぶん殴っちゃったんですけど………」
「あ~ぁ、やっちまったなビリー。これでお前も晴れて犯罪者の仲間入りだ。」
「や、やっぱり殴った所為で!?」
「い、いえ。頭部に損傷は見受けられません。それどころか、身体のどこにも異常はないんです。」
「そ、そうですか………ほっ、ビックリしたぁ……」
「意識だけが無いということっすか?」
「そうです。原因が不明なので手の打ちようが………」
「このような症状が出た方は他にいるのでしょうか?」
「つい最近まで私もこのような症例は診たことがありませんでした。しかし……
今週に入ってから、同じような症状の患者が次々運ばれてくるようになりました。
他の学区の病院でも事態は同様です。」
「この症状から快復した例は?」
「今のところありません……」
「伝染病……とか?」
「いえ、ウイルスなどは検出されてません。その可能性は低いと見ています。
ただ、何か共通の要因が必ずあるはずです。」
「…………まさか、『
「可能性は高いですが、現時点では情報不足で何とも言えませんの………」
「………………。」
……………どうでもいいが、この事件が起こってるとき
アレイスターも『
興味を向けるほどでもない事件なんだろうな、奴にとっては。
「情けない話ですが、我々の手に余る事案ですので………外部から大脳生理学の
専門チームを招きました。間もなく到着される予定ですので、少々そこでお待ちください。」
「はぁ…………ここ熱いわね………」
「昨日の大規模停電の影響でしょう。先ほど確認したところ、空調の電源が入っていませんでしたの。」
「だったら非常用電源を入れればいいじゃない。病院なんだからあるはでしょ?」
「入れてるんだよ、患者用の器具のために。お前妙なところで馬鹿だな。」
「うっ、うっさい!ほっとけ!」
「それにしても、本当に暑いですわね…………」
「………………何でアンタ汗一つ掻いてないのよ?」
「この程度の暑さでうろたえるな。こんなもん暑いの内に入らない。」
「…………どこの世界に三十五度が暑くないなんて言う奴がいるのよ。」
「今お前の目の前に広がる世界にいる。」
「……もういいわ。」
「お待たせしました……」
「「「???」」」
「水穂機構病院院長から招聘を受けました、木山春生です。」
「………遅いですわね。」
「色々データ採取するものがあるんだろう。むしろ短時間で終わらせてくれるだけありがたい。」
「そうですわね……………って、お姉様?」
「スー……スー……」
「マイペースかこいつは。」
「楠木さんが言えた義理ではないですの。……………っと、どうやら終わったようですわね。
終わりましたよ、起きてくださいなお姉様!」
「待て、起きる前に油性ペンで顔に落書きを………」
「………油性ペンで何ですって?」
「………落書きしようとしている白井を止めようと思ってだな………」
「どう考えてもアンタがやろうとしてんでしょうが!!」
ブンッ!
「おっと………ギリギリセーフ。」
「あの体勢からよく避けられましたわね。」
「………少し腰骨やったなこれ。」
「ったく、毎回毎回アンタは………」
「不満か?だが俺は止めない。からかうと反応が面白いし癒される。」
「い、癒されるって何よ!?」
「癒されるんだよ、何かよく分からないが。可愛いんじゃないか?」
「かっ、可愛い!?あっ、はっ……」
「お、お姉様!?しっかりしてくださいまし!楠木さんも、お姉様はそういう言葉を
言われ慣れてないんですから自重してくださいですの!」
「じゃあこれから毎日言っていけばいいだろ。そしたらこいつも慣れてくるしお前もこいつのもじもじした
姿が見れて一石二鳥、画期的だ。」
「お姉様のもじもじした姿……………はぁ……はぁ……」
「何はぁはぁ言ってんのよ!変な想像するな!アンタも、それ以上何も言うな!」
「君達…………病院内では静かにしたまえ。」
「す、すみませんですの…………」
「で、君達が担当の『
「そうです。この騒音姫は違いますが。」
「誰が騒音姫だコラっ!」
「待たせたね。一通りデータ収集は完了した。」
「昏睡状態の学生たちは?」
「私は医者じゃないから治すことはできない。こういうことになった原因を
究明するのが仕事だからね。それにしても…………ここは暑いな。」
「ですわね………」
「停電じゃ仕方ないんじゃないっすか。(……原因は俺だが。)」
「停電?」
「昨日第七学区の広範囲で停電が起こったんです。何か原因が災害っぽいですけど。」
「そうか、それなら仕方ないな。さて、改めて自己紹介をしておこう。私は木山春生、大脳生理学
を研究している。専攻はAIM拡散力場。能力者が無自覚に出している微弱な電磁波のことだが……
常盤台の学生さんにはいらぬ説明だな。」
「『
「同じく『
「御坂美琴です。」
「ミサカ…………そうか、君が御坂美琴か。」
「わ、私のことご存知なんですか?」
「『
「さっすがお姉様!」
「うっさい。」
「自販機に回し蹴りぶちかますしな。」
「い、いつ見たのよっ!?」
「見てない。やっぱ蹴ってるのか。」
「なっ!?この………」
「………あの、それで何か分かったのでしょうか?」
「現時点では何とも言えません。こちらで採取したデータを、研究所に戻って精査するつもりです。」
「ご足労かけて申し訳ありません。」
「データだけでは分からないこともあります。それに学生たちの健康状態が気になりましたので。」
「あの、お尋ねしたいことがあるんですが………」
「??」
………………
「『
「はい。今学園都市で噂されているのですが…………」
「ふむ………それはどういった構造なんだ?」
「それはまだ…………」
「効果は?使用方法は?」
「…………それもまだですの。」
「………それでは何も分からないな。はぁ…………それにしても……」
「なっ!?」
「そうなのですけれど……植物状態の学生の中に……って、どうされたんですの?おねえさ…ま!?」
「ふぅ…………暑い……」
「な、何を急にストリップしているんですの!?」
「いや、だって暑いだろ?」
「ここは自宅ではありませんのよ!過度の露出は慎んでください!殿方の目がありますの!!」
「私は気にしないのだが………」
「とにかく服を着てください!」
「はぁ…………はっ!アンタ!さっきから無言だけどジロジロ見んじゃ…………あれ?」
「彼なら先ほどトイレに行くと言っていたが。」
「そ、そうですか…………(って、何で私安心してるのかしら?)」
「その話の続きは場所を変えてから聞かせてもらおう。ここは暑すぎる…………」
「わ、分かりましたの……」
「………ん?どこか別のとこに行くのか?」
「え、えぇ………」
「冷房の効いたところにね。ここは暑すぎて危ない。」
「そっすか。別に構わないですよ。」
「すまないね。」
「…………………。」
「………何だビリー?」
「べっ、別に何でもないわよ。あとビリーって言うな!」
「??」
「さて………先程の話の続きだが、同程度の露出でも何故水着はよくて下着はだめなのか……」
「「いえ、そっちではなく。」」
「それはですね、下着というのは……」
「説明するな!てか何で説明できんのよ!?」
「え、えぇと、話をまとめますと、『
わたくしたちは考えているんですの。」
「なるほどね。」
「学生達に注意を促すという案も挙がったのですが、実物の確認もとれていないですし、
もしあったとしてもそれを開示することで逆に『
「現段階では公表することはできないって訳か。」
「君達の仮定が真実ならば、それは賢明だろう。むやみに情報を公開して妙な噂が立ってしまっては
事態の収拾がつかなくなる。………………で、何故そんな話を私に?」
「能力の向上ということは脳に関係している可能性がありますの。ですから………」
「見つかったら私に調べてもらいたい……と?」
「簡単にいえばそうです。」
「構わないよ。私自身も興味があるからね。」
「ありがとうございます。」
「お待たせしました、ジャンボいちごパフェです。」
「えっ?私頼んで………」
「俺のだ。」
「いつの間に頼んだのよ………………ってデカッ!?」
「そんなにでかくないだろ。むしろジャンボの割には小さい。……っと、飲み物を持って来るか……」
「………五十センチ弱ありますのに、それを小さいって…………」
「若さとは恐ろしいものだな。………………ところで、さっきから気になっていたんだが………」
「??」
「窓に張り付いているあの子達は君等の知り合いか?」
……………………
「脳科学の研究者さんなんですか。」
「木山春生だ、よろしく。」
「でもなぜそのような方とお茶を?白井さんの頭がとうとう限界なんですか?」
ゴツンッ!!
「殴られたいんですの初春?」
「殴ってから言わないでくださいよ~!」
「『
「『
「所有者を捜索し、見つけ次第保護すると思われますの。」
「えっ………?」
「なぜですか?」
「調査中ですので確証はありませんが、『
かかる可能性があること。
そしてここ数件の事件は急激に力を手に入れたことで犯罪に走った可能性があるという
二つの可能性があるからですの。」
「は~……そうなんですか…………?どうしたんですか佐天さん?」
「えっ!?あっ、いや……別に……」
ガシャンッ!!
「ああっ!?す、すみませんっ!!すぐに布巾を……」
「気にすることはない。かかったのはストッキングだけだから、脱いでしまえば………」
「「「「っ!!??」」」」
「だ・か・ら!!人前で脱いだらだめだと先ほど申したでしょーが!!」
「こぼしておいて言えた義理じゃないですけど、
女性が公共の場でパンツが見えるようなことしちゃだめです!!」
「しかし、起伏の乏しい私の体を見て欲情する者がいるとは………」
「そういう問題ではなく…………」
「何だ、騒がしいぞお前等。」
「なっ!?」
「「「く、楠木さん!?」」」
「ん?佐天に初春、お前等も来てたのか。」
「オォラァァ!!!」
「うおっ!いきなり何すんだ御坂!こぼれるところだったろうが!」
「何でアンタはそうタイミングが悪いのよ!!」
「何キレてるんだよ。タイミング?意味が分からん。」
「そ、その……あれよ!ほら、二人の分がないじゃない!
それは私が運ぶからアンタは二人分取ってきて!」
「お前…………俺は年上だぞ。」
「いいから!!は・や・く・と・っ・て・き・て!!」
「はぁ…………分かったよ。」
何なんだアイツ。最近の中坊は礼儀がなってないな、ったく………………
………そういやアイツも昔こんな感じだったな。まぁもう会うことはないが…………
「今日はお忙しい中ありがとうございました。」
「いや、教鞭を揮っていたときのことを思い出して楽しかったよ。」
「教師をなさってたんですか?」
「…………昔の話だよ。」
「木山先生が担任だったら俺も少しは学校に興味を持ったんでしょうね。」
「君は学校に行ってないのか?」
「あまり行く意味がないというか………」
「………ちなみにどこの学校かね?」
「海星学園です。」
「!!あの五本指の一角の海星学園か。」
「それなのに興味がないってどうかと思いますけど………ねぇ佐天さん?」
「……えっ?あっ、えっと…………あ、あたし用事思い出したから先に帰るね。ゴメン!」
「さ、佐天さん?」
「どうかしましたの?」
「さぁ………」
「それにしても、何か変わった感じの人だったわね。」
「天才というのはああいうものですわ。」
「変人ともいうけどな。」
「失礼ですわよ。」
ピリリリリ………
「ん?メール?」
凛か………………あぁ?何だこれ?地図?印が付いているが……………行けってことか。
差出人が不明ってのが気に食わない。どうするか………
「はぁ………行くか。」
「どうかしたの?」
「何でもない。俺も用事を思い出したから先に帰る。」
「えっ?」
「そうですか。ではまた明日。」
「あぁ。」
「………………。」
「どうかしましたかお姉様?」
「えっ?あっ、いや…………わ、私も用があるから先に行くわね。じゃまた明日!」
「お、お姉様?」
「どうしたんでしょう御坂さん?」
「さ、さぁ…………」
「この場所は………………第二学区?また随分とマイナーな………何があったっけか?」
えっと………『爆発物や兵器の試験場、『
どうせ暗部の何かだろうが、用があるならそれを書けよ。ったく…………
「暗部ももう少し人材を改めた方が………『……ねぇ。』……ん?」
誰だ?暗部の人間だとは思う………が………っ!?
「なっ!?おまっ!何でこんな所に……ビリー!」
「さっきのアンタの表情が気になったのよ。携帯見た途端急に変わったから………」
「………それで追いかけて来たと?はぁ…………帰れ。」
「な、何でよ!?」
「お前には関係無いことだ。それに危険になるかもしれない、お前に怪我をさせたくはない。」
「なっ!何よ急に………(いつもは私のことからかってくるのに、心配してくれるんだ………)」
怪我させたら白井に何言われるか分かったもんじゃないからな。
それにもし本当に暗部の仕事だったらこいつを関わらせるわけには…………
「…………なにもじもじしてるんだ?」
「し、してない!とにかく、私は帰らないわよ。」
「だから、お前には関係………」
「………………。」
「…………はぁ、どうなっても知らないぞ。」
「ふん、アンタこそ怪我しないでよね、私の攻撃で。(よしっ!………何でこんなに喜んでるんだろ?)」
「戦うこと前提かよ………」
………マジでどうなるか分からないな。とりあえず、こいつ最優先で行動しなきゃな………
「んで、何しに行くのよ?」
「さぁな。」
「さぁなって……分かってないの?」
「この印が付いてる地図が送られてきただけだから、何があるかは行ってみないと分からない。」
「差出人も分かってないなんて…………本当に大丈夫なの?」
「怖いなら帰ってもいいぞ。むしろそっちを勧める。」
「帰らないわよ。そんな面白そうなこと、私が放っておくと思ってんの?」
「……三歳児並の好奇心だな。いつか後悔することになるぞ。」
「しないわよ。……………っと、ここじゃない?さっきの印がついた場所って。」
「のようだな。誰もいないようだが………」
ドガァァァァン!!!
「「っ!!??」」
ちっ!馬鹿正直に待ち構えてる訳ないか。とりあえずこいつの安全を確保してから…………って!
「何やってんだお前!」
「何って、迎え撃つに決まってるじゃない!いきなり攻撃してくるなんてムカつくわよ!」
「知るか!さっさとこっちに…………っ!?」
「後ろががら空きよお嬢ちゃん?」
「っ!?」
ドゴォォン!!
「…………っ!!へぇ……流石にやるわね。」
「ゲホッ、ゴホッ!な、何が………」
「だから気をつけろっつたろ!相手の能力も分からないまま突っ込むんじゃない!」
「まるで
「だ、誰が
「………………。」
こいつは一体…………暗部なのか?それにしてはあまり殺意が感じられないが………
「誰よアンタ!いきなり攻撃してきて………」
「フフッ、まさか貴女まで一緒だとは思わなかったわ、『
「!!私のことを…………」
「『
「目的は何だ?」
「そんなに怖い顔しないの。私はただ『
「!!こいつ………」
「『
「………『
「は?『
「お前、まさか………」
「君の予想通りよ。私は第三位。だから、彼女もいてくれてラッキーだったわ。」
「ちょ、ちょっと!教えなさいよ!『
「…………学園都市の都市伝説の一つだ。『
「………話が急すぎて全くついていけないんだけど。都市伝説なんでしょ?何でそんなに真剣に……」
「都市伝説の中にも本当に存在するものも多数ある。俺達が今調べている『
「そうだけど…………」
「さっきあいつが言っていた『
「…………アンタはそいつを倒したっていう訳?」
「倒してはない。逃げられたって言った方が正しい。」
「あらそうなの?私はてっきり倒したものだと思ってたけど。」
「奴の仲間が来て回収して行ったんだ。」
「へぇ………あの子達、まだつるんでいたのね。」
「で、あいつが『
「第三位…………」
「気をつけろよ、奴らは自分と同じ順位の『
「や~ねぇ、私は他と違ってそんな物騒なことはしないわ。」
「どうだかな。お前みたいな奴に限ってなにを考えているか分かったもんじゃない。」
「そうね。(喋り方がアイツに似ててムカつくわね………)」
「随分と信用無いようねぇ私。まぁいいわ。私の目的も達せられたし、
これで帰るとするわ。じゃあね、零と第三位。」
「ちょ、待ちなさいよ!!」
「待てビリー、追うな。」
「でもっ!」
「ここで奴を追って返り討ちにあったらどうする。白井達が心配するだろうが。」
「っ…………」
「ここは抑えろ。いずれ奴らとはぶつかるだろうから、その時に借りを返してやれ。」
「…………分かったわよ。」
「ここでのことは他言無用だ。分かったな?」
「はいはい。」
「よし、なら早く帰るぞ。じゃないとまた白井にグチグチ言われる。」
「うっ………それもそうね。」
ちっ………にしても、厄介なことになった。原作通りにはいかないかもな………
「………ダウンロード出来たみたいですわね。」
「これが『
「お前等よくこのサイトを見つけたな。」
「昨日白井さんが直接スキルアウトに聞き込みに行ったんですよ。」
「偽物の可能性は?」
「それはないですわ。嘘をつけなくなるまで追い込んで吐かせた情報ですもの。」
「………エグ井だな。」
「白井ですわよ!」
「それにしても、これで本当に能力が上がるんでしょうか?」
「試してみればいいだろ。」
「でもこれ副作用があるとかって………」
「これを使って白井への日々の鬱憤を晴らすことも………」
「…………いいですねぇ~……」
「何がよろしいんですの?そんなに使いたいなら試して御覧なさいな。」
「う、嘘ですよ白井さん!嘘ですからイヤホン付けないで~!」
「で、これまでどの位ダウンロードされてるんだ?」
「このサイトが閉鎖されるまで、既に五千件以上ダウンロードされてます。」
「五千!?」
「全員が使用したかは分からないですが、こうやってダウンロードできなくなってからは
現物をお金で取引されることが多くなってるみたいです。」
「サイトを閉鎖しただけでは完全に拡大を阻止することはできないようだな。」
「初春、その取引場所は分かりますの?」
「はい、ざっとこのくらい………」
ドサッ!
「って多っ!こんなにあるんですの!?」
「そりゃ定位置を作ったらすぐばれるからな。色々なところで取引するだろ。」
「一つ一つしらみつぶしで行くしかありませんわね。」
「面倒臭いが…………行くか。」
「二人で行くんですか?」
「仕方ないだろ。他の連中は『
「初春は『
「分かりました。」
「そういや初春、佐天はどうした?いつもならいる時間帯だろ?」
「それが…………気になって電話してみたんですが、繋がらなくて………」
「そうか………」
「楠木さ~ん、行きますわよ~」
「………今行く。」
「さて、どこから回る?」
「とりあえず一番近い所からが無難でしょう。そこからどんどん範囲を広げていきますの。」
「そうか。それにしても………まさかここまで拡大しているとはな。」
「えぇ。このままだと学園都市全域に広がる可能性がありますの。」
「もし広まったらどうなるんだろうな。バトルロワイヤル都市になるのか?それはそれで面白そうだ。」
「妙なこと言わないでくださいまし。そんなことになったらこの町は終わりですのよ。」
「そんなことで終わったらとうになくなってるだろ。それ以上にヤバい争いもあるからな。」
「とにかく、一刻も早く『
「そうだな。俺も早く終わらせていちごおでんを………『きゃぁ!?』………!!」
「今のは………」
「行くぞ。」
「おい、テメェ今なんつった?嫌がってるからやめてあげてだと?餓鬼が生意気言うじゃねぇか。
テメェもどうせ『
「っ……………」
「『
他に暴力を振るうあなた方に、彼女を笑う資格なんてありませんわ。」
「………あぁ?」
「『
「し、白井さん!」
「申し訳ありません佐天さん、少々遅れましたの。」
「何かと思えば、餓鬼が一匹増えただけじゃねぇか。」
「おとなしく連行されるのを勧めますの。」
「一人で何が出来るってんだ?」
「……さっきっから一人一人って………お前等の目は節穴どころじゃないな。」
「っ!?」
「楠木さんも…………」
「佐天、大丈夫………じゃないっぽいな。少し休んでろ。」
「は、はい……」
「はっ!二人になったところで何かが変わる訳……じゃ……!?」
ドガッ!
「ごふっ!?な、何が……」
「あなた達みたいなのは抵抗してくださった方が思いきりブチのめせていいですわね。」
「…………やっぱエグ井だな。」
「白井ですの!」
「言ってくれるな。どうやら能力者の様だが、お前みたいな餓鬼がいきがるのが一番ムカつくんだ。
お前のその傲慢な態度………」
フワッ……
「(す、すごい。あんな大きい鉄柱が…………)」
「ブッ潰してやるよ!!」
「っ!白井さん!!」
フッ!!
「っ!!??」
「……き、消えた……?」
「くっ、テメェ何しやがった!!」
「……ど、どういうことですの?」
「し、白井さんがやったんじゃないんですか?」
「わ、わたくしは何も………」
「………テメェか。」
「よく分かったな、その二人より少し格が上っぽいクズ野郎。」
「い、今のは楠木さんの仕業ですの?」
「この野郎!!」
ドゴッ!!
「があっ!?」
「はぁ………お前等が『
鬱憤晴らしに付き合ってもらうぞ。」
「えっと…………楠木さん?」
「白井、お前はさっき仕留め損ねたそいつを頼む。俺はこのでかいやつを殺る。」
「………テメェが俺を殺るだぁ?寝ぼけたこと言いやがる。だがさっきの能力はおもしれー。
いいぜ、相手してやるよ。せいぜい俺を楽しませろよ?」
「楠木さん!」
「心配するな、すぐ終わらせる。お前もそっちに集中しろ。………悪いが、場所を変えるぞ。
」
「あぁ?何を言って………っ!!」
ビシュン!!
「………楠木さんって、『
「そ、そうみたいですわね………」
ビシュン!!
「ちっ!『
「これで周りを気にする必要もなくなった。」
「さっきから随分デケェ口叩くじゃねぇか。俺達はよ、これまで色んな事をしてきたがその度に
『
「ならやらなきゃいい話だ。そんなことも分からないほどおつむの方が腐っているのか?」
「…………そんなことが言えるのは今だけだぜ。俺はデケェ力を手に入れた。だから、日頃から恨みがある
テメェ等をギッタギタにぶちのめせるんだよ!!」
「……………。」
「カカカカッ!」
何だったか?こいつの能力。白井が苦戦していたのは覚えているんだが………
「こんな時に考え事か?余裕あるじゃねぇか、あぁ!?」
「っ!?」
グニョン、ドゴッ!
「ぐっ!」
「ぎりぎり身体を逸らしたか。いい反射神経してんじゃねぇか。」
「ちっ…………」
そうか思い出した。確か自分の周囲の光を捻じ曲げる能力、『
焦点をずらすことで方向感覚や距離感を狂わせることができたはず。『
天敵だろうが、俺はそうじゃないから苦戦することはないが…………ん?
「……そうか。それやったら面白そうだ。」
「………何言ってやがる。恐怖で壊れたか?」
「お前、格闘に自信はあるか?」
「あぁ?」
「今から殴るから、しっかり防御しろよ。」
ザッ!
「(……本当に壊れたのか?俺が避けられないはずが………)」
グニャン
「っ!?なっ、これは!?」
ドスッ!!
「グハッ!!」
「おいおい、わざわざ忠告してやったのにこのざまかよ。」
「ぐっ!!テ、テメェ………何しやがった!?」
「お前の能力、『
「な、ん………だと?」
「お前は俺を『
「(何なんだコイツ!?もしかして、相当ヤバい奴なんじゃ………)」
「………話はこれまでだ。そろそろ白井達の方も終わる頃だろうし、こっちも終わらさせてもらう。」
「ぐっ………クソッ!!」
「……ここにきて逃げるのかよ。面倒臭いことこの上ない。どうするか…………」
…………このビルごと壊すか、白井みたいに。
「『
「クソッ!舐めやがって!一度退いて態勢を整えてからあのクソ野郎を………」
ビュゴォォォン!!
「っ!?な、何だ……」
『さっきの奴、聞こえてるだろ。』
「っ!上から………」
『俺が今何をしたか分かるか?』
「はぁ…はぁ……??」
『柱を一本消し飛ばした。これから順に一本ずつ柱を消していく。』
「はぁ…はぁ……そんなことしても、おれは倒せねぇぞ。」
『………どうやら理解していないみたいだな。建物を支える柱が全て壊れたら、どうなる?』
「??……………っ!!まさかテメェ!!」
『早くここから出ることを勧める。』
「(マジかよあいつ………正気か!?このビルごと俺を殺ろうってのか!?イカれてがる!
あんな奴に付き合ってられるか!!)」
………とか思っているんだろうな。何せ白井と同じことやってるわけだし。
「早くここから………」
ビュゴォォォン!!!
「ぐおっ!く、くそっ!とても歩ける状態じゃ………」
『ギブアップか?だがそこに留まることは得策じゃないと思うが?』
「はぁ…はぁ……何を……っ!!」
ドゴンッ!!
「(なっ!瓦礫!?マジかよ!このままじゃ本当に………死……っ!?)」
ドガァァン!!
「ウワァァァァ!!??」
ドォォォォン!!!
「…………本当にぶっ壊れたな。」
「遅れてすまなかった。このところ事件が多発していて人手不足でね。」
「人が足りないなら仕方ないっすよ。」
「それにしても…………この壊れたビルは一体………?」
「さぁ?古かったんじゃないっすか。」
「………イジョウブダ」
「……??」
「アハ、ハハハダイジョウブナンダオレタチワ…………」
「何だ?」
「はぁ……コイツもか。」
「コイツもと言うと?」
「ここ最近の事件の犯人の中に、こういったことを口にする者が多数いるんだよ。やれやれ、
子供達の犯罪も凶悪化してきているのかねぇ…」
「(これは…………雑な洗脳そのものですわ。一体………)」
「そういや、佐天はどうした?見当たらないが………」
「そういえばそうですわね。一体どこに…………ぐっ!」
「どうした?」
「い、いえ………先ほどの犯人を相手にしていたとき少々………」
「そうか……」
そんなに強かったか?確か漫画だと一撃で倒していたような………
「はぁ…はぁ…」
……放っとくわけにもいかないか。
「なぁ白井、抱っことおんぶどっちがいい?」
「は?いきなり何を……」
「いいから、どっちか選べ。」
「は、はぁ……?では抱っこで……」
「了解。」
「はっ?えと、く、楠木さん?一体何を………きゃっ!?」
「お前、見た目よりも軽いな。」
「な、何をなさってるんですの!?」
「何って………お前が抱っこがいいと言ったんじゃないか。」
「そうではなく!何故わたくしが抱っこかおんぶをされなくてはならないんですの!?」
「そりゃお前、怪我しているからだ。」
「こんなことされなくても一人で歩けますの!」
「うるさい、黙って運ばれてろ。あっ、お前の赤面顔は写真撮って初春に送ったから。」
「腹黒過ぎますの!!!」