世界の引き金を引く者   作:曇天もよう

10 / 23
前回登場した忍田さんたちの説明をしていませんでした。今回します。申し訳ございません。

今回初登場のボーダー隊員たち

威圧感 城戸司令
座っているときの威圧感で原作作者にも認められた男。冷徹な判断も下すが、それはボーダー隊員たちのことを思ってのことだから実際はいい人なのだと思われる。目にある傷は何によりつけられたのか不明で不気味さも漂っている。

最強の虎 忍田さん
ボーダーの上層部の中ではかなり若めな虎。本編での仕事を見ていると、中間管理職感がハンパないので、ストレスにより頭の髪がサヨナラしてしまうかもしれないことが危険視されている。しかし、本人はあまり気にしていなそうなので天職なのかもしれない。沢村さんの気持ちには気づいてあげましょう。…いやまじで。

実はいい人 鬼怒田さん
強気な態度で最初はみんな印象があまり良くなかったであろう上層部の一人。しかしその人並外れた知識や、部下に対する優しさ、そしてその体型によりボーダーが誇る三大マスカットとなったため、厚い手のひら返しをされたであろう人物。実際に当作者もそうです。鬼怒田さんは実際の上司に欲しいです。

見た目通り 根付さん
修に対して否定的であり、会見でも出汁に使うなど、これまた印象があまり良くなかったであろう人物。だが、実際にしている仕事はとても大切なことであるため、とてもすごい人物であることに間違いない。

おい、俺とラグビーしろよ 唐沢さん
爽やかな上層部であり、ラグビー論を唱えるラグビー信者。ラグビーをすれば大抵のことはできると考えており、実際にスタンドプレーにより根付さんを翻弄することに成功。やはりラグビーは最強なのか?
唐沢さんは駆け引き上手で、この人が外務担当である限りボーダーは安泰だと思われる。

林藤さん
変人の集まりである玉狛支部のボスである変わり者。この世界では数少ないネイバー友好派であるため大事な人物。本編を見ていると玉狛第二の父親のように見えてくるのは作者だけだろうか?そして林藤さんの過去はどんな戦い方をしていたのかとても気になるところである。

残念エリート 迅さん
自称実力派エリート、無職、セクハラ常習犯と文面だけで見れば残念すぎるエリート。よく、沢村さんやくまにセクハラしているが、一度だけ那須さんに手を出したとき、天谷が修羅と化したのでそれ以来手を出さなくなった。エリートは天谷が怖いのだ。未来が見えるというのはとても辛いもので迅さんはどれほどの辛さを味わってきたのだろうかと思う。



迅悠一①

新型トリオン兵を撃破した天谷は、その状況を報告するために再びボーダー本部へと戻ってきていた。

時間は夕方を回り夜になってきていたため、ボーダー本部に現在いるのは比較的年の高い人たちが多くなっていた。

 

現在天谷は忍田本部長を訪ねて本部長室へと行ったのだが、会議に行ったと聞いたため、上層部の会議室を目指して長い廊下を歩いていた。

 

そちらから呼び出したのにいないなんて本部長も人使いが荒いなぁ…なんて考えながら歩いていると、周り角から見知った人物が歩いてきた。

 

「あら、天谷くんこんばんは…かしら?」

 

重そうなダンボールを両手使って持って、大変そうにしていたのは綾辻だった。重そうなダンボールを持っているところを見る限り上層部がこれから行うであろう会議で使う資料を運ばされているのだろう。

 

綾辻はただでさえ、学校の生徒会副会長、ボーダーの広報、防衛任務と大変なんだから断ればいいのに…と思いながらも綾辻の性格的に絶対に仕事をしてしまうんだろうと天谷は思う。

 

「天谷くんは何か用事があるの?」

 

「ああ、忍田本部長に呼び出されたのにいないから会議室に行こうとしてるんだ。綾辻もそうだろう?だったら俺がその重そうなダンボール持つよ。」

 

「そうなのよ、重くて大変だったから天谷くんが手伝ってくれるのがすごく助かるよ。」

 

綾辻は一旦天谷に荷物を渡すためダンボールを床に降ろす。降ろした後、天谷も荷物を保とうとするが、あまりのダンボールの重さに思わず驚く。

 

「おっ重!?よくここまで一人で運んできたな!?」

 

「そうなの、重くてすごい時間がかかってたからすごく助かったわ。」

 

天谷と綾辻は話しながら会議室に向かって歩いていく。

 

「期末試験の成績どうだった?」

 

「んー、国語と英語は良かったよ。どっちも学年1位が取れたよ。でもやっぱり理系の科目があんまり取れなかったよ。」

 

「綾辻は典型的な文系だしな。それにしても綾辻は副会長に広報なんてしてるのにいつ勉強してるんだ?」

 

「そうだね…夜に家に帰ってからやってるよ。正直眠たくて最近つらいよ…」

 

「そりゃあ、あんな生活続けてたら眠気がやばいでしょ?今日の仕事はまだ残ってるん?」

 

「あとは今日の新型に関する資料作りだね。藍ちゃんが今は作ってるから手直しして、資料を出したら今日は終わりだよ。」

 

やはり綾辻はそうとうブラックな仕事をしているようだ。政府は上層部は高校生にどれだけの仕事をさせてるんだか…林藤支部長なんか休みいっぱいとってんだから代わってあげろよ、と天谷は思った。

 

「それだったら後で俺がその資料は作っておくよ。俺もあの新型と交戦したからこの後で書類を作らないといけないから、木虎のもまとめとくよ。」

 

「えっ、でも天谷くんもしないといけないんだから、大変でしょう?いいよ、私がするから。」

 

「いや、マジで綾辻は休まないと体壊して倒れるぞ?俺は最近フリーな時間多いし、やっとくさ。今日くらい早めに帰って休んだかないと。」

 

天谷に言われて綾辻もようやく了承した。そのような話をしているうちに会議室の目の前までやってきていた。

 

「俺は今手が塞がってるから綾辻が扉開けてくれん?」

 

「分かったよ。あけるね。」

 

扉を開けた先は普段の外観が見えるような光景とは違って、遮光され暗くなっていた。その中に忍田本部長、城戸司令、唐沢さんなど、ボーダーの上層部と、城戸司令直属の部隊である三輪、おそらく今回の会議を開く発端になった三雲がそこにはいた。

 

「失礼します。頼まれていた書類を持ってきました。」

 

綾辻がここに入ってきたことを説明し、資料を上層部に渡す。天谷もダンボール降ろし書類を配る。配り終えたところで忍田本部長に話を聞こうとする。

 

「忍田さん、新型についての報告はどうすればいいですか?」

 

「ああ、この会議が終わった後でゆっくりと聞くとする。しばらく待っていてくれ。」

 

「天谷!お前の話はわしも聞くから帰らずに待ってるんだぞ!」

 

 

どうやら天谷はこれで残業コース行きが決まってしまったようだった。そのことに心の中で大きなため息をついていると、綾辻が後ろで励ましてくれた。

 

そのまま退席しようとしていたところで後ろの扉が大きく開き、後ろから少し男性にしては高めな声が室内に響き渡る。

 

「実力派エリート迅ただいま参上しました!」

 

誰もが突然現れた男に驚く。

 

迅悠一。ボーダー玉狛支部所属の隊員であるが、圧倒的センスでかつて太刀川と総合ランキング1位を争った男で、今でもボーダーのトップクラスのアタッカーでも敵わないと言われている。

 

そして彼の特徴といえば何よりも彼の持っているサイドエフェクトだ。彼のサイドエフェクトは未来が見える。なんでもかんでも未来が見えるというわけではなく、そのまま未来が起こる確率が高いものは何年も後のことを見ることができ、不確定なものは少し先しか見えないらしい。

 

天谷もサイドエフェクトを持っているため、その辛さなども分かるが、迅のそれは辛さのレベルも段違いであった。それは自分にとって辛い未来も見えてしまうからだ。見たくない未来さえも見てしまう、それがどれだけ辛いものなのか、それは他人には決して理解できるようなものではなかった。

 

 

「…迅か…よく来たな。天谷もこの会議に参加してくれ。綾辻は下がってもらえるか?」

 

「はい、分かりました。」

そういって綾辻は会議室を出ていった。出ていったのを確認して、忍田本部長は話す。

 

「それでは会議に戻るぞ。まずは三雲くんの処遇についてだ。」

 

忍田本部長は迅が来たことを労いつつも、天谷たちが来たことによって中断していた会議を再び始める。

 

「処遇?処遇も何も先ほど話した通りだ。クビだよクビ。自分が戦えるようになったからとこのように勝手な行動をする人がいては困る。」

 

「そうですよ。勝手な行動をされてはこっちも困るのです。」

 

鬼怒田開発室長と根付メディア対策室長は三雲の処分に関してクビでいいだろうと言っている。確かにそうだ。ボーダーの規則ではC級はボーダーの外でのトリガーの使用を禁止されている。

 

鬼怒田開発室長と根付メディア対策室長の発言を黙って聞いていた唐沢外務、営業部長は三雲に質問をする。

 

「正直に答えてくれ。君はこれから先に今日のようにネイバーに人が襲われたとしたら君ははどうする?」

 

三雲はしばらく考えるようなそぶりをする。しばらくの間沈黙が会議室の中にただよってから、三雲はその口を開く。

 

「僕は再びネイバーに人が襲われたいたならば、助けに行くと思います。困っている人を見過ごすことなんてできないです。」

 

三雲は正直に話す。普通ならかっこいいことを言っているのだが、この場では話が別だ。これは自らの命に関わる問題だ。ここでそのような発言をするのは間違っている。

 

実際天谷もそう思っていた。だが、馬鹿正直な三雲はそう言ってしまうだろうと思っていた。

天谷が上層部の様子を見ていると、鬼怒田開発室長や根付メディア対策室長も呆れ果てたような様子をしていた。城戸司令もその発言を受けて、『ボーダーには規則を守らない隊員はいらない』と言われてしまう始末であった。

 

 

四面楚歌な状態になった三雲に、一言援護しようとした天谷だったが、ここで迅が話す。

 

「ここで三雲くんを処分するのはもったいないよ。木虎ちゃんが書いた報告書でも彼の活躍によって街に被害が少なくすんだと書いてあるし、ほら、これこれ。根付さんこれ見てよ。」

 

そう言って迅はポケットからスマホを取り出して、とある映像を見せる。

その様子は、シェルターに避難をすることとなった人たちの話を写していた。避難をした人たちは、みんな『三雲によって助けてもらった、助かった』と言っており、三雲に対して文句を言っている人はいなかった。

 

「これをうまく使えば根付さんなら、上手く印象操作できるでしよ?」

 

「ああ、確かに…」

 

「それとこのメガネくんの処遇については俺に預けてもらえないですかね?このイレギュラー門の問題を解決するのにこの三雲くんが鍵を握っている。」

 

そのことを聞いて全員が驚く。ただでさえ手詰まりで困っている問題を迅は三雲を借りることだけで、解決できるというのだ。

 

「…彼が関わっているというのか?」

 

「はい、俺のサイドエフェクトがそういってます。」

 

その一言で城戸司令は迅の提案を受け入れ会議を終了させた。

みながそれぞれ話をしている中、天谷は忍田本部長の元へ行く。

 

「忍田さん、報告です。新型のネイバーは巨大な爆撃型のネイバーで、主に空中から爆撃をします。基本装甲は固く、孤月などでなんとか装甲を剥いでいけるという感じでした。そして、ある程度のダメージを負うと、人が最も多くいる場所目掛けて自爆特攻を行うタイプのようです。このとき、装甲が先ほどよりもかなり厚くなり、木虎曰く、スコーピオンですら全く装甲に傷が入らなくなるとのことです。」

 

「ああ、報告ありがとう。また、厄介なネイバーが現れたものだな…」

 

「はい、気をつけねば街に多くの被害が出ると考えられます。」

 

「分かった。対策は考えておこう。今日はもう帰ってもらって構わないぞ。」

 

「では失礼します。」

 

そういって帰ろうとした天谷だったが、鬼怒田開発室長に呼び止められる。

 

「まさか天谷?今から帰ろうとしていた訳じゃあるまいな?新型について教えてもらうと言っていただろう。付いて来い、色々と教えてもらおう。」

 

天谷は鬼怒田開発室長に捕まることなくそそくさとこの部屋を出ようとしていた。なぜなら、鬼怒田開発室長は新型が現れるとその特徴について細かく聞き、再現をしようとするからだ。今からしていると夜が明けそうな勢いだから天谷は逃げようとしていたのだった。

 

「今日は疲れてるから明日にしてもらえませんかね?」

 

「ダメだ。明日も学校は休みにしてやるから、今からするぞ。」

 

そう言って天谷は連れていかれてしまった。

後ほど、会った綾辻が聞いたところ、その再現が終わったのは翌日の朝方だったらしい。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。