とある転生者の崩壊道≪ブレイクロード≫   作:天譴

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約一年ぶりの更新…………入院やら留学やらで更新する暇がなく………
という言い訳はもう言いません!ただただ、すみませんでした!今後は、不定期ながらやっていこうと思いますので、それでも見てくださる方はこれからもよろしくお願い致します。


第22話………タイトル思いつかんかった。

  

   スッ……

 

  「我に力を、現れよ……『雷霆(ケラウノス)』」

  「それは?」

  「主神ゼウスの持つ武器、その名は電光を意味する。」

  「……ギリシャ神話最強の神の武器か。」

  「ほう、鋼の街に住む者がよく知っておるな。」

  「まぁ……少しな。」

 

   あっちの世界にギリシャ神話に詳しい奴がいたしな。

   妙な奴だったが、退屈にはならなかったな。

 

  「……ん?ちょっと待て。そんなおっかない武器を使ったら、

   奴どころかその憑代であるあの女も消し飛ぶぞ。」

  「確かに………神話通りの力ならば、その一振りは

   世界を溶かし宇宙を焼き尽くすと言われておる。」

  「アホ、なら使うな。後先考えないやんちゃ小僧かお前は。」

  「……お主、少し口が過ぎるぞ。誰に向かって言っておる。

   これは二次兵器と呼ばれる物……簡単に言うならばレプリカだ。」

  「………威力は天と地ほどの差があるわけか。だが逆にレプリカ程度

   で対抗できるのか?」

  「心配は無用。レプリカといえど、人間を一瞬で炭化させる。」

  「……いや、お前の部下の体なんだがアレ。」

  「案ずるな。ヒートを憑代にしているとは言え、今はマモンが表に出ておる。

   人間とは強さの格が違う。」

  「信用してんだか見捨ててんだか………まぁいい。とりあえず…………」

 

   ビュゴォォォン!!!

 

  「っ!!」

  「ハッ!!!」

 

   ズガァァァン!!

 

  「!!??おいおい、何だそりゃ。」

 

   このガキ…全力のビリーと同等、もしくはそれ以上か。奴の攻撃も同様。

   クソ………骨が折れるなこりゃ

 

  『グギギ………』

  「あ奴、まだ全力の4割も出しておらんようだの。」

  「何だと?」

  「あれでは、以前の力の6割程度。あ奴の魔力の上がり様を推測すると、

   その程度になるであろう。」

  「はぁ…………何でこうもハズレくじばかり引くんだ俺は。

   これならさっさと死んだほうがマシなんじゃないかと思うほどだ。」

  「何を言うとる。お主ほどの力の持ち主であれば問題ないであろう。」

  「力を見せた覚えもないし、何故会ったばかりの俺を信用する?

   『異端者』と呼ばれているんだろう俺の存在は。」

  「…………昔を思い出しただけだ。」

  「は?」

  「それよりあ奴に集中せい。ここからさらに上がるぞ。」

  「ちっ………長引きそうだなこりゃ。」

  『グォォォオォォ!!!!』

  「構えろ!次が来るぞ!!」

  「っ………!!」

 

   ズズン………

 

  『???』

 

   ドグシャァァァ!!

 

  『ガァァァァア!!??』

  「これは………??」

  「『重力制御(ダウングラビティー)』、簡単に言えば重力操作だ。」

  「重力……能力者は一人につき一つの能力のはずであろう?」

  「だからこそ、『異端者』なんだろ俺は。俺に普通という言葉は適応しない。

   まぁ、制約はあるがな。同時に使える能力は二つ、更に30分しか使えない。」

  「……………。」

  「何だ、急に黙って?」

  「お主、先程は我に何故会ったばかりの自分を信用するのかと聞いたな?なら

   我も問おう。何故、会ったばかりの我にその様な弱点に成りうる情報を伝えた?」

  「は?………あぁ……何でだろうな。まぁ強いて言うなら、

   お前が敵になっても勝てるから………だな。」

  「フッ………つくづく口が過ぎる奴だ。いずれ天の罰が下るぞ。」

  「アイツに殺されたら、いずれもクソもないがな。」

  『ギギ…………ガァッ!!!』

 

   ダンッ!!

 

  「っ………なんちゅう脚力してんだ。だが、いくら飛んでも重力には逆らえないぞ怪物。」

 

   ズズン…………キンッ!

 

  「!!?何だ………?」

  『オマエ………ゴロス………!!』

  「どういうことだ。あれは一体……」

  「あれは『裏世界(リバース)』。悪魔は我らとは別の世界に巣食う存在。あ奴らはその別の世界を

   部分的にこの世界に呼び出すことができるのだ。」

  「別世界を召喚する力……世界が違うなら重力も関係ないというわけか。

   クソ、能力のチョイスを間違えたな。」

 

   これじゃ『重力制御(ダウングラビティー)』は役に立たない。リミッターリセットまで20分+30分で50分。

   ………耐えるにしても長すぎる。なら………

 

  「写輪眼一辺倒でやるしかないな。ただ、奴の『裏世界(リバース)』とやらに対して

   どこまで干渉できるかが解らない。」

  「『裏世界(リバース)』状態の悪魔には、我らの法則は通じん。

   つまり、超能力・魔術ともに干渉すらできない。」

  「おいおい、マリオのスター状態かよ。倒せるわけがないだろう。」

  「ただ、あれを使っておるとあ奴も我らの世界には干渉できない。攻撃するとき、

   少しの間ではあるが『裏世界(リバース)』を解かなければならん。」

  「カウンターをしろってことか。なら………」

  『ガァァァァ!!!』

  「おい、来るぞ。さっさと避けんか!!」

  「いいから、黙って見ていろ。」

  『ガァ!!』

 

   スカッ!!

 

  『ッ!!??』

  「!!?………………動きが直線的すぎんぞ馬鹿。『天照』!!」

 

   ブォア!!

 

  『ギガァァアア!!??』

  「おい離れろ。あれに飛び火食らうと終わりだぞ。」

  「何だ、あの黒炎は。それに、先程マモンがお主をすり抜けたように見えたが……?」

  「この眼は色々出来る。それだけだ。」

  『ガ、ガァァァ……………グッ……フザ、ケルナ!!』

  「っ!?正気が戻ったのか……?」

  『コノ俺二、炎ヲ打ツトハ………愚カダナ人間!!』

  

   ヒュゥゥゥ!!!

 

  「なっ!?『天照』を……吸い込んだだと?」

  「あ奴は強欲を司ると同時に、炎を象徴する悪魔でもあるのだ。」

  「早く言えよ!!ってか、炎に関すること全くして来てないだろアイツ!!」

  『ククク………貴様ノ炎、俺ノ失ッタ体力ノ回復ニ使ワセテモラッタ。』

  「チッ……面倒な………だが、一つ解ったことがある。」

  『???』

  「俺も……この世界とは違う場所にいるようだ。」

 

   ダンッ!!

 

  「何をしておる!!奴には『裏世界(リバース)』が……」

  『血迷ッタカ?返リ討チニシテ………』

 

   ドガッ!!

 

  『グハッ!?』

  「言っただろう、この世界とは違う場所にいると。」

 

   ドサッ!!

 

  『グ……貴様……マサカ………』

  「お主……まさか悪魔を………?」

  「アホ。んな訳あるか。さっき、お前に『天照』を放ったとき、

   少し違和感を感じたはずだ。」

  『!!……思イ過ゴシダト思ッタガ………』

  「お前が俺をすり抜けたとき、妙な感覚があった。そしてその後、お前が『裏世界(リバース)』を

   発動する前に『天照』を放った………様に見せた。」

  「様に見せた?」

  「正確には、お前が『裏世界(リバース)』を発動したと同時に『天照』を放った。

   それがお前に効いた時、俺の中の仮説が確信になった。」

  「仮説?」

  「さっき言った妙な感覚ってのは、俺の頭にあるイメージが浮かび上がってきた。

   そのイメージは……………ただただ、暗く何もない世界が広がっていた。」

  『!!』

  「『裏世界(リバース)』………あの世界は、まるで地獄だな。」

  「悪魔の巣食う世界を………垣間見たというのか……!!?」

  『貴様…………何者ダ!!人間如キガ俺達ノ世界ヲ………』

  「………『須佐能乎』。」

 

   ブォアアア!!!

 

  「っ!??」

  『何ダ…………コレハ……?』

  「ただ、漆黒が広がる世界に一つだけ光があった。

   その光の中心には……お前の相棒がいた。」

  「ヒートが……?」

  「あれだけ負の感情が漂う世界に、それでも燦然と輝いていた…………お前にとって、

   アイツの存在はそれ程大切だったんだろう?」

  『クッ………』

  「そんな奴に、これ以上罪を負わせるなボケ。」

  『貴様二何ガ』

  「分かるって言うんだ!!!」

  「「!!??」」

  『ナッ、オ前…………』

 

   シュゥゥン………

 

  「マモンが……消えた?」

  「はぁ…はぁ…」

  「……………………」

  「お前にマモンの……ウチの何が分かる!!知ったような口を聞くな!!『怨炎(フレイム)』!!」

  「………『天照』。」

  

   ボシュゥゥゥ………

 

  「なっ!?」

  「悪いな、この黒炎は対象物を燃やし尽くすまで消えない。

   たとえそれが炎であってもだ。」

  「何それ…………」

  「それより、相棒の心配をしたほうがいいと思うが?」

  「??…………!!??」

  『ガァァァァ!?何ダ……体ノ内側ガ……燃エテ……』

  「どうしたのマモン!!?」

  「そいつはさっき俺の『天照』を飲み込んだ。最初は驚かされた。

   確かに回復もしていた。だが、俺のこの眼は全てを見切る。

   奴の体内で『天照』はまだ消えてなかった。」

  「マモン!!しっかりして!!こんな奴さっさと殺すわよ!!」

  『グ、ァァァ…………』

  「無駄だ。俺が消さない限り燃え続ける。

   死にはしないだろうが、地獄の苦しみが数時間続く。」

  「この!!」

  

   ガッ!!

 

  「………………。」

  「ヒート…………」

  「ウチの邪魔をするなら、たとえアンタでも殺す!!」

  「……力が抜けている。奴の回復に魔力を回しているな。そんなことしても無駄だ。」

  「くっ………」

  「これ以上馬鹿なことはやめろ。そうすれば、炎は消してやる。」

  「ふざけるな!!ウチはウチの復讐を絶対に遂行する。

   あの街を……学園都市を地に落としてやるんだ!!」

  「そのために、お前の復讐に全く関係のない奴等を殺しまくるのか?」

  「関係ない?あの街でのうのうと暮らしている奴等全員が復讐の対象なんだ!

   あの街があったから………」

  「……周りが死んだ……か。お前が学園都市に恨みを持つのは分かる。

   むしろ、その話を聞けば大抵お前に味方するだろう。だが………お前のその行動が、

   新たなお前を作り出していることに何故気づかない?」

  「新たな……ウチ?」

  「復讐者だ。復讐は復讐しか呼ばない。お前がこれからも復讐を続ければ、

   いずれお前を狙う復讐が生まれる。」

  「そんなの、全て潰していけばいい!」

  「確かに、お前に向かってくるものはそれでいいかもな。だが、そうじゃない奴もいる。

   例えば………今お前が必死に保護しようとしている、天然ダイヤのガキ共を

   狙う奴も出てくる。アイツ等は自分の力を理解できず、

   そして使うことができない。何もできず、ただ殺されるだけだ。」

  「…………。」

  「だが、それをお前は許さないだろう。そしてまた復讐が生まれる。この負の連鎖は、

   一度始まれば誰にも止められない。だからこそ、

   最初の段階で摘んでおく必要がある。」

  「…『原石』の子達があのクソ科学者共に使い捨てられるのを黙って見てろって言うの?」

  「俺も、あの街のお偉いさん共は嫌いでな。

   奴らが歯軋りするような事をするのが非常に快感だ。

   それに……俺の妹も『原石』だ。奴等がアイツに手を出そうものなら、

   俺もお前と同じになることだろう。」

  「………シスコン?」

  「おい、急に会話に入ってきてえげつない単語を口にするなゾルト。」

  「………あなたはあの街の奴等とは少し違うみたいね。

   ………あなたなら、多少は信頼してもいいかも。」

  「そうか、なら………」

  「でも、やっぱこのまますんなりっていうのもねぇ………」

  「何だと?」

  「……一応、マモンの炎も消してくれたみたいだけど、ちょっと納得はしないなぁ~」

  「おいヒート、お主何を言って………」

  「いいだろう。口で言って分からないなら、力で示すことにしよう。」

  「おい、お主まで何を言っておる!今ようやく話がまとまろうとしとっただろう!」

  「さっきは生意気言ってごめんねぇ~ゾル。でも、

   このままじゃマモンも気が収まらないってさ~」

  『コノ人間ノ男、少シハ見所ガアルヨウダ。

   ダガ、俺ニ対スル愚行ハ許セン。後悔サセテヤル。』

  「って言ってるしさぁ~。」

  「だからといって……」

  「なら、今度はお前等二人の力を結束させることだ。俺に勝ちたいならな。」

  「その減らず口、できなくしてあげるよ~!」『ソノ減ラズ口、デキナクシテヤル!』

  「来い!」

  「はぁ……知らぬぞ、我は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「………邪悪な魔力が消えましたね。」

  「ってことは、和真さん達が勝ったってこと?」

  「う~ん………どうかしらね。邪悪なのは消えたけど、まだ戦ってるようだし。」

  「これは……通常のヒートさんの魔力です。」

  「暴走状態じゃなくなったんだね。それだけでもちょっとホッとするよ。」

  「そうですね。………………」

  「……どうしたんですか火織先輩?」

  「いえ………結局、今回も彼に任せきりで…………」

  「そんなことないよ。火織さんも鏡花さんも、すごく頑張ったじゃん!」

  「そうは言っても、結局あの女の子を暴走させちゃった挙句、

   それを彼に任せちゃったし……」

  「でも、私なんか本当に何もしてなくて………

   はぁ、これじゃいつまでたっても和真さんの力になれないよ」

  「そんなことないわよ。凛ちゃんは彼の中でも特別な存在だから。

   貴女の存在が彼の力になるのよ。」

  「う~ん………そうは思えないけど………」

  「確かに、彼の言動や振る舞いからは貴女をとても大事にしているのが伝わります。」

  「そうかなぁ…………」

  「唐突で申し訳ないのですが、ひとつお聞きしたことが…………」

  「何かしら?えっと………エイトだったかしら?」

  「はい。彼は………一体何者なんです?『異端者』と呼ばれており、

   そしてこの感じですとあの暴走したヒートさんをも収めてしまっている………。

   いくらボスが一緒とはいえこんな短時間で…………。こんなこと、考えられません。」

  「そうだね。何なんだろうね和真さんって。」

  「えっ?」

  「科学サイドの者でありながら、魔術どころか我々『必要悪の教会(ネセサリウス)』のことも

   知っており、底知れない実力も携えている。謎多き人物ではありますね。」

  「そして、それほどの存在なのに一切の情報がない。

   世界七大不思議に入ってもおかしくないわね。」

  「でも、そんなの関係ないよ。」

  「どういうことですか?」

  「何であろうと、あれが嘘偽りない和真さんなの。

   あの人は自分の思ったこと以外は絶対に行動に移さない。

   口ではああ言ってるけど、本当は助けを求めてる人を見過ごせない人なんだ。」

  「ヒーロー気質………って、さっき凛ちゃんと話したわね。

   そうね………接した時間が短い私でもそれは分かるわ。」

  「そう…………ですか。彼は、様々な人々にとって英雄ということですね。

   …………では、質問を変えましょう。貴女方は……………」

 

   ドゴォォォォン!!!

 

  「うわぁぁ!?」

  「な、何!?」

  「これは…………」

 

   シュゥゥゥ………

 

  「くっ………あはは……参ったねぇ~これは。想像以上だよ~。」

  『チッ!クソッタレ………』

  「気は済んだか?」

  「か、和真さん!?」

  「全く………少しは街のことも考えんか馬鹿者共。」

  「ボス!ご無事で……」

  「和真さん大丈夫!?それにこれは………」

  「気にするな、ただの喧嘩だ。で、どうなんだ?」

  「まぁここまでやられたらしょうがないか~。うん、ウチの負け。

   もお暴れるのはやめるよ~」

  『オイ!!俺ハマダ……』

  「駄々こねないでよ~マモン。ウチ達こうして負けたんだから~」

  『フザケルナ!!次ハ俺ガ………』

  「……どうした?」

  「ううん、何でもないよ~。」

  「さて………お主等の処罰についてだが……ここまで派手にしてしまっては、

   我も黙って見過ごすわけにも行かん。それ相応のものを受けてもらうぞ。」

  「ま、しょうがないね~。」

  「当然の報いですね。弁解する気もありません。」

  「………ん?カルトはどうした?」

  「あっ!?」

  「そういえば、忘れてたね~。」

  「カルト?………あぁ、あのクソガキか。悪いがアイツは暫く正気には戻らない。

   特殊な幻覚にかけた。」

  「………まぁ、カルトへの罰はそれで良しとしよう。」

  「ってことは、これで仕事も終わりかな?」

  「『最大主教(アークビショップ)』は、捕縛または抹殺と言っていましたが………」

  「あの年増の言うことは気にするな。こいつらはこのままでいい。ただ、

   また暴れたりでもして俺の生活に支障をきたすのなら、その時は壊滅させる。」

  「だから、君はなんでそんなにあの方に対して口が悪いのよ。いつか痛い目みるわよ?」

  「壊滅させる……か。面白い。その時は、我が相手をしよう。」

  「ウチとマモンもよろしく~。あと、さっきの話……ちゃんとしてね、『異端者』さん。」

  「あぁ。」

  「では、寮に戻りましょう。仕事完了の報告もしなければなりません。」

  「ですね。じゃあ早速行きましょ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「…………あれが楠木和真。上条当麻とはまた違う種類のヒーローか………」

  「何の話よ?」

  「ううん、何でもないよ。さ、俺たちも行こうかシルビア。」

 

   いつかどこかで会うことになるだろう。…………敵か味方は定かではないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「ふぅ……これで一件落着だね。」

  「さすがに疲れたわね。」

  「『最大主教(アークビショップ)』への報告も済ませましたし、これからどうしますか?」

  「あれ、もう帰るんじゃないの和真さん?」

  「いや、この仕事が終わったら神裂に観光のガイドをしてもらう約束がある。」

  「えっ!?いつの間に!??」

  「やりますねぇ~火織先輩?」

  「な、何がやりますなんですか!!私はただ、彼がイギリスが初めてというので…」

  「ということだ。こんな仕事じゃなく普通の観光としてきたかったんだが………

   まぁもう同じことだ。という訳で、よろしくな神裂。」

  「は、はい。」

  「ちょ、ちょっと待ったぁぁ!!その観光、私も行く!!」

  「??当たり前だろ。当然、霧沼も来い。神裂が知らないことを補完してくれ。

   俺はイギリスの全てを楽しみたい。」

  「鏡花で良いって言ったでしょ。ま、一緒に行くことには大賛成よ。」

  「よし、とりあえずゾルトが言っていたスイーツパラダイスだ。」

  「スイーツパラダイス??……あぁ、そういえば最近できたらしいわ。」

  「では鏡花、案内をお願いします。」

  「よ、よ~し………この観光で私の好感度を上げよう。」

  「っと、その前にトイレどこだ?」

  「あそこのお店を曲がった左手です。」

 

   ふぅ………アイツが言っていたいちごコーヒー……どんなもんか。

   こんなに心躍るのは久しぶり………

 

  「……お前が、例の『異端者』か。」

  「っ!??」

 

   ザザッ!!

 

  「……ま、人間に興味はない。」

  「お前は………」

 

   シュン!!

 

  「っ!消えた……?今のは、まさか………」

 

   だが何故あんな化物がこんな場所に…………

 

  「………この世界に来て最もヒヤリとしたな。まさかこんな段階で、

   『魔神』に出会うとは……」

 

   隻眼のオティヌス…………クソ、震えが………

 

  「…大丈夫和真さん?何か顔が青ざめてるよ?」

  「!!あ、あぁ…………」

  「少し休んだほうがよろしいのでは?」

  「汗もどっと出てるわ。」

  「………いや、もう平気だ。とにかく行くぞ。」

  「う、うん……」

 

   アレといつか戦うことになる可能性があると思うと…………怖すぎるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「で、どうだった?『異端者』って奴は?」

  「………普通ではないが、気に留める理由もない。」

  「微妙な評価だな。だが、俺の経験値を貯めるにはいいかもな。」

 

   ガタゴトッ!!

 

  「そんなことより早く戻ろうって『投擲の槌(ミョルニル)』が言ってるよ。」

  「ふん、悪魔が見れるっつーから来たが、期待はずれだったな。」

  「………シナリオを進める。『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の動向を観察しろ。」

 

   オティヌスによる世界破壊まで、あと約4ヶ月……

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