視点:凛
「う~ん………」
和真さんがイギリスから帰ってきた時から………というより、イギリス観光してる時から
様子が変みたい。そういえば顔が真っ青になってたような………
「う~~~~ん………」
「何唸ってるのりん?」
「あっ、理后さん。うん、まぁちょっと………」
「楠木もちょっと変だし………あっちで何かあったって訳?」
「いや、私とかは何もなかったけど………」
和真さんは絶対に何かあったんだと思う。でもあの後も聞いても何もなかった
って言うし………
「…まぁ大丈夫だと思うよ。和真さんのことだからその内いつもみたいに怠けるよ。」
「いつもみたいにって………」
prrrr…………
「凛、電話よ。」
「は~い…………もしもし?」
『!?!??』
「………えっと、どちら様ですか?」
『あっ………私、『
楠木さんの御宅でよろしかったでしょうか?』
「は、はい、そうですけど………」
『ここ数日、楠木くんの姿が見えないのでご連絡をしました。』
「あぁ…………すみません、今体調を崩して寝込んでまして……」
『そ、そうだったんですか。では、お大事にとお伝えください。では』
「は、はい………」
「誰だったんですか?」
「『
「そういえばアイツ、『
「何で楠木『
「さぁ………(確かに、面倒臭がりの和真さんが何で………)」
ガチャ!
「…………………。」
「あっ、和真さん。さっき電話が……」
バタンッ!!
「って、無視っ!?ちょっと和真さん!?」
「やっぱ超何かあったんじゃないですか?」
「心配…………」
「…………。」
………よしっ
「私ちょっと出かけてくる。」
「えっ?」
「あまり遅くならないようにね凛。」
「うん!」
バタンッ!
「………麦野、何か近所に住んでるおばさんみた……」
「何か言ったか、フ・レ・ン・ダ?」
「いいえ!!何も、言ってないって訳よ!!」
「どうでしたか、固法先輩?」
「体調不良で寝込んでいるらしいわ。」
「えぇ!?あの楠木さんが病気!?」
「初春、一周回って失礼じゃないそれ?」
「………………。」
「どうしましたの、お姉様?」
「……えっ?あ、ううん、何でもない。
ま、まぁそりゃアイツだって風邪ぐらい引くわよ、うん。」
「……そうですね。」
「それにしても、誰だったのかしら…………」
「??何がですか?」
「さっき楠木くんの家に電話した時にでた人。」
「あれ、楠木さんがでたんじゃなかったんですか?」
「私もびっくりしたわ。いきなり女の子の声が聞こえてきたから……」
「「「「女の子!!??」」」」
「え、えぇ…………」
「な、何で楠木さんの家に女の人が………?」
「き、きっと病気だから看病してる人がいるんだよ!ね、御坂さん!!?」
「へっ?あ、あ、あぁーそうね!ったく、女の子に看病に来させるなんて………」
「ま、全く、楠木さんににはもっとしっかりして欲しいものですわ。」
「でも、看病に来てくれるほどの関係って結構親密ってことよね。」
「「「「………………。」」」」
「……えっ、どうしたの皆?」
「もうちょっと空気を読んでくださいまし固法先輩!!」
「そ、そうですよ!折角心の内だけで思ってればいいことを!!」
「「……………。」」
「ほら、あの二人が抜け殻のように!!」
「ハハハ………何言ってんの初春?そんな抜け殻なんて……」
「!#$%&?¥*…………」
「お、お姉様!!??しっかりしてくださいまし!!せめて日本語を…」
「………ハッ!!え、な、何?全然平気よ!そ、それより何かのど渇かない?
私何か買ってくるわよ!」
「あ、はい!あたしも行きます!!」
「ちょ、お姉様!!?」
「佐天さんもしっかりしてください!」
「じゃあムサシノ牛乳を………」
「「固法先輩!!!少しは空気を読む努力をしてください!!」」
「じゃ、じゃあ行こうか佐天さん!!」
「は、はい!」
「まずいですよ!!あの状態の二人を野放しにしたら……」
「そうですわね。止めますわよ初春!」
「はい!」
コンコン!
「こ、こんな時に来客ですか!?」
「あ、私出るわ!」
ガチャ!
「は~い、どちら様でしょう…………??」
「あっ、え~っと………ここって『
「へっ?あの………そうですけど………?」
「あら、その声…………」
「あっ、さっき電話をくれた方ですね。初めまして、久我山凛と言います。」
「は、はぁ………どうもご丁寧に……ということは貴女がさっき……」
「はい、私が電話に出ました。」
「「「「!!??」」」」
こ、この人がアイツの家に……?可愛い人…………って、違う違う!
「あの……一ついいですか?」
「ん?」
「えっと………何でアイツの家にいたんですか?看病ですか?」
「看病?和真さんの?あはは、和真さんは看病とか嫌いだから何もしてないよ。」
「は、はぁ……(看病が嫌いって何……?)」
「ところで………久我山さん、だったかしら?」
「はい?」
「貴女と楠木くんってどういう関係なのかしら?」
「っ!??」
ちょっ!固法先輩直球すぎ!!
「関係ですか?関係って言われると………」
「「「「………ゴクッ………」」」」
「和真さんは私のお兄ちゃんですよ。」
「………………。」
「……あれ?どうかした………」
「「「「「えぇーーー!!???」」」」」
「お、お兄ちゃん!?」
「うん、そうだよ。まぁ血はつながってない、義理なんだけどね。」
「きょ、兄妹…………ですか。」
「でも、何でお兄ちゃんじゃなくて名前で呼んでるの?」
「和真さんに呼び方なんて何でもいいって言われたんです。」
「義兄妹って、楠木さんとはいつそういう関係になったんですの?」
「う~ん、結構最近だよ。ほんの二、三週間前だったかな?」
「な、なんで兄妹になったんですか?」
「………………。」
「……久我山さん?」
「………和真さんが信頼してるならいいかな、話しても。」
「???」
「私ね、どこにも身寄りがない…………所謂『
「「「「「!!!??」」」」」
「その上『原石』って呼ばれる存在でもあったの。だから色んな研究施設に送られて、
人体実験されて…………挙げ句の果てには人身売買までされそうだったの。」
「っ……………。」
「その頃になるともう心なんて無くなっちゃって。とにかく死ぬことしか考えてなかった。
こんな環境にいるより、死んだほうがマシだってずっと思ってた。」
「………………。」
「でも、そんな暗い世界に、あの人が来たの。いつものマイペースな感じで軽々と地獄を
砕いちゃったんだ。びっくりしたよ。急に現れて何もかも変えちゃうんだもん。
って、この話少し前にも鏡花さんにしたっけ?まぁとにかく、和真さんは
私にとって世界で一番大切な人なの。」
「「「「「………………。」」」」」
「………って、どしたの?皆黙って……」
「いや、その……何というか……」
「ごめんなさい、その、どう言葉をかければいいか分からなくて……」
「あぁ………あはは、大丈夫ですよ。前のことはもう気にしてないんで。」
「……お強いですわね。」
「そんなことないよ。今こうしていられるのは全部あの人のおかげだから。」
「………そうですか。」
「……あっ、そういえばまだあたし達自己紹介してなかったですよね!」
「…そうね。私は今朝電話でも言ったけど、固法美偉よ。」
「初春飾利です。」
「佐天涙子です!」
「白井黒子といいますの。」
「御坂美琴です。」
「御坂美琴……って、あの『
「は、はい。一応…………」
「ふ~ん………ということは、貴女がビリーちゃんだね?」
「なっ!?何を………」
「和真さんが言ってたよ?弄りがいのある奴がいるって。」
「あ、あの野郎…………」
「それに、一本芯が通ってて骨のある奴だって。」
「なっ……………何なのよアイツは。下げたり上げたり…………」
確かに………和真さんの言う通り、可愛い子だなぁ。見た目的にも
性格的にも。フフッ…………
「……どうしたんですか?」
「ううん、ただ可愛いなぁって思っただけ。」
「く、久我山さんまで…………」
「凛でいいよ。皆もそう呼んでね。」
「よろしくね、凛さん。」
「はい!………ところで、美琴ちゃんに黒子ちゃん。」
「は、はい(美琴ちゃんって言われたのママ以外初めて……)」
「何でしょうか?」
「その制服って、常盤台中学だよね?」
「そうですけど………」
「ということは、二人は私の後輩になるんだね。よろしくね!」
「えっ?後輩……?」
「と、いうことは………まさか…」
「そそ、私常盤台に編入するんだ~。」
「えぇー!!」
「そ、そうでしたの!?」
「ってことは、凛さんもあの花園へ………あぁ、何て羨ましい!!」
「あはは………」
ピー、ピー!!
「??」
「どうしたの?」
「ちょっと待ってください………えぇっと………!!第七学区の公園内
で女子生徒が襲われていると通報が!」
「!!現場に向かいますの。初春はバックアップを!!」
「黒子、私も……」
「いけませんわよお姉様!何度も申し上げておりますように、
『
「私も行くよ!」
「なっ!?凛さんも何をおっしゃって…………」
「同じ女の子として見過ごせないでしょ。行くよ美琴ちゃん!」
「は、はい!」
「ちょ、お二人共!!」
「ふふ………楽しい子ね。」
「全く!!」
視点:美琴
「ここの公園みたいだね。」
「そうですね………」
ったく、何でこの街はこういう男が減らないのかしら。
少しはアイツみたいな……………って、何考えてんのよ私は!!
「どうしたの美琴ちゃん?」
「えっ!?い、や、何でもないです!!」
「そう?じゃ手分けして探すよ。私はあっちに行くから、
美琴ちゃんは逆側をお願いね。」
「は、はい!」
はぁ…………にしても、アイツにあんな可愛い妹がいるなんてね。
妹…………か。ちょっと羨ましいかも。私に妹がいたらどんな感じなんだろ……
「きゃあぁ!!」
「!!見つけた!!凛さん、こっちに………」
「とりゃぁぁ!!」
ドスンッ!!
「ぐはぁぁあ!!?」
「飛び蹴り!?」
ドサッ!!
「な、何だコイツ!??」
「成敗だ!!」
ドカッバキッ!!
「ふぅ…………これでいいかな。」
「そ、そうですね…………」
ま、まぁアイツの妹なわけだし、これぐらい普通……なのかしら?
何か感覚がおかしくなってるような気もするけど……
「大丈夫?怪我はない?」
「は、はい!ありがとうございました!」
ビシュン!
「はぁ………初春、遅かったですの。」
『や、やっぱりですか………』
「お姉様、いつもいつも申し上げております様に…………」
「ち、違うわよ!これは凛さんが………」
ドクンッ!!!
「っ!!?」
「……どうしたの美琴ちゃん?」
「お姉様……?」
い、今のは…………
「大丈夫?顔色が悪いけど………」
「と、とにかく、ここから離れますわよお二人共。
ここは少々目立ちますわ。」
視点:凛
「視線を感じた?」
「うん………」
「まぁあれだけ人が集まってたら視線ぐらいあると思うよ。」
「い、いえ、そういうんじゃなくて…………
それにこういうの、今回が初めてじゃなくて…」
「お姉様、『
あの怪物を倒し、事件を解決したお姉様は今や時の人。
視線を感じてもおかしくありませんわ。」
「あれは秘密事項なんでしょ?ニュースでも流れてなかったし…………。ていうか、
何で私が解決したことになってんのよ?殆どアイツが解決したんじゃない。」
「そう言われてみれば、何故楠木さんは一切噂に出ていないのでしょうか……?」
「和真さんがどうかしたの?」
「いえ、楠木さんが解決した事件の噂で楠木さんではなくお姉様が解決したことに
なっているんですの。」
「あぁ、和真さんは目立つのとか避けるタイプの人だから、
情報を能力で操作して…………じゃなくて、情報を操作できる知り合いの人に
噂を書き換えてもらったんだと思うよ?」
ふぅ………和真さん確か表向きは『
「それと、人の噂を甘く見ちゃダメだよ?その噂を聞いて
美琴ちゃんに憧れた人もいるだろうし、事件を解決されたことで
恨む人もいるかもしれないよ?」
「でも、あれは………あの全身を電気が逆流するような視線は…………」
う~ん………美琴ちゃん、相当怖がってる。
和真さんに相談したほうが良いのかな…………いや、ここは……
「……とりあえず、もうこんな時間ですし今日は帰りますわよお姉様。
凛さんも、今日は本当にありがとうございましたの。」
「私も楽しかったよ。ありがとね!」
「それと………楠木さんに仕事をちゃんとやるようお伝えくださいな。」
「あはは……ちゃんと伝えるよ。」
「……………。」
「……ねぇ美琴ちゃん、明日時間ある?」
「え…………?」
「ただいまぁ~…………って、あれ?和真さんは?」
「おかえりなさい。楠木さんなら超帰ってきてないですよ。」
「えっ?」
「凛、何か連絡ないの?」
「無いけど………どうしたんだろう?」
「電話してみれば?」
「そうだね……。」
prrr………prrr…………
「………ダメ、出ないよ。」
「くすのき……大丈夫かな………」
「アイツのことだし、放っておいても大丈夫でしょ。」
「うん………」
和真さん……一体どこに………
「そ、そそそそれって、『誰かが見てる』、じゃないですかー!?」
「だ、誰かが見てる……?」
「今一番ホットな都市伝説ですよ!!」
「都市伝説?」
「突然背を射る謎の視線。振り向いても誰もいない………。それでも確実に
視線は近づいてくる………やがて視線に取り憑かれたひとは、
部屋から一歩も出れなくなる………」
「……ゴクッ………」
「ドアの向こうから、視線を感じるからです。でもある時、一人の
女の子が勇気を出してドアスコープを覗いてみたそうです。
そしたら…………ぎゃぁぁぁあ!!って!!………あれ?怖くないですか?」
「「怖くない!!」」
「も、もう…………佐天さんったら……またそんな都市伝説を……」
「えぇ~、でもさぁ………」
「きっとストレスの所為ですよ。ここの所忙しかったですから。」
「そうかなぁ………」
「確かに、疲れてると些細なことが気になったりしちゃうもんね。」
「う~ん…………あれ?初春さん端末動いてるよ。」
「えっ?…………あっ、本当だ!」
「すごいね美琴ちゃん。どうして分かったの?」
「私『
「そうなんだ。……………案外、その視線って電磁波だったりするのかもね。ほら、
人って常に微弱な電磁波を出してるって言うし。」
「まさか………(あれ、でも可能性としては低くないのかな?)」
「でも、もしそうだとしたら電気系の能力者は全員そうなっちゃうね。
……………あっ、そうだ。涙子ちゃん。」
「はい?」
「その『誰かが見てる』っていう都市伝説って、被害者がどういう人か分かる?」
「う~ん………そこまでは書いてないみたいですよ。直接その人に聞くしか………」
「そっか。じゃあ何とかしてその被害に遭った人を探すしかないか……」
「え、えっと、そこまでして頂かなくても。
もしかしたら私の考え過ぎかもしれないし……」
「う~ん……じゃあ少し様子を見ようか。何日か経っても収まらないなら
その時はちゃんと調べるよ!」
「は、はい!」
「り、凛さんって結構行動力があるんですね。」
「そうかな?まぁ行動力のある和真さんの近くにいるから
そうなってるのかも。」
「く、楠木さんに行動力があるとは思えませんの…………」
「………って、もうこんな時間!?早く夕飯の準備しないと!
じゃ、そういうことで数日様子見てね~!」
タタタッ………
「………不思議な人だなぁ、凛さんって。」
「すみません、突然呼び出して……」
「ううん、大丈夫だよ黒子ちゃん。それで?」
「実は、例の『誰かが見てる』という都市伝説なのですが、
あれにはかなりの数の被害者がいるようなんですの。」
「ということは、人為的なものってこと?」
「その可能性が高いです。まずは被害者の方々に話を聞いて
みた方が良いと思います。婚后さんが被害に遭ってしまった
らしいので、まずはそこからですね。」
「凛さん、それに初春と佐天さんも、このことはくれぐれも
お姉様には内密にお願いしますの。」
「えっ、どうしてですか?」
「お姉様のことですもの。どうせ一人で突っ走ってしまうに
違いありませんわ。」
「確かに……」
「犯人はわたくしが捕まえますの。お姉様の露払いとして……
お姉様に危害を加えるものは断じて許しませんの。」
「じゃ、黒子ちゃんをサポートするのが私達の役目だね。」
「えっ……?」
「当たり前だよ。ねっ、飾利ちゃん、涙子ちゃん?」
「はい!」
「もちろんですよ!白井さんと御坂さんの友人として、
全力でフォローしますよ!!」
「………ありがとうございますの。」
「さて、じゃあまずはその……婚后さん?に会いに行くのが最初かな?」
「ですわね。」
「でも、急に私達が捜査に動いてしまったら
御坂さんにバレちゃうんじゃ……」
「う~ん、そうだねぇ………」
「じゃあ、あたしが御坂さんと一緒にいますよ。
護衛も兼ねてってことで。」
「なら、わたくし達が話を聞きに行きますの。佐天さん、
お姉様のこと、頼みますわよ。」
「ラジャー!」
「それじゃ、作戦開始!!」
「「「はい!」」」
「ど、どどどどどうしてわたくしがあの掲示板に書き込み
してることがわ、解ったんですの!!??」
「な、何という調査能力………」
「さすが白井さん……」
「それはどうでもいいですわ。貴女が感じた視線がどういったものだったのか、
それを教えていただきたいんですの。」
「残念ながら、わたくしは当然被害になど遭ってはおりませんわ。」
「えっ?」
「ど、どういうことですか?」
「実は、その『誰かが見てる』の被害者というのは」
「わたくし達の水泳部の先輩なんです。」
「わたくしはただその方の励みになればとその掲示板を見てるであろう
犯人に対して警告を…………」
「では、貴女方もあの掲示板に書き込みを?」
「そういえば、励ましやお見舞いの言葉もありましたね。」
「って、ちょっと貴女方!人の話を聞いて………」
「その方に会わせていただけませんかしら?」
「あ、えっと………おそらく無理ですわ。その…全身を電気が
逆流するような視線が怖いとおっしゃって、部屋から出ること
ができないと………」
「お願いします!どうか一刻も早く犯人を…………。皆さん、自分が
都市伝説に翻弄されていると思い込んで
誰かに話すこともできず………」
「ねぇ、一ついいかな?」
「えっ?あ、はい………何でしょうか?」
「その被害に遭ったって子、どんな能力者なの?」
「えっと………確か発電系の能力だったと思います。」
「!!………もしかしたら、前に私が言ったことが
当たってるかもしれない。」
「……発電能力者特有の知覚。」
「ど、どういうことですか?」
「前に美琴ちゃんが飾利ちゃんの携帯端末が
動いてるのに気づいたでしょ?発電能力者って、普通の
人と違って無意識に磁場とか電磁波とかを感じちゃうの。」
「この事件の犯人は、その発電能力者の特殊知覚を逆手に
とったもの…………ですわよね?」
「その線が一番可能性が高そうだね。実際、美琴ちゃんと
常に一緒にいる黒子ちゃんがその視線を感じてないしね。」
「でも、そんなことを知っている学生がいるんでしょうか?」
「学生なら難しいかもね。でも、
その論文を出している学者なら話は変わってくる。」
「………まずはそこからですわね。」
「よしっ、じゃあ行こう!あっ、色々教えてくれてありがとね!」
「あ、あの!貴女様は一体………?」
「えっ?う~ん………あとちょっとしたら君達の先輩になる
人って言うのが妥当だと思うよ~!」
「は、はぁ………?」
「出ましたわね。」
「城南朝来。あの名門長点上機学園の能力開発者だったようです。」
「だった……?」
「理由は分かりませんが、長点上機学園を解雇されているようです。
今は『
「にしても、すごい論文だね。全然分かんないや。」
「これだけの情報量があれば、特殊な磁場や電磁波を生み出す
機械を作るのは容易ですわね。」
「ここ数日に幾つもの実験を行っているようです。
おそらく、『誰かが見てる』の被害者の方たちがこの実験に
使われていたんだと思います。」
「しかも、『
にするなんて、結構頭もいいねこの人。
ところで……何で実験の対象が名門校の生徒ばかりなんだろう?」
「おそらく、私怨ですわね。自分がエリート校の開発者であったにも
関わらず、理不尽な理由等で解雇させられた鬱憤ばらしと言った
ところですわね。」
ガチャ!!
「ふぅ……気持ちよかった。」
「あっ、おかえりなさい。」
「ただいま。あら、凛さん来てたのね。」
「お邪魔してま~す。」
「どうだったんですの?」
「御坂さん、一度は吹っ切れたように見えたんですけど、
帰ろうとした時にまた………」
「そうですの…………ですが、もうこれで終わりにしますわ。」
「えっ?」
「この事件の犯人が分かったの。その犯人が、最終的に
美琴ちゃんを狙ってるってことも。」
「それに、これだけ資料が集まれば『
捕まえることは出来ます!」
「なら、早速作戦を立てよう!」
これで美琴ちゃんの不安は解消できる!………でも、私自身の不安は
まだ解消できてない。何故か何日か和真さん帰ってきてもないし……はぁ…
視点:美琴
「……………。」
ここが佐天さんが言ってた場所か。確かに、ここなら通行止めのせいで
一本道になってる。いくら何でも私がフルスピードを出せば追いつけるはず。
「ふぅ…………よしっ!」
何が『誰かが見てる』よ。そんなの私が………
ドクンッ…………!!!
「っ!!?来た!」
バチチチッ!!
「さぁ、顔を見せてもらうわよ!!そして……っ!」
ガガガッ!!
「とうとう見つけた………って、あれ?」
「な、何なんだ君は?」
「あ、『
「一体こんなところで何してるの?能力まで使って。」
「あ、あぁ……いや……別に……」
な、何で『
「……正直に話すんだ。ここで何をしていた?」
「その……『誰かが見てる』っていう都市伝説の真相を暴こう
というか………何というか……」
「『誰かが見てる』?何だねそれは?」
「その根も葉もない都市伝説というのを信じて貴女はここに来たの?」
「えっと………」
ビシュン!!
「いいえ、都市伝説ではありませんの。」
「く、黒子!?何でここに……」
「『誰かが見てる』は都市伝説などではなく、人為的な
もの。れっきとした犯罪。………ですわよね、城南朝来さん?」
「っ!!??」
「ど、どういうことだ。知り合いか城南?」
「い、いえ………」
「お姉様に取り付いていた視線………その正体は、電磁波ですわ。」
「で、電磁波?」
「発電能力者の特殊知覚、それを逆手に取り対象者にとって
最も不快と感じる電磁波を作り出す装置を作った。その電磁波
を人の視線と錯覚させるほど……。」
「な、何なの貴女は!?一体何を根拠に……」
「『発電能力者の特殊知覚、その応用について』。研究者として貴女は
かなりの研究をされていたようですわね。」
「くっ………」
「それと………」
ビシュン!
「っ!?」
「この明らかに物騒なモノは一体何に使うものか説明して
いただけます?」
「お、おい城南、何なんだこれは………」
「ってことは、これまでの一連の騒動は全部………
アンタの仕業だったって事ね!!」
「何人もの学生で実験を繰り返し、本命である
お姉様に狙いを定めた………。ここは学園都市。
実験には事足りなかったでしょうね?」
「クソッ!!」
ヒュン!!
「!?まさか…………爆弾!?」
「そんなもの私が………」
バチチ!!
「……!!いけませんお姉様!!」
「えっ……?」
キィィィィィン!!!
「ガッ!!!」
「これは……スタン……グレネード……!!?」
『ど、どうしたんですか白井さん!!御坂さん!!』
「くっ……城南のスタングレネードで……目も耳も…
うまく使えませんの………。大至急城南の追跡を………」
『や、やってはみますが、ここからでは……』
『私が行くよ!!飾利ちゃん涙子ちゃんはサポートをお願い!!』
『『了解です!!』』
キィィン………
「くっ………」
情けない………私が一人で解決しようとして……黒子まで……
こんなんじゃ、いつまで経っても………
「アイツに……勝てっこないじゃない!!」
「お姉様…………??」
「ごめんね黒子……変に心配かけちゃったみたいで……」
「……お姉様………」
「それと……ありがとね、色々と………。初春さんや佐天さん、
固法先輩に………凛さんも。でも、もう大丈夫。
アイツは私が捕まえる!!」
「クソッ!!こんなに早く見つかるなんて………。
どうすればいい、どう逃げれば………!!あれは……」
ガチャ!!
「学生さん、犯人搜索のためにこのボート借ります!」
「えっ!?ちょ、困ります!」
「後で話はつけとくわ!早くロープを外して!!」
「わ、分かりました………」
「ありがとう!」
ガガガッ!!
「ふふふ………これなら一気に学区外へ行ける!!今回は
失敗したが、ほとぼりが冷めたら必ず…………」
『涙子ちゃん!場所は!!』
『はぁ……はぁ…近くの川、ボートに乗ってます!!』
『オッケー!』
「??何だ………」
ダンッ!!
「なっ!!?」
「ようやく追いついた!!」
「嘘でしょ!?ボートと並走なんて……」
「さぁ、さっさと降伏を!!」
「クソッ!!」
ギュイン!!
「嘘っ!方向転換!?凛さん!!」
「大丈夫だよ!お~い、城南さんとやら~!」
「??」
「そっちに行ってもいいけど、気をつけてね~!」
「何を言って………!『
ピィィィィン!!
「ちょ、待っ……」
ビュゴォォン!!!
「ふぅ………誰かに見られてたのは、アンタの方だったわね。」
「はぁ………はぁ……流石にボートは卑怯だっての………」
「お疲れ、涙子ちゃん。」
「本っっっっっ当に、ご迷惑かけました!!」
「別にいいよ。美琴ちゃんかなり苦しそうだったし、
そんな子を放っておけるわけないよ。」
「でも凄いですね!この事件の真相をすぐ解明しちゃうなんて!」
「あはは、そんなことないよ。」
「というか、あのボートに追いつくって……どんな能力なんですか?」
「えっと……確か『
和真さんが言うには、周囲の物質とかを様々なエネルギーに還元して
使う能力……って言ってた気がする。」
「聞いたことありませんわね………。」
「そういえば、凛さんは『原石』って言ってたわよね?」
「そうなんです。だから自分でもよく分からなくて……」
「はぁぁ……『原石』で、その上あの常盤台に編入なんて……
これがお嬢様かぁ………!!」
「初春、また違う世界行ってるよ。」
「ははは…………はぁ………」
「??どうしたんですか凛さん?」
「いや…………ここ数日和真さんが帰ってきてなくて……」
「えぇ!?だ、大丈夫なんですか!?」
「な、何かの事件に巻き込まれてるんじゃ………」
「ま、まさか、アイツに限ってそんな………」
「ですが、帰ってきてないということは、相応の何かが
楠さんの身に起きたということでは…?」
「ううん、美琴ちゃんの言う通り安否に関しては大丈夫だと思う。
でも、携帯も繋がらないし…………」
「凛さん………」
「……それに、自分の弱さも分かったんだ。」
「弱さ?」
「和真さんがいないことは多々あったんだけど、数日間いないっていうのは
初めてで………。しかも、その数日だけで心の底から不安になって……」
「………………。」
ガチャ!!
「っんぁ~。眠い………」
「な、あ、あ………」
「ようお前等、久しぶりだな。………って、凛?
何でお前ここに……「馬鹿ァァァ!!!」……!?」
ガバッ!!
「……どうしたんだ?」
「どうしたんだじゃないよ!!それはこっちのセリフ!!
今までどこ行ってたの!!何も言わず出てって、
携帯も繋がらないしどれだけ心配したか………」
「あー………そういや言うの忘れてたな。」
「何で自分から離れるなって言っておいて何も言わず
どっか行っちゃうの!!頭おかしいよ!!」
「そこまで言うか…………」
「言われて当然よ!!馬鹿!!」
「何故お前まで切れる………まぁ、今回に関しては
全面的に俺に非がある。済まなかった。」
「うっ……うっ……」
「……………。」
トンッ!
「ふぇ?」
「本当に済まなかった。お前の兄として………家族として、
やってはいけないことだった。もう二度と、何も言わず
お前の元からは離れない。」
「…………うん……ありがとう……」
「……………。」
「………シスコン?」
「おい誰だ、今とんでもない単語を言った奴は?」
「ふふっ、楠木くんの違う一面が見れて新鮮ね。」
「あんな事、よく言えましたわね。」
「わ、私は素敵だと思いますよ!」
「この野郎…………」
「……ところで、アンタ一体どこ行ってたのよ。」
「イギリスだ。」
「「「「「い、イギリス!!??」」」」」
「この前も行ったのに、何でまた?まさか、観光してる時に
顔色が変わったのが原因で………?」
「あぁ、実はな………」
「……ゴクッ……」
「…ゾルトに連れられて行ったスイーツパラダイス、そこにあった
いちご味の何かが忘れられなくてな。帰ってきた後もずっと
気になってたんだが………いてもたってもいられず旅立ったわけだ。」
ぽかーーん…………
「ゾルトに頼んだら毎月送ってもらえるようにしたから、
一安心ってわけだ。ふぅ、良かった良かっ………」
「良いわけあるかーーーー!!!」
ドスッ!!
「グハッ!!?」
「和真さんの馬鹿!!もう知らない!!」
バタンッ!!
「ぐっ……アイツ……的確に鳩尾殴りやがって……」
「自業自得よ。」
「っていうか、アンタイギリスに行ってたってどういうことよ?」
「どういうことって、そのままの意味だよ。」
「そうじゃなくて、どうやって行ったのってこと!!
学園都市からは普通許可がないと出れないじゃない。」
「だから、その許可を得て行ったんだよ。一回目はな。」
「そんな………学園都市の上役ならともかく、一学生が
そのような許可をもらうなんて有り得ませんの。」
「有り得たから、現に行けたんですの。」
「マネしないでくださいまし!!」
「何でイギリスに行ったんですか?」
「いやだからさっきも言ったが、気になる食べもんがあった
からいてもたってもいられずと。」
「でも、楠木さん二回行ったんですよね?一回目は
どういう理由だったんですか?」
「ん?………観光だ。」
「ますます許可が下りた理由が分からないですの。」
「まぁとにかく、明日からは『
少しやるから、今日はもう帰る。」
「少しなんですか!?」
「それに、これから帰ってアイツのケアをしなきゃならない。」
「アンタの所為でしょうが。」
「じゃあな…………っと、それから一つ。」
「??」
「これからも凛をよろしく。偶にアイツ、訳の解らない行動する
ことがあるからその時は止めてくれ。特にビリーと白井、お前等は
学校も一緒になるらしいから。」
「え?あ、うん………って、ビリー言うなってんでしょうが!!」
三ヶ月ほど前から遊戯王始めました。影霊衣組んだのにシュリットが制限喰らうという悲劇………彼岸を組もうと決意しました。