とある転生者の崩壊道≪ブレイクロード≫   作:天譴

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『偽りの現実』

 

 

   「さて………どこから探すか……」

   「……そ、そうですね………」

   「………何オドオドしているんだお前?」

   「い、いえ!(……くっ!鏡花があんなこと言うから……)」

 

 

    …………………

 

 

   『火織先輩、一言いいですか?』

   『??何ですか?』

   『これはあくまでも仕事ですから、いくら二人きりっていっても

    彼とイチャイチャしないでくださいよ!』

   『ぶっ!!なっ何ですか急に!?』

   『じゃそういうことで~』

 

 

       …………………

 

 

   「はぁ……(変に意識してしまうじゃないですか………)」

   「おいおい、仕事始める前から溜め息をつくなよ。それとも何か心配事か?」

   「………いえ、何でもありません。気を引き締めましょう!!」

   「あ、あぁ………」

 

    何なんだ一体?こいつもこいつでやっぱ少しおかしいな。

 

   「……で、我々はどういった方法で探すのですか?」

   「そうだな……探索は俺がやる。それと戦闘は出来るだけ避けろ。

    一般人も普通に生活している上に気付かれたら厄介だ。

    お前等に一切の情報を掴ませないということは、相当逃げ隠れが上手い。」

   「そうですね………」

   「にしても………周りを見ると本当に外国に来たんだなと思うな。」

   「外国は初めてですか?」

   「あぁ。」

 

    この世界に来る前もハワイですら行ったことが無かったからな。

    これは少しテンションが上がる。

 

   「この仕事が終わったらここを案内してくれないか?できればでいいが。」

   「えっ!?あ、は、はい。私で良ければ………」

   「おぉ、サンキュ。正直何も分からないままブラブラするのは怖いからな。」

   「貴方に怖いものなどあるんですか?」

   「俺を何だと思っている。人間一つや二つや百個ぐらいある。」

   「急に増えましたね。百個って…………」

   「……!神裂。」

   「はい?………!あれは………」

   「追うぞ。」

   「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「はぁぁぁあぁぁぁぁ…………」

   「何そんなにため息ついているのかしら?」

   「……別に………」

 

    何で私がこの人と一緒に……仕事とはいえ、

    せっかく和真さんと二人きりになれるとこだったのに………

 

   「まぁまぁ。彼が居ないのは残念だろうけど、だからこそ話せることがあるってものよ。」

   「???」

   「凛ちゃんは何で彼のことが好きになったの?」

   「なっ!何を急に…!?」

   「いいからいいから。」

   「…………和真さんは私を助けてくれたの。とある人物に捕まってて、もう人生も何もかも

    どうでもよくなっちゃって。このまま死ぬと思ってたところに和真さんは来てくれた。

    凄いよね。死のうと思ってた人を生きたいと思わせるなんて。

    颯爽と登場して、颯爽と助けて…………。

    俺にはお前が必要だなんて言われたらそりゃ好きになっちゃうよ。」

   「へぇ…。彼はヒーロー気質みたいね。インデックスちゃんを助けたのも彼だって言うし。

    口では面倒臭がっても誰かを絶対助けるようになっているのね多分。」

   「う~ん…でも面倒臭いときは本当に何もしない人だよ。

    機嫌悪かったらず~っと無視し続けるし。」

   「ふふっ………そこもまた、彼の魅力なのかしらね。」

   「えっと…霧沼さんは何で和真さんに…その…プ、プロポーズしたの?

    会ったばっかなのに。」

   「鏡花でいいわよ。そうね…私、昔から人の感情とかが読めちゃうのよ。大体だけどね。

    で、今まで色んな人と関わったけど、彼ほど何も読めなかった人はいないのよ。」

   「読めなかった?」

   「何かの能力かもしれないけど、もし能力がなかったとしても多分読めない。

    なんて言ったらいいのかしらね………彼は多分、人を惹きつける何か不思議なものを

    持っているのよ。私も会って間もないのに少し彼と話しただけで惹かれちゃったしね。」

   「………何か、分かる気がする。」

   「でしょ?だからプロポーズしたの。結果はアレだったけど、私は絶対に諦めないわ。

    …………ライバルは多そうだけど。」

   「はぁ……………」

 

    ホントに多すぎるよ。沈利さん理后さんフレンダちゃん最愛ちゃん火織さん…………

    多分この他にもいると思うし…………全く、何なの和真さんって!!

 

   「………っと、ここね。」

   「確かボスはここにはいないんだよね?」

   「恐らくね。でもそれ以外は全員いる可能性が高いわ。気を引き締めていかないと。」

   「どこから入るの?」

   「さすがに正面から堂々と入る程の勇気はないから…………」

   「なら、裏口までご案内しましょうか?」

   「あら、それは助かるわ……………っ!?」

   「どうぞこちらへ…………」

   「くっ……!?」

   「っ!?鏡花さん!!」

   「貴女もご一緒に………」

   「なっ!?」

 

    な、何これ…………意識……が………

 

   「か……ずま……さん……」

 

    ドサッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

   「フラフラフラフラ…………何がしたいんだアイツは?」

   「我々に気付いている様子もないですね…………」

   「生きているのか分からないなアレは。本当に人間か?」

 

    アルマとはまた違う感じだ。そこにいるのかさえ曖昧な…………ん?まさか……

 

   「……試してみるか。」

   「??」

 

    スッ……

 

   「な、何を?」

   「ちょっとな。この辺りには人も民家も何もない。心配するな。」

 

    外しそうだが……まぁいいだろ。

 

   「雷遁・偽暗。」

 

    バチチチチチチッ!!ドゴォォォン!!!

 

   「っ………!!」

   「…………………??」

   「……なっ!?」

   「やはりか……まんまと嵌められたな。」

   「何も……ない?一体これは………」

   「まずいな。俺等が追っている方かと思っていたが、どうやら逆だったようだ。

 

    ブォォォォォォン!!!

 

   「!!」

   「なっ!これは………」

   「結界か……。」

 

    バチッ!!

 

   「っ!内側から触れると迎撃されるのか。厄介そうだが…神裂、解析できるか?」

   「………いえ、見たことがありません。」

   「俺も魔術はさっぱりだからな……………」

 

    ザッ!

 

   「フフフ………」

   「っ!?」

   「………この結界はお前か?」

   「フフッ……そうだよ。どうその結界?よく出来てるでしょ?」

   「……『偽りの現実』の一人ですか?」

   「あれ?僕達の名前知ってるんだ。そうだよ。僕は『偽りの現実』の一人、『拘束(ブロック)』の

    カルト=ランティス。よろしく~。」

   「『拘束(ブロック)』…………あの幻影は誰の魔術だ?」

   「それは言えないなぁ。ま、僕じゃないってことだけは教えといてあげるよ。」

   「貴方達は世界中に存在する『原石』を手中に収めようとしているようですが………」

   「ありゃりゃ。そこまで分かっちゃってるの?ダメだなぁウチの情報係は。」

   「目的は何だ?」

   「やだなぁ。僕の話聞いてなかった?僕は『拘束(ブロック)』、君達を捕まえるのが仕事だよ。」

   「捕まえる?」

   「とぼけても無駄だよ。君のことはよく知らないけどそっちの人は有名だからね。

   『必要悪の教会(ネセサリウス)』の『聖人』が僕達のことを

    嗅ぎまわってるってボスに言われてたんだ。」

   「……なるほどな。で、お前等のボスは今どこにいる?」

   「愚問にも程があるね。答えるわけないじゃん。」

   「………………。」

   「…ん?へぇ…いま連絡が入ったんだけど、君達の仲間を捕らえたらしいよ。

    女二人をアジトの近くで。」

   「っ!まさか……鏡花達が……」

   「……………。」

   「あれぇ?さっきっから黙っちゃってるけど、もしかして言葉も出ないってやつ?」

   「………もう一度言う。お前等のボスはどこにいる。」

   「……くどいね君。いい加減にしないとそのまま結界で……」

   「言っておくがさっきからしているのは質問じゃない。

    答えることが当たり前の命令だ。さっさと答えろチビ。」

   「っ!!………今の状況、分かってないの?君達は今僕に捕らえられてるんだよ?

    君達を生かすも殺すも僕の気分次第。言葉は慎重に、丁寧なもの選んだほうが…………」

   「分かっていないのはお前の方だ。

    俺の前に無防備で立っていて無事で済むと思っているのか?」

   「何を………」

 

    ギンッ!!

 

   「!……何だ、その赤い眼は………………っ!?」

   「……ようこそ、『月読』の世界へ。」

 

 

 

    ………………

 

 

 

   「………はっ!な、何なの一体………ていうか、どこだよここ?さっきまで………」

   『よう。』

   「っ!!………??誰もいない?」

   『喜べ。この世界に来るのはお前が初めてだ。』

   「くっ…出てこい!!どこの誰だか知らないけど、僕にこんなことをしてただで済むと…」

   『どこの誰だか知らない?嘘をつけ。さっきまでお前の目の前にいただろう。』

   「??」

 

    バッ!

 

   「っ!?お前………どこから!?ここはどこだ!!」

   『最初からお前の近くにいただろう。ここは俺の世界だ。』

   「何を訳わかんないことを…でも、僕の前に出てきたのは間違いだったんじゃない?」

   『………………。』

   「僕は拘束専門だけど、それは結界とかだけじゃない。

    攻撃的な拘束術もあるんだよ………ねっ!」

 

    ギュンッ!!

 

   『……………。』

 

    ボワッ………

 

   「なっ!?き、消え……た?」

   『無駄だ。』

   「っ!クソッ!!」

 

    ギュンッ!ボワッ………

 

   『無駄だと言っているのが分からないのか?』

   「何なんだ一体!!何をした!?」

   『さっきも言ったろう。ここは俺の世界だと。時間も何もかも俺が支配する。』

   「くっ……幻覚魔術の一種とでも言うってのか!?けどお前に魔力は感じなかった!!」

   『………幻覚魔術………まぁ概ね正解だ。正確には幻術だがな。』

   「へっ!だったら話は簡単だ。自分を傷つけて目を覚ませば……?

    ど、どういうことだ。なぜ解かれない!?」

   『無駄だ。この幻術『月読』は俺と同じ眼を持っているものしか破れない

    ……………だった気がする。』

   「同じ眼………?」

   『要するに、この世にこの幻術を破れる奴はいないってことだ。さて………』

 

    ガッ!!

 

   「っ!?なっ……身体が……動か……」

   『さっきからこれは幻覚だと言ったが、少し違う。

    物理的な殺傷能力はないが精神的なダメージは計り知れない。例えば……』

   「??」

 

    グサッ!!

 

   「ガッ!アガァァァァァアァ!!!???」

   『本当に刺されたと思ったか?心配するな。これは刺されているという幻覚だ。

    さぁ………これから二十四時間、じっくり苦しむといい。』

 

 

 

    …………………

 

 

 

   「ガァァァァアァ!!?」

   「っ!?な、何が……?」

   「っ………」

   「だ、大丈夫ですか?一体何を………結界も消えて……」

   「あぁ………悪い、少しやりすぎた。おそらく情報は聞き出せない。」

   「い、いえ……今はここから脱出することのほうが重要でしたから。

    早く二人を助けに行きましょう。」

   「………そうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「う……ん…………ハッ!!あ、あれっ………私さっき……」

   「大丈夫凛ちゃん?」

   「あっ鏡花さん!無事だったんだね!」

   「まぁね。でも今のこの状況は正直言うと無事ではないわ。」

   「えっ?…………もしかして、今捕まってる状態?」

   「大正解。」

   「…………ちょっ!!それすごいヤバいよ!!」

   「そうね。」

   「何でそんなに冷静なの!?」

   「別に焦るほどでもないわ。あの二人が助けてくれるわ。」

   「それが問題なんだよ!!」

   「???」

   「火織さんは大丈夫だけど、和真さんはダメ!

    私達が捕まったなんて知れたら……『何面倒なことしてくれてんだボケ。』

    …………的な感じになっちゃうよ!」

   「…それは避けたいわね。しかも私はさっき貴女を護るって

    言ったのにこれは…好感度が下がっちゃうわ。」

   「脱出しよう!和真さんに怒られないために!!」

   「おやおや……目が覚めたようですね。」

   「!!」

   「初めまして。わたくしは『偽りの現実』の一人、『幻影(ファントム)』の

    エイト=ブランディアと申します。」

   「……アナタが私達を拉致ったって訳ね。」

   「拉致だなんて物騒な…………

    わたくしはただここに入りたがっていた貴女方をお招きしただけです。」

   「……ねぇ、あの人何言ってるか分かんないんだけど…………」

   「ん?これは失礼。では、日本語で喋りましょう。」

   「うわっ!日本語ペラペラになった!」

   「日本語はもう世界の公用語になりつつあります。これぐらいは平気ですよ。」

   「凛ちゃん、今度英語教えてあげるわ。」

   「うぅ……何か私馬鹿みたい………」

   「ところで、これからどうするおつもりで?」

   「当然、脱出するに決まってるでしょ。彼に怒られたくないしね。」

   「どうやって?」

   「私を舐めないで欲しいわね。一応これでも『聖人』、この程度の檻…………ハッ!!」

 

    ドゴォォォン!!

 

   「うわっ!?」

   「私から離れないようにね凛ちゃん!!一気に突っ切って…………!?」

   「………どうかしましたか?」

   「……どういうこと?今確かに………」

   「確かに檻を壊したはず………ですか?間違ってはいませんよ。

    貴女方が見ている世界では(・・・・・・・・・・・)。」

   「???」

   「そもそも、何故檻を壊そうとしたのですか?」

   「??何を言ってるの?ここから脱出するために…………」

   「はて………わたくしの目には檻などどこにも見当たらないのですが………」

   「は…………?」

 

    ボワッ!!

 

   「っ!?これは……!!」

   「先程は嘘をついていました。申し訳ありません。

    貴女方は、最初から目覚めてなどおりませんので。」

   「嘘………何…これ……」

   「幻影の中で、ゆっくりとお過ごしくださいませ。」

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

   「ここか。」

   「のようですが…………」

   「??どうかしたか?」

   「いえ………魔力を感じないので本当にいるかどうか……」

   「そうなのか?」

 

    見聞色が使えないのは痛い。感知できないとなると色々不利になる。

    能力リセットまでまだ少し時間もあるしな………

 

   「……もしかしたら、先程我々が追っていたものと同じかもしれません。」

   「この建物自体が虚構ってことか。………攻撃してみれば分かるか。」

 

    バチチチチチッ!!

 

   「…………どうやらお前の読みは当たっていたようだな。」

   「………………。」

   「………何だ?」

   「いえ………(戦闘や攻撃は避けろと言っていたような……)」

   「にしてもアイツ等何で捕まってるんだよ。『聖人』に第二位の『原石』だろうが。」

   「『偽りの現実』には相当な手練がいるようですね。」

   「ったく………面倒かけやがって……説教だな。」

   「そう怒らないでください。彼女等も悪気があったわけではないので。」

   「!!」

   「っ!?いつの間に……!!」

   「さぁ、あなた方もお招きいたしましょう……」

   「っ!くっ……頭が………」

 

    バギィィン!!

 

   「っ!!??」

   「はぁっ!!!はぁ………はぁ………す、すみません、助かりました。」

   「な、何を……」 

   「悪いが、俺に幻覚系の魔術は通用しない。」

   「っ…………これはさすがに分が悪いですね。一旦体勢を整えてきましょう。」

   「!逃しません!!」

   「無駄ですよ。」

 

    バッ!ボフンッ!

 

   「!!?」

   「あなた方にわたくしを捕らえることはできません。それでは……」

 

    ガッ!

 

   「!何っ!?」

   「俺に幻覚は効かないと言っただろう。この眼は全てを見切る。」

   「……な、何なのですか……それは……その赤い眼は……」

   「ボスの居場所………いや、アジトの場所を教えろ。」

   「フ……フフ………」

   「???」

   「教えていませんでしたね。わたくしの幻影は……実体があるのですよ。」

 

    スゥ……………

 

   「!!………逃がしたか。影分身のようなものか。実体はあるが本体ではない。」

   「すみません。我々の情報が誤っていたようです。

    その所為で逃してしまった上に鏡花達も捕まって………」

   「お前の所為ではない。それに、あと少し時間が経てば………よし、三十分経ったな。」

 

    ふぅ…………ようやく見聞色が使えるようになった。アイツ等は…………いた。

 

   「見つけた。行くぞ神裂。」

   「えっ?そ、そんな簡単に見つかったのですか?」

   「あぁ。俺は同時に二つしか能力が使えない、三十分しか能力が使えない、

    能力使用後三十分経たないと能力が使えないという使えない三原則を抱えている。」

   「は、はぁ…………?」

   「だからこの感知能力もさっきまで使えなかったんだ。

    あと、このことは内密にしろよ。これは信頼してる奴にしか教えていない。」

   「そ、そうですか……分かりました…(信頼している……)」

   「にしても……少し遠いな。…………神裂、あっちに着いたら戦闘任せていいか?」

   「構いませんが………どうしてですか?」

   「ここから二人が捕らえられている場所まで少し距離があってな。

    俺の能力………簡単に言うと瞬間移動を使う。

    既に感知能力を使っているから戦闘用の能力は使えなくなる。」

   「なるほど………分かりました。」

   「なら俺に掴まれ。移動するぞ。」

 

    ビシュン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「はぁ………はぁ…まさかあのような方がいるとは……少し甘く見すぎていましたね。」

   「大丈夫エイト?」

   「えぇ………それより、そちらはどうでしたか?」

   「ん~?何の問題もないよ~。

    ただ歯ごたえがなかったけど。やっぱ下っ端じゃダメね~。」

   「あまり派手にしないでください。ボスにバレてしまいます。」

   「大丈夫じゃない?あともしバレても全部カルトの所為にしちゃえばいいし~。」

   「いけませんよ、人の所為にしては。」

   「ところで、カルトからの連絡まだ~?」

   「そうですね………彼は我侭ですが連絡やそういうものはしっかりするはずですが……」

   「ん~…じゃあやられたのかなぁ?ま、どうでもいいけど~。」

   「どうでもよくありません。誰か居ますか?」

 

    シュン!

 

   「……ここに。」

   「カルトさんを見つけてきてください。」

   「了解。」

   「さて…………そちらをどうするかですね……」

   「「うっ………………」」

   「殺しちゃってもいいんじゃない?どうせ置いといても意味ないでしょ~。」

   「殺すのはダメです。まだ人質としての価値も十二分にあります。」

   「えぇ~そうかなぁ~?」

   「………いや、悪いがそんな価値無いな。」

   「「っ!!??」」

 

    ビシュン!!

 

   「よう………また会ったな。」

   「なっ!?何故ここに!?」

   「………誰かなぁ~?」

   「ただのお荷物回収班だ。…………おい、さっさと起きろ。」

 

    パンッ!!

 

   「う、う~ん…………んぁ?あれ…………?」

   「!!馬鹿な!わたくしの『幻影回廊(ミラージュヘジテイト)』を一瞬で……!?」

   「ふ~ん…………やるねぇ……」

   「………どうやらボスはいないようですね。」

   「ボスは気分屋だからね。ウチ等もどこにいるかはっきりとは分かってないし~。」

   「……『原石』を集めまわっているのは、自分達の力を誇示するためか?」

   「っ!!何故それを………」

   「う~ん……何でそのことを知ってるのか知らないけど、それは違うよ~。」

   「???」

   「だってウチ等『原石』なんかに頼んなくても強いし~。」

   「??では何故…………」

   「理由か~………『原石』集めとけば学園都市への牽制になるでしょ~?

    ウチ学園都市嫌いなんだよね~。」

   「学園都市が……嫌い?」

   「何かさ~あの街常に自分達が一番だと思ってな~い?

    気に食わないんだよねぇ。本当は直接襲いたいんだけどここからは遠いしさ~。」

   「……随分と間の抜けた奴だな。」

   「…カルトさんはどうされました?」

   「さぁな。精神崩壊でも起こしているんじゃないか?」

   「何………?」

   「にしても、エイトの幻影をあんな簡単に解くなんてやるね~。

    どお~?ウチと戦わない?」

   「……悪いな。今回俺の出番はなしと決めていたんだ。」

   「えぇ~何それ?つまんな~い。」

   「安心しろ。俺じゃなくとも、こっちには横綱がいる。」

   「女性に対して失礼すぎる発言よねそれ?」

   「最大級の褒め言葉だろ。横綱だぞ横綱、日本の国技のトップだぞ?」

   「知ってるよ~。その二人『聖人』なんでしょ~?でも正直言ってどおかな~。

    ウチの相手が務まるのかな~?」

   「「っ……………」」

   「………………。」

   「ぶっちゃけると、『偽りの現実』で一番強いのウチなんだよね~。

    この前も実際『聖人』に勝ってるし~。」

   「…………それ以上は口を開かない方が身のためだ。」

   「??」

 

    ズバァァァァァン!!!

 

   「!!」

   「………色々好き勝手言ってくれましたね。」

   「ちょっとお仕置きが必要かもねぇ……」

   「ありゃりゃ、狂犬が二匹目覚めたな。檻に戻すのは骨が折れるぞ?」

   「ここは任せます。我々は被害が出ないよう離れた場所に向かいますので。」

   「へぇ………少しは楽しめそうだね~!」

 

    バンッ!!

 

   「………で、お前はどうするつもりだ?」

   「どうするも…わたくしの力は貴方には効果がないようなので、何もする気はありません。

    ここで彼女を待つだけです。」

   「それは俺にとっても都合がいい。俺もやる気は今ないからな。

    ここで二人の帰りを待つだけだ。」

   「随分と信頼されてらっしゃるのですね。」

   「それはこっちの台詞だ。『聖人』二人を相手にしようってのに随分と余裕だな?」

   「………彼女はわたくし達の中でも格が違います。

    わたくし達幹部には称号があります。カルトさんは『拘束(ブロック)』、

    わたくしは『幻影(ファントム)』。これは自身の魔術に由来します。そして彼女は………」

 

 

 

   「ここまでくれば良いでしょう。」

   「随分離れたね~。まぁどおでもいいけど~。」

   「余裕ね。そんなで私達に勝てると思ってるのかしら?」

   「ん~?何言ってんのかな~?」

   「??」

   「ウチここに勝つために来たんじゃないよ~。

    ただ単に遊べそおだったからだよ?」

   「っ………そう。それなそれでいいけどね。でも気を抜いてると大変なことになるわよ?」

   「大丈夫だよ~。………………気を抜くつもりはないから。」

 

    ゾワッ!!!

 

   「っ!?鏡花!!」

   「分かってます!!」

 

 

 

 

 

 

   「………『強欲(マモン)』…………だと?」

   「彼女はその身に悪魔の力を宿してしまった、正真正銘の怪物です。」

 

 

 

 

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