一カ月以上空いてしまいました。ですが受験も無事終わり、インフルエンザも完治したので
これからは一週間…………二週間位で更新できると思います。
ピリリリ………
「和真さ~ん、電話なってるよ~。」
「今手が離せないから出てくれ。」
「はぁ~い。」
ガチャッ!
「はい、もしもし?」
『失礼ですが、楠木和真さんの家でよろしいでしょうか?』
「そうですけど……………」
『ご本人はいらっしゃいますか?いれば替わっていただきたいのですが。』
「はぁ……?分かりました。」
「どうした?」
「何か和真さんに替わって欲しいって。」
「俺に?」
朝早くから誰だ?アレイスターなら携帯にかけてくるはずだが………
「はいもしもし?」
『楠木和真さんですね?』
「そうですが…………」
『私、海星学園生徒会副会長のアルマと言います。』
「はぁ……?」
海星学園………嫌な予感しかしないな………
「それで、俺に何か?」
『はい。強制登校勧告です。』
「…………は?」
『貴方は我が学園に編入して数週間以上経つのにも拘らず、一度も登校していません。
それを利用しようとのことで、理事長と生徒会長がこの勧告を出すという建前で
貴方を呼びつけることになりました。』
「は、はぁ………。それで?」
『今日今すぐに来てください。』
「………そうきたか。」
『場所は分かりますね?ではお待ちしています。』
プツッ!
「…………。」
「どうしたの?」
「……一回も学校に行ってなかったから強制登校勧告が出された。」
「うわぁ………やっちゃったね。」
「別に行かなくても支障はないだろうに………」
「和真さん不良だぁ~。」
「ほっとけ。学校すら決まってない奴に言われる筋合いはない。」
「へっへ~ん!もう決まったよ~!」
「は?どこだ?」
「常盤台中学。」
「………マジか?」
「うん、マジ。」
「…………。」
「沈利さん達に手伝ってもらったの。」
「あぁ、そう…………」
…………確実に面倒事が起きるな………
「とにかく、そういうことだから行ってくる。」
「いってらっしゃ~い。」
「……………………遅いわね。」
「確かに、彼の家からここまではそう遠くはありません。何かあったのでしょうか?」
「道に迷ってるんじゃない?一回も来たことないんでしょ?」
「そんなバカなはずないじゃない。調べればここの場所位すぐに出てくるんだから。」
「…………そのうち来るでしょうが、少し様子を見てきます。」
「そうね。」
「それにしても、『第零位』って何なのかな?」
「何って、そのままの通り学園都市の零番目ってことよ。」
「だぁから、それが意味分かんないの。だって学園都市最強は第一位の『
「そうね。」
「んで、『
「そうね。」
「じゃあ何なのよ『第零位』って!」
「知らないわよ。」
「うぅ……………」
「まぁ会ってみれば解るんじゃない?」
「よぉ~し、来たら滅茶苦茶質問してやる!!」
「………………。」
でかいな。本当に学校かこれ?何かヤバめの研究施設にしか見えないんだが………
「……楠木和真さんですね?」
「!!………あぁ。」
………気配ゼロかよ。
「先程お電話させていただいたアルマです。」
「……どうも。確か副会長だったか?」
「はい。それではご案内します。ついてきてください。」
………生きてるのかコイツ?生気を感じないんだが……
「……お察しがよろしい様で。貴方の考えている通り、私は人間ではありません。」
「っ!?………『
「えぇ。私は学園都市に存在するレベル4以下の能力を
全て扱えるように作られたアンドロイドです。」
「マジかよ……何故そんな世間に知られたらマズイ様な奴が生徒会の副会長をやっているんだ?」
「この海星学園は表の姿は名門校、裏では暗部のかなり根深い所で活動している施設なんです。」
「………だから俺はここに編入させられたのか。」
「この事実を知っているのは理事長と我々生徒会、一部の生徒のみです。」
「俺を呼んだのは暗部絡みか?」
「それもありますが、理事長及び生徒会の方々が貴方にお会いしたいと申してまして。」
「………嫌な予感しかしないな。」
「ご安心を。皆さま優しい方達なので。」
「暗部に関わっている時点で碌なもんじゃない。」
暗部でまともな人間…………今まで会った中では一人もいないな。害がない奴は滝壷だが……
「………??」
「……?俺の顔に何かついてるか?」
「いえ………急に貴方の心が読めなくなったので………」
「………そうか。」
一応警戒のため『見聞色の覇気』を使ったが………
どうやらこういう精神系の能力を遮断できるようだな。これは思わぬ収穫だ。
『第五位』の対抗策が出来た。
「やはり『第零位』ともなると格が違うということですか?」
「……まぁ、そういうことにしておこう。」
「ふふっ、面白い人ですね。イメージとは全く違いました。」
「……麦野達といいお前といい、『第零位』にどんなイメージ持っているんだよ。」
「『
その頂点に君臨する人ともなると極度の変人なのかと。」
「………………。」
「ですが、とてもユニークだと分かって安心しました。こちらも少しばかり警戒していたので。」
「………そうかい。」
……会ったことのない奴にひどい扱いをされているのか俺は。
「さっ、着きましたよ。」
「………最初は普通理事長の方に行くんじゃないのか?」
「理事長は仕事がありますので今はいません。」
「呼んでおいて本人不在かよ。」
「まぁ理事長というよりはほぼ生徒会の方達が呼びましたので。」
ガチャッ!
「皆さん、楠木和真さんを連れてきました。」
「おっ、やっと来たわね。」
「………………。」
「あれっ?な、何か想像してたイメージと全然違う。二メートル超の怪物みたいなのかと思った。」
「へぇ~………かなりのイケメンね。」
「ご紹介します。右の方が生徒会長の東堂玲会長、左が書記の姫路美奈さんです。」
「初めまして、東堂よ。美奈ほどではないけど、確かに描いていたイメージと違うわね。」
「………この町に来てそう言われるの何度目だよ。」
「だってこれは全然違うでしょ!?『
「……初対面の人間に対して失礼な奴だな糞餓鬼。」
「餓鬼って……あたしはアンタと同い年よ!」
「…………。」
……コイツ高一かよ。中一位だと思ったが……
「そして、あそこにいらっしゃるのが会計の烏丸翔さんです。」
「……………。」
「……シカトか。」
「気にしないで。アイツは基本的にあんな感じだから。」
「何考えてんのかいまいち判らないのよね。」
「それより、さっさと本題に入るわよ。」
「そういや、まだ俺がここに呼ばれた本当の理由を聞いていなかったな。」
「その前に!アンタに色々聞きたいことが………」
「暗部絡みだとそいつからは聞いているが?」
「聞けよ!!」
「その通りよ。実は………」
「玲姉も無視するな!!」
「……美奈、それ今じゃないとダメかしら?」
「当たり前よ!」
「…………うるさい奴だな。」
「それでアンタに聞きたいことはたくさんあるんだけど、まずは一番の疑問を。『第零位』って何!?」
「知らん。」
「……は?」
「……は?じゃない。そんなこと俺に聞くなバカ。アレイスターが勝手に付けた称号だ。俺は
『第零位』というものの本質を理解していないし興味がない。」
「アレイスター…………学園都市統括理事長を呼び捨てだなんて、命知らずなことね。」
「そんなことを気にするような奴でもない。この会話もどうせ聞かれているだろうが、奴にとって
一番重要なのは自分の『プラン』だ。」
「……統括理事長のことをよくご存知みたいですが、実際に会ったことがあるのですか?」
「二、三度な。生気のない面をしてビーカーに引き籠っている。
逆にお前等は会ったことはないのか?」
「会えるわけないじゃない。というか、まずあの『窓のないビル』への入り方が分からないわよ。」
「そう考えると、君という存在は統括理事長にとっては余程重要の様ね。」
「……………。」
あの建物に入れる人間の基準が分からん。確かあそこに入れてたのはステイルと土御門、
それとそいつ等を運んでいる結標ぐらいだったな。基本的に魔術側の奴しか入れないのか?
「……まぁそれはいいわ。早く話を進めるわよ。美奈も、他のことはまた今度にして。」
「…………へ~い。」
「では、私が説明させていただきます。今回貴方を呼んだ理由は、ある集団にこの海星学園の
情報を盗まれたので、それを取り返す手助けをしていただきたいのです。」
「……盗まれたとか、ベタなことこの上ないな。で、その情報っていうのは?」
「ある事柄の研究資料よ。」
「ある事柄?」
「この学園では裏で色々と研究をしているようなんです。
そしてその中で最も研究されているのが……………人間以外の物への能力開発です。」
「!!」
「あたし達もよく分かってないわ。頭がおかしい奴らが勝手にやってるだけだから。」
「完成しているかどうかは分からないけど、利用されたらまずいわ。学園都市は外からの攻撃には
強いけど、内側からの攻撃には比較的弱い傾向があるのよ。」
「……学園都市にいる何者かが超能力動物軍団を作ってテロを起こすつもり……という訳か。」
「その可能性が高い…という話です。我々はこれを未然に防ぐよう理事長に言われているんです。」
「その理事長はどっかに行ったけどね。全く、あのおっさん身勝手過ぎんのよ!」
「理事長はどんな奴なんだ?」
「統括理事会の一人よ。」
「……は?」
「学園都市統括理事会の一人、阿武隈錚々。統括理事会の中では若い方ね。」
「………
「理事会の方にしては珍しく自ら行動することが多い方で……。今は『学芸都市』にいるはずです。」
「『学芸都市』?………聞いたことがあるような無い様な………」
「それで、君にやって欲しいことはその研究資料奪還の手助けよ。」
「我々が調べたところその集団は十数人が実行犯としており、その上に実行犯を操る
者が数名存在するようです。」
「でもそいつ等がどこにいるのかは分かってないのよ。ったく、面倒臭いわね!」
「なら、最優先はその操っている奴らだな。実行犯は基本的に無視だ。」
「……あら?すんなり私達の依頼を受けてくれるのね。
君の前にある組織に依頼したけど即断られたわよ。」
「どうせやらない限り帰れないとかそういうことだろうからな。さっさと終わらせたいだけだ。」
とは言っても、俺の前に依頼を断った組織は潰したいな。
そいつ等が断らなければこんなことには………
「意外と物分かりいいのね。偉い偉い。」
「黙れ糞餓鬼。」
「………んですって?この……!」
「美奈、今はそんなことをやってる場合じゃないの。」
「でも………はい。」
「さて……では、まずはその集団が潜んでいる場所の特定ですね。」
「身を隠すのに最適な場所にいるんじゃない?」
「そうね。いくら資料を奪ったとしてもそれをすぐ実用にまでもっていくのは不可能に近いはず。
一旦隠れて態勢を整えてから動き出すのが普通ね。」
「だがその研究がお前等の想像を超えていた場合そいつ等はすぐに行動に移る。というか、
おそらくそいつ等はその研究が完成したと知ったから強奪したんだろう。
ここは学園都市五本指の一つ。完成していない可能性がある資料のためにそんな危険な場所を
襲撃して強奪するなんてバカのすることだ。つまり、そのテロ集団には
この学園の生徒もしくはその関係者がいる。」
「えっ!?うそっ!マジッ!?」
「……そう言われると確かにそうね。」
「ここが襲撃されたのはいつだ?」
「一週間前よ。」
「だとすると時間はないな。多く見積もって………あと半日かそれ以下だ。」
「ですが、この広い学園都市を全てくまなく探すなんて不可能ですよ。」
「こいつ等の狙いは人間以外への能力開発………動物に能力を使わせてテロを起こすことだ。
だとすると、その能力開発するための機材とその実験隊である動物を収容できるほどの
でかい建物がある学区が疑わしいな。」
「でかい建物…………」
「………第一〇学区、一八学区、二三学区が有力。」
「!?」
「い、いきなり何なのよ烏丸!」
「……無視してる様でちゃんと聞いてるのね烏丸君。」
「その三つの学区が怪しいのか?」
「可能性の話。その中でも特に可能性があるのは第一〇学区。」
「第一〇学区………確か墓地などがある学区ですね。」
「そんなとこにいるの?」
「あそこには実験動物の廃棄所の様なところがあったはずよ。動物を使うなら最適な場所ね。」
「となると、調べる場所は一〇学区に範囲を絞ったほうがいいな。……じゃ、そういうことで。」
「ちょ!?ちょちょちょ、何帰ろうとしてんのよ!?」
「どこにいるか調べる手助けはしただろ。」
「アホ!何のためにアンタを呼んだと思ってんのよ!テロ集団を倒すことが一番重要でしょうが!」
「この学園は五本指の一つだろ?そこに在籍してるということはお前等も高レベルの能力者のはず。
コイツに関してはレベル4以下の能力を全て使えるときたもんだ。負けることはないだろ?」
「確かに私達は全員『
テロ集団にはそれらを打ち負かせるほどの自信があるということ。
それとも君はか弱い女の子を見捨てるのかな?」
「………か弱くもないだろ。この町にか弱い女など存在しない。」
「ならか弱くなくてもいいわ。単純に、君は女の子とこの町を見捨てるのかな?」
「…………アンタ、世渡り上手だろ。」
「先生からの評価は常に最高よ。」
「はぁ………さっさと行くぞ。」
「そうこなくっちゃ。」
くそ………こいつ苦手だな俺。
「……アイツはついてこなかったんだな。」
「烏丸君はインドアだから滅多にでないわ。でもちゃんと教室から色々情報をくれるはずよ。」
「烏丸さんはパソコン系に強いですから。あの『
「『
初春のことか。そういやアイツはそういう能力がずば抜けていたな。
「………っと、あれか。」
「めちゃくちゃでかいわね。」
「あれ位だったら余裕で機材と動物を収容できるはずね。」
「それで、何か新しい情報はあったの?」
「テロ集団の実行犯の数人が建物を外で見張っているようです。
建物内も抜かりなく見張りを配置しているようで、侵入は困難だそうです。」
「う~ん………敵は頭脳派みたいね。学園を襲撃した時も、学園内に協力者がいたとはいえ
私達に全く気付かれずに作業を進めたようだし。」
「だったら一気にあの建物ごとふっ飛ばしちゃえばいいんじゃない?
そっちの方が早いし簡単じゃん。」
「そうしたいのはやまやまだが、生憎あの施設の近くに原子力関連の研究所があるから無理だ。」
「だとすると、やはりこっそり忍び込む方がいいようですね。」
「でもどうすんの?外にも見張りいるんでしょ?」
「……アルマ、お前の精神操作系の能力の範囲はどれくらいだ?」
「そうですね………最大でも十メートルが限界です。」
「そんな近くに行ったら気付かれるわね。」
「この線はなしか……………分かった。なら、俺が外の見張りの注意を引く。その間に
お前等は中に侵入、首謀者共を捕えろ。」
「一人で大丈夫かしら?」
「俺より自分たちの心配をしろ。俺が陽動に出たら奴らは真っ先に首謀者に連絡し、
中の警備がより強化される。それを潜り抜けて首謀者の所に到達するのは簡単じゃない。
それに、首謀者本人が高位能力者の可能性が高い。
余計なことは考えずに首謀者を捉えることにだけ集中しろ。」
「……分かりました。」
「よし…………行くぞ。」
「おっはよ~凛!」
「あら?アイツは?」
「おはよう。和真さんは今学校に行ってるよ。」
「学校?楠木って学校なんかに行ってたっけ?」
「一回も行ってなかったから学校側から強制登校勧告がだされたんだって。」
「……超何なんですかそれ?」
「学校って、どこの?」
「えぇ~っと………海星学園だったかな?」
「海星学園?何か最近聞いたような…………」
「先週位に超聞いたじゃないですか。
海星学園からの仕事の依頼で、盗まれた資料を超取り戻して欲しいと。」
「あぁ~………麦野が即断ったやつじゃんそれ。」
「面倒臭かったのよ。」
「ということは……くすのきが今その仕事をしてるのかな?」
「「「「………………。」」」」
「……ま、まぁ、結局言わなかったらばれないって訳よ。」
「もし和真さんがそのことを知ったらものすごいキレるだろうね。
朝電話来たとき相当機嫌悪そうだったから。」
「……もしばれたら超逃げるしかありませんね。」
「………そうね。」