とある転生者の崩壊道≪ブレイクロード≫   作:天譴

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今回の話は色々あってかなり適当になってしまいました。本当にすみません!!
それでもいいと言う方は見ていってくれると幸いです。


面倒臭い事件だった

     「………………。」

 

      見張りは………全ての入口にそれぞれ三人、計十二人か。本当に抜かりないな。

      テロ集団にしてはかなり高い組織力だ。

 

     「さて、どうしたもんか…………。とりあえずアイツ等が侵入出来れば第一段階はクリアだ。

      見張り全員は無理だとしても半分以上は俺に注意を向けさせておきたい。かといって

      派手にやり過ぎると警戒されて見張りが全て中に入ってさらに入りにくくなる。」

 

      …………あまり使いたくはなかったが、この際仕方ない。

 

     「……そろそろだ。お前等も準備しておけ」

     『了解。』

     「ふぅ…………」

      

      …………影分身の術!

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

     「………!どうやら動き始めたようです。」

     「みたいね。よしっ!私達も行くわよ。」

     「にしても、アイツ何したのかしら?」

     「さぁね。でも成功したことには違いないわね。ほら、見てみなさい。」

     「えっ?………あれ?見張りが一人もいない…………?」

     「素晴らしいです。さすが『第零位』と言ったところですかね。」

     

      『第零位』………その名前に恥じない能力を持っている様ね。見てみたいけど…………

      今はそれどころじゃないわね。………あぁ~でも見たい!!

 

     「………どしたの玲姉?」

     「えっ!?あ、あぁ………何でもないわ。ほら、行くわよ!」

     「う、うん………」

 

 

 

 

 

 

     「……とりあえずは侵入成功ね。」

     「問題はここからです。いかに見張りに見つからず首謀者のいるフロアに行けるか。

      烏丸さんがルートを解析してくれていますので、私達はそれに従いましょう。」

     「何気に活躍してるのがムカつわねアイツ。」

     「んで、そのルートっていうのは?」

     「少々お待ちください。今こちらに送られて…………」

 

      コツン………コツン………

 

     「っ!…………誰か来たみたいね。」

     「一旦隠れましょう。こちらに部屋があります。」

     「二人とも何でそんなに冷静なのよ!?」

     「しっ!声が大きいわよ美奈。さっさと来なさい。」

 

      ガチャ!

 

     「……??今音がしたような…………っと、通信か。どうした?」

     『外で何者かが暴れてるらしい。至急応援に行けとのことだ。』

     「分かった、すぐ行く。」

 

      タタタタタッ………

 

     「………行ったようね。」

     「楠木さんのおかげですね。」

     「それくらいやって当然よ。『第零位』なんだから。」

     「私達もやることやらないと彼に馬鹿にされるだけじゃ済まないわ。気を引き締めるわよ。」

     「はい。」

     「オッケー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ドスッ!!

 

     「ックション!!あぁ~………一段落ついたか。きっちり十二人倒せたのは想定外だったが、

      これと言って問題はないな。唯一あるとすれば…………」

 

      ダダダダダッ!

 

     「……中にいた奴らが施設内の警備を固めるどころか外に飛び出してきたことか。」

     「警備の奴らが全滅…………一体何者だ?」

     「お前等のボス共に用があってきた。海星学園の人間だ、一応な。」

     「海星学園……なるほど、研究資料の奪還が目的か。だが一人で来るとはとんだ大馬鹿だな。」

     「………一人で十分ってことだ。要は、嘗められてるんだよお前等は。」

     「っ………はん!たとえ俺達を突破したところで意味はない。

      あの人達はお前如きに負けるはずがない。」

     「……そいつ等に随分と服従しているようだな。」

     「当たり前だ。あの人達は俺達に生きる意味を与えてくれた。」

     「その言い分から察するに元スキルアウトの様だな。お前等とそいつ等の間に何があったかは

      知らないし興味もないが……………確かに、生きる意味っていうのは重要だな。」

     「だから俺達はあの人達のためなら死んだっていい。その覚悟がある。」

     「死んだっていい………良いわけあるかボケ。本当にそいつ等のことを大切に思っているなら

      意地でも生きてそいつ等を守り抜くことが大事だと誰かが言っていたぞ。」

     「っ!………そうか。なら、ここで俺達はお前を潰して無傷で戻るとしよう。」     

      

      ……コイツの発言からすると、どうやらボス共はただの研究者じゃない様だな。

      あいつ等だけに任せておくのは少し危険か……………早くこっちを済ませて俺も行くか。

 

     「考え事か?そんなことしていたらすぐに殺られるぜ!!」

     「!!」

 

      ビュゴォォォォン!!!

 

     「くっ……………?」

 

      何だあの武器?今何を発射したんだ?『原子崩し(メルトダウナー)』のように見えたが………

      とりあえずヤバそうだな。全員同じ武器だったとしたらかなりきつくなる………

 

     「また考え事か?にしてもよく避けられたな今の攻撃を。

      警備を一人で全員倒してだけのことはある。確実に俺達よりは強いな。

      だが、この武器の攻撃に耐えられるか?あの人に貰ったコレは

      『超能力者(レベル5)』の能力を応用してる武器だそうだ。」

     「……………。」

 

      やはりか。となるとかなりヤバくね?麦野が何人もいるのと同じだ。……恐ろしすぎるだろ。

     

     「おっかない武器だな。俺も気合い入れないと死にそうだ。」

     「入れたとしても、待っているのは死なんだよお前は!!」

     「っ!!」

 

      ビシュン!ビュゴォォォン!!

 

     「っ!?チッ!『空間移動能力者(テレポーター)』だったか。だが、この人数で一斉砲撃

      したら避けきれねぇだろゴラァ!!!」

     

      ビュゴォォ!!!

 

     「っ!!くっ………」

 

      ビシュン!ビシュン!!

 

     「…っと、ととと……」

 

      ビュゴォォン!

 

     「っ!?ヤバッ………!!」

 

      ドォォォン!!!

 

     「ハッ!!命中!手間取らされたが、これでお終いだな。」

 

      ドサッ!

 

     「ぐっ……がはっ!」

     「いい様だな。お前を送り込んだあの学園も残酷だ。こうなることぐらい予想できていたはずだが?

      恨むなら、一人での奪還任務を命令した学園を恨むんだな。」

     「くっ………」

 

      ビュゴォォ!ドゴォォォォン!!!

 

     「………戻るぞ。そろそろあの人達の実験が始まる頃だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     「どう?直った?」

     「いえ…………未だに繋がりません。」

     「う~ん……烏丸君のサポートがないとなると結構厳しいわね。」

     「急に携帯が壊れるなんておかしくない?」

     「この施設内にそういう電波みたいなものが出ているのかもね。」

     「私達だけでこの施設内にいる首謀者を見つけなければなりませんね。幸い、中の警備も少し

      楠木さんの方に行ったようですがこの施設は広いですから時間がかかってしまいます。」

     「そうね………」

 

      外の爆発音も収まったから、彼ももうすぐこっちに来るかしらね。

 

     「……まぁ大丈夫よ。とにかく、手当たりしだいに探すわよ。」

     「敵に見つかったらどうするの?」

     「その時はもうやるしかないわね。」

     「じゃあ今がその時って訳?」

     「え?」

 

      ヴィィィィン

 

     「………何かしら、あれ?」

     「警備ロボット……ですね。おそらく防犯カメラつきです。」

     「防犯カメラ………その映像ってどこに送られてるのかしら?」

     「そりゃ首謀者共の所でしょ。」

     「……やっぱり?」

 

      ダダダダッ!!ザザッ!

 

     「うわっ!囲まれた!?対応早すぎじゃない!?」

     「参ったわね………どうする?」

     「どうもこうも、先程言っていたではないですか。やるしかないと。」

     「はぁ………冗談半分で言ったんだけどね。楠木君の陽動で数が少なくなっているとはいえ、

      この人数はちょっとやそっとじゃ突破できないわね。」

     「てことは………?」

     「最初っからフルスロットルでいくわよ!」

     「了解です。」

     「待ってましたー!んじゃ、早速………」

 

      バチチチチッ!!

 

     「ぐぁぁ!?」

     「なっ!?くそっ、アイツ『発電能力者(エレクトロマスター)』か!?」

     「ちょっとアルマ!何してんのよ急に!?今あたしが………」

     「すみません。ですが、姫路さんが攻撃する前にもう撃ってきそうだったので。」

     「美奈の能力は出すまでにほんの少し時間がかかるから今はとりあえず後衛になって頂戴。

      隙を見て攻撃してればいいから。」

     「それってほとんどやることないじゃん!?」

     「そういうことでよろしく~。」

     「ちょっと!?」

 

      さて…………

 

     「海星学園生徒会会長としての威厳を見せようかしらね。」

 

      ボワッ!!

 

     「こっちは『発火能力者(パイロキネシスト)』か!」

     「そこらのとは火力が違うわよ?」

     

      フッ………

 

     「……炎が消えた?不発か?」

     「まさか。」

     

      ドォオォォン!!

 

     「ギャァァァ!?」

     「なっ!下から!?」

     「私、離れた炎も操れるのよ。今のは床の隙間に炎を忍ばせて、貴方達の真下で爆発させたの。

      ちなみに、火力も思い通りよ。」

     「はぁ………やっぱやることない………」

     「ごめんね。でも我慢して?第一美奈の能力はこんな場所じゃ使いづらいわよ。」

     「つまんない~!」

 

      ビュゴォォ!ドゴォォォン!!!

 

     「………へっ?」

     「あまり調子に乗るなよ侵入者ども。」

     「な……何、今の……?というか増援!?」

     「今のはまさか………」

 

      ヤバい!一気に形勢逆転された!?しかも何あの武器!?というか増援ってことは……

 

     「逃げましょう二人とも!!

      私の予想が正しければ今の攻撃は学園都市第四位の能力と同じです!」

     「ほう?よく分かったな。さすがは海星学園の生徒だ。だが………」

 

      ダダダッ……ザザッ!

 

     「家にどこからか湧いたネズミを放っておくほど、俺達はがさつじゃない。」

     「……せめてリスにしてくれないかしら。一応あれもネズミの仲間よ?」

     「殺しはしない。ボス達の所に連れていく。」

     「……私達の目的地までエスコートしてくださるそうですね。」

     「それは助かるわね。でも、出来れば彼にしてもらいたかったけど。」

     「その彼は、さっき地面のシミになった。」

     「えっ……うそっ……まさか……」

     「いない奴のことを思う余裕はねぇぞ。これからお前等もボスの手によっていなくなるんだからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

     

 

 

     「………『第十学区で原因不明の爆発を確認、調査を進めている』…………かぁ。」

     「まったく、この町はどこかしらで事件が起きるわね。自慢のセキュリティはどうしたのよ?」

     「…………そのどこかしらで起きる事件の中にはご自分で起こしたものもあることを

      自覚してほしいですわお姉様。」

     「そ、そんなことないわよ。」

     「でも爆発って結構大きい事件じゃない?」

     「そうですね………ですが第十学区ってあまり話題になることってないですよね。」

     「確かにそうね。何があるのかも正直分からないわ。」

     「第十学区…学園都市で最も土地の値段が安く、学校より研究施設などが多い学区の様ですわ。

      そして、学園都市で唯一墓地があるところでもありますの。」

     「うへぇ……墓地って、そんなところ爆発させちゃったら幽霊でも出ちゃうんじゃないの?」

     「な、何を言ってるんですか佐天さん!ゆ、幽霊なんている訳ないじゃないですか!」

     「その通りですわ。ここは天下の学園都市。オカルトなんて微塵も信じられませんわよ。」

     「えぇ~?いると思うけどなぁ………」

     「………ところで、アイツとの連絡はどうなの?」

     「それなんですが………全然つながらないんです。」

     「全く………何をしているんだかよく分らないですわね。」

     「というか、私達楠木さんのこと知ってるようであまり知りませんよね。」

     「そうね…………」

 

      ………まさかとは思うけど、アイツ第十学区にいるんじゃないでしょうね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

     

 

 

    

 

 

 

     「ボス、侵入者共を連れてきました。」

     「御苦労様です。」

     「おやおや………侵入者と聞いて誰かと思えば、か弱いお嬢さん達とは。」

     「こんな奴らに侵入を許すとは………お前等一体何をしていた?」

     「申し訳ありません!外で暴れていた奴に手間取ってしまい………」

     「構わんよ。こうして侵入者を捕えてくれただけでこちらとしては言うことなしだからね。」

     「そうですね。………それで、あなた方は一体どちら様で?」

     「……制服を見れば分かるでしょ?あなた達がお邪魔した学園の者よ。」

     「なるほど………あの資料の奪還という訳か。」

     「そういうあなた方は何者なんですか?」

     「……さぁ。それは私達も分からんよ。だが、強いて言うなら…………復讐者かな。」

     「………復讐?」

     「お前等は、俺達が学園都市を壊すためテロを起こすと思っているようだが、そうじゃない。」

     「???」

     「俺達の狙いは……ある奴らへの復讐。俺達を地獄に叩き落としたあのクソ野郎どもを殺すこと。」

     

      ………雰囲気が変わった。それほど、復讐心が強いということね。

 

     「そいつ等を殺すことさえできれば他のことはどうだっていい。

      殺すためなら学園都市だろうと世界だろうと何でも壊してやる。」

     「その一つの手段が、動物への能力開発というわけね。それらを使って無差別に攻撃し、

      復讐をしやすい場を整えると………」

     「理解が早い。流石、五本指の一つと言うべきか。」

     「ですが、そんなことをしたらあなた方もただでは済まないはずです。」

     「さっきも言いましたが、復讐が成就すればどうだっていいんです。………私達が死のうとも。」

     「………そこまでして殺したい奴等って、一体誰なのよ?」

     「……………『木原』。」

     「『木原』っ!?」

     「……誰だっけ?」

 

      『木原』……この町最大の闇とも呼ばれる『木原』一族。噂では聞いたことあったけど………

      まさか、こいつ等がその被害者だって言うの?

 

     「さすがに知っているようだね。」

     「……当たり前よ。名前だけだったらね。」

     「『木原』はこの町で最も深い闇の人間………いえ、最早人間と呼ぶのも不適切ですね。

      『木原』は…………闇そのものです。」

     「……………。」

 

      そんな奴らと関わりがあったこいつ等は一体………。まぁ、暗部の人間であるとは思うけど。

 

     「そういう訳で、私達はなりふり構わず進まねばならない。そのためにも君達が苦労して研究した

      この資料を有効利用させてもらうよ。」

     「別にあたし達が研究したわけじゃないし、第一そんなことさせる訳ないでしょ!」

     「………そうか。なら、潰すほか道はない。」

     「君達、その子等を放しなさい。」

 

      ササッ!

 

     「……どういうつもりですか?」

     「私達の邪魔をすると言うなら、彼が言った通り潰すしかない。しかしこれはチャンスでもある。

      私達の軍団がどの位のレベルにまで来ているかのね。」

     「……私達の軍団?」

 

      ガコンッ!!

 

     「な、何………?」

     「ガルルル…………」

     「……もしかして………」

     「貴女達は学園都市五本指である海星学園の生徒。この子達の力を試すには十分な相手です。」

     「やはり………能力開発を受けた動物達!」

     「ギャオアォォォ!!」

 

      ビシュウゥゥ!!ズバンッ!!!

 

     「っ!?口から水を……しかも何なのあの威力!?」

     「くっ………厄介ね。正直言って、何の罪もない動物を攻撃するのは少しアレね………」

     「ギッ、ギギギッ………」

     「…………??様子が少しおかしいですね。」

     「ちっ…………まだ完全ではなかったか。だが威力は十分。無差別攻撃には使えそうだな。」

     「とことん腐ってるわね。動物を使う(・・)………………っざけんじゃないわよ!!」

     「………………。」

     「こいつ等はお前等の道具じゃない!こいつ等にはこいつ等の意思がある!それを

      使うとか言ってんじゃないわよバカ共!!」

     「…………優しいな。だが、優しさだけではこの町で生きていくことはできない。

      そんなことはお前も分かっているだろう?」

     「優しさとかそういうことじゃない!人間としての話よ!!」

     「………そういうことですか。ですが、それについても私達には関係ないですよ。」

     「……どういう意味よ。」

     「こんなことをしている時点で、私達はすでに…………人間という自覚は無いです。

      ただ復讐をするために動く何かでしかありません。」

     「なっ………!」

     「美奈、もうやめなさい。こいつ等は何を言っても変わらないわ。」

     「そう、俺達はもう止まらない。誰にも止められないんだ!やれ動物達!

      俺達の道を塞ごうとしているあいつ等を八つ裂きにしろ!!!」

     「ギャオアァァァ!!」

 

      ビュゴォォォン!!!

 

     「っ!!今度はあいつ等の武器から出てきた能力を!?」

     「さっきも言ったが、今のは学園都市第四位の能力に似せた力だ。

      万に一つも生き残る術はない。」

     「くっ………美奈!」

     「………………。」

     「ちょっと聞こえてる美奈!?」

     「ギャオォォォ!!」

 

      ボワァァァ!!

 

     「今度は火!?ヤバい、美奈!!」

     「………………。」

 

      ザッ!!シュゥゥゥン…………

 

     「っ!?」

     「ふぅ………………」

     「はぁ……ナイスよアル。」

     「っ!?コイツ確かあの時電気系の能力を使ってたはず!!なぜ水流操作系になった!?」

     「怪我はありませんね。それにしても……………」

     「………正直、生き残る道が見つからないわね。…………美奈、少しは落ち着いた?」

     「…………うん。」

     「しっかりしなさい、動物達を助けるにもね。」

     「っ!……………うん!」

     「気合いを入れ直したところ悪いが、こいつ等は助けてもらう気はない様だぞ?」

     「ギャオアァァァ!!!」

     「っ!!??」

 

      ビュゥゥゥン!!!

 

     「今度は風!?」

     「ここは私に任せてください!失礼ですが、お二人の能力じゃ動物達を傷つけてしまいます。」

     「悔しいけどその通りね。美奈、私達はあの武装集団を倒すわよ!」

     「オッケー!!」

     「さっき圧倒された敵に挑むとは…………勇気と無謀の違いを教えてやる!!」

     

      ビュゴォォォン!!

 

     「っ!」

     「おりゃぁ!!」

 

      グググッ………ズズンッ!!

 

     「っ!?な、何だ今のは!?攻撃が空中で…………消えた?」

     「正確には押し潰されたのよ。美奈の能力は、あらゆる圧力を操る能力よ。」

     「圧力を操る………だと?アホか!そんなもん『超能力者(レベル5)』じゃねぇか!?」

     「私もそう思ったけど、研究者が言うには『大能力者(レベル4)』以上『超能力者(レベル5)』以下らしいわ。

      強いて言うなら…………レベル4.5といったところかしら。」

     「クソッ!俺達の周りの圧力…………気圧を操作されたら全員潰されるぞ!!」

     「化け物が!!」

     「失礼ね!!アンタから潰してやる!!」

 

      グググッ………

 

     「がっ!ぐっ………」

 

      グチャッ!!!

 

     「ガアァァァァァ!!??」

     「っ!両腕を潰しやがったのか!?」

     「殺さないだけマシだと思えバカ!!」

     「……口が悪くなってるわよ美奈。」

 

      グググッ………

 

     「ぐっ!この……!」

 

      ビュゴォォォン!!

 

     「焦って狙いが定まってないわね。このまま潰してやる!!!」

     「ぐおぁ!!?うぐっ…………お前等!!」

 

      ボワァァァァ!!!

 

     「ぎゃぁぁあぁぁ!!」

     「っ!?」

     「お仲間には焼けてもらってるわよ?」

     「ぐっ!?」

     「一気に潰れろ!」

 

      ビュウゥゥゥゥ!!ギュギン!!

 

     「!?な、何!?」

     「………っ!あの鳥が風を起こして能力を乱したわね。」

     「はぁ……はぁ……化け物共が。お前等、こいつ等を囲め!!」

 

      ザザザッ!!

 

     「…………大丈夫かしらアル?」

     「はぁ…はぁ…何とか。傷つけないで行動不能にするのはかなり骨が折れますね……」

     「私も援護したいけど………」

     「グググ……………ガァ!!!」

 

      ドゴォォォン!!

 

     「ぐあぁぁぁ!?」

     「!?」

     「なっ!?どういうことだこいつ等!!」

 

      ………完全ではないってこういうことね。言うことを聞くのは極僅か。それ以外は……

      苦しんでいて見境なく攻撃をしている。まったく………腹が立つわね。

 

     「……私達も攻撃するのは些か問題だな。改善の必要あり……と。これはこれで良い収穫だ。」

     「だが、少数だがちゃんと言うことを聞く奴らもいるみたいだな。」

     「その子達についてもよく調べなくてはなりませんね。」

 

      自分達の部下がやられているっていうのにお構いなし………ホント、腐ってるわねこいつ等。

     「くそっ!言うことを聞けお前等!!」

     「ガオゥア!!」

 

      ダダダッ!!!

 

     「ぐっ……………???な、何だ?」

     「……………。」

     「……アイツの仲間が前に来た瞬間動きが止まった?」

     「クゥゥン………」

     「っ!暴走状態の動物が……怯えている……?」

     「………頃合いか。」

 

      ブォォォン!!!

 

     「ガッ!?」

 

      バタバタバタ!!!

 

     「っ!?動物達が全員倒れた!?えっ、どうなってんの!?」

     「っ…………何なの!?」

     「俺もそろそろ腹が立ってきた。ここからは俺がこの場を仕切る。」

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     「ここからは俺がこの場を仕切る。」

     「……だ、誰でしょうか一体?」

     「この声………」

     「な、何だ…………お前は?」

     「…………あぁ。さっきのご主人様命の元スキルアウトか。」

     「さっきの………だと?…………まさか!?」

     「衣装チェ~ンジ。」

 

      ばさっ!

 

     「なっ!?」

     「うっそ!!マジ!?」

     「あっはは!!やっぱり君はすごいね。好きになっちゃいそうよ。」

     「はぁぁぁ…………無事だったんですね。」

     「当たり前だ。そこらの武装集団に負けるとでも思っていたのか?悲しいな………」

     「………誰だお前は?」

     「………………。」

 

      ……『木原』に復讐………ねぇ。何をされたかは知らないが、俺には関係ないな。

 

     「………楠木和真だ。」

     「っ!?何だと!?」

     「ほほう。君があの………」

     「……想像していたものとかなり違いますね。」

     「出たよ………想像と違う攻撃。もう飽きた。これからは会う奴にそれ言われたら問答無用で

      殴ることにしよう。でないと気が済まない。」

     「アンタ今まで何してたのよ!!」

     「何してたって………見れば分かるだろう。変装して潜りこんでいたんだよ。

      おかげで、当初の目的は達成できた。」

     「当初の目的?」

     「あぁ。研究資料の奪還と、テロの阻止………能力開発装置の破壊だ。」

     「何だと!?」

     「お前等がドンパチやっていたおかげでスムーズに事が運んだ。ありがとな。」

     「……全て楠木さんの作戦だったというわけですか。」

     「そうならそうと連絡しなさいよ!」

     「この施設では携帯が使えないし、第一お前等の連絡先は知らん。」

     「『第零位』が来ているとは………正直一気に形勢逆転されたよ。しかし、まだ私達がいる。

      不本意ではあるが、あの『木原』に興味を持たれた能力と復讐心で君達を倒すとしよう。」

     「……………。」

 

      ビシュン!!

 

     「……は………?」

 

      ドゴォォン!!

 

     「「「がぁぁ!?」」」

     「悪いな。正直言ってお前等が過去にどうされたとか復讐がどうだとか俺にとってはどうでもいい。」

     「ふ、ふざ……けんな。こんな……出鱈目な……」

     「出鱈目で結構。もう寝てろ。」

 

      ドガッ!!

 

     「……………。」

     「うわぁ……容赦ないわねアンタ。」

     「こいつ等もうこの先出てこないし能力考えるの面倒臭いからこんな感じです、すいませんだと。」

     「はぁ?何の話よ?」

     「こっちの話だ。」

     「それにしても………圧巻の一言ね。」

     「ものの数秒で終わらせるとは………さすが『第零位』です。」

     「さっさと帰るぞ。」

 

      はぁ………突然呼ばれた揚句こんなに疲れるとは………面倒臭い事件だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

     「………おっ!帰ってきたか。」

     「!!理事長!学芸都市に行かれていたのでは?」

     「いやぁ~何かうちの学校が襲われたって聞いたから、ぶっ飛んできたんだよ。」

     「ぶっ飛んでこれる程度の用事だったら最初から行かなくてもよくない?

      ………というか、アンタが取り戻せって命令したんでしょうが!!」

     「そうだったか?忘れた。それと、行かないっていうのは流石にね。

      ほら、付き合いってもんがあるじゃない?」

     「そうね。知り合いが少ないんだから、そういうのは大切にしないとね。」

     「……酷いなぁ東堂君。それで、何故襲われたんだ?」

     「うちのバカ共がコソコソ研究してた動物への能力開発の資料を盗むためよ。」

     「うちの生徒そんなこと研究してたのか。しかもそれを奪うってことは完成してたってことだろ?

      おっほ~!やるなうちの生徒も。」

     「感心してどうするんですか!私達は大変な思いをしたというのに………」

     「お前等がそれを取り戻したのか?」

     「まぁ私達というよりも、彼一人でだけどね。」

     「彼?」

     「………どうも。」

 

      理事長………確か学園都市統括理事会のメンバーだったな。

 

     「ほぉ………君は?」

     「彼は楠木和真さん。この学園の生徒です。」

     「楠木和真………はて?どこかで聞いたような………」

     「こいつはあの『第零位』よ。」

     「……おぉ~!そうだそうだ。確か会議で出てたな。そうか、うちの生徒だったのか。」

     「一応理事長なんだから、生徒を常に把握していて欲しいわね。」

     「そうか君が………礼を言う、ありがとう。」

     「………………。」

     「……どうかしたのか?」

     「いえ………上層部の人間はいまいち信用できないんで。」

     「ははは………手厳しいな。ま、そう思うのも無理はないな。」

     「理事長、今回起きたことについて色々まとめたいことがあるので理事長室に来てください。」

     「来てくださいって…………それ俺の台詞だよね?」

     「という訳で、楠木君はここで待ってて。暇だったら烏丸君とお喋りでもしてて。」

 

      バタンッ!

 

     「…………はぁ…」

 

      ………誰もいないから話しておくか。

 

     「………アイツ等にあの資料の情報を流したの、お前だろ?」

     「!!…………。」

     「図星の様だな。大体、いくら情報網に優れていたとしても、敵の本拠地を調べているときの

      あの情報は的確すぎる。事前に知っているとしか思えない。」

     「…………危険は排除すべきもの。その為には何でも利用する。………『第零位』であっても。」

     「!……………アルマ達に俺のことを教えたのもお前だな。『第零位』の俺を使えば

      確実にその敵を排除することが出来ると………。寡黙に、それでいて誰よりもここを………

      学園都市を護る気持ちが強い………という訳か。」

 

      よく分からない奴だと思っていたが、芯の通った良い奴だな。ここまでの奴はこの町では珍しい。

      

     「利用されたのは癇に障るが………まぁいい。」

 

      ガチャ!

 

     「戻ったわよ~。」

     「おう。………?あのおっさんは?」

     「呼び出されてまた学芸都市に行ったわ。ものすごい怒鳴られてたわね。」

     「仕事すっぽかしてどこかに行ったんですから、当然です。」

     「まぁそうだな。」

     「あっ、そうそう。それで君に知らせなきゃいけないことがあるわ。」

     「…?」

     「君を、我が海星学園の生徒会に入れることにしたから。」

     「………………。」

     「……あれ?ノーリアクション?」

     「はぁ………まぁそんなことだろうとは思ったよ。

      入れたのは構わないが俺は毎日来るつもりはない。

      暗部の仕事もあるし、『風紀委員(ジャッジメント)』もある。」

     「アンタ『風紀委員(ジャッジメント)』だったの?」

     「分かっています。ですので、楠木さんの仕事の邪魔にならないように配慮します。」

     「……その配慮とやらもどこまで信用できるか分からないな。」

     

      今後は本当に暇な時に気分しだいで来るとしよう。

      ここはいるだけでトラブルに巻き込まれそうだ。

 

     「じゃあな。」

 

      バタンッ!

 

     「ふぅ…………十二時半か。どこかで飯を食って家で寝るか。」

 

      ~you got a mail~

 

     「っ!!………携帯か。着信音そのままだったのか。結構焦った……………ん?初春か?」

     『今すぐ支部に来てください!』

     「………何だこれは?まぁとりあえず…………」

 

      お断りします………っと。

 

     「さて、どこで食うか………」

 

      ピリリリリリ………

 

     「……今度は電話か。」

  

      ピッ!

 

     「あい、もしも~………」

     『今すぐ来いっつってんでしょうが!!!!!』

     「っ!?痛っ………ってか、ビリーか?これ初春の携帯………」

     『つべこべ言ってないでさっさと来る!!分かった!!?』

 

      プツッ!

 

     「っ…………あの中坊が。いいだろう、行って説教してやる。」

 

 

 

 

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